海外で一般的になりつつあるオフサイトミーティングはご存知ですか?
社内で行うミーティングとは異なり、あえて社外でミーティングを行うことで新鮮でフレキシブルな意見交換が期待できます。
今回はオフサイトミーティングについて、行うメリットやデメリット、成功させる秘訣について紹介します。
すでにオフサイトミーティングで成功している企業の事例も紹介しているので、自社の取り組みに役立ててください。
このページの目次
日本ではあまり知られていないオフサイトミーティングは、離れた場所で行うミーティングを指します。
ここではオフサイトミーティングの目的、通常のミーティングとの違いについて確認していきましょう。
オフサイトとは英語で離れた場所という意味を持ちます。オフサイトミーティングとはその名の通り、会場やレンタルスペースなど社外で行うミーティングを指します。
会議室で行う緊張感があるミーティングとは異なり、非日常を楽しみながら真面目に仕事について話し合うことが目的です。
また、普段あまり関わりのないメンバーと会話をすることで、今までにない新しい発見や気付きが得られることも。
役職や年齢を問わずオープンな雰囲気で行われるミーティングなので、いつもとは違った新鮮な意見が期待できます。
通常の社内で行われているミーティングとの違いは以下の通りです。
通常のミーティング | オフサイトミーティング | |
目的 | 情報の共有・議論・決議 | 課題についての意見交換・チームビルディング |
参加者 | 役職や地位に応じて | 役職など関係なくフリー |
特徴 |
|
|
所要時間 | 30分~1時間程度 | 半日~1泊 |
開催時期 | 頻繁に開催される | 半期や四半期など、より結束力を高めたい時に開催される |
通常のミーティングは情報を共有したり、議論を通して結論を出したり、無駄のない論理的な意見が求められます。
その反面、オフサイトミーティングはメンバー同士の意見交換を重視しているため、結論に至るまでに時間がかかっても問題ありません。
参加者も通常であれば役割などによって意見の重みや重要性が異なりましたが、オフサイトミーティングでは役職関係なくフラットな意見交換が求められます。
また、オフサイトミーティングは普段とは違った雰囲気で行うミーティングのため、企業によっては社員旅行として行われる場合もあります。
半日〜1泊と長い時間が設けられていることが多いため、ミーティング後に意気投合したメンバーとじっくりと語る機会も得られるでしょう。
オフサイトミーティングには通常のミーティングでは得られないメリットが多くあります。
ここでは大きなメリットとして4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オフサイトミーティングのメリットの一つとして、チームの結束力の高まりが挙げられます。
社内で行うミーティングとは違い、肩書きや役職に囚われず終始フランクな雰囲気で意見交換ができるので同僚や上司の考え方や本音を理解しやすくなります。
立場を気にせず活発的な意見交換ができることで、お互いの思想を尊重できるようになりチーム全体の結束力が高まるでしょう。
オフサイトミーティングは社内全体や他部署と合同で行われることが多く、普段あまり関わっていない社員ともコミュニケーションが取れます。
間接的に関わっている社員とも積極的に意見交換ができるため、普段のミーティングでは得られない新鮮な刺激が得られるでしょう。
特に中々関わることのない社員との意見交換は、今後の業務の進め方や考え方にいい影響を与えてくれるでしょう。
同じ業務をしていても人によっては、新しい気付きや発見があるかもしれません。
社外で行われるオフサイトミーティングは、社内よりも集中した話し合いができます。
社内で行われるミーティングの場合、突然の来客や外線対応を求められたり、何らかのトラブルで参加ができなかったりと中断を余儀なくされることもあります。
しかし、オフサイトミーティングでは緊急対応をせずに話し合いに集中できるため、慌ただしいミーティングから開放されます。
企業によっては社員旅行を兼ねて、オフサイトミーティングが実施されるケースがあります。
時間の制限が少ないためミーティング中に仲良くなった社員と一緒に観光を楽しんだり、さらに議論をしたりと自由な過ごし方ができます。
日頃の疲れを発散できる施策として多くの企業が取り入れているので、オフサイトミーティングを行う際はリフレッシュできる会場を選んでみてもいいでしょう。
多くのメリットがあるオフサイトミーティングですが、社外で行う必要があるためコストや業務調整などさまざまな障害もあります。
