システム開発会社をM&Aするメリットは?事例や動向も詳しく解説!

システム開発会社をM&Aするメリットは?事例や動向も詳しく解説!

記事更新日: 2024/01/09

執筆: 大下莉

日本のIT業界の市場規模は約16兆円であり、今後25兆円までの成長が見込まれています。

しかし、特に中小規模のシステム開発会社においては人材不足や後継者不在などの問題を抱え、事業継続が難しい状況に追い込まれているケースが少なくありません。

そこで、その解決策として今M&Aが注目されています。

さらに近年では、スタートアップのシステム開発会社において、成長戦略や企業価値向上、優秀人材の獲得などを目的としたM&Aの事例が増えています。

本記事ではシステム開発会社のM&A動向やそのメリット、実際の事例などについて、元SIerのM&Aコンサルタントのコメントを交えて解説。

M&Aの概要を把握する最初の1歩として記事をご活用ください。

この記事を書いた人

M&Aコンサルタント:池田 瑠偉
 
ITベンチャー企業のシステムインテグレーション部門のマネジャーとしてフリーランスエンジニアエージェントの立上げやシステム開発からWeb制作のディレクションを担い、大手企業からスタートアップ企業のシステム開発を支援。2023年にプロトスターへ参画し、大企業の新規事業開発やスタートアップのファイナンスを支援。現在は、スタートアップM&A事業の立ち上げ・拡大に従事。スタートアップM&Aの支援実績もあり。

このページの目次

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システム開発会社のM&A動向

まず最初に、近年のシステム開発会社におけるM&Aの動向とその背景について紹介します。

近年のシステム開発会社のM&A動向

IT人材不足の解消

現在、日本のIT市場規模は約16兆円ですが、今後は25兆円に成長することが見込まれています。

しかし、業界ではその需要に見合った人材確保が進んでいません

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行する「IT人材白書2020」によると、約9割のIT企業はIT人材の量や質が「大幅に不足」「やや不足」と感じています。

特に、知名度が高くない中小規模のシステム開発会社は採用に苦労する傾向があるため、大手企業の傘下に入るM&Aを行い、大手企業の知名度を借りながら採用を進め、人材を確保するケースがあります。

また大手企業にとっても、システム開発会社を買収することで、既に育成された優秀なエンジニアを確保できるというメリットがあります。

承継問題の解消

株式の承継問題の解決手段としてもM&Aは活用されます。

1980年代後半から2000年にかけて、当時30〜40代のエンジニアが起業し、日本のIT業界を引っ張ってきました。

現在、ちょうどその世代が50〜60代という年齢の節目を迎え、後継者問題を抱えています。

特に中小規模のシステム開発会社においては、後継者の不在により、事業の継続が困難になっているケースが多く、その解決策として、事業を託せる企業とのM&Aが注目されているのです。

多重構造の解消

システム開発の商流は、多重下請け構造で成り立っており、下層になればなるほど、利益が低くなります

また元請け側が外注先を選別することにより、下請け側が仕事を振ってもらえなくなるケースも少なくありません。

そこで、下請け側の利益改善、また安定的な取引先の確保を目的に、元請けに近い大手企業に買収されるM&Aも近年の傾向の1つです。

内製化への対応

今まで自社のシステム開発は外注することが当たり前でしたが、近年、IT関連業務の内製化を進める企業が多く見受けられます

企画・設計などの上流工程を内製化することで、システム開発の迅速化を図り、社内にナレッジやノウハウを蓄積していくためです。

システム開発に主軸を置かない企業にとって、優秀なエンジニアを採用することは難しいため、システム開発会社とM&Aを行い、傘下に入れてしまうことは手っ取り早い方法と言えるでしょう。

クラウド型への移行

近年、クラウド型のパッケージソフトウェアを利用するユーザーが増加し、従来のシステム開発の需要が減退しつつあります

オンプレのシステム開発会社はこのままでは事業が成り立たないため、クラウドソリューション事業を営む企業を買収し、事業の幅を広げます。

その逆で、クラウドソリューション事業を営む企業が従来のシステムからクラウドへの移行支援ソリューションなどの事業を行うため、システム開発会社を買収するケースもあります。

