起業といえば20代や30代の若い世代のものという印象がありますが、実は40代以降でも十分成功する可能性を秘めています。
ただし、40代以降の起業にはメリットもあればデメリットもあることを忘れてはいけません。
また、成功のためには抑えておくべきポイントやステップをしっかりと確認することも必要です。
この記事では、40代以降での起業を成功させるための要素をさまざまな角度から解説していきます。
このページの目次
40代で起業を考える人にとって、真っ先に思い浮かぶのが「遅いのではないか?」ということでしょう。
実際に40代での起業は遅いのでしょうか。
日本政策金融公庫の「2021年度新規開業実態調査」を見ると、実は国内で起業する人の平均年齢は43.7歳と、まさに40代の人が中心となっています。
さらに、起業家の平均年齢はここ10年ほど右肩上がりに上がっており、それにともなって40代の割合は年々増加しています。
華やかな若手起業家のイメージが強いため誤解しがちですが、実際は社会人として豊富な経験を積んだ年代が起業するケースがもっとも多いのです。
40代での起業は、その年代ならではのメリットを存分に活かすことができます。
たとえば、企業でのキャリアで培った知識、経験、人脈や、貯蓄による自己資金の準備のしやすさなどが挙げられます。
地に足のついた堅実な起業には、若い世代よりも社会人としての基盤がある40代の方が向いていると言えるでしょう。
続いて、40代で起業することのメリットをより詳しく解説します。
企業で10年、20年と働いてきた40代は、業界についての知識や、実務・マネジメント能力を若い世代よりも豊富に蓄えており、それが起業にも活きてきます。
また、取引先や同僚との人脈は、そのまま起業後の顧客獲得や従業員、委託先の確保にもつながります。
40代の平均貯蓄は単身者で800万円、2人以上の世帯で900万円と言われています。
起業資金の確保には融資を受けるのも選択肢ですが、貯蓄の一部を自己資金として起業できれば、よりリスクを抑えることが可能になります。
40代は多くの人が管理職についてひととおりの仕事を経験した頃で、既婚者なら子育てがひと段落するタイミングでもあります。
20代後半や30代と比べても、実はライフステージにおいてチャレンジしやすいタイミングと言えるのです。
40代で起業するメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。
40代での起業には、もし失敗した場合にリスクが大きいというデメリットがあります。
再就職は若い世代に比べるとどうしても不利で、また精神的にも負担が大きいものになります。
また、既婚者や子供がいる人であれば、負債を抱えて家族に迷惑がかかるリスクも考えておかなければいけません。
40代の起業では、世の中にイノベーションを起こすような事業を作り出すのは難しいということも理解しておく必要があります。
革新的な起業にはやはり若い世代特有の斬新なアイデアが必要とされることが多く、たとえばGAFAの創業者は全員20代から30代前半で起業しています。
40代はそうした若い世代と競うのではなく、業界における立ち位置や顧客ニーズを正確に捉えた堅実な起業を目指しましょう。
下記の記事では、起業のメリット・デメリットについて解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
40代が起業を成功させるためには、抑えておくべき重要なポイントがいくつかあります。
ここでは、以下の5つのポイントを解説していきます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
40代が起業するうえでもっとも重要なのが、自分がこれまで働いてきた業界で起業することです。
すでに解説したように、40代は若い世代に比べて業界知識や実務経験、質の高い人脈を蓄えています。
失敗するリスクを抑え、成功の確率を高めるには、そういったアドバンテージが活きるビジネスを始めるのが定石と言って良いでしょう。
40代の起業はとにかくリスクを抑え、堅実に成功の確率を高めることが重要です。
そのために、業界における立ち位置、顧客ニーズ、競合他社などの状況を整理したうえで、優位性を持てる事業モデルを綿密に設計してから始めましょう。
仮に自分のアイディアに自信があったとしても、それが本当に利益につながるかを検証してから起業することが成功確率を高めることにつながります。
いきなり多額の資金を借り入れたり、身の丈に合わない自己資金を投下しないということも
リスク管理のうえでは重要です。
まずは小さくても収益を得られる構造を作り、PDCAサイクルを回しましょう。
副業から始めるのもリスクが抑えられる良い方法です。
徐々に売上が伸びてきたら、それにあわせて人を増やしたり、資金調達してスケールしていきましょう。
起業の初期段階では、経理や法務などバックオフィス周りも自分で処理しなければなりません。
起業後にあわてて対応したり高い費用を払って外注するよりも、事前にある程度学んでおくことで、事業のコア部分に集中できて結果的に成功確率が高まります。
こちらも売上が拡大して資金に余裕ができたタイミングで徐々に従業員を採用してパスしていきましょう。
すでに解説したとおり、40代以降の起業は比較的リスクが大きく、既婚者であれば家族にも影響がおよぶ可能性があります。
失敗した時のリスクを事前に説明して理解してもらうことはマストと言って良いでしょう。
また、失敗しても生活費や子供の養育費が十分まかなえるように、余裕を持った資金管理をしておくことも欠かせません。
実際に40代の会社員が起業するとしたら、どんなステップを踏むべきかを具体的に解説します。
実際に起業を進める際は以下の6ステップを参考にしてみてください。
ステップ1:構想、計画
