シェアリングエコノミー(共有経済)とは、個人間の貸し借りビジネスをインターネットを介して行うビジネスマーケットのことです。
最近のシェアリングエコノミーは対象商品が幅広く、衣食住のほとんどをシェア(共有)する事が可能です。
無駄な出費をしたくない・廃棄が面倒と考える人が増え、SNSで個人間のやり取りに抵抗がなくなったことがシェアリングエコノミーの増加を後押ししています。
また、個人が所有する遊休資産を個人間のレンタルやスキマ時間・空間の活用によって、多様なモノの有効活用と経済を活発にする仕組みとして注目されています。
この記事では、シェアリングエコノミー「空間・モノ・移動手段・スキル・お金」のカテゴリーの人気サービス16選と、注目のシェアリングエコノミーを紹介していきます。
このページの目次
カテゴリー | 主なサービス |
1.空間をシェア | 民泊、ホームシェア、貸し会議室、貸しスタジオ、駐車場シェアリングなど |
2.移動手段をシェア | カーシェアリング、ライドシェアリング、自転車など |
3.モノをシェア | フリマアプリ、レンタルサービスなど |
4.知識・スキルをシェア | 家事代行、子育て・介護、クラウドソーシングなど |
5.お金をシェア | クラウドファンディング |
画像出典元:「スペースマーケット」公式HP
スペースマーケットは、一般的な貸しスタジオから、古民家、スポーツ施設、テレワークや会議向けのワークスペースなど幅広いスペースのレンタルを展開しているシェアリングエコノミーです。
借りる側はホストに一切会う必要はなく、前日までにホストから、場所・解錠方法・利用上の注意事項などの案内がメッセージで届いて、利用後にホストにメッセージで退室報告をしたら利用終了という流れです。
ホストは所有するスペースを無料登録し、貸し出すことで収入を得ることが出来ます。スペースが利用されたら「1日レンタル:成約金額の70%」「時間レンタル:成約金額の70%」「宿泊レンタル:成約金額の90%」という区切りでスペースマーケットから報酬が支払われます。
スペースマーケットは、「空間を貸し出す」シェアリングエコノミーとして人気です。
画像出典元:「シェア畑」公式HP
シェア畑は、農家の高齢化、担い手不足などにより維持・管理出来なくなった農地や使われていない遊休地を家庭菜園として貸し出すシェアリングエコノミーです。
シェア畑は、都心から通える関東圏と関西圏を中心に展開していて、初心者でも農業ができるように、バックアップが手厚いのが特徴です。手ぶらで畑へいけるように道具の貸し出し、初心者向け講習、公式サイトでの動画案内、利用者同士のコミュニティサイトの運営などのサービスが人気となっています。
畑を貸し出すオーナーは、畑の維持管理の負担が減り、貸し出し収益を得る事が出来ます。
野菜作りを週1回ペースから始めたいユーザーと農地・遊休地の活用したいオーナー双方にメリットがあるシェアリングエコノミーです。
画像出典元:「akippa」公式HP
akippa(アキッパ)は、個人宅の車庫やマンションの駐車場、事業所などの空いているスペースをオーナーが、akippaを介して駐車場を利用したいユーザーに提供するシェアリングエコノミーです。
ユーザはアプリから事前予約をしていくので駐輪場を探す時間的ロスがなくなり便利です。オーナーは、登録・掲載料は無料で、遊休資産の駐輪スペースを活用して報酬が入る仕組みです。。
最近は、コロナ禍では都心へ車通勤に切り替えたユーザー層が増えるなど今後も拠点・会員数が伸びるサービスとして注目されています。
画像出典元:「Uber Eats」公式HP
Uber Eats(ウーバーイーツ)は、フードデリバリーで有名なシェアリングエコノミーです。
Uber Eatsと一般的なフードデリバリーが違うのは、個人がスキマ時間に個人が所有する交通手段を利用して配達をしている点です。
「多様な事情に合わせた働き方をしたい人」と「自社でフードデリバリーシステムを持たない飲食店」と「自分で買いに行くことが出来ない人」をシェアするプラットフォームを提供しています。配達可能なエリアは増え続けているので、今後もニーズが高いサービスです。
