オフィス移転は、物件探し、オフィスデザイン、オフィス家具の選択、電気工事やITネットワーク環境の構築、以前のオフィスの原状回復工事、引っ越し作業といろいろなタスクがあります。
そんなオフィス移転で失敗しないために、この記事では、ベンチャー企業がオフィス選びで意識すべきポイント、移転の際にやらなければならないこと、おすすめのオフィス移転業者などを紹介します。
新オフィスで快適なスタートを切るための参考にしてください。
このページの目次
ベンチャー企業でもそれ以外の企業でも、オフィス移転を検討しているのであれば、どんなオフィスの形態がふさわしいか考えなければなりません。
選択肢としては、レンタルオフィス・コワーキングスペース・賃貸オフィスの3つです。
この3つのオフィス形態のそれぞれの特徴、費用などを説明します。比較検討し自社のニーズに調和したオフィス形態を選ぶ参考にしてください。
レンタルオフィスは、デスク・チェア・キャビネットなどのオフィス家具、さらにネット回線などがあらかじめ整えられた貸事務所です。
備え付けの家具や設備の利用料金もレンタル料に含まれています。会議室なども、他社と共用で使う共用設備として備えられています。
コワーキングスペースは、他の企業の人も含めた複数名が、同じフロアを共有しますが、レンタルオフィスは、普通のオフィス(賃貸オフィス)と同じ個室です。
費用は、賃貸オフィスよりもリーズナブルなので、個人事業主やスタートアップ企業のオフィス、またサテライトオフィスとして利用されています。
レンタルオフィスの中には会社として法人登記可能なものもあります。
コワーキングスペースは、カフェや図書館のようなオープンスペースで業務を行なうオフィス形態です。
コワーキングスペースには、空いているスペースを自由に使うフリーアドレスのタイプ、専用の固定席が持てるタイプがあります。
どちらかひとつだけというコワーキングスペースもあれば、フリーアドレスと専用の固定席がミックスされたコワーキングスペースもあります。
コスト面では、レンタルオフィス、コワーキングスペース、普通のオフィスの3つの中で最も安いです。
無料wi-fiやフリードリンク、会議室などのサービスが提供されており、解放的な空間で仕事ができます。また他の企業と共用で利用するので、新たな出会い、ビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
法人登記や郵便物の受取ができないコワーキングスペースもあるので、移転を計画する前に、こうした点は事前確認できるでしょう。
賃貸オフィスとは、ビルの一室などの部屋を借り、そこを自社の占有スペースとし、そこで業務を行うオフィス形態です。
賃貸オフィスはオフィスデザインが自由です。さらに自分たちのオフィスがあるということで、企業イメージがアップし、取引先から信頼を得られるというメリットもあります。
しかし、敷金・礼金、毎月の賃貸料、オフィス家具、OA機器、ネット環境などのインフラ整備にコストがかかります。
レンタルオフィス・コワーキングスペース・普通のオフィスの3つをメリット・費用面などで比較してみました。
メリット | 月額費用の相場 | |
レンタルオフィス |
●業務に必要な設備がすでに揃っている |
30,000円~300,000円 |
コワーキング |
●3つのオフィス形態の中で最も低コスト |
フリースペース:5,000円~30,000円 |
普通のオフィス |
●オフィスの内装やレイアウトを自由にデザインできる |
借りる部屋の大きさにもよるが、数十万円以上の賃貸料がかかる |
ベンチャー企業がオフィス移転を計画するという事は、たいてい事業の拡大と結びついています。
そうした観点から移転先やレイアウトを考える点で、意識すべきポイントを3つ紹介します。
新卒採用や中途採用で就職活動をしている人は、仕事選びのポイントとして、オフィス環境を挙げます。
ですから通勤しやすい都心の一等地などにオフィスを構えれば、優秀な人材が集まる可能性が高まります。
さらにオフィスの雰囲気も大切です。いかにも「昭和的」な雰囲気の事務所では、就職先として選ばれる可能性も低くなります。
開放的なエントランス、自由にコミュニケーションが取れるフリースペースなど、デザインが魅力的なオフィスであれば、採用効果もアップするでしょう。
事業拡大の兆しがある中で、新しいプロジェクトを立ち上げる際などは、会議室で話し合う必要があります。
Web会議も浸透しているとはいえ、重要な議題は集まって話し合うというのは今でも有効なスタイルです。
