合同会社設立の必要書類一覧と、その作成方法を徹底解説【作成例つき】

合同会社設立の必要書類一覧と、その作成方法を徹底解説【作成例つき】

記事更新日: 2023/09/05

執筆: 高浪健司

合同会社は2006年に会社法が改正された際、新しく誕生した会社形態で、株式会社に比べ知名度は劣ります。

しかし、会社設立や運営のしやすさなどから、合同会社の新設立件数も年々増加傾向にあり、おそらくこの先も増え続けていくでしょう。

そこで今回は、合同会社を設立する際の必要書類や、その作成方法について、詳しく解説していきます。

合同会社の設立に伴う必要書類一覧

合同会社を設立する場合は、設立登記に必要な書類を揃えなくてはなりません。しかし、合同会社の場合は株式会社と違って必要な書類の数も少ないので、比較的簡単に揃えられます。

以下では、合同会社の設立に必要な書類をまとめた一覧となりますので、どのような書類が必要になるのかを、まずは確認しておきましょう。

合同会社の設立に必要な書類

  • 会社設立登記申請書+収入印紙
  • 登記用紙と同一の用紙(CD-Rでの作成も可)
  • 定款2部(会社保管用と法務局提出用それぞれ1部ずつ)
  • 代表社員の印鑑証明書
  • 代表社員就任承諾書
  • 印鑑届書
  • 払込証明書
  • 代表社員、本店所在地及び資本金決定書(必須ではない)


以上が、合同会社を設立するにあたって必要となる書類です。

では続いて、上記で挙げた一覧の書類について、作成方法を交えながらそれぞれ詳しく解説していきます。

なお、定款の作成については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてください。

 

自分で必要書類作成するのが面倒な方は…?

これから合同会社設立時の必要書類の準備の仕方を説明しますが、なかには記事を読んでみて大変だな、やりたくないと感じる方もいると思います。

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1. 合同会社設立登記申請書の作成方法

合同会社の設立登記申請書はこのようになっており、赤く記しているところを各自記入していくという形です。

合同会社設立登記申請書の項目解説

項目 解説
商号 定款に記載してある通りに記入する。
本店 住所を番地まで正確に記入。※1-2-3といった省略は不可。
登記すべき事項(※) CD-Rの場合「別添CD-Rの通り」、フロッピーディスクの場合は「別添FDの通り」と記入。
課税標準金額 資本金の額を記入する。
登録免許税 資本金の額×0.7%で計算した額が税額となる。なお、計算した合計が6万円に満たない場合は、一律6万円。
添付書類 申請書に添付し、提出する書類を分かりやすく記入する。
日付 申請書を法務局に提出する日付を記入する。
押印 本店の住所、社名、代表社員の住所を記入し、その横に会社の代表印を押す。
法務局の名称 本店の所在地を管轄する法務局にて登記申請書を提出しますので、該当する法務局の名称を記入します。


