TOP > ビジネス基礎 > マーケティング用語 > ペルソナとは?マーケティングの設定方法、作り方、注意点、具体例を解説
具体的な商品やサービスのユーザー像を「ペルソナ」と呼びます。
どのようなユーザーを想定するかはマーケティングの上で非常に重要です。
ペルソナを設定することでより効率よくマーケティングができるようになります。
この記事ではペルソナとはどんなのものなのか、ペルソナを作る重要性、メリット、作り方、ペルソナ設定で注意するポイント、具体例などを解説していきます。
このページの目次
まずはペルソナとは具体的にどのようなものなのか、そしてどのように設定したらいいのかといった点について具体例をあげながら解説していきます。
元々ペルソナとは心理学で「外向きで表面的な人格」という意味を持つ言葉です。
これが転じてマーケティングでは商品やサービスを利用するユーザーのイメージのことを指すようになりました。
マーケティングをする上では、どのような人に商品やサービスを使ってもらうのかを想定することが重要です。
まるで現実の世界にいる人物かのようにユーザーのイメージを作ることで、マーケティングが成功しやすくなります。
ペルソナをイメージする際には、以下の項目を設定することをおすすめします。
・ 年齢・生年月日
・ 性別
・ 出身地・居住地
・ 年収
・ 職業・役職
・ 家族構成
・ 趣味・特技・休日の過ごし方・ライフスタイル
・ 価値観
・ 尊敬する人物
・ 好きなもの
・ テレビ番組や本、漫画などの好きなジャンル
プロフィールを埋めるかのようにするとペルソナを設定しやすくなります。
また、初対面の人と会話する場合を想像すると、より具体的なペルソナが作れます。
以下では「オーダーメイドスーツを販売したい」という場合のペルソナの例をご紹介します
・30代・男性
・都内在住。
・上智大学経済学部卒。
・アメリカへの留学経験あり。
・転職を経て上場企業勤務3年目。
・付き合って5年になる恋人と結婚を考えている。
・フットサルチームに所属しており、週末はチームでの練習や試合に参加している。
・漫画も好きで『鬼滅の刃』は全巻購入するほどだった。
……このように具体的に商品を購入しそうな人物像を思い描くようにしましょう。
マーケティングの上で「ターゲット」「ターゲティング」といった言葉が使われることがあります。
「ターゲット」は「ペルソナ」に非常に似た意味を持つ言葉ではありますが、厳密には異なります。
ターゲティングとは年齢や性別といったスペックなどの分類で商品やサービスを利用するユーザーを絞り込むことを指します。
また、ユーザーの分類に当てはまる人物を「ターゲット」と呼びます。
具体的な例を挙げると、
30〜40代女性、主婦、ハンドメイドが好き
といったものです。
複数のカテゴリーに分けることでユーザーをイメージする「ターゲット」に比べて、ペルソナはより具体的な人物像を想定します。
生活背景や生い立ち、価値観、性格といった部分まで作り込むことでペルソナは完成するのです。
まるで実在する人物のようにペルソナを作ることで、商品のユーザーへの理解を深めることができます。
ペルソナが喜ぶようなサービスを作ることで、売り上げを伸ばすことができるのです。
ただ単にユーザーのニーズを想定するだけでなく、ペルソナには開発作業を効率よく進める役割もあります。
プロジェクトの効率を高めるためにもペルソナは非常に重要な存在です。
開発プロジェクトには複数人が携わることが多いです。
年齢や性別、背景、価値観の違う人間が複数人集まって効率よく開発を行うためには、想定するユーザーのイメージを統一する必要があります。
ペルソナを設定することで商品・サービスに対するイメージも統一することができます。
全員が共通のイメージに沿って開発を行うので、ズレを予防しながら効率よく作業ができるようになるのです。
商品・サービスのユーザーの価値観に至るまでを深く想定することで、ユーザーが本当に求めているものを理解することができます。
自分自身の価値観だけでは思いつかなかったアイディアも、ペルソナを設定することで得られるようになるのです。
商品・サービス開発の際にペルソナを設定するメリットは3つあります。
ペルソナを想定することでより良い商品が作れるようになるだけでなく、作業効率が上がり、コストを削減することもできるのです。
ペルソナは「自社の商品・サービスを最も使って欲しい人物像」とも言い換えられます。
逆に言うとペルソナが喜ぶような商品を提供すれば売れる確率も高まるということです。
細かく価値観の設定がされているペルソナは、市場が本当に求めているものが何なのかを教えてくれる存在でもあります。
ペルソナと対話するようにして開発を進めると、市場のニーズに合った商品・サービスが作れます。
マーケティングをする上では、関係者の間で想定するユーザーの認識を統一させなければなりません。
認識にズレがあると、無駄な作業の発生やスケジュールの調整が必要になってきます。
ペルソナを使って関係者全員が共通の人物を想定することで、開発効率を高められるのです。
開発するサービスのユーザー像が固まれば、プロジェクトの方針も明確になります。
また、ペルソナがいることによって効果的なアイディアのみを採用できるようにもなるので、開発にかかる時間も短縮できます。
実際にペルソナを作成するにはどのようにしたらいいのでしょうか?
