リモートワーク導入によって会議の形も変わり、インターネットを経由して行われるZOOMやSkypeを使ったweb会議が多くの企業で実施されるようになってきています。
それに伴って、どうすれば快適なweb会議が行えるか、対面で行っていた時と大差なく実施するためにはどうすればいいかといった新たな課題も持ち上がってきています。
今回は、web会議において音声に焦点を当てて、内蔵マイクがweb会議に向かない理由やコンデンサーマイクを購入する際のチェックポイント、選び方について解説します。あわせて、web会議におすすめのコンデンサーマイクを5つご紹介します。
これから新たにweb会議を導入される方は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
Web会議では、モニターとスピーカーを通して画面の向こうにいる相手とコミュニケーションを取ります。
通信や音声などにトラブルがあると、web会議の意味をなさなくなってしまうため、事前に問題となりうる種を排除するのが得策です。
円滑なコミュニケーションが重要なWeb会議において、コミュニケーションを阻害する要因には、次のようなものがあります。
なかでも、コミュニケーションの肝ともいえる音声がクリアに届かない場合、聞き間違いや聞き漏れなどが起こり、その後の進行に支障をきたす原因にもなりかねません。
Web会議では、遠隔地からお互いにコミュニケーションを図るため、自分の声が相手にどのように届いているのかはわかりにくいものです。
内臓マイクがweb会議での使用に適さないのにも、ここに理由があります。
マイクには、単一指向性と全指向性(あるいは無指向性ともいう)の2種類があります。パソコンに搭載されているマイクは、全指向性タイプです。
単一指向性マイクの特徴は、一方向からの音声収集。一方、全指向性マイクはの特徴は、全方位から届く音声を収集するというものです。
よって、全指向性の内蔵マイクでは、マイクに届く全ての音を拾ってしまうために、人の声以外の音までも相手に伝わりやすくなります。また、マイク自体がパソコン内部に設置されていて独立していないため、音を拾える範囲が狭いという特徴があります。
つまり、内蔵マイクでは、会議の席でマイクから離れた位置に座った場合、音声が拾えたり拾えなかったりするトラブルや、環境音によるノイズ発生が起こりやすいのです。
そのほかにも、パソコン内蔵のマイクは、集めた音声を電気信号に変えて送信する際、タイムラグが生じやすいため、相手に届く音声に遅延が発生することもあります。
会議に参加する人数が多くなるほど、こうした問題が起こりやすくなります。
カメラやヘッドセットについては下記記事を参考にしてください。
外付けマイクの場合、マイクをパソコンに接続して使う必要があります。そこで、ここではマイクを購入する際に事前に確かめておきたいポイントをご紹介します。
マイクを購入する際には、次のポイントについて事前に確認をしておきましょう。
会議に参加する人数によって、マイクの性能がやや変わります。
人数が多くなるほど、全指向性マイクのほうがよく音をとらえてくれます。人数が少ない場合は、単一指向性マイクのほうが音声はクリアに届きます。
また、マイクにはノイズやエコーを打ち消す機能が付いているものもあります。購入する際は、これらの機能が搭載されているものを選びましょう。
会議中は人の話し声以外にも、空調や資料の音、衣擦れなどさまざまな音が鳴っています。
これらの音は、すべてマイクに拾われてノイズとなります。そうしたノイズを消してくれる機能が「ノイズキャンセル機能」です。
Web会議では、マイクとパソコンを接続して使いますが、参加人数が多いときは参加者の近くにスピーカーを置くなどして音声を聞き取りやすくするケースもあります。
マイクの近くにスピーカーがあるとハウリングが起こるのは、ご存じの方も多いでしょう。Web会議の席でも、同様のことが起こることがあります。
ハウリングが起こると、話し手の言葉がエコーとなって聞き取りにくくなり、会議の進行を妨げる原因になりかねません。エコーキャンセル機能があれば、ハウリングやエコーを防止することが可能です。
これらの機能のほか、ミュート機能の有無もあわせて確認しておきましょう。
1:1で使用するケースや一人ひとりにマイクを設けるケースでは、発言者の話を妨げないように聞き手に回っている間、消音したほうがいいこともあります。
ミュート機能が搭載されているマイクであれば、手元で簡単に消音のオンオフが切り替えられて便利です。