画像出典元:「HELLO CYCLING」公式HP
HELLO CYCLING(ハローサイクリング)は、各地域の自転車レンタルサービスと提携して出張先や今日だけ必要など「使い時だけ借りたい人」と「地元のレンタルサイクリング」を繋ぐシェアリングエコノミーです。
セブンイレブンとの提携が始まり、今後も各地の自転車レンタルサービスとの提携先が増える予定で利便性が高く、使いやすい料金体系と人気を得ています。
自転車シェアリングとは、乗りたい時に借りて目的地で返却する注目のシェアサービスで、最近は都内を中心に赤い自転車で有名な「ドコモ・バイクシェア」も人気です。
画像出典元:notteco(ノッテコ)公式HP
notteco(ノッテコ)は、「公共交通機関より安く移動したい人」と「ガソリン代などの実費を節約したいドライバー」をつなげる日本最大の相乗りマッチングのシェアリングエコノミーです。
帰省などで同じ目的地の人、趣味が同じ人、同じイベントやスポーツ観戦へ行く人などが活用しています。ガソリン代、高速代などの実費をユーザーと車の運転手でワリカンするため、格安で移動をすることができます。
nottecoでは、ドライバーも同乗者も身分証明書の提出が必要で、相互レビュー・通報機能を付けて安全性に努めています。相互扶助の精神が求められるサービスであると理解しましょう。
画像出典元:「AirCloset」公式HP
AirCloset(エアークロゼット)は、アンケートに答えるとスタイリストが洋服をセレクトしてくれるOL向けのレディースファッションを月額制で借り放題のシェアリングエコノミーです。
ブランド側がAirClosetに商品を提供する事は、ブランドの知名度向上と顧客獲得の窓口としてAirClosetを活用しています。
ユーザー側は洗濯や置き場所などの管理が不要で、購入しないでお試し試着ができるのがメリットです。
AirClosetの男性ファッション版として「Leeap(リープ)」があり、「KARITOKE(カリトケ)」は高級で自分では変えないけど使ってみたい、購入前に試したいニーズ向けの腕時計専門シェアリングサービスなども人気です。
画像出典元:「メルカリ」公式HP
「自分にとっては不要でも、必要としている人を探せて、収入になる」個人間の売買のプラットフォームを提供してシェアリングエコノミーを一般化させたのがメルカリです。
メルカリの特徴は、出品手数料や発送の手間などがありますが、ユーザーも出品者も多いため売買成立する確率が高い事と、スマホ一つで完結できる簡単さがあります。
トイレットペーパーの芯や使い途中のモノなど何でも売買できますが、個人間の売買なので自己責任や判断が問われる場面があるなど、メリット・デメリットを理解した上で利用しましょう。
画像出典元:「アイカサ」公式HP
アイカサは、世界で最もビニール傘を消費する日本の状況から雨が降った時だけ使えるように「置き傘のシェア」を都内のオフィスエリアを中心に展開しています。
アイカサのビジネスは、傘に企業広告を載せる「広告費」「設置場所代」「ユーザー利用料」が収入源です。アイカサを設置する店舗や飲食店は、ユーザーの来客機会を作ることが出来るメリットがあります。
ユーザー側も雨の時だけ都度払いで利用できる・不要なビニール傘を買わずに済むメリットがある注目されているシェアリングサービスです。
画像出典元:「ストアカ」公式HP
ストアカは、個人間で教えたい人と習いたい人をシェア出来る習い事を集めたシェアリングエコノミーです。現在、スキルシェア型オンラインレッスンは人気分野です。
ストアカの特徴は、初心者でも得意なスキルがあれば先生なることができ、講座を開くことができるため、始めやすいことです。趣味レベルのイラストやハンドメイドから本格的な語学や法律講座まで選べるので、幅広い人から指示されるオンラインレッスンのシェア・サイトになっています。
副業の解禁やコロナ禍でオンラインレッスンに切り替えを理由に講座数や会員数は増えています。
画像出典元:「ココナラ」公式HP