おすすめの代表的な方法を3つ紹介します。
まずは自社の現在の顧客にどのような人が多いのかを調べてみましょう。
顧客データを多く持っている自社スタッフに、データを提供してもらうのもおすすめです。
営業担当者やカスタマーサポート担当者からは有効な意見が聞けます。
これらの顧客データから、ペルソナのニーズを掴み取ることができます。
実際に現在自社の商品やサービスを利用している顧客の中でも、理想的な顧客にインタビューやアンケートをするのもおすすめです。
現在の理想的な顧客からのインタビューやアンケートを通してペルソナの価値観をより具体的に描くことができます。
聞き込みを行う場合は、顧客にとってもメリットのある形で行うようにしましょう。
特に日本人は本当のことを言わない傾向があります。
何かしらのインセンティブを用意するとインタビューを受ける側も本音を言いやすくなります。
自社サイトを持っている場合は、Googleアナリティクスなどを使ってアクセス解析をしてみましょう。
年代や性別、居住地などどのような属性を持った人が自社のサービスや商品に興味を持っているのかを把握できます。
こうした材料はペルソナ設定の上で重要な要素です。
また、Googleアナリティクスではサイト内の行動もチェックできます。
サイトにアクセスした人がどのような行動をしているかを把握することで、ペルソナの価値観を具体的に設定する材料にできます。
ペルソナを設定する際、いくつか注意点があります。
誤った設定方法をとってしまうと、うまくペルソナを使えなくなってしまうためです。
以下の注意点を意識した上でペルソナを設定しましょう。
自分の先入観や価値観にとらわれてしまうと、うまくペルソナを作ることができません。
商品やサービス開発の中では客観的な意見が重要になってきます。
自分自身の主観が盛り込まれたペルソナでは、実際に商品やサービスを利用する人物像とのズレが生じてしまいます。
なるべく自分の先入観や価値観を排除した上で、フラットな気持ちでペルソナを設定するようにしましょう。
余分な情報が入っていると、関係者全員でイメージを統一しにくくなってしまいます。
製品開発に必要のない情報はなるべく削るようにしてください。
提供したい商品やサービスに関係のない情報を、ペルソナに盛り込む必要はありません。
まとまりきらない場合は、不要な情報を切り捨てるようにしましょう。
開発関係者全員がイメージしやすい形でペルソナを表現する必要があります。
写真やイラストを使うと全員がより具体的にペルソナを想定できるようになるのでおすすめです。
だれもがイメージできるよう、ペルソナは平均的な人物像を設定するようにしましょう。
ペルソナを作成することで商品・サービスがより売れるようになるだけでなく、プロジェクトの効率を高めることもできます。
複数のカテゴリーでターゲットを絞るよりも、ペルソナはより細かい人格の部分まで作成します。
マーケティングをする際にはペルソナを設定するようにしましょう。
画像出典元:Pixabay
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