ここではオフサイトミーティングのデメリットについて3つご紹介します。
オフサイトミーティングの一番のデメリットは、コストがかかることです。
社内の任意の会議室で行うミーティングとは異なり、オフサイトミーティングでは別途会場を押さえなくてはなりません。
また、会場までの交通費やケータリングなども自社で持つことが多いため、参加人数によっては莫大なコストがかかる可能性もあります。
オフサイトミーティングを行う際はコストが割高になることを認識し、計画的に実施しましょう。
参加者が自由に発言できるのがオフサイトミーティングの魅力ですが、進行役や時間制限を設けないと意見がまとまらない可能性があります。
特に参加者同士で意見が対立してしまった時や話が脱線してしまった時には、うまく進行ができないと時間だけが過ぎてしまうでしょう。
ある程度のルールがあればスムーズに話し合いを進められるので、事前に決めておくのをおすすめします。
オフサイトミーティングは社内のミーティングとは異なり、移動時間なども含めて長い時間がかかります。
特に多くの参加者を募る場合は全員の業務調整が必要となり、より綿密な日程を組まなければなりません。
さらにできるだけ早く開催することを社員に案内しなければ、アポや締め切りが重なってしまう可能性もあります。
社員が業務調整しやすいように、開催予定日は直前ではない候補日を複数設けておくといいでしょう。
オフサイトミーティングを効率的に進めるために、押さえておきたいポイントを「事前準備」「当日」「開催後」に分けてご紹介します。
オフサイトミーティングの事前準備で必要なポイントをまとめると以下のようになります。
多くの参加者が長時間ミーティングを行うため、オフサイトミーティングを成功させるためには入念な事前準備が必要です。
特にミーティングの目的の明確化ができていれば、参加者や進行スケジュールも決めやすくなるでしょう。また、会場費や機材の持ち込み、もしくはレンタルの必要性によって予算が異なります。
まずは開催する目的を明確化させ、そこから細かい部分を決めていくと比較的スムーズに準備が進められるでしょう。
効率的にオフサイトミーティングを行うには、当日の進行役が鍵となります。オフサイトミーティング当日に意識したいポイントは以下の通りです。
オフサイトミーティング当日は参加者が積極的に発言できるよう、進行役は話題を広げることを意識してみましょう。
さまざまな意見交換が行われるオフサイトミーティングの進行役は、結論を急かさずどんな意見にもポジティブな発言が求められます。
発言しにくそうな参加者には質問を投げかけてみるのも、活発な意見交換を促すきっかけになるでしょう。
また、盛り上がっている最中に仕事連絡やトラブル対応で話し合いが中断されないよう、事前に関係各所に働きかけておくのも必要です。
高い効果が得られるオフサイトミーティングを行うためには、ミーティング後すぐにフィードバックを集める必要があります。
できれば開催当日にフィードバックが集められると、リアルな声を集めやすくなるでしょう。
フィードバックを集める際は、最低限次の3つの意見を集めておくと今後のミーティングに活かせます。
ここではオフサイトミーティングを成功させるために、特に重要なポイントを解説します。
初めてオフサイトミーティングを行う際は、次の4つのポイントを意識してみてください。
オフサイトミーティングを成功させるために、一番重要なのは「目的の明確化」です。
目的がはっきりしていないと単なる食事会、旅行で終わってしまう可能性もあります。
有意義なミーティングを行うためには、社外で行うミーティングの必要性・得られる効果など明確な目的とゴールの設定が必要です。
現在抱えている課題の詳細、将来的な展望など具体的な内容が参加者に伝わるようにまとめておきましょう。
一般的なオフサイトミーティングの目的は「チームビルディング」です。
普段関わることの少ない社員と積極的にコミュニケーションを図ることで、新たな発見やコミュニティの構築が望めるでしょう。
コミュニティが広がれば業務も円滑に進み、仕事の生産性も上がるかもしれません。
また、ミーティングを行うグループを決める際は、多くても10名程度に抑えないと発言できない参加者がでてしまいます。
グループ分けはできるだけ少人数にまとめ、活発な意見交換ができる環境作りを意識してみましょう。
オフサイトミーティングは自由な意見交換ができる場であり、当日の話の流れによってメリハリある進行が求められます。
事前に決めていたスケジュール通りにミーティングが進まなくても、柔軟に対応できるのがオフサイトミーティングの醍醐味です。
議論が活発に行われているのであれば話し合いの時間を長く設け、話が脱線し始めた場合は休憩や雑談を挟むのをおすすめします。
