会社設立は誰に頼むべき?司法書士・行政書士の役割・費用の違いを解説!

会社設立は誰に頼むべき?司法書士・行政書士の役割・費用の違いを解説!

記事更新日: 2019/09/15

執筆: 編集部

会社設立の手続きは煩雑なのでその道のプロにお願いしようと思う起業家はたくさんいます。そこで悩むのが、司法書士・行政書士・税理士の誰に依頼するのかということ。

この記事では、会社設立までの流れをまず説明し、それから司法書士、行政書士それぞれの職域には何が含まれるのかを解説します。

そして司法書士に依頼するケース、行政書士に依頼するケースそれぞれを説明します。

会社設立までの流れ

会社設立の手続きを依頼するのは司法書士か行政書士かを説明する前に、会社設立までの流れを説明しておきます。

会社設立までの4つの段階

会社設立までには以下の4つの段階を踏みます。

1. 定款の作成

商号・事業内容・所在地・資本金額・公告方法・役員・発起人などの会社の基本事項を決めます
それを書類にしたものが「定款」です

2. 定款の認証 公証役場で定款を認証してもらう
3. 資本金の払い込み 出資者の口座に資本金を払い込む
4. 登記登録 法務局に登記申請書と共に認証された定款を添付し提出して登録


会社設立の流れの中で大切なものは、公証役場での定款の認証と、法務局での登記申請です。

公証役場は、作成された定款が法的に問題がないかどうかを確認し認証します。

そして、法務局で登記申請書を提出し登記することで、会社設立が認められます。

こうした一連の流れを踏まえたうえで会社設立の手続きは司法書士なのか、行政書士なのかを説明します。

司法書士と行政書士の違い

会社設立の手続きの代行は司法書士か行政書士かを理解するために、それぞれの仕事の職域や違いを説明します。

司法書士と行政書士の仕事

簡単に言うと、司法書士は法的な書類の作成や登記のプロフェッショナルです。

法務局、裁判所、検察庁などに提出する書類の作成や手続きの代行を行います。

業務の例としては会社設立の登記、建物を取得したときの所有権保存登記などがあります。

行政書士は行政関係に提出する書類のプロフェッショナルです。

警察署や保健所などに提出する許認可申請の書類、権利義務関係の書類の作成などを行います。

業務の例として、飲食業や建設業の許認可申請書の作成、示談書などの権利義務関連の書類の作成などが挙げられます。

行政書士には出来ない仕事がある!

それぞれの仕事の違いを説明しましたが、登記の仕事は司法書士の分野です。

登記申請に関しては書類を作成したり、申請代行などの業務を行政書士は行えません。

法律により、司法書士のみ作成できる書類、弁護士のみが作成できる書類といったものが定められており、行政書士も書類作成のプロですが侵入できない領域があるわけです。

会社設立の手続きを行政書士に頼める?

行政書士に会社設立の手続きのサポートを依頼することは可能です。

実際にそれを仕事にしている行政書士もいます。

例えば、会社設立の手続きに必要な「定款」はいわば権利関係の書類です。

ですから行政書士もこの書類を作成することは可能です。

しかし、法務局での登記に関連した業務はできないので、会社設立のサポートを行政書士に依頼した場合は、登記の業務に関しては外注するということになります。

司法書士それとも行政書士?

会社設立までの流れと、司法書士と行政書士の仕事の違いを説明しました。

次に、司法書士に依頼するケース、行政書士に依頼するケースそれぞれを説明します。

会社設立の手続きすべてを任せたい場合

司法書士は、定款の作成、登記申請書の作成、登記の代行など会社設立までのすべての手続きを依頼することができます。

行政書士は、登記に関連した業務は行えません。

行政書士に手続き代行を依頼した場合、その部分は外注するか自分で行わなければなりません。

ですから、会社設立の手続きすべて任せたいという方は司法書士がおすすめです。

許認可のいる事業を始める場合

行政書士は、許認可関連の書類の作成、申請のサポートを行います。

ですから飲食店・運送業・介護サービス事業・建設業・古物商・酒類販売など許認可が必要な事業を始めようと思う場合、行政書士に会社設立の手続きを依頼するなら便利です。

先ほど説明したように、会社登記の代行に関しては司法書士に外注するなどの対応が必要ですが、許認可申請に関してはプロの行政書士がしっかりサポートしてくれるので、会社設立から開業までスピーディに物事を進められるでしょう。

 

税理士に会社設立を頼むのは?

