【必読】個人事業主の資金調達方法5選 | 銀行からの調達は可能?

【必読】個人事業主の資金調達方法5選 | 銀行からの調達は可能?

記事更新日: 2019/05/10

執筆: 小石原誠

個人事業主の資金調達は、株式会社などの場合と比べて難しいとされています。

その理由として、個人事業主は株式会社と比べて信用力が低いことが挙げられます。会社という後ろ盾がないために、サラリーマンなどの従業員よりも信用力が低いと見なされることもあるのが現実です。

そんな個人事業主が資金を調達しなければならないとき、どのような調達方法を取り得るのでしょうか。

今回は、個人事業主であってもお金を準備できる可能性がある資金調達方法について説明していきます。

個人事業主が資金調達する際に覚えておくべきこと

 

 

株式会社などの資金調達と比べて難易度は高くなる

まず大前提として、個人事業主の資金調達は、株式会社などの場合と比べて難しいとされています。その理由として、個人事業主は株式会社と比べて信用力が低いことが挙げられます。

資金調達は基本的には「お金を借りる」ことです。ですから、「この個人事業主は必ずお金を返してくれる(リターンをしてくれる)」ということを信じてもらわなければいけません。

これが「信用力」であり、株式会社の場合は「株式会社を作ること」自体が簡単にできることではないため、それができていることが信用力につながる一要因となっています。

一方で、個人事業主は開業届を提出すれば設立できてしまうために、信用力が低く見られてしまいます。それどころか、信用力という観点でのみいえば、会社に勤めているサラリーマンなどよりも低いと見られることだってあり得ます。

例えば、アパートを借りる際やクレジットカードを作る際に、サラリーマン時代と比べて審査が通るのが難しかった、という経験をしている個人事業主もいるでしょう。これこそが対外的な信用力の違いです。

個人事業主だからこそ事業計画や収支予算を

個人事業主の資金調達は基本的には難しいからこそ、特に助成金・補助金を活用したり金融機関に融資をお願いする場合には、それ相応の事業計画や収支予算を準備していく必要があります。

例えば、後述で資金調達の一つとして国による「小規模事業者持続化補助金」を紹介していますが、この補助金に申請する際には「経営計画書」や「補助事業計画書」などといった書類を提出しなければなりません。

そもそも、個人事業主として事業を営むにあたっては、事業計画や収支予算は安定した事業運営や将来的な事業拡大には必須の要素であるといってよいでしょう。資金調達をするしないに関わらず、事業計画や収支予算はしっかりと組んでおくことをおすすめします。

個人事業主が使える5つの資金調達方法

 

 

1. 国や自治体の助成金・補助金

まず先に「銀行や信用金庫などの金融機関からの融資は受けられないのか?」という疑問についてここでお答えしておきます。確かに検討することはできますが、現実的には個人事業主が金融機関から融資を受けるのはハードルが高いと言わざるを得ません。

それであれば、先に個人事業主でも取り組みやすい資金調達を検討・実践して事業を安定的に運営し、事業規模が大きくなって対外的な信用力も上がっててから金融機関からの融資を検討した方がよいでしょう。

個人事業主が検討すべき資金調達の方法として、まず国や自治体の補助金や助成金の活用が挙げられます。自身も事業として融資を行う金融機関とは違い、国や自治体は個人事業主や中小企業を「支援」するために様々な補助金や助成金の制度を設けています。

個人事業主でも申請できる補助金・助成金の制度としては、以下の3つが有名です。

・創業・事業承継補助金
・小規模事業者持続化補助金
・キャリアアップ助成金


それぞれ、概要を説明していきましょう。

創業補助金

創業補助金とは、「創業に要する経費の一部を補助し、地域の活性化を促す」ことを目的として創設された補助金です。

「事業実施期間中に一人以上の雇用を要件化するとともに、民間金融機関等からの外部資金の活用が見込まれ、経営安定化のために継続して第三者からの支援が期待できる事業に対して重点的に支援」すると、中小企業庁は説明しています。

かみ砕いて説明すると、会社を作る際に、一人以上の従業員を雇うことを絶対条件に、国が費用の一部を助成してくれる、というものです。

しかし、すべての会社や個人事業主が対象となるわけではありません。創業補助金の対象となるには、区市町村が実施する「特定創業支援事業」の認定を受けておく必要があります。

特定創業支援事業とは、創業を予定している人や創業後間もない人を対象として、経営や財務、人材育成などの知識習得を支援する事業のことです。

この事業の認定を受けることで創業に関する各制度において優遇措置を受けられるようにもなる、という制度なので、創業補助金の検討をするしないに関わらず、認定を受けることを検討することをおすすめします。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、「小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって経営計画を作成し、取り組み販路開拓(例:看板作成、HP作成、チラシ作成)等を支援」するための補助金です。