次に注目したいのは、マイクとパソコンの接続方法です。主な接続方法には、ステレオミニプラグまたはUSB、Bluetoothによるものの3パターンがあります。
ステレオミニプラグとは、イヤフォンなどに使われている端子です。
おすすめはUSB接続による方法で、他の2つに比べてノイズや音量などのトラブルが少なく、通信性が安定しているためです。
ステレオミニプラグはノイズが入りやすく、音量の調整もパソコン側でおこなうケースが殆どです。
Bluetoothは無線であるために接続トラブルが起きやすく、マイクとパソコン間の音声通信にタイムラグが生じやすいというメリットとデメリットがあります。よって、USB接続のマイクを選びましょう。
ただし、Web会議に使用する室内が狭い場合は、Bluetooth接続できるマイクのほうがおすすめです。接続がUSBの場合、USBケーブルの長さが最大距離となります。
ケーブルが短いと、マイクとスピーカーの距離が近くなりやすく、ハウリングが起きやすくなって音声トラブルのもとになります。ケーブルの長さに左右されずに距離を取るためには、Bluetooth接続が最適です。
最後に、マイクの駆動時間もチェックしておきます。USB接続でパソコンからUSBを通して電源供給できる場合は、駆動時間に左右されることはないでしょう。
Bluetooth接続で使用する場合、バッテリー駆動になることから、長時間のweb会議にも耐えられるかどうか把握しておく必要があります。
Web会議中にバッテリー切れを起こしてしまうと、会議そのものにも影響します。忘れずに、駆動時間も確認しておきましょう。
マイクを購入する際のチェックポイントを押さえたところで、購入時の選び方をご紹介します。
マイクには、「ダイナミックマイク」と呼ばれるものと「コンデンサーマイク」と呼ばれるものがあり、用途によって適するマイクが異なります。Web会議では、コンデンサーマイクが適しています。
どちらのマイクも、音声を電気信号に変えて送信する仕組みになっています。
長所 | 短所 | |
ダイナミックマイク | 湿度に強い | 感度が低い |
コンデンサーマイク | 感度が高い | 温度や振動に弱い |
コンデンサーマイクが振動に弱いのは、電極間の電気を内部で溜めて電気信号に変える構造になっているからです。
マイクに伝わった振動が蓄電に影響するため、ぶつけたり倒れたりするような設置場所での使用には適していません。しかし、拾える音域が広いため、アフレコスタジオやラジオブースなどでも使われているほどです。
これらを踏まえて、web会議用にマイクを買い求める際は「コンデンサーマイク」を選ぶようにしましょう。
Web会議に適したマイクがどのようなものか概要がわかったところで、おすすめのマイクを5つご紹介します。
マイクを提供しているメーカーやブランドによって特徴が異なりますので、自社が求める性能や機能、使用状況などを思い浮かべながらご覧ください。
画像引用元:「Amazon」公式HP
ロジクール社の傘下で録音機器を展開するBlue Microphones(ブルーマイクロフォンズ)のコンデンサーマイク「Yeti Nano」です。安定感のある専用スタンドが付属しており、振動の影響を受けにくくなっています。
収音については、単一指向性と全指向性の両方を搭載。切り替えは、本体背面にあるボタンで簡単に行えます。ミュート機能が本体前面にあるボタンで行えるため、必要時にすぐに消音できます。
モニターの向こうにいる相手の声を聞く場合、別途スピーカーを用意するか、マイク本体底面に装備されているステレオミニプラグ端子を利用します。パソコンとは、USB接続です。端子はUSB-Aタイプです。
バッテリーは内蔵されていませんので、電源コードをコンセントに差しながら使用します。
画像引用元:「Amazon」公式HP
楽器メーカーのYAMAHAから発売されているのがマイクスピーカー「YVC-330」です。マイクとスピーカーが一体型になった省スペース設計になっています。
単一指向性マイクが3方向に搭載されているため、全指向性に近い範囲をカバーできます。
YAMAHAの音声処理技術が多数使われており、、高性能なエコーキャンセル機能をはじめ、参加者の発言状態を認識して自動でミュート機能のオンオフを切り替えてくれる自動ミュート機能なども搭載されています。
1台で4~6人、連結させて使えば10名規模のweb会議にも対応できます。連結ケーブルはオプションで購入可能ですが、一般的なステレオミニプラグケーブルでも使用可能です。
