社内コミュニケーションの活性化は職場の雰囲気を良くし会社の生産性を向上させます。
この記事では企業が社内コミュニケーションを活性化させるための具体的な方法6つを紹介します。
さらにその方法を実際に導入している企業も合わせて紹介します。社内コミュニケーションを活性化させる方法をお探しなら是非参考にしてください。
このページの目次
社内コミュニケーションを活性化させる方法はいくつかありますが、この記事では特に押さえておきたい6つの方法を紹介します。
1. フリーアドレス
2. 1対1のコミュニケーション
3. 社内部活動
4. ウェルカムランチ
5. 社員食堂
6. 社内SNS
それぞれの方法を詳しく解説し、その方法を導入している企業と導入して得られた効果も紹介します。
フリーアドレスとは社員の席を固定せずに、自分の好きな席で仕事を行うスタイルのことです。
フリーアドレスにより、社内の様々な部署や役職の人と席を並べるので、部署や役所の垣根を超えてコミュニケーションができるようになります。
他部署の人の仕事や苦労を知るきっかけにもなります。
ポテトチップスでおなじみのカルビーは社内コミュニケーション活性化のためにフリーアドレス制度を導入しています。
社員は出社時に入口にあるダーツシステムにアクセスします。席のタイプは3種類ありその中からひとつを選ぶとダーツシステムが自動的に席を決めます。
1. ひとりで集中して仕事ができる「ソロ席」
2. 他との接触を一切立って仕事に集中できる「集中席」
3. 4人掛けの席でコミュニケーションがはかどる「コミュニケーション席」
その日の仕事内容に合わせてこの3種類から席のタイプを選べます。
カルビーは役員もフリーアドレスなので、役員と一緒の席で仕事することもあります。
フリースタイルの導入で従業員同士のコミュニケーションが増える、新たなアイデアが生み出されるという効果が得られます。
社内コミュニケーションには従業員同士の「ヨコのつながり」を強化するためのコミュニケーションと、上司と部下という「タテのつながり」を強化するためのコミュニケーションがあります。
この1対1のコミュニケーションはとりわけ、上司と部下というタテのつながりを強化すること意識したものです。
これにより社員は自分の意見を上司や経営陣に伝えることができ、経営陣は会社の社風や経営に対する姿勢などを社員に伝えることができます。
企業の中には、月に1度、もしくは週に1度、上司と部下が面談する制度を設けたり、部下が上司のメンター(助言者もしくは指導者)になるというユニークな制度を採用している企業もあります。
AmebaTVやスマホゲームなどで有名なサイバーエージェントは上司と部下の1対1のコミュニケーションを採用しています。
「月一面談」と呼ばれるこの制度は、上司と部下のコミュニケーションの機会を増やし、現在の業務状況を共有することで、ミスコミュニケーションの予防になります。
月一面談では次の3つのポイントが話し合われます。
1. 先月の成果の振り返り
2. 今月どうするのかという議論
3. 中長期のキャリアについて
人事評価の納得度を上げるために実施された制度ですが、これにより離職率が下がるという効果が生まれました。
資生堂は若手社員がベテラン社員のメンターになる一般的な制度とは逆で、若手社員がベテランに教育をする「リバースメンター制度」を導入しています。
導入の目的はIT関連の知識をベテランに教えることです。
社長から役員までの役職者約20名それぞれに若手社員がメンターとなり、スマホやSNSの使い方などを月1回教えています。
これにより役員のITリテラシーが向上するという効果が得られました。
社内に部活動を発足させることも社内コミュニケーションの活性化に役立ちます。
職種や部署が異なる従業員同士が部活動で顔を合わせて話す機会が増えれば、それが新しい仕事を生み出すアイデアにつながることもあります。
入浴剤メーカーのバスクリンには「銭湯部」という会社公認の部活動があります。
銭湯やスパ施設を利用し社員同士の交流や健康増進、入浴に関する知識を深めることを活動目的にしています。
さらに銭湯部の活動により銭湯文化を広めたいという願いもあります。
こうした部活動を通じて、バスクリンでは社員の自社製品に対するブランド理解を深めることができたり、社外にも風呂・銭湯文化の魅力を発信できるという効果が得られました。
マイクロソフトには「Cats of Microsoft」という猫好きの社員グループがあります。
その掲示板には、出身地や勤務地、部署を超えて猫好きならば共有できるメッセージがアップされています。
このグループでは、猫の里親探しをしたり、飼い主が仕事の都合などで世話ができないときには世話できる人を探したりします。
