会社設立(株式会社・合同会社)に必要な最低費用をわかりやすく解説

会社設立(株式会社・合同会社)に必要な最低費用をわかりやすく解説

記事更新日: 2019/10/08

執筆: 町田麻衣子

会社設立にかかる費用は、大きく分けると「登記手続きの費用」「資本金」の2つです。

会社の登記手続きをするための定款の認証手数料や謄本代、登録免許税などの費用のほか、資本金が必要となってきます。

ここでは株式会社と合同会社の設立費用の違いと、資本金に必要な金額についてわかりやすく解説します。

会社を設立するためにかかる費用は?

会社の設立には「登記手続きの費用」と「資本金」が必要

会社の設立には、法定費用とも呼ばれる「登記手続きの費用」と「資本金」の2つが必要です。

「登記手続きの費用」は株式会社と合同会社で異なり、合同会社は約6万円で済みますので、株式会社よりも14万円ほど費用が抑えられます

「資本金」に必要な金額は、会社の事業計画によって決まります。必要な金額の出し方は後述します。

まずは、登記手続きにかかる費用を見ていきましょう。

株式会社と合同会社の設立費用(登記手続き)

株式会社と合同会社では、登記手続きにかかる費用が違います。

下の表に、登記手続きに必要となる5つの費用について株式会社と合同会社の違いをまとめました。

  株式会社 合同会社
会社の実印(印鑑) 素材による 素材による
定款の収入印紙代

0円【電子定款で削減】

(紙の定款なら4万円)

0円【電子定款で削減】

(紙の定款なら4万円)

定款認証手数料 5万円 0円
定款の謄本代 約2千円 0円
登録免許税

最低15万円

(資本金の0.7%)

最低6万円

(資本金の0.7%)

合計 20.2万円 6万円


では、表の項目について詳しくご説明します。

株式会社の設立にかかる費用(登記申請)

1. 印鑑、収入印紙代

印鑑

登記申請のために公証役場や法務局へ提出する書類には、法人印鑑で押印する必要があります。

そのため、まず印鑑(法人印)を用意しなくてはなりません。

印鑑は設立時、3種類(代表者印、社印、銀行印)が必要です。

法人印は、登記手続きのほかにも銀行口座の開設時や、会社同士の重要な契約時に必要となります。

素材が一番安い「柘(つげ)」なら、1本数千円で購入可能ですので、費用を抑えたい人にはおすすめです。

 

収入印紙代

会社を設立する際には、「定款」を作成しなければなりません。

定款とは、会社名や事業目的、資本金、発起人の氏名や住所など、会社の基本的な決まりを記載したものです。

作成した定款は、登記に必要な他の書類とともに法務局に提出するのですが、紙で定款を作成した場合は収入印紙代(4万円)がかかってしまいます。

紙ではなく、電子定款を作成し提出するのであれば収入印紙代は不要です。

2. 手数料(定款の謄本、公証人)

定款の認証

株式会社の場合は、公証役場で定款の内容を認証してもらう必要があります。

表に記載されている「定款認証手数料」5万円がその際にかかる費用です。

定款の謄本

登記の手続きの際に、認証を受けた定款の謄本(コピー)を提出する必要があります。

定款の謄本は、認証の際に2部取得します。この費用が約2,000円です。

3. 登録免許税(約15万円)

法務局で登記手続きをする際に、登録免許税を支払います。

株式会社の場合、資本金の額×0.7%となっており、最低15万円です。

資本金が2,143万円を超える場合は、15万円以上かかってしまいますので資本金の額をいくらにするのかも併せて検討しましょう。

4. 書類の請求費用・交通費

書類の請求費用

設立に必要となる書類を請求するための費用がかかります。

主にかかるのは、登記事項証明書(600円)や印鑑証明書(450円)です。

交通費

公証役場や法務局へ出向くための交通費がかかります。

登記申請は、会社の所在地を管轄する法務局で行うことになっています。管轄の法務局は、法務局のホームページ「管轄のご案内」で調べることができます。

株式会社の登記手続き費用まとめ

株式会社の登記手続きの最低費用は、印鑑代を仮に1本3,000円で計算すると21万1千円です。

・印鑑代(法人印)1本3,000円(とすると)×3種類=9,000円

・定款の収入印紙代 電子定款=0円

・定款認証手数料=5万円

・定款の謄本代=2,000円

・登録免許税=15万円

合計=21万1千円

 

