PMIとは?M&Aを失敗させないための重要ポイントを解説

PMIとは?M&Aを失敗させないための重要ポイントを解説

記事更新日: 2019/08/15

執筆: 編集部

後継者不足、経営戦略としてM&Aが注目され増えてきています。M&Aは契約を締結しただけでは成功したとは言えません。M&Aを成功させるにはPMIが重要となります。

今回はPMIとは何か、M&Aを失敗させないための重要ポイントを解説します。

PMIとは

 

PMIは聞きなれない言葉かもしれませんが、PMIとはPost Merger  Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A後の新組織体制の構築を目指した統合プロセスを指します。

M&Aの失敗理由

 

M&Aは必ずしも成功するわけではありません。日本のM&Aは約70%が失敗していると言われています。

M&Aが失敗する理由は様々ですが、以下のことが考えられます。

・買収企業の選択ミス
・M&A後のゴールが不明瞭
・従業員の離脱
・簿外債務の確認漏れ
・デューデリジェンス不足
・価格設定

 

M&A後にPMIが必要な理由

M&A後にPMIが必要な理由は「M&Aがゴールではない」ということです。

M&Aでは相手先の企業と統合を取ることに多大な労力を使用します。M&Aを行うまでに「買収企業の選択」「打ち合わせ」「価格設定」「M&A後のシナジー効果の予測」「資金調達」など様々なことが必要になります。

やっとの想いでM&Aが行われて「終わった」と思ってはいけません。M&Aを成功させるためには、その後が重要になります。

明確なビジョンを持ってPMIを実行することが大事です。

PMIの3つのプロセス

 

PMIは具体的に3つの課題を解決するために実行することが基本となります。今から3つの課題について確認をするのですが、忘れてはいけないことがあります。それは「シナジー効果」です。

M&A後は顧客・地域・商品など様々なシナジー効果が期待できます。想定した、しているシナジー効果に着目しながら課題を解決しましょう。

1. 経営統合

企業には「経営理念」「経営戦略」など組織の行動指針となるものが存在します。社長を含め全従業員は経営理念を理解し、経営理念に沿って行動しています。

経営理念・マーケティング・ビジネスモデルなどは企業によって様々で、業種・規模によっても違います。

M&Aによって複数の企業の行動指針があっては働く人に混乱が生じます。そうならないためにもM&A後、新企業体制による企業経営の制度改革が必要になります。

2. 業務統合

今まで何も疑問がなく行なっていた業務、どの会社でも同じですか?

PMIでは業務統合は重要になってきます。例えば「買い手側の企業では当然とされていた業務が、売り手側の企業では当然ではない」ということは不思議なことではありません。問題はそのままにすることです。

業務が統合されていないと、従業員の不満が募るだけでなく、顧客対応が滞りさらにはクレームに繋がる恐れがあります。

業務統合は経営陣のみが理解しているだけでは意味がありません。現場レベルでしかわからないことも数多くあるため、買い手側の企業、売り手側の企業の双方の従業員が何度も何度も打ち合わせを実施し、双方の意識を統一することが重要です。

意識統一は営業だけに限らず、経理・総務・人事・法務など様々な部門から考えることが必要です。

3. システム統合

忘れてはならないのがシステム・インフラなどの統合です。

・決算日
・ソフト
・人事
・支払日
・総務
・締め日

上記の内容は企業においては基本的なことですが、変更することは容易ではありません。これらは企業によって異なり、例えば支払日が増えれば働く従業員にとっては作業量が倍になり負担が増えます。負担が増えれば、ミスに繋がり、混乱、トラブルが発生することもあります。

経営陣はPMIを実施する意味を説明し、現場の方の負担が少なくなるように適切な指示をだすことが必要になります。

PMI成功の3つのポイント

 

PMIを成功させるには3つのポイントがあります。今から3つのポイントについて具体的に確認しましょう。

1. PMI計画の策定

PMIを成功させるのに必要不可欠なのがPMI計画の策定です。PMIは数日で完了するものではなく、長時間かかる可能性が高いです。そのため長期的な視点による計画の作成が必要になります。

PMIを実行するのはM&A後に数日経過してからではなく、M&A後すぐに実行をしていきます。実行するのが遅れトラブルが生じてからでは遅いです。

PMI計画は買い手側の企業のみが検討し作成をしたのでは業務などを網羅することは困難です。買い手側の企業、売り手側の企業の双方でM&A後すぐに実行できるように事前に詳細なPMI計画を作成しましょう。

2. 人材の確保

PMIは経営陣だけでなく現場レベルで様々な統合を行います。経営陣のみで現場レベルの統合に適切な判断をするのには限界があります。だからといって各現場で自由に統合されては混乱を招いてしまいます。

そうならないためにも、経営陣の統合プランを理解し、従業員に適切な指示をだし動かすことができる人材の確保が必要です。

有能な人材ほど辞めていくのは早いものです。M&A後に統合が上手くいかなく、人材が流失することは何としても避けなくてはなりません。

早めに業務プロセスを確立し、中心となって統合を実行できるような人材を事前に確保しましょう。

3. PMIの意味の理解・共有

当たり前のことになってしまうかもしれませんが、PMIの意味を理解し共有することが大事です。もうすでにわかっていると思いますが、PMIを理解するのは経営陣だけではありません。経営陣から現場の従業員までの全ての人が理解し共有することが重要になります。

M&A後の実例

 

最後に私が経験・聞いたM&A後の企業についてご紹介します。

成功事例

同じ業種・同規模の企業が合併をしシナジー効果を得ることができました。

合併をした企業には双方にそれぞれ得意な分野がありました。合併後はそれぞれが得意な分野を活かし、ノウハウを提供した結果、今では2つの分野が得意な企業に成長をしています。さらに、現在は違う分野を確立しようとしています。

しかし合併当時は従業員同士の不満も多く、辞めていった人も半分近くありました。PMIがもっと具体的にいっていれば従業員の流失を抑えることができたのではないでしょうか。

失敗事例

先ほどの成功事例と同じ業種ですが、今回は失敗事例です。

同業種の3社が合併をし、合併前から3社の経営者は親しい間柄でした。しかし、合併はしたもののPMIが実行されていないせいか、3社がそれぞれ以前と同じように業務を行なっています。経営者が3人いるのと同じです。

有能な従業員は合併後に「業務が変わる、もっとレベルの高い仕事ができる」と思っていたのに、合併後に何も変化はありません。むしろ何も変化がないことに不満を抱いています。

合併がゴールになってしまい、経営統合・業務統合が実行されていない例です。

まとめ

 

M&Aは成功すればシナジー効果を得ることができ、収益の拡大に繋がります。しかし、M&Aは必ずしも成功するとは限りません。

M&Aを成功するために経営統合・業務統合・システム統合の3つの課題を解決しPMIを成功させることが重要になります。

PMIをないがしろにせず、早期に準備することをオススメします。

画像出典元:写真AC

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