会社設立に関しては税理士にサポートを依頼すると物事がスムーズに進む分野もあります。

ですから税理士に会社設立のサポートを頼むという選択肢もあります。

会社設立をした場合、税務署や都道府県税事務所の法人事業課あるいは法人住民税課など担当部署に「法人設立届出書」を提出しなければなりません。

こうした会社設立時の税務に関する手続きを依頼できます。

さらに会社設立後、会計記帳や決算申告などの分野で継続的なサポートを受けることも可能です。

税理士によっては会社設立のサポートを依頼する時に、その後の顧問規約を締結するなら設立手続きの費用を大幅に割引してくれるということもあります。

そうなれば司法書士や行政書士に依頼した場合よりも、コストが抑えられる場合があります。

会社設立後も税理士に決算申告、記帳代行などを依頼しようと考えているならば、会社設立時から税理士に依頼するという選択肢もあります。

会社設立申請にかかる費用の相場

司法書士に会社設立の申請手続きの代行を依頼した場合どれくらいの費用がかかるのか、行政書士に営業のための許認可申請を依頼した場合どれくらいの費用がかかるのか、それぞれの相場を紹介します。

司法書士に会社設立手続きを依頼した場合の費用

司法書士に会社設立手続きを依頼した場合の費用はおよそ20万円から30万円くらいです。

株式会社と合同会社それぞれの場合の金額の内訳を紹介します。

株式会社設立手続きの費用

司法書士への報酬は事務所により金額が違います。

この例では司法書士費用を8万円と仮定して計算しています。

内訳 司法書士依頼した場合 自分で行う場合
定款認証 52,000円 52,000円
定款印紙代 0円 40,000円
登録免許税 150,000円 150,000円
司法書士報酬 80,000円 0円
合計 282,000円 242,000円

 

合同会社設立手続きの費用

この例では司法書士報酬は6万円と仮定して計算しています。

内訳 司法書士依頼した場合 自分で行う場合
定款印紙代 0円 40,000円
登録免許税 60,000円 60,000円
司法書士報酬 60,000円 0円
合計 120,000円 100,000円


一般的に司法書士は「電子定款認証」というPDFファイルの電子定款を提出する方法を採用しています。

ですから紙で定款を提出する場合に必要な収入印紙代4万円が要りません。

行政書士に許認可申請を依頼した場合の費用

飲食業や建設業、酒類販売など許認可の必要な事業を始めようとする場合に、許認可申請を含めた会社設立の手続きを行政書士に依頼する場合もあります。

行政書士に許認可申請を依頼した場合の料金の相場を代表的な事例をいくつか挙げて紹介します。

名称 管轄 費用の目安
飲食店営業許可申請 保健所 50,000円
酒類販売業免許申請 税務署 150,000円
深夜営業開始届出 警察署 200,000円
古物商許可 警察署 70,000円
建設業許可申請 都道府県 150,000円

 

会社設立手続きを司法書士に依頼するメリット

会社設立手続きを司法書士に依頼すれば次の2つのメリットが生まれます。

1. 会社設立がスムーズに行える

2. 本業に専念できる

1. 会社設立がスムーズに行える

会社設立には定款の作成、公証役場での定款の認証、法務局への登記申請などの作業が必要です。

書類作成と申請業務のプロである司法書士に会社設立申請を依頼すれば、自分で会社設立申請をするよりもスムーズに物事が運びます。

2. 事業に専念できる

司法書士に会社設立申請を依頼すれば、面倒な書類作成や公証役場、法務局への申請も代行してくれます。

そうすると時間の節約になるので、事業に専念することができます。

自分で会社設立手続きできる!?

司法書士の力を借りずに自分で会社設立に必要な書類を作成し提出することも可能です。

しかし、自力で会社設立手続きをするなら以下のデメリットが生まれる可能性があります。

1. 時間がかかる

2. 大幅な費用削減にはならない場合がある

1. 時間がかかる

定款の作成、公証役場への提出、定款を認証してもらった後は必要書類を揃えて法務局への会社登記の申請など、会社設立の手続きには書類作成と提出のための時間が必要です。

さらに定款の内容などに不備があった場合、訂正や再申請をする必要があり、そうした場合さらに手間と時間が取られることになります。

こうした時間の浪費はストレスにもなり、本業の方に影響を与えることにもなりかねません。

2. 大幅な費用削減にはならない場合がある

自分で会社手続きの申請をすれば、司法書士に報酬を支払う必要がないので、会社設立に関するコストが削減できます。

さらに、公証役場での定款の認証を、収入印紙代4万円のかかる紙での提出ではなく、Web上で行える電子定款による認証にすれば4万円さらに安くすることもできます。

確かにこの方法では数字の上では4万円安くなりますが、個人で電子認証を行うためには、それに関する知識やスキルが必要なのはもちろん、それを行うための周辺機器やソフトが必要です。

例えば、ICカードリーダライタ、Adobe Acrobat Standardなどです。

結局こうした周辺機器やソフトを買いそろえるだけで4万円以上の出費になる場合もあります。

そうなれば、自力で会社設立の手続きをしたとしても、かかった費用は司法書士に依頼した場合と数万円しか変わらないということも起こりえます。

費用削減を狙って自分で会社設立の手続きをしても、大幅な経費の削減にはつながらない場合があります。

まとめ

会社設立手続きの依頼は、定款作成から登記申請まですべてを任せたいのであれば司法書士を選ぶことができます。

許認可の必要な事業を始める場合は、許認可申請に強い行政書士に依頼できます。

その場合は会社の登記申請の業務は司法書士に外注することになります。

自力で会社設立手続きを行うという選択肢もありますが、時間や費用の節約という面を考えるとプロに任せるのが無難です。

書類作成と申請業務のプロである司法書士や行政書士の力を借りるなら会社設立をスムーズに行うことができるでしょう。

画像出典元:pixabay

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