労務管理の基本!法定三帳簿と手続きを解説!職場環境と注意点とは?

労務管理の基本!法定三帳簿と手続きを解説!職場環境と注意点とは?

記事更新日: 2021/08/06

執筆: 編集部

労務管理の基本は、法令の内容を正しく理解し、法令を遵守した上での管理体制を作ることです。

この記事では、労務管理で重要な法定三帳簿と雇用に関する手続きを解説します。

労務管理では個人情報の取扱やコンプライアンス重視など注意点が多くあります。

労務管理システムの導入を検討し、効率と法令順守を行いましょう

労務管理の基本

労務管理の基本は、法令を理解し、適正な手続き、管理をすることです。

労務管理をするためには、労働関係法令の内容を正しく理解する必要があり、また法令を遵守し、適切な管理体制を構築する必要があります。

労働関係の法令には、労働基準法をはじめとして、安全衛生法、健康保険法等の各種保険関係の法律、労働災害防止法、労働契約法等、様々な法令があります。

そのためには、労働関係に関する法令にはどのようなものがあり、適正な管理とは何か、どのような手続きが存在しているのかを正しく理解しておくことが大事です。

参考:やさしい労務管理の手引き

労務・人事・総務・勤怠管理の違いとは

労務管理と似たような仕事に、人事や総務、勤怠管理等がありますが、これらはどのように違うのでしょうか。

労務管理

一般的に労務管理といった場合、労働関係に関する各種法令に基づき、労働者の労働や勤務時間、手続き関係等を管理することをいいます。

ですので、労務管理は、法令に定められた内容に従って、業務をする必要があります。

労務管理に対して、人事や総務とは、それらも含めた上での、様々な会社内の仕事も加わっていることが多くあります

人事管理

人事は、組織体制の中での労働者の配置の問題や、給与額の問題、労務管理にプラスして会社内の体制の問題が加わってきます

会社内の体制は、法令に定められているものではありませんので、会社ごとに様々なやり方や方法があり、仕事内容や業務内容も会社ごとに異なってきます。

総務

総務にも労務管理が含まれていることもありますが、労務管理以外の会社内の一般的な事務関係の仕事が加わることもあります

総務も法令に基づいて規定されている仕事内容ではありませんので、会社ごとにその業務内容は異なります。

人事や総務に対し、労務管理と一般的に言う場合、労働関係の法令に遵守した管理をする必要がありますので、どのような会社でも似たような業務内容になります。

勤怠管理

勤怠管理も、労務管理と同じような意味合いで使われる場合がありますが、出勤や退勤等の労働時間を管理する出勤簿や賃金台帳の管理を指すこともあります。

出勤簿や賃金台帳も法令により、記載事項や様式が決められており、これらも労務管理の一部です。

勤怠管理は、労務管理の中に含まれています

法定三帳簿

法定三帳簿とは、法令により帳簿の作成、記載事項、保存期間が定められている3つの書類のことで、「法令により定められた3つの書類」として、法三帳簿と一般的には言われているものです。

法定三帳簿は、次の3つになります。

法定三帳簿
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿等


法定三帳簿は、労働者を雇用している場合は法令により作成が義務付けられていて、記載事項や様式、保存期間が定められています

各種帳簿の記載事項は、以下の通りです。

労働者名簿

  • 労働者指名
  • 生年月日
  • 履歴
  • 性別
  • 住所
  • 従事する業務の種類
  • 雇用年月日
  • 退職や死亡年月日、その理由や原因

賃金台帳

  • 労働者氏名
  • 性別
  • 賃金の計算期間
  • 労働日数
  • 労働時間数
  • 時間外労働時間数
  • 深夜労働時間数
  • 休日労働時間数
  • 基本給や手当等の種類と額
  • 控除項目と額

出勤簿等

  • 出勤簿やタイムレコーダー等の記録
  • 使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類
  • 残業命令書及びその報告書
  • 労働者が記録した労働時間報告書等


法定三帳簿の詳細はこちらの記事に掲載されています。

 

