web会議を導入する際、まず、どんなweb会議システムを導入すればいいのか悩む担当者も多いのではないでしょうか?
web会議と一口に言っても、実際に調べてみると、さまざまなツールやいろいろな提供事業者がいます。
ツールだけで見てもASP(クラウド)型と呼ばれるものとサーバー(SI)型と呼ばれるものがあり、選定するだけでも一苦労です。
そこで今回はweb会議にテーマを絞り、なかでも最近注目されているASP(クラウド)型と呼ばれるweb会議システムに焦点を当ててご紹介します。
web会議システムのASP(クラウド)型とは何か。また、サーバー(SI)型との特徴の違い、ASP型・サーバー型それぞれのメリットとデメリット、そしておすすめのweb会議システムについてまとめています。
これからweb会議システムを導入予定の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
リモートワークや遠方へ外出することを避けるようになったコロナ禍で、web会議の自社導入を検討しているところも多いのではないでしょうか。
ここでは、web会議システムの中でもASP(クラウド)型と呼ばれているものの特徴についてご紹介します。
そもそもASPとは、Application Service Providerの頭文字を取ったもので、別名「クラウド型」とも呼ばれています。
クラウド型と呼ばれる理由は、サービス事業者(=サービスプロバイダー)が抱えるサーバー内アプリケーションを、ユーザーがインターネットを介して直接利用するweb会議システムサービスだからです。
自社のサーバーにweb会議システムを導入する必要がなく、サービス事業者にログインするか利用料を支払えば、すぐにでも使用開始することが可能です。
ASP型のweb会議システムには、次のものがあります。
ASP型の特徴は、web会議システムを導入する際に専用機材などの設備導入がなく、インターネットとパソコンのみですぐにweb会議を実施できる点です。
一方で、サーバー(SI)型のweb会議システムは、自社サーバーにweb会議システムを設定する必要があり、設備が整うまではweb会議を実施することができません。
企業がASP(クラウド)型のweb会議システムを導入するうえでのメリットとデメリットについて、見ていきましょう。
インターネットを介して利用するASP型のweb会議システムは、自社設備にweb会議システムをはじめとした必要設備を用意する必要がありません。
そのため、設備導入にかかる負担をかなり軽減することが可能です。
運用に関しても、コスト削減が可能です。
ASP(クラウド)型の場合、クライアント機器(パソコンやモバイル機器)にアプリケーションをインストールしたり、管理したりしなくてもいいため、運用管理者を据え置く必要がないのです。
そのほかにも、自社でアプリケーションや機器管理する代わりにサービス事業者がアプリケーションのバージョンアップやセキュリティ強化などを行ってくれます。
自社でメンテナンスの必要性がない点もASP(クラウド)型のメリットといえます。
ASP(クラウド)型はインターネット回線を通じてサービス事業者から提供されるサービスを利用します。
インターネット回線がつながっている機器であれば、パソコンのほかスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器からでも利用できるシステムが多いというメリットもあります。そのため、外出中でもweb会議に参加することも可能です。
一方で、web会議システムのサービスに対して利用者が集中した場合、接続が不安定になったり、通信速度が落ちたりすることもあります。
また、サービス事業者側でサービスに不具合が生じた場合は、一時的にでもweb会議システムが使用できなくなるリスクもあります。
Web会議での音声や映像データを録音・録画した場合、そのデータはサービス事業者のサーバー内に保管されます。
データはダウンロードすることができますが、元データは社外で保管されることになるため、サービス利用時にはその点も考慮しておく必要があります。
導入にあたっては、カメラやマイクといった設備費が必要になるくらいで、サービスそのものの導入にかかる費用は無料です。
ただし、サービスへの利用料が毎月あるいは毎年発生しますので、web会議システムの使用を続ける間は利用料を支払い続けなければなりません。
たいていのweb会議システムでは、web会議に参加する人数やオプション機能の範囲によって利用料の価格が段階的に設けられています。