ココナラは、個人が出品したスキルを売買するスキルのシェアリングエコノミーです。ココナラでは、ビジネス系スキル、クリエイティブ系スキルのほかに、カウンセリングや占いといった他のスキルシェアプラットフォームでは扱っていない幅広いスキルを提供しているのが特徴です。
スキルのシェアリングエコノミー(クラウドソーシング)は、ココナラ以外に「ランサーズ」「クラウドワークス」などがあります。
【ランサーズ】
ランサーズのメリットは、初心者へのサポートが手厚く、クラウドソーシングサービスについて学びながら活動ができるのが特徴です。初心者でも始めやすいスキルシェア型のクラウドソーシングです。
【クラウドワークス】
システムや手数料などはランサーズと似ていますが、ランサーズより高単価のビジネス案件が多い印象があります。ただ、全体の案件数はランサーズと変わらないので、スキルシェアの経験を積んでいく必要があります。
ビザスクはビジネス領域に特化したコンサルタントスキルのシェアリングサービスです。
業界・業務に関するアドバイスを求められるため、高い経験とスキルが必要となります。
とくに新規分野に進出する企業などがその分野の経験者にナレッジシェアをしてもらえるプラットフォームとして人気です。
画像出典元:「CaSy(カジー)」公式HP
CaSy(カジー)は、料理と掃除が中心の家事代行サービスのシェアリングエコノミーです。働く人が「週1日2時間~」という細かい時間でシフトに入ることが出来るため、スキマ時間で働くスタイルを提供しています。
CaSy(カジー)には、当日の3時間前まででも対応してくれる「直前リクエスト」サービスや、働く側も安心して個人宅で作業できるキャスト専用の「110番通報ボタン」などで、ユーザーと提供側、両方が利便性と安全性を維持したサービスとして定評があります。
他にも家事代行スキルのシェアサービスとして、料理と掃除以外に育児や買い物も依頼出来る「タスカジ」や、ご近所の御用聞きスキルをシェアする「ANYTIMES(エニタイムズ)」があります。
画像出典元:「DogHuggy(ドッグハギー)」公式HP
DogHuggy(ドッグハギー)は、ユーザーが旅行や出張など家を開ける時に、近隣の信頼できる預け先として個人の愛犬家(ドッグホスト)を探せるシェアリングエコノミーです。
ペットホテルと違い、犬が広々としたプライベートハウスで自由に過ごせて、24時間ドッグホストが一緒にいるなど、愛犬家同士の信頼関係で成り立つことで評判になっています。
愛犬家(ドッグホスト)は自身の犬に関する知識を活かして収入を得れるメリットが好評です。
泊まりだけでなく、お散歩代行など細かいニーズもシェアできるサービスとして人気です。
画像出典元:「Makuake(マクアケ)」公式HP
Makuake(マクアケ)は、株式会社サイバーエージェントが2013年に設立したクラウドファンディングのシェアリングエコノミーです。
アニメ「この世界の片隅に」がMakuakeを利用して資金調達をしたことで有名になりました。Makuakeはプロジェクトのメディア掲載にも強みがあるため、クラウドファンディングの成功率を上げるサポートが手厚いのが特徴です。
Makuakeは資金募集中プロジェクトの製品サンプルを常設スペースで展示してもらえることもあり、製品化したら販売してくれる可能性もあります。
ビジネス系プロジェクトだけでなく、旅行・体験や地方活性のプロジェクトもあり、幅広い分野のクラウドファンディングを扱っているので、小額から参加が出来るもの評判です。
画像出典元:「CAMPFIRE(キャンプファイア)」公式HP
CAMPFIRE(キャンプファイア)は、プロジェクトに対して支援者がお金を支援し、支援者はそのリターンとしてモノやサービスを得る仕組みのクラウドファンディングです。
安心してプロジェクトに支援できる「CAMPFIRE あんしん支援保証」制度があり、起案者・支援者ともに特別な費用を支払うことなくサポートしてくれるので初めてのクラウドファンディングに向いています。