労務管理の書類と手続き

実際の労務管理で必要な書類と手続きにはどのようなものがあるのでしょうか。

雇用契約書・労働条件通知書

雇用契約書、労働条件通知書は、労働者を雇用する際に必要となる書類です。

雇用契約は、労働基準法が定めるラインを下回った条件で締結することはできません

労働基準法に定められた労働条件に関する基準は、強行法規ですので、必ず守らなければならず、この基準を下回った部分は無効となり、労働基準法が定めた基準が適用されることになります。

また、雇用契約の締結にあたっては、法令が定める重要な項目については、労働者に対して必ず書面を交付する義務があります。

雇用契約書と労働条件通知書の詳細はこちらの記事に掲載されています。

 

就業規則

就業規則は、職場においての規律や共通の労働条件を定めたものになります。

常時10人以上の労働者を使用する事業場は、必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません

就業規則では、法令により必ず記載しなければいけない事項(法定記載事項)と任意記載する事項(任意記載事項)があります。

また、就業規則の内容も法令や労働協約に違反することはできません。

安全衛生・健康管理

安全衛生法では、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医の選任を、職場の規模、業種ごとに定めて、義務付けています

労働者の人数がある程度以上に増えてきた場合は、安全衛生法に基づき管理者を選任し、安全衛生管理体制を構築する必要があります。

また、管理者や産業医の選任は、労働基準監督署へ報告する義務がありますので、この点も注意が必要です。

労務管理の雇用・退職手続き

社会保険・労働保険の加入手続き

労働者を雇用した場合、各種社会保険の手続き、労働保険の加入手続きが必要です。

社会保険

社会保険は、健康保険と厚生年金保険からなります。

社会保険の加入は、法人の場合は必ず加入しなければなりません

個人自営業の場合は、常時5人以上の労働者を使用する事業所が適用対象となるのですが、業種によっては、適用事業所とならない場合もありますので、注意が必要です。

労働保険

労働保険は、雇用保険と労災保険とからなります。

労働保険は、適用事業所で働くすべての労働者が原則として対象となります。

法人、個人自営業を問わず、労働者を1人でも雇用する事業所は、すべて適用事業所となります。

退職・解雇の手続き

退職と解雇の違い

退職は、労働者からの申出によって労働契約を終了することをいいます。

解雇は、雇用者から一方的に労働契約を終了するです。

ただし、解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合でなければ、労働者を解雇することはできません

退職の意志の効力

労働者からの意思表示による退職の場合、退職の意思表示から2週間で効力を生じることになっています。

多くの職場では、就業規則で「労働者が自己の都合により退職しようとするときには、少なくとも14日前までに申し出なければならない」と定めていることが多くあるようです。

休職・異動手続き

就業規則で、休職や異動の手続きが定められている場合は、就業規則に則り手続きをする必要があります。

就業規則に定められていない場合は、会社と労働者との話し合いにより内容を決定します。

妊娠、出産、産休産後の休業や介護による休業の場合は、育児・介護休業法に基づき取得する必要があります。

育児・介護休業等を申し出たことや、取得したことによる解雇は明確に禁止されています。

労務管理の職場環境の整備

労務管理には、従業員の職場整備を行う事も含まれています。

労働時間の管理

労働者の労働時間は、徹底管理する必要があります

現在の法律では、労働者の残業時間は上限が定められていますので、これを超過して残業をさせることはできません。

労働時間は、基本給の他、時間外労働、深夜労働時間、休日労働時間等に応じて、法令に基づいた計算方法によって賃金を計算する必要があります。

休憩時間の取得や休日の取得、年次有給休暇の取得も適切に管理する必要があります。

労働時間や労働日数等を適切に把握し管理することで、法令を遵守した形で労務管理になります

従業員の健康管理

従業員の安全衛生や健康管理も会社が講ずべき措置となっています。

事業者は、健康診断を必ず実施する義務があります。

また、安全衛生管理体制の構築や総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医の選任も、事業所の規模や業種ごとによって定められています。