プランの切り替えもすぐに行えますので、用途に合わせてコストを抑えることも可能です。
会計処理の面でいえば、ASP(クラウド)型は利用料を経費として処理することになります。月額使用料として支払う場合は、毎月の経費として計上します。
経費処理できるのは、会社にとっても大きなメリットだといえるのではないでしょうか。
ASP(クラウド)型の対極に当たるサーバー(SI)型では、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
導入にあたっては、自社サーバーにweb会議システムを構築しなければなりません。
導入の際にはサーバーの準備、ネットワーク環境の構築、アプリケーションのインストールおよび設定、使用する端末の利用設定など環境を構築してから運用開始することになります。
もしも、サーバーの性能が不足している場合は、サーバー機能の強化もあわせて行う必要があります。
ASP(クラウド)型と比較すると、サーバー(SI)型のほうが作業負荷が高くなりがちです。
サーバー(SI)型web会議システムを導入すると、自社サーバー内にインストールして利用するために社内で運用管理やメンテナンスをしなくてはなりません。
専任の担当者がいない場合は、担当者育成も必要です。
メンテナンスについても、自社内で保守を行いますから、ASP(クラウド)型と比べて常に最新バージョンのアプリケーションを使用することが難しくなります。
しかし、セキュリティの面で見れば、web会議で収集したデータやクライアント情報はすべて社内で管理できるようになるため、社外への情報漏洩リスクを軽減できるメリットもあります。
サーバー(SI)型は、自社のネットワーク内でweb会議システムを使用しますから、社外から接続回線を経由しての干渉を受けにくくなります。
一般的にサーバー(SI)型web会議システムを導入する場合には、ネットワーク回線にはVPN(Virtual Private Network=仮想専用線)かVPN以外の回線(インターネット回線)が用いられます。
VPNは、インターネット空間の中に仮想のトンネルを作り、その中に専用回線を引くイメージです。トンネルが鎧のような枠割を果たし、外部からの攻撃を防いでくれるのです。
こうしたVPNには、インターネットVPNやIP-VPNなどさまざまなものがあります。
自社のweb会議システムの用途に合わせて最適なVPNを構築することにより、ネットワーク性とセキュリティ強度を高めることが可能です。
一方で、web会議システムの運用だけでなく、ネットワーク管理にも人員やコストを割り振る必要が出てきます。
これまで列挙したサーバー(SI)型web会議システムのメリットを最大限生かすには、そなりの費用もかかります。
導入面では、アプリケーションの購入費、ネットワーク構築コスト、サーバーなどの必要資材の購入費などが必要です。
運用が始まれば、アプリケーションの毎月の利用料がいらない反面、運用管理や保守などに携わる自社人員の人件費、もしくは外部委託業者への経費がかかります。
自社にweb会議システムを導入する場合は、予算、web会議の規模、頻度、参加方法、参加拠点などいろいろな視点から検討するのが、失敗を防ぐためのポイントです。
サービス事業者によって提供されるサービスが異なります。
圧倒的なシェアを誇るZoomは音声・画質ともに評価が高く、バーチャル背景も人気ですが、セキュリティの脆弱性が報道されてからは社内での使用を取りやめた企業が多いようです。
現在はセキュリティを重視する企業が増え、セキュリティに力を入れている国産のWeb会議システム Calling・Lite FreshVoiceに注目が集まっています。
Office 365を利用している企業ではコスト面・導入面のメリットが大きいMicrosoft Teamsが人気。
Googleカレンダーとの連携が便利なGoogle Meetも利用者が増えてきています。
Callingの最大の特徴は、Web会議をスムーズに進めるための機能が満載であること。
画面共有やホワイトボード機能はもちろん、資料共有やトークスクリプト機能も備わっています。
会議中のメモや共有した資料を集約して、簡単に議事録として保存できます。
また、会議の主催者は会議終了後に参加者にアンケートを実施可能。参加者の疑問点や考えを個別に確認でき、フィードバックとしても活用できます。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
20万円 | 1,500円 / 1ID | 7日間 |