最近は、不動産に特化した「Crowd Realty (クラウドリアルティ)」やスポーツ支援に特化した「FARM Sports Funding(ファームスポーツファンディング)」なども登場しています。
メルカリは「個人間売買」のシェアですが、最近は個人が個人にモノを貸し出すシェアリングエコノミーに注目が集まっています。
アリススタイルは、個人が使わなくなった物や季節限定の物などを個人から借り受け、個人へ貸し出すサービスです。サブスクで借り放題サービスや借りたまま購入する事もできるため、利便性が高く人気のシェアリングエコノミーになっています。
民泊で有名なAirbnbの新業態「Carstay」は、キャンピングカーレンタルのサービスです。Carstayは、オーナーから「車」「キャンプができる土地」を借りて、車中泊をしたいユーザーとを繋げるシェアリングエコノミーです。
キャンピングカーだけでなく、民泊のAirbnbの仕組みを活用して車中泊が出来る土地も個人間でシェアできるサービスを提供しており、人気が集まっています。
スキル分野のシェアリングエコノミーは、働き方の多様化やスキマ時間の活用、慢性的な人材不足などを解決する方法として注目されています。
Timee(タイミー)やショットワークは、スキマ時間でバイトをしたい人と急なシフトの穴埋めなど人材確保をしたいバイト先をマッチさせるサービスを提供しています。
Timee(タイミー)やショットワークを利用するユーザーは、自分のスキルを使って自分のタイミングで働けるメリットがあり、バイト先は必要な時だけ働いてもらう事で人件費を適正化できるメリットがあります。
食品ロス対策のシェアリングエコノミーはSDGsの注目もあってサービスも増えています。
TABETE(タベテ)は、お店側が売れ残りやケーキの端材、予約のドタキャンなどで余った食品をTABETEサイトに出品すると、アプリからユーザーに買い取ってもらう仕組みです。
ユーザーも事情を知って買い取るため、指定の時間になったらお店に取りに行きクレジット決済で完了なので、利便性と社会貢献になるシェアリングエコノミーとして注目されています。
Jukies(ジューキーズ)は建築現場の人材シェアリングエコノミーとして、手が空いている企業の重機とオペレーターを、別の企業とシェアできるプラットフォームを展開しています。
案件が多い企業と少ない企業が、人材と機材をシェアするビジネスも始まっています。
今後は、D-biz share(ディービスシェア)のようなデジタル分野の企業の案件・リソース・ノウハウのシェアなど、BtoBシェアリングエコノミーも増えていくと見込まれます。
シェアリングエコノミーのサービスは、まだ発展途上の一面もあるため、料金改定やサービスの変更があります。
各公式サイトを確認して「自分のイメージと合致しているか」「万が一の連絡先」などを含め、サービス内容と料金は公式サイトで確認しましょう。
シェアリングエコノミーのサービスは、シェア(共有)なので「善意で成り立っている」部分を理解していることが前提です。自己都合によるキャンセル、許容範囲を超えるようなサービスの強要、シェアしたモノの破損・紛失はマナー違反です。
完璧やプロフェッショナルではなく、多少のミスもシェア(共有)として楽しめる人向きのサービスであると理解しましょう。
シェアリングエコノミーを利用する前に、トラブルがないかを確認しましょう。以前は人気だったベビーシッターマッチング「キッズライン」のように、評判が急に変化しているサービスもあるからです。
利用者の評判など、ネットで確認できる事は確認して、分からない事はサービズ企業へ質問するなど、納得してからユーザー・ホストになる事を決めましょう。
シェアリングエコノミーについてまとめました。
消費・購入するよりもシェアリングエコノミーは圧倒的に経済的です。
現在は衣食住・旅行・働き方などはほとんどシェアリングエコノミーを活用することが出来ます。
自身の生活スタイルに合ったシェアリングエコノミーの活用法を見つけていきましょう。
画像出典元:O-DAN
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