安全衛生管理体制を構築することで、快適な職場が形成できることとなります。

ハラスメント対策

会社のリスクマネジメントの観点からも、職場内のハラスメント対策を構築していくことは重要な施作となっています。

職場内のハラスメントには、大きく分けて、パワーハラスメントセクシャルハラスメントの2つがあります。

パワーハラスメント

職場のパワーハラスメントは、典型的な事例として次の6つの類型があります。

職場のパワーハラスメントの6例
  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害


また、職場のパワーハラスメント対策として、予防・解決するためには次の7つの取り組みが有効だとされています。

職場のパワーハラスメント対策:7つの取り組み
  • 企業トップからのメッセージの発信
  • 社内ルールの作成
  • 従業員アンケート等による実態把握
  • 研修の実施
  • 会社の方針の社内周知
  • 相談窓口の設置
  • 再発防止の取組

 

セクシャルハラスメント

職場のセクシャルハラスメントには、次のようなものが該当します。

職場のセクシャルハラスメント
  • 性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(対価型セクシャルハラスメント)
  • 性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの(環境型セクシャルハラスメント)


職場のセクシャルハラスメントを防止するための措置を講じることは、男女雇用機会均等法により定められた義務です。

労務管理の注意点

労務管理では、徹底すべき観点が2つあります。

法令順守の徹底

労務管理は、法令に記載された管理事項が基本となります。

法令に定められていますので、記載事項が定められている場合があり、様式が決まっていたりします。

労務管理に関する書類は保存期間も法令で定められています。

各種官公庁への届出や、報告、申請が必要な書類も厳密に決められています。

法令で義務付けられているものですので、怠った場合、罰則規定もあります。

労務管理を担当する場合は、常に現行の法律と法改正を意識しましょう。

情報管理の徹底

労務管理で管理する機密情報は、各種労働者の労働条件から、労働日数、労働時間、出勤時間、退勤時間から、基本給等の賃金、年次有給休暇の取得等、多岐にわたります。

労務管理で使用する帳簿類は、保存期間も定められているものが多く、使用が終わったからといって、簡単に破棄できるようなものではありません。

労務管理では、膨大な情報をいかに管理すべきかというもの重要な視点となります。

これなら失敗しない!おすすめ労務管理システム4選

1. シェアNo.1の人事労務ソフト!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

「SmartHR(スマートエイチアール)」は2万社以上の導入実績を誇る労務管理システムです。

最大の特徴は質問に答えるだけで重要書類が作成できる簡単さです。Web上で書類作成や管理が行われるため、紙もハンコも使う必要がありません。

e-Gov APIと連携しているため、役所やハローワークへの書類提出もWEB上からできます。

実際にSmartHRを導入した企業では、「2人で1,700人分の給与計算が可能になった」「社員の60%の生産性が向上した」などの実績も出ています。

従業員情報を一元管理するクラウド人事労務ソフトなので、社労士がいなかったり従業員が多い企業には特におすすめです。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • Web上で給与明細、年末調整など自動で作成
  • 入退社・社会保険・雇用保険などの手続きや管理が可能

料金プラン

プラン 月額費用 機能 従業員数
¥0プラン 0円 一部利用できない機能あり 30名まで
スモールプラン お問合せ 労務手続きや情報管理の効率化
(小規模の企業向け)
50名以下
スタンダードプラン お問合せ 人事・労務の効率化と従業員情報の一元管理(あらゆる規模の企業に対応) 50名以上


どのプランでも初期費用はかかりません。

 

2. 119種類もの帳票に対応!『オフィスステーション』


画像出典元:「オフィスステーション」公式HP

特徴

「オフィスステーション」はプロも納得できる数の119帳票に対応しています。帳票のPDFがあるのはもちろん、そのまま電子申請ができる種類もあります。

業界最安値の料金に加え、誰でも使えるシンプルな操作性であるため初心者にもうってつけの労務管理システムです。

また、オフィスステーションシリーズは使う機能や必要な機能だけを選ぶ事ができる「アラカルト型(バラ売り)」のソフトウェアなため、無駄な出費を抑え、低額で利用することができるのも大きな特徴です。