1プライスで分かりやすいことがメリットです。
これまでは営業個々人がGoogleのハングアウトやSkypeなどの無料ツールを使っていましたが、お客様側にアカウント登録やソフトインストールをお願いする必要があり、不便に感じていました。そのためアカウントの発行やソフトのインストールが必要なく、お客様に手間をかけないCallingの全社導入が決まりました。
(ITマーケティング:従業員500人以下)
CallingはURLをクリックするだけですぐに接続できるので、操作が苦手な人も馴染みやすいと感じました。思っていた以上にスムーズにコミュニケーションが取れるので、社内コミュニケーションの強化にも利用したいと考えています。
(医療業界:従業員約1,000人)
画像引用元:「Lite FreshVoice」公式HP
Lite FreshVoiceは、これといったデメリットが見当たらない優等生です。web会議を考えているなら絶対に検討して欲しいツールです。
会議を実施するにあたってアカウントやアプリは一切不要。この手軽さが圧倒的に支持されています。
スマホやパソコン、タブレット等どんな端末でもOK。URLを共有するだけですぐに最大5拠点でのweb会議をスタートできます。
また、日本で初めて1,000万円までのセキュリティ保証つき。安心して利用できますよ。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
10万円(11月末までは0円) | 15,000円 / 1ID | 14日間 |
1つのIDにつき、1000個までURLを追加登録可能。
1つのURLにつき同時に5人まで参加できます。
インストール作業や面倒な設定が不要で、会議用のURLさえ発行すれば参加する社員はログインも必要ない。操作も非常にわかりやすく、呼び出したい人とすぐに通話ができる利便性を評価しました。
(工事業者:従業員200人以下)
画像出典元:「Google Meet」公式HP
2020年4月Google Meet(旧:Hangouts Meet)の機能が刷新。
これまでは、G Suiteユーザーしか会議を主催できませんでしたが、Googleのアカウントがあれば誰でも無料で会議を開けるようになりました。
会議の参加可能人数は、無料プラン100名、Google Workspace Essentialsプランが150名まで、Enterpriseが250名までとなっています。
セキュリティはインターネット技術特別調査委員会(IETF)のセキュリティ標準に準拠しており、すべてのデータが暗号化されます。
とにかく費用をかけたくない企業におすすめです。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
0円 | 0円~ | 2021年3月末まで無料使い放題 |
有料プランは8米ドル~ / 1ユーザーで、会議時間の制限なく利用できます。
会社のスタッフ同士で会議やミーティング用に使っています。会社でGoogleアカウントを作っていると、ミーティングの予定をカレンダーに入れるだけで自動ですぐリンクが生成されるので、会議に入るときにリンクを送る手間が無く楽です。
(エンタメ関連:従業員約1,400人)
カレンダーで会議のIDを発行できるし、リンク共有のみで誰でも会議に入れるという手軽さが魅力。zoomだと画面共有しにくいですが、共有したいタブのみ共有できるのも良いです。zoomやチームズは音質が悪いですが、ミートは良い印象です。
(IT関連:従業員約1,000人)
Cisco Webex MeetingsはPCやスマートデバイス、ビデオ会議の専用機器からも参加可能なクラウドベースのオンライン会議システムです。
1会議あたり最大200名まで参加可能で、録画や画面共有・ブレイクアウト(会議中に数人ごとに区切って行う会議)など、オンライン会議に必要な機能を提供しています。
高度なセキュリティ機能としてエンドツーエンドの暗号化に対応している他、画質・安定性にも定評があり、世界中で1億人以上に使われています。
運営会社のシスコシステムズは、ネットワーク機器をはじめセキュリティやサーバーなど様々なサービス・ソリューションを開発している信頼度の高い企業です。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
10万円(11月末までは0円) | 0円~ | 無料プランあり |
無料プランでも、1つの会議に100名まで参加可能。ブラウザ版とデスクトップアプリ版が用意されています。
有料プランは1,490円~ / 1ホストです。