システム開発領域スタートアップ企業のM&A動向

スタートアップといえば、投資家やVCから活動資金を調達し、事業を軌道に乗せてIPO(新規上場株式)を目指すのが一般的でした。

しかし、近年では譲受企業とのシナジー効果によって、さらなる事業成長や成長スピードを加速させるためにM&Aを選択するスタートアップが増えています。

また、新たなイノベーションの創出が課題となっている大手企業も、スタートアップとのM&Aに高い関心を示しています。

新規事業の立ち上げの際に自社のリソースを割いて開発・育成するよりも、既に新しいサービスを創り出しているスタートアップを取り込む方が効率がいいと考えているためです。

システム開発会社のM&A事例

上章でシステム開発会社のM&A動向を解説してきましたが、次は実際にどんなM&Aが行われてきたのか実例をみていきましょう。

上場企業×スタートアップ企業のM&A事例

デジタルハーツホールディングス×アイデンティティー

【譲渡企業:株式会社アイデンティティー】

フリーランスエンジニア等のIT人材を対象に、フリーランスマッチング、人材紹介や人材派遣といった人材サービスを提供するITリソースサポートを事業を展開。

同社が運営する人材登録プラットフォームtechcareerシリーズでは、業界トップクラスのスリーランス求人案件数を誇ります。

【譲受企業:株式会社デジタルハーツホールディングス】

株式会社デジタルハーツ、株式会社AGESTを傘下に持ち、ソフトウェアテストサービスを中心に、エンタープライズ事業とエンターテインメント事業を手掛けています。

【M&Aの目的・背景】

エンジニアの人材確保を目的に、豊富なエンジニア人材プールを有している株式会社アイデンティティーとM&Aを実施。

【M&Aの手法・成約】

2021年5月の取締役会にて、株式会社アイデンティティーの全株式を取得し、完全子会社化を決定。

池田 瑠偉
M&Aコンサルタント

エンジニアの人材確保を目指し、充実したエンジニア人材プールを保有する株式会社アイデンティティーとM&Aを実施しました。これにより、エンジニアの確保を通じて開発力を強化し、さらなる事業拡大を目指すことを目的としていると考えられます。

クレスコ×エニシアス

【譲渡企業:株式会社エニシアス】

アプリケーション開発やGoogleCloudやSlaesForceの開発支援など、クラウド、サーバー・ネットワーク分野を得意とするシステムインテグレーター。

【譲受企業:株式会社クレスコ】

複合IT企業として、情報システムに関するコンサルティング・ソリューションサービス業務、IT戦略立案から開発、運用・保守などを行なっています。

【M&Aの目的・背景】

クレスコグループにおける企業価値の向上。

【M&Aの手法・成約】

株式会社エニシアスの発行済全株式を取得し、子会社化。

池田 瑠偉
M&Aコンサルタント

クレスコグループはシステム領域で幅広い支援を行っており、このM&Aにより支援領域を拡大し、企業価値を向上させています。支援領域の拡大により、スケールメリットを得て競争力を強化できるのではないかと考えられます。

 

SHIFT×DeMiA

【譲渡企業:株式会社DeMiA】

Webアプリ・スマホアプリ開発、AI・データ分析、エンジニア人材開発を展開。

ロボカップジュニア世界大会優勝経験者や、京都大学に在学中の優秀な学生エンジニアなど、20名程度が所属しています。

【譲受企業:株式会社SHIFT】

ソフトウェアテスト/品質保証事業やセキュリティ、企業のDX化を支援する企業です。

【M&Aの目的・背景】

自社のIT人材の育成の他、優秀な学生層との接点を持つことで将来的に優秀な人材を確保することを目的にM&Aを実施。

【M&Aの手法・成約】

株式会社DEMiAの全株式を取得し、子会社化。

池田 瑠偉
M&Aコンサルタント

戦略的なM&Aを積極的に行い、素晴らしい事業成長を遂げているSHIFT社は、更なる成長に必要な優秀人材の育成・獲得を目指し、DeMiA社とのM&Aを実現しました。今後はSHIFT社の教育プログラムの強化を通じて、多くの優秀なエンジニアを育成できると期待されます。