パソコンとの接続は、USB、Bluetooth、NFC(近距離無線通信)、ステレオミニプラグに対応しています。ただし、連結時においては、本体のうち親機になるほうのみUSB接続になります。Bluetoothでパソコンと接続する際は、最大10m。NFCはAndroid機器との接続時に使用可能です。
バッテリーは内蔵されていないため、USB接続以外の場合は電源ケーブルでの電源供給が必要です。USB接続時は、パソコンからUSBを通して電源供給を行います。
画像引用元:「Amazon」公式HP
こちらは、YVC-330よりもさらに対応人数が多いYAHAMAのマイクスピーカー「YVC-1000」です。スピーカーとマイクが連結した形になっています。
1台では、10人程度の規模が対応でき、最大4台まで拡張可能です。最大数まで拡張すると、40人ほどの中会議にも対応できるほどの収音性能を持っています。
エコーキャンセル、ミュートなどの機能はYVC-330同様標準搭載されています。
本体上部にボタンが並んでいますが、直感的な操作で使えるため、使い慣れていない人でもすぐに操作できるようにユーザービリティに優れています。
パソコンとの接続は、USB、Bluetooth、NFC(近距離無線通信)、RCAピンプラグです。
他のマイクには見られない機能としては、パソコンとUSB接続で繋いだYVC-1000にスマートフォンをBluetooth接続できるというパラレル接続が可能な点です。Bluetooth接続したスマートフォン経由で音声のみweb会議に参加できるようになります。
通常、スマートフォンの音声をマイクに通すと音声が上手く拾うことができませんが、YVC-1000の場合は本体を中継地点としてスマートフォンの音声を通すため、クリアな音声のまま参加できます。
これは、YAMAHAの音声処理技術によるもので、電話の音声の音量バランスなどを自動調整してくれるためです。
このほか、マイクには発話者を自動追尾して発話者にフォーカスして収音する機能もあります。
人の声だけを判別して収音するため、参加人数が多くても発話者の音声をきちんと捉えてくれるので、会議の進行を妨げにくい仕様となっています。
バッテリーは内蔵されていないため、電源ケーブルにて電源供給が必要です。
画像引用元:「Amazon」公式HP
OAサプライメーカーのサンワサプライから発売されているカメラ・マイク・スピーカーの3台が一体になった「CMS-V47BK」。
200万画素で水平105度の広角レンズを使用したカメラの上に、全指向性マイクが搭載されています。
エコーキャンセル機能、ノイズキャンセル機能が標準搭載。ミュート機能もワンタッチで可能です。パソコンとはUSB接続で、電源はUSB経由でパソコンから電源共有を行います。
対応人数は10人未満。連結して使用することができないため、小規模web会議向けの商品です。見た目には小さなスピーカーですが、音声はしっかりとクリアに聞こえます。
画像引用元:「Amazon」公式HP
文具・オフィス用品を取り扱うイーサプライから発売されている単一指向性のコンデンサーマイク「EEX-MCUSB25」。在宅でのリモートワーク時にweb会議に参加する人に最適なサイズです。
マイク本体に電源のオンオフスイッチがついており、不要な時はパソコンに接続したまま電源を切って置いておけるので便利です。ボタンでミュートの切り替えができますので、相手の発言を妨げません。
マイクは、自在に調整できるアームでお好みの角度に設置できます。USBのプラグはAタイプで、標準的なUSBポートが付いているパソコンであればどれでも使用可能です。
Web会議をスムーズにおこなうには、マイクやカメラなどの関連設備だけでなく、システムそのものも実施するweb会議に適したものを使用することが望ましいです。
Web会議システムには、さまざまなものが提供されています。いずれもインターネットを経由して映像や音声を送受信するものですが、参加できる人数に制限のあるものや、参加するのにアプリケーションのダウンロードを要するものなどがあります。
自社で実施したいweb会議に適しているツールはどれなのか。ぜひ検討の参考にしてください。
画像引用元:「Lite FreshVoice」公式HP
「Lite FreshVoice」は、web会議を考えているなら絶対に検討して欲しいツールです。
それまでweb会議にありがちだった色々な問題を見事に克服して、2019年6月にリリースされたFresh Voiceの新サービス。これといったデメリットが見当たらない優等生です。