料金プラン

オフィスステーションは利用人数によって変動する料金体系をとっています。

労務管理機能のみであれば、従業員1人あたり 440 円で利用可能。

従業員100名で労務・年末調整・給与明細・有給管理・マイナンバーの全てのオプションをつけた場合でも、1人あたり月額743円で利用することが可能です。

従業員数 年間利用料 従業員1人あたり月額
100人 891,000円 743円

 

 

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オフィスステーションの評判・口コミ・特徴・料金・価格を徹底解説!

この記事ではオフィスステーションの評判や口コミ・特徴・料金や価格などをご紹介していきます!

 

3. 新しく組織人事を練りたい方におすすめ!『sai*reco』


画像出典元:「sai*reco」公式HP

特徴

sai*reco(サイレコ)では、自社の業績好調時の組織体制や状態を振り返って現在の組織戦略にも役立てることができます。

「人材に対する投資の質を高めたい」「ルーチンワークに追われてしまう」という方にはうってつけのシステムです。労務管理の業務の中でも人事面に特化したシステムです。

社内申請・情報更新・給与明細などの定型業務の自動化はもちろん、異動・組織シュミレーションなどのタレントマネジメント機能も備わっています。

初期費用がやや高めではありますが、月額費用は100人より多い会社でも1人あたり180円で利用可能です。

料金プラン

システム導入費 システム利用料(月額) システムメンテナンス費
400,000円(初回のみ) 一律18,000円/100人以下
(100人超過は月180円/1ユーザー)
1,000円/月

 

sai*recoの資料を無料ダウンロード

 

実際に使った人の評判・口コミ

 

人事・管理職の人事評価業務負担を減らすために導入しました。導入前はエクセルで管理していたのですが、過去資料の管理が杜撰になっていました。導入後は過去の評価内容の管理も容易となり、電子上で評価シートのやりとりが行えるようになりました。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

月額は安いのですが、初期費用は他社と比べて高い点が導入時のハードルになりました。会社規模がまだ大きくないため、人員配置等のツールを活用しきれていません。人員配置の適正化を考えるレベルに達していないベンチャー企業にも対応した機能があればありがたいです。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

 

4. 労務管理システム初心者なら絶対!『ジョブカン労務管理』


画像出典元:「ジョブカン労務管理」公式HP

特徴

「ジョブカン労務管理」は、初めて労務管理システムを利用するという方に絶対的におすすめしたいシステムです。

導入実績はシリーズ累計で70,000社以上とかなり多くの会社で使われてて、とにかく使いやすく労務業務に不慣れな人でも書類作成から申請まで簡単に行うことができます。

たった1分で無料アカウントが発行できて、即日簡単に始められるという導入ハードルの低さも初心者にお勧めしたい理由です。

帳票は自動的に作成され、ボタンひとつで主要な社会保険・労働保険の書類を提出することができるため、役所まで足を運ぶ必要もありません。

「システム導入の際の初期設定が面倒だ」という方でも、初期設定を代行してくれるオプションプランもあるので安心です。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • あらゆる手続きの自動化
  • TODOリストによる進捗管理等、各種機能で業務効率化をサポート

料金プラン

プラン サポート&初期費用 月額費用 従業員数
無料プラン 0円 0円/ユーザー 5名まで
有料プラン 0円 400円/ユーザー 無制限

 

 

 

まとめ

労務管理の基本について解説してきました。

労務管理は労働に関する情報管理と従業員が働くために必要な環境整備を行う事です。

手続きといった作業から相談窓口まで、管理すべき事柄が多岐にわたります。

働き方が多様化していている事や大企業では手作業で管理する事は難しくなっています。

労務管理システムを活用しながら、適切な労務管理が出来る体制を整える事も重要です。


画像出典元:pixabay

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