2024年のシステム開発領域トレンド

前述した通り、新規事業のための人材やスキル強化、既存事業のシェア拡大などを目的に、システム開発会社とM&Aを行う企業は増えてきています。

そこでこの章では、近年勢いを増しているクラウド、SaaS、AIに焦点を当てて解説していきます。

全てがつながる時代へ

ガートナージャパン株式会社は、2024年に企業や組織にとって重要なインパクトを持つ「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表しました。

2024年のキーワードとしては、「投資の保護」「ビルダーの台頭」「価値にデリバー」の3つが挙げられ、その中には生成AIやクラウドなどが重要なインパクトを持つ10つのテクノロジーとして紹介されています。

将来はヒト、モノ、デバイスが全て繋がり、私たちの行動はデータ化され、そのデータを分析し、生活やビジネスの意思決定に対してタイムリーに提案するなど、全てがつながる時代へとテクノロジーも進展していると言われています。

2026年問題

クラウドが誕生して20年になる2026年に向けて、クラウドを取り巻く環境が急速に変わりつつある、とガートナージャパン株式会社が発表したクラウド・コンピューティングに関するトレンドレポートに記載されています。

また同社はクラウドはオプションではなく必須要件となり、全ての企業や組織はクラウドについて正しい理解をしていかなければいけないとも言います。

クラウドに関するスキルやノウハウの蓄積はシステム開発会社にとって重要な位置づけであり、注力する事業の1つであることがわかります。

注目のITトレンド:生成AI Generative AI

クラウドの他、2024年に注目されるテクノロジーとして生成AIが挙げられます。

まずは、2023年に大きな話題をよんだのはChatGPTなどの生成AIであり、2024年においても引き続き、目が離せないテクノロジーの1つです。

生成AIの市場規模は今後5年間で平均約200%近い割合で成長することが予測され、2027年には約800億円規模の市場が見込まれています

システム開発会社の事業においても重要な柱の1つになり得るテクノロジーの1つです。

システム開発会社を売却するメリット

M&Aの概要を把握したところで、次は実際にM&Aを行うことで生じるメリットを整理していきたいと思います。

まずはシステム開発会社を売却するメリットを紹介します。

売却利益を獲得し、新規事業や主力事業に投資できる

M&Aで得た売却利益を新規事業や主力事業に投資を行い、自社のビジネスを更に大きくすることができます

売却利益の他、大手企業の傘下に入った場合、人を派遣してもらえることもあるため、人材の面でも大きなメリットがあります。

買手企業にグループインすることで更なる事業成長を目指せる

M&Aを行なった相手が大手企業の場合、その傘下に入ることで安定的な経営基盤を後ろ盾に更なる事業成長を目指すことができます

自社の知名度も上がるので、事業拡大のための人材も確保しやすくなります。

また、元請けに近くなる場合は、利益改善も同時に行うことができ、従業員の給与アップも目指せます。

システム開発会社を買収するメリット

次に買収する側のメリットを記載します。

この場合、システム開発会社がシステム開発会社を買収するケースもありますし、他業界の企業がシステム開発会社を買収するケースもあります。

それぞれのメリットを紹介します。

優秀なエンジニアを獲得し、さらなる事業拡大を目指せる

記事の冒頭にて述べた通り、IT業界において人材不足は大きな課題です。

採用にはさまざまなコストがかかりますし、新卒の場合はその育成にも時間がかかります。

大手のシステム開発会社が中小規模のシステム開発会社をM&Aを行なった場合、買収先の優秀なエンジニアを事業の即戦力として企業に迎え入れることができます

また、自社内のエンジニア増加に伴い、大型案件の受注も可能となり、さらなる事業拡大も目指せるでしょう。

買収した企業が持つノウハウや手法を獲得し、新たな事業領域へチャレンジ

システム開発事業を主軸にしない企業の場合、人材やノウハウ不足が原因でスピーディーに新事業を立ち上げられないケースがよく見られます。