会議を実施するにあたってアカウントやアプリは一切不要。この手軽さが圧倒的に支持されています。
スマホやパソコン、タブレット等どんな端末でもOK。URLを共有するだけですぐに最大5拠点でのweb会議をスタートできます。サポート体制も充実しています。
導入が簡単な上にカスタマイズが自由自在なので、会議以外にも色々な使われ方をして話題になっています。
これまでは難しかった取引先や顧客とのコミュニケーションにも応用可能。ビジネスチャンスを広げてくれるツールと言えそうです。
15,000円(1ID 1URL)から契約できます。1つのIDにつき、1000個までURLを追加登録可能。
1つのURLにつき同時に5人までが参加するweb会議を開けます。
今なら14日間、無料でお試しできるので、この機会にぜひ使用感を試してみましょう。
CallingにはWeb会議をスムーズに進めるための機能が満載です。
画面共有やホワイトボード機能など、会議を進めるうえで欠かせない機能はもちろんのこと、資料共有やトークスクリプト機能も備わっています。
会議の内容はメモや共有した資料によって、簡単に議事録として管理できます。また、会議の主催者は会議終了後に参加者にアンケートを実施可能。アンケート機能を活用すれば参加者の疑問点や考えを個別に確認することができ、フィードバックとしても利用できます。
初期費用20万円+1ID1,500円 / 月となっています。
契約してるユーザーが入室してないと通話が出来ない仕組みとなっておりますが、通話無制限&ルーム作成無制限と、充実した内容となっています。
画像出典元:「LoopGate」公式HP
「LoopGate」はテレワークを推奨している企業、全国に拠点がある企業などにおすすめのツールです。
簡単なリモコン操作で扱えるため、IT活用が苦手な社員でも使いこなせます。
会議だけではなく、研修や無人受付までその使い道は多岐にわたります。遠隔地との情報共有が課題の企業で重宝するでしょう。
登録手数料は1IDあたり10,000円、基本料は1IDあたり月4,800円~です。IDごとに加算される料金体系なので、必要な分だけ使用できます。
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詳しい料金については無料資料をご覧ください。
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1会議あたり最大1000名まで参加可能で、録画や画面共有など、オンライン会議に必要な機能を提供しています。
運営会社のシスコシステムズは、ネットワーク機器をはじめセキュリティやサーバーなどさまざまなサービス、ソリューションを開発しています。
テレワークや働き方改革に必要なオンライン会議サービスをはじめ多くのコミュニケーションサービスを提供しており、その性能と信頼で、現在は世界中で1 億 1,300 万人もの人に使われています。
1ライセンス:月額1,490円〜(オンライン販売価格)
画像引用元:「Zoom」公式HP
ホストのみアカウントが必要になりますが、ゲスト側はアプリのダウンロードのみで参加することが出来ます。無料版でも100人態勢での会議ができるのが魅力です。
さらに、動画・音声の保存が簡単にできたり、参加者をグループごとに分けたりという独自の機能があります。
台湾政府をはじめ、セキュリティ上の懸念が指摘された「Zoom」は2020年4月8日に、セキュリティ強化の機能を追加した、最新版を公開しました。
ビジネスで活用する際には、セキュリティ面は何よりも重視すべきポイントです。機密情報を扱う企業にはやはり有料のweb会議システムをおすすめします。
※Zoomのセキュリティに関する日経記事
(1)基本:0円
(2)プロ:$14.99/月/ホスト
(3)ビジネス:$19.99/月/ホスト
(4)企業:$19.99/月/ホスト
Web会議をスムーズに進行させるには、クリアな音声が大切なポイントになります。必要となるマイクもweb会議の規模によって異なりますから、適切なものを選びたいものです。
マイクを選定する際は、自社で標準的なweb会議の規模からある程度の性能を絞り込むことが可能です。価格も幅がありますので、求める性能と予算の基準を設けたうえで選ぶようにしましょう。
画像出典元:Pexels、Unsplash
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