ステップ2:副業で始める
ステップ3:家族への説明
ステップ4:開業資金準備
ステップ5:退職
ステップ6:開業
まずは、事業のアイディアを出し、大まかな構想を練って計画書に落とし込んでいくことから始めます。
時間がかかっても良いので、なるべく具体的で詳細なものにしておきましょう。
また、市場、ニーズ、競合などの調査もここで済ませておきましょう。
もし可能であれば、会社に勤めながら副業で始めてみましょう。
実際に売上が発生するか、利益が十分出るかどうかを確かめ、難しそうであれば1の段階に戻って計画を練り直します。
うまくいったら、資金を投下したり人を雇って本格的に事業化するための準備へと進みます。
実際に事業として成立しそうだと確信できたら、この段階で家族に説明するのが良いでしょう。
失敗した場合にどれくらいの損失があるか、子供への影響はどれくらいかなどを説明したうえで、相手に100%納得してもらうことが重要です。
事業の内容によっても必要な資金は異なり、ほとんど0円で起業できるケースもありますが、数百万〜1,000万ほど必要になることもあります。
銀行からの融資、助成金などを受ける場合は、改めて事業計画書を精査してから臨みましょう。
また、自己資金を準備できる場合は貯蓄の一部を回して、必要な資金の30%以上をまかなえると理想的です。
開業の準備が大部分整ったこの段階で、勤めている会社を退職します。
早めに退職の意思を伝えて、スムーズに起業に移れるようにスケジュールを立てて進めましょう。
なお、自分のビジネスの取引先や従業員になってくれる可能性もあるため、社内や取引先との関係は良好に保ったまま辞めることが重要です。
準備が整ったら、いよいよ開業です。
開業届の提出、保険の切り替え、法人の場合は法人口座の開設、登記など細かな書類処理を済ませて、事業をスタートさせましょう。
40代の起業は十分成功の可能性がありますが、向いている人もいれば、向いていない人もいます。
自分がどちらに当てはまるかをチェックして、適性を見極めましょう。
起業した方が良い人の特徴としては、以下の要素が挙げられます。
40代の武器である特定分野の知識や経験が豊富にあり、そこから価値の生まれそうなアイディアまで昇華できていることが重要です。
また、パーソナリティに関していえば、ゼロから取引先を開拓したり資金提供してくれるパートナーを見つけるための行動力も欠かせません。
起業しない方が良い人は、基本的に起業した方が良い人と反対の特徴を持った人ということになります。
業界を転々としていて知識がない、起業したいという意志はあってもどんなビジネスにすべきかがわからない人は要注意です。
また、ひとりで行動するよりも組織内で協力して働くのが快適という人は、起業ではなく、組織内で新規事業の立ち上げに関わる方が向いている可能性があります。
参考として、40代以降で成功した遅咲きの経営者をピックアップして紹介します。
40代以降でも、彼らのように成功できる可能性は十分あります。
画像出典元:「ダイソン」公式HP
ジェームズ・ダイソンは、46歳の時にサイクロン掃除機で世界的企業になるダイソン社を設立しました。
従来の掃除機の性能に不満を感じていた彼は、自分で高性能な掃除機を作ることを決意。
5年以上の時間をかけて5000以上の試作機をつくり、やっと理想の掃除機を生み出します。
掃除機が大量生産できるようになるまではほとんど収入がなく、パートナーが絵画教室の収入で家計を支えていたと言います。
画像出典元:「ファーウェイ」公式HP
いまや中国トップクラスのテック企業となったファーウェイですが、創業者のレン・ジェンフェイは当時44歳で失業状態でした。
貧しい村に生まれ、苦労して入隊した人民解放軍をリストラ、その後勤めた会社でも詐欺にあって辞職するなど度重なる不運に見舞われます。
ファーウェイの創業は、会社を大きくしたい、何かを成し遂げたいというつもりではなく、ただ生き延びるためだったそうです。
それでも、電話のデジタル交換機にはじまり、ポケベル、携帯電話、スマホとビジネスを拡大し、世界的企業へと成長させました。
画像出典元:「出口治明」公式Twitter
インターネット系生命保険会社として有名なライフネット生命が創業されたのは、なんと創業者が58歳の時でした。
従来の外交員ありきのスタイルではなく、インターネットで直接販売できるビジネスモデルを作り上げ、6年後には上場を成し遂げます。
大学卒業後30年以上にわたって生命保険業界で知識や経験を積み、そのノウハウを活かした起業で、まさに40代以降の理想的な起業スタイルといえます。
起業といえば20代や30代のものというイメージがありますが、実は40代での起業はメリットが多く、成功例も数多くあります。
実際に起業するうえではいくつか抑えるべきポイントやステップがあり、なかでも経験を活かすこと、リスクを抑えることが重要です。
もしも今40歳を過ぎていて起業しようかどうか悩んでいる人は、思い切ってチャレンジすれば新たな可能性が開けるかもしれません。
画像出典元:Unsplash、Pixabay
新聞社・テレビ局の関係図は?考え方の傾向や違いも解説!
スポーツ選手の年収ランキング!世界・日本国内別、競技別の収入事情を解説
SNS集客は古い!?SNS集客のコツや成功事例・メリットなど紹介
SNSコンサルとは?仕事内容と運用代行の違い・費用相場や会社の選び方など解説
ブラック企業とは?定義・特徴や見分け方、上手く抜け出す方法
決意表明で差をつけよう!好印象な例文集と使える四字熟語
パソコンでFAXを送受信する3つの方法!特徴・選び方・無料版は?
インターネットFAXのデメリット6つ!メリットや自社に合う選び方も
富裕層の定義|総資産や職業・存在数の多い地域、資産家との違い
大企業の定義とは?従業員数?資本金額?中小企業との違いも解説