会社のホームページや看板、チラシ作成など、販路開拓に対する取組が補助対象となっており、補助率は2/3、補助上限額は50万円となっています。

事業運営していくにあたってホームページを作成する個人事業主も多いでしょう。きちんとしたホームページを作るとなるとそれなりの費用がかかるので、活用を検討してみましょう。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、「有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度」です。

有期契約労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合に助成する「正社員化コース」や、有期契約労働者について正規雇用労働者と共通の職務に応じた賃金規定等を新たに作成・適用した場合に助成する「賃金規定等共通化コース」など、会社として行う様々なキャリアアップの取り組みに対応したコースを選択できるのが特徴です。

自分ひとりで事業運営していく場合には使えませんが、もし従業員を雇用するには、給料以上のコストがかかります。特に規模が大きくない会社の場合にはぜひ活用を検討してほしい制度です。

2. 日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫の融資を活用するのも資金調達の有効な手段です。銀行や信用金庫などとは異なり起業家や中小企業を支援することも目的である日本政策金融公庫ならば、他の金融機関と比べれば融資のハードルが低いといえます。

日本政策金融公庫の融資制度の中で個人事業主でも使えるものとしては「新規開業資金」や「新創業融資制度」が挙げられます。

新規開業資金は「雇用の創出を伴う事業を始める方」や「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」などが、新創業融資制度は「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」がそれぞれ対象となっています。

日本政策金融公庫の融資制度を利用することのメリットとして、先述のとおり融資のハードルが比較的低いことに加えて、利率が低いことが挙げられます。

融資条件などにより変動はありますが、日本政策金融公庫の融資制度の利率は0.66%から高くとも2.90%。金融機関の融資の利率相場が2~15%であるのと比べるとかなり低いことが分かります。

日本政策金融公庫は上記2つ以外にも様々な融資制度を用意されています。日本政策金融公庫のウェブサイトでは一覧で紹介されているので、確認してみることをおすすめします。

3. 金融機関からの借入(信用保証協会による保証付き融資)

冒頭で「個人事業主が金融機関から融資を受けるのはハードルが高い」という話をしましたが、個人事業主が金融機関から融資を受ける際に「全国信用保証協会連合会」を保証人に立てることで融資が受けやすくなる、という仕組みがあります。これを信用保証協会による保証付き融資といいます。

信用保証協会による保証付き融資には、本来であれば難しい金融機関からの借入のハードルが下がるというメリットのほか、担保や連帯保証人が不要という利点もあります。ただし、融資の審査には約1ヶ月の時間がかかること、信用保証協会に所定の信用保証料を支払う必要が生じることが難点です。

なお、金融機関からの借入は基本的にはメガバンク、地方銀行、信用金庫・信用組合の順でハードルが下がります。特に信用金庫・信用組合は個人事業主からの融資の申し込みであっても比較的丁寧に対応してくれるので、狙い目といえるでしょう。

4. ビジネスローン

金融機関からの借入が難しいとなると、ビジネスローンが選択肢として浮上してきます。

ビジネスローンとは法人や個人事業主が資金調達のために使用できるローンです。似たようなものに個人の私的利用が目的であるカードローンがありますが、実はカードローンは事業資金として利用することはできず、あくまで私的利用に限られるという前提が存在します。

ビジネスローンは、審査のハードルも低く即日融資を受けられる可能性も比較的高いために使い勝手が良いように見えますが、金利がかなり高い(1.8%~18.0%)ために、長期間の借入に不向きです。

ですから基本的には資金調達の最終手段か、あるいは万が一の緊急事態におけるつなぎ資金として考えておくべきでしょう。

5. クラウドファンディング

最近は、インターネット経由で不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」も注目され始めています。

クラウドファンディングは資金提供者に対する見返りの仕方によって「寄付型(金銭的見返りがない)」「投資型(金銭的見返りがある)」「購入型(サービスや商品を見返りとして提供する)」の3つに大別されます。

中でも「寄付型」や「購入型」は基本的には資金の返済義務がないことが多く、また理念や事業計画に共感してもらえさえすれば資金調達が可能という点から、多くの個人事業主などが各サイトでプロジェクトを公開し資金を募っています。

まとめ

 


株式会社などと比べて信用力に乏しい個人事業主であっても、可能性が見込める資金調達の方法はいくつかあります。

資金調達といえば金融機関からの融資が頭に浮かびやすいですが、国や自治体は個人事業主や中小企業に対して様々な補助金・助成金の制度を準備していますし、日本政策金融公庫の融資制度も有効な手段です。

実際のところ、個人事業主の資金調達における一番の課題は、そういった可能性のある調達方法に関する知識があまりない、ということだともいえます。国や自治体などが積極的に広報をしているわけでもないので難しいところではありますが、調べれば本当に様々な制度や仕組みがあることに気づくと思います。

簡単に借りられてしまう資金調達はそれだけリスクやデメリットもあるといえます。まずはしっかりと情報収集をしましょう。また、資金調達するしないに関わらず、事業計画や収支予算についてもしっかり組み立てておくことを強くおすすめします。

画像出典元:PEXELS

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