自社にない新技術やノウハウを持っている企業を買収することで、短期間で効率よく新事業を立ち上げることが可能になるのです。

エンジニアの育成環境を整備できる

システム開発会社を買収することで、システム開発事業を主軸にしない企業においても、自社エンジニアの育成環境を整えることが可能です。

システム開発の内製化という流れから、今後、企業においてIT人材の育成や全社におけるIT知識のレベルを上げていくことは欠かせません。

システム開発会社を買収することで、エンジニアを育成するノウハウや環境を自社内に整備でき、人材育成を任せることができます

システム開発会社のM&A・売却価格の相場

M&Aを行うにあたり、重要な指標として企業価値評価があります。

これは企業全体の価値を評価することであり、M&Aをスムーズに行うために重要な指標になります。

M&Aに関する話し合いの前に企業価値を算出しておくことで、売却される企業・買収する企業の双方が譲渡額の目安を把握できるようになります

ここでは、その3つの算出方法について紹介します。

コストアプローチとは

評価対象企業のB/Sの財産的価値及び純資産価値に着目して価値を評価する手法です。

純資産を元にしているため、客観性に優れた評価を行うことができるため、中小企業のM&Aにおいてよく採用されています。

インカムアプローチとは

評価対象企業から将来期待される利益やキャッシュ・フローに基づいて価値を評価する手法です。

中でもDFC法(割引キャッシュフロー法)は会計上に現れない無形の資産(のれん代)についても加味されるため、キャッシュフローだけでは測れない企業価値を正しく測ることができます。

マーケットアプローチとは

上場している同業の類似企業や過去のM&Aの類似取引事例など、類似する企業・事業・取引事例の各種財務指標と比較することによって相対的な価値を評価する手法です。

客観的に企業価値を評価できる一方で、類似の企業を見つけることが難しいという欠点もあります。

M&Aで失敗しないためのポイント

最後にM&Aの売り手側となる場合の失敗しないためのポイントを整理してみましょう。

自社への理解を深め、強みを把握する

買収側は売却される企業の持つ強みに惹かれてM&Aを決定します。

そのため自社の強みの明確化を行い、アピールポイントを整理しておくことが大切です。

また売却のタイミングも重要です。

事業が成熟したタイミングではなく、まだまだ成長が期待できる、伸びしろがある状況は買収する側にとってとても魅力的に見えます。

自社の状況と市場のトレンドを客観的に把握・理解し、適切な売却タイミングを逃さないようにしましょう。

売却後の従業員の流出を防ぐ

M&Aを行うことは、従業員にとって大きな環境変化をもたらします。

自分が今後どのような待遇で働けるのか?買収側の企業風土と自分はマッチしているのか?など不安に思うことは多いです。

その不安を払しょくするために、M&Aを行う背景からその後の待遇までを丁寧に説明することはとても重要です。

売却後の離職を防ぐためにも、従業員に対するケアはしっかり行いましょう。

M&A専門家やアドバイザーに相談する

M&Aを進めるには検討事項も多く、社内の人間だけでやり遂げることは難しいです。

そのため、M&A専門家やアドバイザーに早い段階から相談をし、伴走してもらうことがおすすめです

専門家やアドバイザーはM&Aに関するノウハウを持っているため、売却のタイミングにも熟知しており、何より企業のマッチングにも優れています。

また、赤字の会社でもM&Aを成功させる可能性は十分にあります。

「うちは赤字だから」と諦めずに、まずはアドバイザーに相談してみましょう。

 

情報を全面的に開示する

M&Aでは、売り手は企業の実際の状態を隠さず正直に開示する必要があります。

簿外債務、給与未払い、粉飾会計などの隠ぺいは、最終的に訴訟問題に発展するリスクがあります。

過去には隠蔽された負債が発覚し、売却後の訴訟に発展したケースがあります。このような事態を避けるため、最初から全ての重要な情報を開示することが賢明です。例え少し言い出しにくいような情報があったとしても、誠実な取引が双方の将来的な成功に寄与することを忘れずに開示しましょう。