合同会社の設立にかかる費用

1. 印鑑、収入印紙

印鑑

法人印鑑は株式会社の設立と同様に、基本的に3種類(代表者印、社印、銀行印)が必要です。

収入印紙代

収入印紙代は紙で定款を提出する場合は、4万円の費用がかかります。

電子定款であれば収入印紙は不要です。

2. 手数料(定款の謄本、定款の認証)

合同会社の場合は、定款を作成する必要がないためこれらの手数料は一切かかりません。

ちなみに株式会社の場合は、定款の謄本と認証手数料代が合わせて約52,000円かかります。

3. 登録免許税(約6万円)

法務局で登記手続きをする際に、登録免許税を支払います。

合同会社の場合、資本金の額×0.7%となっており、最低6万円です。

資本金が858万円を超える場合は、6万円以上かかってしまいますので資本金の額をいくらにするのかも併せて検討しましょう。

4. 書類の請求費用・交通費

書類の請求費用

設立に必要となる書類を請求するための費用がかかります。

主にかかるのは、登記事項証明書(600円)や印鑑証明書(450円)です。

交通費

公証役場や法務局へ出向くための交通費がかかります。

登記申請は、会社の所在地を管轄する法務局で行うことになっています。管轄の法務局は、法務局のホームページ「管轄のご案内」で調べることができます。

合同会社の登録手続き費用まとめ

合同会社の登記手続きの最低費用は、印鑑代を仮に1本3,000円で計算すると6万9千円です。

・印鑑代(法人印)1本3,000円(とすると)×3種類=9,000円

・定款の収入印紙代 電子定款=0円

・定款認証手数料=0円

・定款の謄本代=0円

・登録免許税=6万円

合計=6万9千円

 

設立費用を削減するためのコツ

会社の設立時は初期費用などで大変費用がかかるため、「1円でも設立費用を安くしたい」という人は多いと思います。

ここでは設立費用を削減する方法をご紹介します。

まずは以下の表に、削減する方法とコストカットできる金額をわかりやすくまとめました。

削減する方法 コストカットできる金額
合同会社を選ぶ 約14万2千円
定款を電子定款にする 約3万5千円
印鑑代を節約する 数千円~数万円
登録免許税を最低金額にする 数万円~
余計な出費を増やさない 3万円~
 

1. 合同会社を選ぶ

費用面のみを考えるのであれば、株式会社よりも合同会社を選んだ方が設立費用は削減できます。

株式会社の登記費用(約21万1千円)ー合同会社の登記費用(約6万9千円)=約14万2千円

ただし、合同会社は株式上場ができず資金調達しづらいなどのデメリットがあります。

個人事業主や家族経営などの小規模で会社を維持していきたいなら、合同会社はおすすめですが、将来会社を大きくしていきたいと考えているなら、株式会社を選んだ方がいいでしょう。

コストカットできる金額:約14万2千円

2. 電子定款

登記手続きに必要な定款の収入印紙代は電子定款にすることで、収入印紙代が削減できます。ただし、「会社設立freee」というクラウド会計作成ソフトなどを使用した場合です。

定款(紙)の収入印紙代(4万円)ー電子定款(※専門家に依頼=5,000円)=3万5千円

電子定款を自分で作成し提出するためには、ICカードリーダーやAdobe Acrobatなどのソフトウェアを用意する必要があるため、紙の収入印紙代以上に費用がかかってしまいます。

すでにこのような機器を持っていて、定款の作成にも慣れている人なら自分で行ってもいいですが、初めて会社の登記手続きをする人は、クラウド会計ソフトの利用をおすすめします。

コストカットできる金額:約3万5千円

 

3. 印鑑代を節約する

会社設立に必要な印鑑は3種類です。設立用の印鑑を販売している店舗は多いので、料金を比較して最も安い店舗で購入すれば費用の削減につながります。

コストカットできる金額:数千円~数万円

4. 登録免許税を最低金額にする

登記手続きに必要な登録免許税は、資本金×0.7%の金額が課されますので資本金の額によって変わってきます。

ただし株式会社で15万円、合同会社で6万円という資本金の最低金額が決まっていて、資本金×0.7%がそれに満たない場合は、最低金額の登録免許税を払うことになります。