(※)登記すべき事項では、用紙で提出するか、CD-Rもしくはフロッピーディスクで提出するかで、以下のように書き方が変わります。

  • 用紙の場合:「別紙の通り」
  • CD-Rの場合:「別添CD-Rの通り」
  • フロッピーディスクの場合:「別添FDの通り」

このように、提出の仕方によって書き方が異なるので、提出する方法に沿って、いずれかの書き方に変えてください。

登録免許税の収入印紙

登記申請をする際は、登録免許税が必要です。登録免許税は、合同会社設立時の資本金×0.7%か、最低6万円と決められています

例えば資本金が400万円の場合、その0.7%は2.8万円となりますが、最低6万円と決められているので、登録免許税は2.8万円ではなく6万円になります。

なお、登録免許税は収入印紙を購入し「登録免許税納付用台紙」に貼りつけて納めます。

この登録免許税納付用台紙は法務局でももらえますし、下記の図のように、A4やB5のコピー用紙を使って、貼りつけても大丈夫です。  

収入印紙を貼りつけた登録免許税納付用台紙は、登記申請書と一緒に提出します。

※収入印紙に消印は絶対にしてはいけません。

2. 登記用紙と同一の用紙とは

合同会社の設立に必要な書類のなかに、「登記用紙と同一の用紙」というものがあります。

この登記用紙と同一の用紙というのは、登記簿謄本に記載される事項を記入したものです。

登記申請の際は、登記すべき事項を提出する必要がありますが、提出の際、法務局にあるOCR用紙で作成して提出する方法と、各自パソコンで作成し電磁的記録媒体(CD-Rやフロッピーディス)で提出する方法との2通りがあります。

なお電磁的記録媒体(CD-Rやフロッピーディス)で提出する際は、テキストファイルを用いて下記のように作成してください

登記用紙と同一の用紙の作成例

「商号」合同会社〇〇〇〇〇〇〇

「本店」〇〇〇〇〇〇〇〇丁目〇〇番〇〇号

「公告をする方法」公告は電子公告による方法とする。(ホームページのURL)

「目的」

1.〇〇〇〇の製造販売

2.〇〇〇〇の売買

3.前各号に附帯する一切の事業

「資本金の額」金○○○万円

「社員に関する事項」

「資格」業務執行社員

「氏名」〇〇〇〇

「社員に関する事項」

「資格」業務執行社員

「氏名」〇〇〇〇

「社員に関する事項」

「資格」代表社員

「住所」〇〇〇〇〇〇〇〇丁目〇〇番〇〇号

「氏名」〇〇〇〇

「登記記録に関する事項」設立


上記のように各自パソコンで作成し、CD-Rもしくはフロッピーディスクに保存し、そのままディスクを法務局に提出します。

登記すべき事項を作成する際の注意点

  • 文字コードは「シフトJIS」を使用し、すべて全角で作成
  • テキスト形式で作成し、ファイル名は「(任意の名称).txt」にする
    (例:合同会社・設立.txt)
  • タブ(Tab)を使用せず、字下げや文字の区切り等により空白が必要な場合は、スペース(全角)を使用
  • 記録は1枚のディスクに1件の申請に限る
  • ディスクには、申請人の氏名(法人にあっては、商号又は名称)を記載した書面を貼り付け

3. 代表社員の印鑑証明書

合同会社を設立する際の登記申請には、代表社員の印鑑証明書が必要ですので、代表社員で印鑑証明書が無い方は、速やかに作成してください。

印鑑証明書は、市区町村役場にて取得できます。なお、作成する際は「印鑑登録する印鑑・身分証明書(運転免許証)」を持参するようにしてください。

ちなみに、代表社員が複数存在している場合は、すべての代表社員の印鑑証明書が必要となりますので、ご注意ください。

4. 代表社員就任承諾書

代表社員就任承諾書については、特に必須というわけでもなく、定款において代表社員を実名で定めている場合、用意する必要はありません。しかし、それ以外の場合は代表社員就任承諾書が必要となりますので、作成例を下記に記載します。

就任承諾書の日付は、代表社員として決定した日付を記入します。続いて社名、住所、氏名と記入していき、氏名の横に実印を押します。

なお、印鑑は印鑑証明書として登録してある印鑑と同じものを使用してください。

5. 印鑑届書の作成

合同会社の設立登記をおこなう際、会社の印鑑(会社実印)を作り、本店を管轄する法務局にて会社実印の登録を行う必要があります。

その会社の実印登録をするために必要なのが「印鑑届書」です。

ちなみに、実印登録する印鑑の大きさは、辺の長さが1㎝以上3㎝未満の正方形内に収まるサイズの印鑑でなければならないと決められています。ですので、会社の印鑑を作る際は、指定サイズに収まるサイズで作りましょう。

以下の記事でおすすめの法人印鑑を解説していますので併せてご覧ください。

 

