発起人の報酬を創立費として経費計上することで節税メリットが得られる

発起人の報酬を創立費として経費計上することで節税メリットが得られる

記事更新日: 2019/01/06

執筆: 宮嵜涼志

発起人とは、会社を作ることを考えた人のこと。少なくとも最低1株分の出資を会社に行う必要があり、会社の設立手続きにおける責任を負っています。

会社設立後に経営者になる人が、発起人になる会社がほとんどです。

発起人には会社設立を行うという義務と責任があるため、その働きに見合った報酬を定めることができます。

実は、この発起人の報酬を「創立費」として経費計上することで節税メリットを得ることができるのです。

今回は、発起人の報酬を用いた節税テクニックを解説していきます。しっかり内容を押さえて、お得に会社設立しましょう!

発起人とは

発起人を簡単に説明すると、会社をつくることを考えた人のことを指します。

より厳密には、会社法上で発起人には役割と責任が定義されており、単に会社設立に参画した人だけを指すわけではありません。

会社法上でいうところの発起人とは、「会社設立にあたって出資し、定款に記名・押印した人物」です。

発起人は会社設立を遂行する義務と責任を負っており、自分で、あるいは代行業者などに依頼して会社手続きを進めていく必要があります。

また自分以外の出資者(株主)を探す場合は、その募集業務も行います。

発起人は会社設立後に株主となり、会社の意思決定に関わっていくことになります。

中小企業・ベンチャーにおいては、会社設立後に経営者になる人が発起人になる会社がほとんどです。

 

発起人に対する報酬の取扱い

発起人に対する報酬は創立費

発起人は会社設立業務における責任を負っているために、その負担に見合った報酬を支払うことができます。そして発起人に対する報酬は、創立費として計上されます。

創立費とは、会社設立完了前の準備費用のことです。

具体的には、法人登記にかかる登録免許税や会社設立準備のミーティングにかかったカフェ代なども創立費として計上されます。

発起人に対する報酬も、会社からみれば会社設立完了前に発生する費用なので、創立費になるというわけです。

創立費は好きなタイミングで損金にできる

税法上、創立費はまず「繰延資産」として資産扱いされます。

繰延資産とは

繰延資産とは本来費用であるものを資産とみなしたものです。

費用の中には、その効果が一定期間続くものがあります。そこで費用を一旦繰延資産としてみなし、それを一定期間で償却(費用として計上)することで、実際に得られた効果に合わせて費用計上できるようにするのです。


繰延資産は、一般的には一定期間定額で償却していきます。

しかし創立費に関しては、創立費をいつ、どのくらい償却(費用計上)するかは自由に決めることができます

よって、会社の利益がでたタイミングで創立費を償却することで、利益を圧縮し、払う税金を減らすことができるというわけです。

創立費は比較的自由に扱うことができるので、会社設立準備にかかった費用をきちんと創立費として計上し、創立費を増やしておくことで節税効果を増大させることができます。

発起人報酬を創立費計上するときの注意点

発起人報酬を定款で定める必要はない

発起人の受ける報酬は定款に記載し、その金額について検査役の調査を受けることが基本的には求められています。

これは、発起人自身が過大な報酬を定めて他の株主の利益が害されることを防ぐためのルールです。

しかし実際のところ、発起人報酬は創立にかかる費用として一般的に認められているものなので、金額が妥当であれば定款に記載していなくても創立費計上することに問題はありません。

なお定款に記載する場合は、以下のように記載するのが一般的です。

(発起人の報酬)
第〇条 発起人〇〇に対する報酬は金〇〇万円とする。

発起人報酬の決め方

発起人報酬を定める際には、会社設立業務にかけた時間の分を時給1,000円程度で換算するのが良いでしょう。

あくまで大体の目安なので、あまり神経質に業務時間を計算する必要はありません。

まとめ

創立費は比較的自由に扱うことができるので、発起人報酬を定め、創立費として計上することで節税メリットを得ることができます。

なお、発起人報酬を定める際には定款に記載しておくと無難です。

画像出典元:Pexels

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