登録免許税を最低額に抑えるには、資本金を株式会社は2,143万円未満、合同会社は858万円未満にすればよいです。

コストカットできる金額:数万円~

5. 余計な出費を増やさない

登記書類に誤りがないようにする

定款の内容に変更があった場合は、定款の変更が必要です。

定款の変更の際に登記も必要となる場合は、登録免許税が申請1件につき3万円かかります。

また、法務局へ再び足を運ぶ必要があるため、交通費が余計にかかってしまいます。出費を増やさないためにも登記書類は事前に誤りがないかよく確認しましょう。

コストカットできる金額:3万円~

資本金はいくらにすべきか

会社を設立するときにもうひとつ必要となる費用が「資本金」です。

現在は株式会社、合同会社ともに設立する際の資本金は1円から可能となっています。しかし、実際に資本金を1円にすると、会社を経営していく上でのデメリットが大きいのです。

では、資本金はいくらぐらい用意すればいいのでしょうか?

ここでは資本金の最適な金額や資本金の役割などを詳しく解説します。

資本金とはなにか?

資本金とは会社を設立する前に前もって用意しておく会社の運転資金です。

金融機関(銀行)や取引先からは資本金は会社の体力とみなされます。資本金が多いほど、信用力が高まりますので、ある程度の金額を用意しておいた方がいいでしょう。

登記手続きの際に定款に金額を記載しなければならないので、事前に資本金の額を決め、お金を準備しておく必要があります。

資本金に必要な金額

では金額はいくらが最適なのか、3つの視点から見ていきます。

1. 資本金から支払う必要のあるもの

会社を設立したときには、オフィスの契約金やパソコンやデスクなどの備品、広告費用などが必要になります。これらの資金は資本金から支払う必要があるのです。

また、事業を継続していくことで、オフィスの家賃や商品の仕入れなどの初期費用と、人件費などのランニングコストが必要となってきます。事業が軌道に乗るまでは、売上も安定しないこともありますので資本金には3~6ヵ月分の運転資金分を用意しておくと安心です。

資本金の平均額は300万円と言われています。初期費用が100万円、1ヵ月の運転資金を約60万円と見積もると、約3ヵ月分ですね。ランニングコストは事業規模によって異なりますので、1ヵ月の運転資金を割り出し、最低でも3ヵ月分は用意しておいた方がいいでしょう。

2. 企業としての信用は資本金で決まる

金融機関から融資を求める際に、資本金の金額で信用力が判断されます。「事業を安定して継続していけるのか」が問われますので、資本金が少ないと融資を断られる場合もあるでしょう。

会社を運営していく上で、他社との取引はとても重要です。企業が他社と新規契約を結ぶ際に、会社の財政面や実績を調べて判断しますが、起業して間もない会社の場合は決算書がないために資本金の金額で判断されることもありますので、資本金の額はとても重要です。

3. 税金面での違い

資本金が多ければ会社の信用力は高まりますが、一方で税負担が増します。

1,000万円を超えると、消費税の課税事業者とみなされ初年度から消費税の納付義務が発生してしまいます。1,000万円未満であれば、消費税法により2年間の免税が受けられます。

4. 許認可制の事業では、資本金が一定額必要

業種によっては許認可が必要となるものがありますので、注意が必要です。

労働派遣業の場合は資本金を1,000万円以上にする必要があります。このほか、建築業なども許認可が必要となる業種ですので、起業する会社の業種について事前に調べておきましょう。

資本金まとめ

資本金に必要な金額を、初期費用とランニングコスト、信用力、税金面から見てきました。

これらを考慮して資本金の金額を決めていきましょう。

税金面でメリットの大きい1,000万円未満がおすすめですが、事業規模や事業計画を考慮して最適な金額を算出しましょう。

まとめ

会社設立にかかる費用は「登記手続きの費用」と「資本金」です。

登記費用について株式会社が約21万円、合同会社は約7万円が必要です(※印鑑代含む)。

資本金は両社とも最低金額は1円ですが、融資や他社との取引を考慮するとある程度の資本金を確保しておくことが重要です。もし最も安く会社を設立したいなら、ほぼ登記費用のみで設立は可能です。

起業で最も難しいのは、事業の継続です。会社が軌道に乗るまで事業を継続していける運転資金(最低3ヵ月分)は確保しておくのが望ましいでしょう。

画像出典元:Pixabay、Unsplash

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