印鑑届書の記入例

印鑑届書はこのように記入します。

なお、合同会社では【資格】のカッコ部分に(代表社員)と記入します。また、「会社法人等番号・印鑑カードの引き継ぎ」に関しては、特に記入する必要はありません。

印鑑届書の作成例・フォーマット(法務局)

6. 払込証明書の作成と通帳のコピー

払込証明書の作成

払込証明書というのは、定款のとおりに全ての社員から資本金の払い込みがされているかということを証明する書類となります。

定款の認証が完了したら、資本金の払込みが行われます。

また、資本金の払い込みは一般的に銀行振込にて行われ、すべての社員が個別に資本金を指定口座に振り込みます。

※資本金の振込は、必ず誰が振り込んだか分かるようにし、振込日が定款認証完了日以降になるようにしてください。

資本金の払込があったことを証明する書面は、下記のように作成します。

通帳のコピー

資本金の払込証明書が作成できたら、次に通帳のコピーを取ります。

なお、通帳のコピーが必要なのは、下記のように「表紙」「振込ページ」「裏表紙」の3ページです。

このように、表紙・裏表紙・振込ページと、3ページのコピーを取りますが、コピーを取る際は全部で3枚になるよう、それぞれ1枚ずつコピーしてください。

資本金の払込証明書を製本する

払込証明書と通帳のコピーの準備が整ったら、下記のようにすべて重ねて製本にします。なお、製本にする際の順番は、下記のとおりです。

1. 払込証明書

2. 通帳表紙のコピー

3. 通帳表紙裏のコピー

4. 資本金の振り込みが確認できる振込詳細ページ

上の図のようにまとめたら、左端の2ヶ所をホチキスで留め、さらに下の図のように各ページの見開き部分に、会社の代表印である実印を契印して完了です。

7. 代表社員、本店所在地及び資本金決定書

本店所在地及び資本金決定書は、定款で代表社員や本店の所在地を番地まで記載していなかったりしている場合、必要となる書類です。

つまり、すでに定款にて「本店所在地の住所が詳細に記載されている」「資本金の総額額がしっかり記載されている」「代表社員の名前が明記されている」といった場合は、こちらの書類は作成する必要はありません。

代表社員,本店所在地及び資本金決定書の作成方法は下記のとおりです。

日付は定款作成日から払込証明書に記載する日付の間であれば、いつでも大丈夫です。なお、本店所在地の記入は省略せず、必ず番地まで確実に記入するようにしてください。

8. 必要書類をまとめる

合同会社の設立に必要な書類が揃ったら、最後に書類を綴じて製本にします。なお、申請書類を綴じる順番につきましては、下記の順番にすると良いでしょう。

1. 合同会社設立登記申請書

2. 登録免許税納付用台紙

3. 定款

4. 本店及び資本金決定書

5. 代表社員の就任承諾書

6. 代表社員の印鑑証明書

7. 払い込み証明書


このような順番に並べホチキスで留めます。なお、「登記すべき事項」と「印鑑届書」はホチキス留めではなくクリップ留めです。

以上、すべての書類が綴じ終わったら作成は完了ですので、本店を管轄する法務局へ行き、実際に設立登記の手続きを進めましょう。

まとめ

さて今回は、合同会社の設立登記に必要な書類に加え、その作成方法などについて、詳しく解説してきました。

合同会社設立登記に必要な書類の数は、株式会社に比べて非常に少ないですので、比較的簡単に書類を作成することができ、揃えるのも難しくはありません。

しかし、登記申請に必要な書類一つひとつは非常に重要なもので、誤字脱字や書類漏れなど、一切の不備も許されません。ですので、そういった不備が出ることのないよう、書類を作成する際はしっかりと確認しながら作成するようにしてください。

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これから合同会社設立時の必要書類の準備の仕方を説明しますが、なかには記事を読んでみて大変だな、やりたくないと感じる方もいると思います。

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なお、合同会社設立の流れについては以下の記事で解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。

画像出典元:Pexels

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