レンタルオフィスでは、会議室は共用スペースとなっています。コワーキングスペースでは事前に予約すれば会議室を利用できます。普通のオフィスでは自分たちで会議スペースを作れます。
会議の頻度、集まる人数、Web会議との併用、レンタルする場合のコストなど、自社のニーズを考慮しながら新オフィスでの会議室の必要性、大きさ、レイアウトを決定するとよいでしょう。
集まりやすい場所を選ぶ、話しやすい雰囲気やデザインにする、なども重要なポイントになります。
現在の人数では十分なスペースのオフィスであっても、将来的には事業が拡大し、人数が増えることが予想される場合があります。
人が増えるごとにオフィスを変えるのは手間がかかり大変なので、数年先、社員は何人の予定なのか?を考えてオフィスを選ぶとオフィス移転の回数を減らせます。
ですから中長期的な事業計画を踏まえて、人数が増えても機能的に使える移転先を探すことも大切なポイントです。
オフィス移転前から移転後までの期間に、やらねばならないことを順番に説明します。
「どんな目的のためにオフィスを移転するのか」その方針をしっかり固めておきましょう。
方針が不明瞭であれば、物件探しやオフィスレイアウト、家具選びなどで悩むことになり、せっかく移転したものの以前の方が使いやすかったという悲しい結果になるからです。
スペースがあればいいのか?取引先の企業が多い地域に行きたいのか?移転の理由は様々ですが、一番の目的を決めるとオフィス決めがやりやすくなります。
オフィスを移転する理由としては次のようなものが挙げられます。
こうした事柄が、移転の目的として挙げられます。オフィス移転計画をスムーズに進行するために、移転計画担当チームを立ち上げるのもおすすめです。
現オフィスのオーナーや管理会社に解約予告通知を前もってしなければなりません。
一般的には解約希望の6ヶ月前には通知しなければなりません。移転プロジェクトのスケジュールや新しいオフィスの契約にも関係するのでとても重要な段階です。
その際には、預託金(保証金や敷金のこと)の返還、退去時の取り決めや注意点を確認しておきましょう。
賃貸のオフィスを退去する場合、通常損耗や経年劣化によって生じた汚れなどの修繕費用はオーナーが負担します。
しかし、それ以外のものは、原状回復、つまり入居時と同じ状態にして返さなければなりません。
「どこまで原状回復しなければならないのか」「原状回復するならば業者の指定はできるか」「費用の敷金や礼金から差し引かれるのか」など、オーナーや管理会社と話し合う必要があります。
注意ポイント
どこまで原状回復を行うかは、賃貸契約を結ぶ時に決められたものに従います。
不動産会社側が必要以上の原状回復を求めてくるケースもあるので、しっかりと契約書を確認して、負担しなくていい費用まで負担することがないようにしましょう。
オフィス移転の目的を達成できるような場所・環境を備えた物件を探します。
以下の点を意識すると物件が探しやすくなります。
引っ越し先が決まったなら、新しいオフィスのレイアウトを考えます。
従業員の動線を考えた機能的なオフィスにすることも大切ですが、殺伐とした感じにならないように、会社のイメージアップにつながるような、美しくデザインされたオフィスにすることも大切です。
オフィスのデザインがある程度固まったなら、それに合わせたオフィス家具、OA機器などを選びます。
レイアウトやオフィス家具、OA機器などが決まれば、内装業者やOA機器業者に見積もりをしてもらい、内容とコストが満足するものであれば発注します。
移転のための各種手続きやあいさつなども忘れてはなりません。例としては以下のものが挙げられます。
オフィス移転前の各部署や従業員の準備事項、移転までのタイムスケジュール、移転当日の従業員の作業分担表等などの資料を作成します。
移転後の新オフィスの利用ルールなども作成できます。こうすることで従業員全員で目的を共有できれば、新オフィスでの仕事もさらに順調に行なえるでしょう。
引っ越し業者の担当者と連絡を取り、事前に決めた作業分担表に基づき作業を進めます。
以前のオフィスから運ばれてきた荷物があれば、梱包を開封後、担当社員が中身を確認できます。
オフィス移転後、以下の関係官庁に届出が必要です。
上記の表にもありますが、オフィス移転後は様々な手続きをする必要があります。
移転に伴う登記変更もそのうちの1つに含まれます。
申請には期間が設けられており、 期限(移転の翌日から2週間以内)を過ぎてしまうと過料の制裁を受けてしまう可能性もあります。