当日の進行に不安を感じる場合は、議論の課題設定は手短に、話し合いの時間は長めにとメリハリを意識した進行を行うといいでしょう。
社外で行われるオフサイトミーティングは、会場の質によって参加者のモチベーションも異なります。
参加者がリラックスして発言を行えるよう、会場の開放感や設備、ケータリングの豊富さなど居心地の良さも考慮するといいでしょう。
おすすめの会場選びのポイントは以下の4つです。
大人数で集まることが難しいコロナ禍ですが、工夫すればオフサイトミーティングは開催できます。
ここでは企業が行うコロナ対策、参加者にお願いできる対策法などコロナ禍でのオフサイトミーティングのやり方についてご紹介します。
企業ができるコロナ対策は次の3つです。
コロナ感染対策として密を避けることは最重要とされており、オフサイトミーティングを行う会場選びはできるだけ広い会場を選ぶ必要があります。
参加者同士がソーシャルディスタンスを守れる距離にするため、会場レイアウトはできるだけゆったりとした配置に配慮しなければなりません。
また、ケータリングもシェアを避けるため、個包装になったものを選ぶといいでしょう。
可能であればレンタルスペースを複数借りて、オンラインでのオフサイトミーティングもおすすめです。
近頃はオフサイトミーティングプランなどを用意しているレンタルスペースもあるので、オンライン開催も検討してみてください。
オフサイトミーティング参加者へお願いするコロナ対策は、一般的な予防対策が主になります。
手洗いうがい、マスクの装着といった予防から、参加者同士が近くなりすぎないようある程度の距離を保って議論を交わしてもらわなければなりません。
議論が白熱してしまうとつい近づき気味になってしまう可能性があるので、会場レイアウトの時点である程度席の距離を空けておくといいでしょう。
テレワークなどで社員同士のコミュニケーションが減っているのであれば、アウトドアを意識したオフサイトミーティングもおすすめです。
コロナの影響もあり、近頃は屋外でのオフサイトミーティングが人気になっています。
キャンプを楽しみながら開放感あるミーティングが楽しめるので、普段は考えつかない意見もでてくるでしょう。
外なのでこまめな換気など気を使うポイントも少なく、体も動かすのでリフレッシュにも最適です。
ここでオフサイトミーティングを行った企業の事例についてご紹介します。ぜひ自社で開催するときの参考にしてみてください。
画像出典元:2020年の幕開け、Q1オフサイトミーティングを開催しました!
楽天アドロールではクオーター毎に、オフサイトミーティングが行われています。
2020年のQ1には、チームビルディングを目的とした1泊旅行が開催されました。
前半はカーリング場でチーム戦を行い、後半はミッションステートメントを作成するブレーンストーミングが行われたそうです。
楽天アドロールの事例のポイントは、事前に自分が自社で達成したいことをテーマに個人目標を発表する機会が設けられていたことです。
メンバーの熱意や思いに共感できれば、チーム全体の結束力の強化が期待できます。特に自分と目標が似ている人が見つかれば、積極的にコミュニケーションが取れるかもしれません。
IT企業のKaizen Platformでは都内にあるレンタルスペースを借りて、1日合宿が行われました。
今回のオフサイトミーティングの目的は、今までの結果や今後の目標などメンバー全員の目標を再確認すること。
古民家のレンタルスペースはホッとできる雰囲気になっていて、普段の仕事を忘れて参加者全員が集中してミーティングができたそうです。
会場を選ぶ際に意識していたポイントは、メンバー全員のモチベーションアップ、テンションが上がる場所で、参加者全員が楽しめることに注力されていました。
実際に古民家の雰囲気はメンバーから大変好評だったようです。
オフサイトミーティングは非日常的なミーティングを楽しむ場です。
社内での緊張感あるミーティングとは異なり、リラックスした環境でのミーティングは斬新なアイデアが生まれるかもしれません。
また、普段関わらない社員同士のコミュニケーションは、本人たちだけでなく社内全体のメリットになるでしょう。
社員同士のコミュニケーションが難しくなっているコロナ禍ですが、レンタルスペースを借りたオンラインミーティングやアウトドアミーティングもおすすめです。
ぜひ、組織活性化のために、オフサイトミーティングの実施を検討されてみてはいかがでしょうか。
画像出典元:写真AC、pixabay
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