十分な事前準備を行う

売り手はM&Aの事前準備に十分な時間を費やすべきです。

株主の同意を得る、M&Aの目的を明確にする、関連知識の習得、余裕を持ったスケジュールの設定などは、スムーズな取引に不可欠です。

株主の同意が不足しているためにM&Aが遅延する事例があります。このような状況を避けるためには、事前に株主とのコミュニケーションを図り、必要な同意を確保しておくことが重要です。

適切な買い手を選定する

適切な買い手を見つけることは、売り手にとって最も重要なステップの一つです。

買い手が自社のビジョンや文化に適合しているかを評価することは、M&A後の統合プロセスの成功に直結します。企業価値を最大化するためには、複数の買い手候補との競争を促すことも有効です。適切な買い手を見つけるためには、M&A仲介会社の活用や、自社の強みと魅力を効果的にアピールすることが重要となります。

信頼関係を構築する

M&A取引においては、信頼関係の構築が成功の鍵です。不誠実な対応や交渉内容の頻繁な変更は、信頼を損ねる原因となります。信頼を築くためには、透明性、正直さ、そして一貫性が必要です。過去には、交渉の最中に不誠実な対応が原因で取引が破談になった事例も数え切れないほどあります。

M&Aの目的を明確化する

M&Aの目的を明確にすることで、適切な買い手の選定、価格交渉、統合戦略の策定に役立ちます。目的が明確でない場合、M&Aの過程で方向性を見失い、不利益を被る可能性が高まります。目的を明確にするためには、事業戦略の再評価、将来のビジョンの定義、関連するステークホルダーとの対話が重要です。

契約書の確認する

契約書の内容を十分に理解し、不備や不公正な条件がないかを確認することが不可欠です。契約内容の不適切な点は、後の法的紛争や財務的な損失につながり得ます。契約書の確認では、法的な専門知識を持つ弁護士や顧問の意見を聞くことが重要です。契約内容のすべての節を理解し、必要な場合は条件の再交渉を行うことが求められます

買い手が見つからないM&A

M&Aでは、売り手側が買い手を見つけるのに苦労するケースがあります。ここでは、買い手が見つからないM&Aの特徴とその対策について詳しく解説します。

重要書類が開示されていない

買い手企業は、買収の前に対象企業の財務状況を詳細に把握したいと考えます。重要な書類が提供されない場合、買い手はリスクが高いと判断し、交渉から撤退する可能性が高くなります。隠された債務などが後から発覚すると、M&Aが破談になるリスクもあります。対策として、売り手は透明性を高め、信頼を築くために必要な情報を開示することが重要です。

経営状態が不透明

財務上の問題があるか、または経営状態が不透明である企業は、買い手を見つけにくい傾向にあります。特に、赤字が続く企業や斜陽産業に属する企業は、買い手が見つかりにくくなります。経営状態の改善、事業計画の見直し、リストラクチャリングなどを通じて、企業の魅力を高める必要があります。

株主の承認なしでの売却試み

株主の承認がない状態で売却を進めようとするケースは、M&Aの進行に障害をもたらします。法的にも株主の承認なしに合法的な売却は不可能であるため、株主の同意を得るプロセスを確立することが不可欠です。

高齢化した従業員構成

従業員の平均年齢が高い企業は、将来的な事業の継続が難しいと見なされ、買い手がつきにくいことがあります。若手従業員の採用や、後継者の育成計画を立てることで、買い手にとって魅力的な企業になる可能性が高まります。

まとめ

システム開発会社のM&Aに関する動向・事例などを中心に解説をしてきました。

M&Aと聞くと、自社がなくなってしまうのではと不安を想起する方も多いと思います。

しかし、実際は事業を継続するための最適な方法としてM&Aを活用しているケースが多く、従業員の待遇の改善も期待できます

今後も成長が見込まれるIT市場において、システム開発会社は重要な役割を担う存在です。

今後の事業継続、また発展について構想されている場合は、その手段の1つとしてM&Aを検討してみるのはいかがでしょうか。

画像出典元:Pixabay

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