およそ1万人で使用しています。WEB会議ツールが色々ある中で、若干シェアが少ない。そのため、社外の方との打ち合わせでWebexを使う際は、1から導入手順を説明しないといけないので、その点はとても不満です。
(IT関連:従業員約1,000人)
グループ全体で60拠点以上ある弊社では、担当者会議から役員会議まで幅広く電話会議やWeb会議を活用しています。電話会議・Web会議とも端末側に特別な設定が不要なため、社内だけでなく国内外のサプライヤ様やパートナー様との打合せでも活用しています。
(食品メーカー:従業員約3,000人)
画像引用元:「Zoom」公式HP
Zoomの最大の魅力は、無料版でも最大100人で会議ができること。
ただ、ゲスト側はアプリのダウンロードが必要のため、ひと手間かかるシステムです。
動画・音声の保存が簡単にできたり、参加者をグループごとに分けたりという独自の機能があります。
会議中に自分の画像の背景を変えられる点も人気の理由です。
台湾政府をはじめ、セキュリティ上の懸念が指摘された「Zoom」は2020年4月8日に、セキュリティ強化の機能を追加した、最新版を公開しました。
ビジネスで活用する際には、セキュリティ面は何よりも重視すべきポイントです。機密情報を扱う企業にはやはり有料のWeb会議システムをおすすめします。
※Zoomのセキュリティに関する日経記事
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
0円 | 0円~ | 無料プランあり |
有料プランは、2,000円~ / 1ホストで、グループミーティングを無制限に利用できます。
体感ですが、Skypeよりzoomの方が画質がいいです。また、音もクリアに聞こえます。こちらのツールは社内外で使用していますが、社内だと、説明会・部内での打ち合わせに利用しています。コロナ禍では、新卒採用をウェビナーで行ったり、web面接にも利用できたりと、汎用性が高いと思います。
(IT関連:従業員約200人)
Skypeを使用していたがZoomに切り替えました。Skypeは通信遮断が多くて使いにくかったです。Zoomの方が新規のクライアントと接続しやすかったです。
(IT関連:従業員約50人)
zoomはホストになる時に手間になるので、Googleミートの方が好きです。zoomは100人超える会議の時に利用しています。
(コンサル:従業員約400人)
画像出典元:「MicrosoftTeams」公式HP
Microsoft Teamsは、225の国と地域で活用できるため、国内外で頻繁にコミュニケーションをとっている企業におすすめです。
これまで使用してきたWordやExcelなどのMicrosoft製品の使い勝手をそのままに、あらゆる場所からのオンライン会議をサポートしてくれる非常に強力なシステムです。
使用できるデバイスもWindows・Mac・iPhone・Androidと幅広いので、様々な場面で活用できるでしょう。
Microsoft社の強固なセキュリティは、大企業をはじめ世界中の教育機関でも信頼されています。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
0円 | 0円~ | 無料プランあり |
有料プランは、540円~ / 1ユーザーで、会議のレコーディングが可能になります。
画質が良く、何十人が同時に接続しても特に問題ないです。以前zoom、スカイプ、ライフサイズを使用していましたが、結局チームスに落ち着きました。
(メーカー:従業員約1万人)
現在は、ほぼ毎回、Microsoft TeamsでWeb会議を行っています。シンガポール・マレーシア・ベトナムとWeb会議をすることもありますが、通話も比較的綺麗で、落ちないし、音声の遅延も感じません。
(Sler関連:従業員約500人)
Web会議システムには、ASP(クラウド)型とサーバー(SI)型があります。
導入コストの安さや運用コストの軽減を図るなら、ASP(クラウド)型がおすすめです。一方、サービスの安定性やセキュリティの安全性を優先的に考えるならば、サーバー(SI)型がおすすめです。
ASP(クラウド)型とサーバー(SI)型にはそれぞれ長所と短所がありますから、自社に合ったweb会議システムはどちらなのか。かけられるコスト予算、運用期間などを考慮して選ぶようにしましょう。
画像出典元:Pixabay、Unsplash
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