そのため登記の変更はスピーディに行う必要がありますが、
とやることが多い上に、煩雑です。
そのため、司法書士に外注する方法がもっとも簡単ではありますが、様々な理由で外注が難しい方もいらっしゃると思います。
そのような方におすすめしたいのが、オンライン登記書類作成サービスです。
例えばこちらの「AI-CON登記」であれば最短15分で書類を作成することも可能です。
オフィス移転に伴う登記変更に対応しており、費用も司法書士に依頼する場合よりも安く登記書類を作成できます。
アカウント作成・登記情報の取得代行サービスを無料で利用できるため、ご興味のある方はご確認ください。
契約内容に従い、前のオフィスの原状回復工事も行なわれるように手配します。
オフィス移転は、その計画段階から、実際の引っ越し、その後の手続きまで、たくさんのタスクがあります。
ベンチャー企業など従業員の数が限られている企業では、従業員のみでオフィス移転プロジェクトを完遂するのは難しいでしょう。そのような場合はオフィス移転業者に依頼できます。
おすすめのオフィス移転業者を5つ紹介します。
画像出展元:「HATARABA」公式HP
「HATARABA」は長期的なパートナーとして支援をしてくれるオフィス移転コンサルティングです。社内アンケートやヒアリングといった現状把握の段階から関わってくれ、企業の潜在的なニーズまでカバーした物件を提案してくれるのが魅力です。
導入実績3,000社以上と企業支援のノウハウがあり、チームでのバックアップ体制を取っているため、担当者の力量に左右されることなく、安定して満足度の高いサービスを受けることができます。
HATARABAの料金やプランについては問合せが必要です。
以下記事より資料の無料ダウンロードでご確認ください。
ヒトカラメディアは「オフィス」を中心にさまざまな支援サービスを提供しています。
「オフィス戦略策定・仲介」では綿密なヒアリングを踏まえた、オフィス戦略の策定や物件仲介などをトータルでサポートしてもらえます。
ベンチャー・スタートアップの移転を数多く手がけており、サービス満足度も非常に高いため、ベンチャー企業はじめての移転におすすめといえます。
オフィスコムは、2種類のオフィス移転サービスを提供しています。
搬出・輸送・搬入のいわゆる引っ越し作業のみを提供するサービスと、引っ越しサービスだけでなくオフィスのデザインや各種工事も含まれたオフィス移転のトータルサポートサービスです。
ベンチャー企業など、限られた予算の中でもこだわりのオフィスを作りたいという方は相談してみてください。
ベンチャープロパティは、「トビタツ」というオフィス移転・退去の新しいサービスを提供しています。
通常は、解約通知後、解約予告期間の6ヶ月分の賃貸料を支払います。「トビタツ」を利用すれば、解約予告期間の6ヶ月を最短で0ヶ月、原状回復のための費用を最安の場合0円にできます。
スピードが命のベンチャー企業にとって、素早くそしてコストを抑えて、オフィス移転ができるこのサービスは魅力的です。
Office空間では、物件探し、オフィスデザイン、内装工事、OA機器の設置、電話・LAN工事、引っ越し作業までの、オフィス移転に関係するすべての業務をワンストップで行なってくれます。
自社ショールームがあるのでオフィス家具、機器、レイアウトを実際に目で見ることができ、デザインのイメージを膨らませることができます。
各お客様ごとに専属チームが結成されるので、相談や問題がある時でもすぐに対応してくれるので安心です。
ベンチャー企業がオフィス移転を検討しているなら、レンタルオフィス・コワーキングスペース・賃貸オフィスの3つの形態から、自社のニーズやコスト、業務形態に応じたオフィスを選べます。
ベンチャー企業やその他の企業でも、オフィス移転には、準備の段階から、実際の引っ越し、その後の届出手続きまで、たくさんの作業が必要です。
ですから、オフィス移転業者に依頼するという方法を選ぶことができます。
ベンチャー企業が成長し、次のオフィスをどこにするかというのも悩みの種になりますが、スタートアップしたばかりの企業にとっても最初のオフィス選びは悩むところです。
スタートアップ企業におすすめのオフィスについては、以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてください。
画像出典元:pixabay
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