他にも猫カレンダーを制作販売して売り上げを猫の保護施設に寄付するなどの活動も行っています。
ウェルカムランチとは新入社員などをランチに誘ってコミュニケーションを図る、もしくは社員が上司や役員を指名してランチをするという方法です。
会社によっては補助金が出るケースもあります。
企業のニーズに合わせて新入社員とのランチ、他部署の社員とのランチ、ランダムに割り当てられたメンバーでランチをするなどの運用方法を選べます。
サニーサイドアップには新卒社員限定の「エイプリルランチフリー」制度があります。
新入社員が早く会社になれるように会社の偉い人を指名してその人からランチを御馳走してもらえるという制度です。
他にも「飲活(ノミカツ)奨励」制度があり、会社が飲み代を援助してくれる制度があります。
部署などの垣根を超えてコミュニケーションが取れるように同じ干支の人同士で集まる「干支会」、同郷人だけで集まる「お国飲み」などのイベントがあります。
社員食堂も社内コミュニケーションを深めるための場所になります。
大規模な投資が難しくても、美味しくて栄養価の高いお惣菜やお弁当をオフィスに届けてくれる社食サービスを利用すれば、おいしい食事を通じて社員同士がコミュニケーションを取ることができるようになります。
ITソリューションを提供する日本ビジネスシステムズ株式会社では、本社以外で働く従業員も多く、離れた拠点に分かれて働く社員がコミュニケーションを図れる環境を作り出すにはどうすればいいかというのが課題でした。
それで人が集まりたくなるような場所を作るということで社員食堂 Lucy’s CAFE & DININGを開設しました。
おしゃれダイニング風のこの社員食堂では、終日カフェ利用が可能であり、社員はランチ・ディナーを外のカフェやレストランよりもリーズナブルな価格で楽しむことができます。
ちなみにディナータイムはお酒を楽しむこともできます。
中小の企業では社員食堂の設備を拡張するのが難しい場合があります。
しかし、栄養豊かな食事をオフィスまで提供してくれる社食サービスを利用すれば、食を通じて社員の会話も弾み、同時に社員の体調管理も行うことができます。
例えば、「オフィスおかん」はそのような社食サービスのひとつです。
オフィスに居ながら1品100円で美味しくて健康的なお惣菜約20種類を楽しむことができます。
社内コミュニケーションを活性化させる方法として注目されているのが社内SNSです。
メールより手間がかからないSNSは、若手社員やパート、アルバイト社員でも使いやすく導入も比較的簡単です。
例えば、SNSならばあまり話したことのない先輩社員に連絡のお願いなども簡単にできます。
プロジェクトや属性ごとにグループ分けすれば、その中でのコミュニケーションが活発化します。
例えば同期入社の新入社員だけのグループを作りそれをクローズドにすれば、研修後別々の場所で働くようになっても安心してコミュニケーションを取り続けることができ、それが離職の予防につながるという報告もあります。
レシピ投稿・検索サイトで有名なクックパッドは社内SNSで有名な「Slack」を導入して社内コミュニケーションの活性化に成功してます。
Slackの利用に関してはオープンな場所で様々な場所に触れる方が、自然なコラボレーションが発生しやすくなり、結果としてメリットが大きいと考え、職種や部署の垣根を超えたオープンチャンネルが作成されました。
現在、同社のコミュニケーションの6割から7割が、誰でも参加できるパブリックチャンネルで行われているそうです。
結果として以前よりも部署を超えた相談がされるようになったり、社員同士の距離感が近くなるといった効果を得ています。
オフィスで働く人同士のコミュニケーションだけでなく、オフィスで働く人と営業などの外で仕事をする人とのコミュニケーション、オフィスで働く人とリモートワークで働く人とのコミュニケーションにも社内SNSの導入は有効です。
社内SNSは、チャット機能だけでなく、チームでの作業をスムーズに行えるように必要な資料などのファイルを共有できる機能を備えています。
社内コミュニケーションを活性化させる方法を紹介しました。
フリーアドレス、1対1のコミュニケーション、社内部活動、ウェルカムランチ、社員食堂の充実、社内SNSなどの方法で社内でコミュニケーションを取る機会を増やしたり、コミュニケーションをする場所やツールを提供できます。
社内でスムーズなコミュニケーションができる雰囲気が根付けば、社員の仕事に対する満足度が高まり、離職を防ぎ、企業の生産性を高めることができます。
自分の会社にあった方法でコミュニケーションの維持、活性化を図ってみるのはいかがでしょうか。
画像出典元:burst、pixabay
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