会社勤めのサラリーマンであれば、会社が年末調整を行ってくれるため原則として確定申告は不要です。
しかし、転職のタイミング次第では確定申告が必要です。
退職金の確定申告や転職先で年末調整をしても確定申告が必要なケースも解説します。
確定申告は郵送やインターネットでも行えるため、わざわざ税務署へ足を運ばずとも可能です。
転職後に申告漏れとならないよう、条件に当てはまる方はしっかりと確定申告を行いましょう。
このページの目次
まず、転職後に確定申告が必要になるケースを解説します。
一般的に、年末調整は11月下旬~12月上旬ごろに行われます。
年末調整の時期に転職先の会社にも転職前の会社にも所属していない場合、年末調整を受けられないため自分で確定申告が必要です。
1月1日に入社予定の方も、年末時点でどこの会社にも所属していないならば確定申告をしなければなりません。
退職したものの転職先が決まっていないという方も同様です。
確定申告は2月中旬~3月中旬が申告期間となりますので、この期間中に申告できるようあらかじめ準備しておきましょう。
なお、自分が年末調整を受けたから分からないという場合は、退職時に交付される「源泉徴収票」を確認しましょう。
「源泉徴収票」にある項目のうち、「給与所得控除後の金額」と「所得控除後の合計額」に数字が記入されていれば年末調整済みです。
反対に、これらの項目に数字が記入されていなければ年末調整を受けていないことを意味します。
会社が年末調整を行うためには、会社がその年の間に給与を支払っていなければなりません。
そのため、年末の時点で転職先の会社に在籍しているが、年内は転職先から給与が支払われないという場合、会社の年末調整を受けられません。
この場合には自分で確定申告が必要です。
また、前職を11月に退職し12月に転職先に入社するなど短い期間で転職した方も確定申告が必要となることがあります。
転職先の会社が年末調整を行うためには、転職前の会社が発行する源泉徴収票が必要です。
しかし、源泉徴収票の発行には通常1か月程度かかり転職先の年末調整に源泉徴収票の発行が間に合わないのです。
この場合も年末調整を受けられないため確定申告が必要です。
上記と同じ理由から、転職期間が長いものの退職前の会社から源泉徴収票を受け取っていない方も確定申告を行わなければなりません。
次に、転職後の確定申告における提出書類と確定申告の手順についてご紹介します。
提出書類を準備し、所定の方法で提出するというのが大まかな流れです。
確定申告の提出書類は、主に以下3種類です。
源泉徴収票は退職した会社から発行されます。
退職後1か月後に発行されるケースが多いです。
確定申告書は、税務署や確定申告会場に置いてあります。
国税庁のホームページからもダウンロードできます。
振込依頼書は必須ではありませんが、払いすぎた税金が還付されることもあるので提出を推奨します。
振込依頼書には自分の銀行口座を記入することになるため、口座番号が分かるもの(キャッシュカードや通帳など)と銀行印を用意しておくとよいでしょう。
窓口による提出は確定申告書類の提出を税務署に持参する方法です。
確定申告会場を用意している自治体もありますので、その場合は確定申告会場に持参することもできます。
確定申告書類は郵送でも提出できます。
確定申告に関する書類は「信書」に該当するため「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」として送付する必要があります。
通信日付印により表示された日が提出日となります。
e-Taxを用いれば、インターネットを利用し自宅にいながら確定申告を行えます。
確定申告期間は税務署や確定申告会場が混むので、この方法はとても便利です。
e-Taxで確定申告を行いたい場合は、あらかじめ下記の物を用意しておきましょう。
転職と同時に問題になりやすいのが、退職金を支給されたら確定申告するべきなのか?という点です。
ここでは、退職金と確定申告について解説します。
前提として、退職金は「退職所得」に分類され所得税などが課税されるということを覚えておきましょう。
課税対象である以上、会社で納税してもらうか、自分で確定申告を行い納税する必要があります。
退職金を支給される場合、事前に会社に対し「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、会社が源泉徴収を行ってくれるため自分で確定申告する必要はありません。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておかないと、自分で確定申告を行う必要があります。
しかも、通常よりも多めに課税される(所得税20%+復興特別税0.42%=20.42%)ため納税額が増えてしまいます。
「退職所得の受給に関する申告書」は国税庁のホームページでダウンロードできるため、退職金を受け取る場合は必ず提出するようにしましょう。
外国企業から退職金を受け取る場合、日本企業と異なり退職金の源泉徴収が行われないこともあります。
この場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
会社ごとに取り扱いが異なりますから、あらかじめ会社に詳細を確認しておくとよいでしょう。
転職の有無に関わらず確定申告が必要となるケースもあります。
確定申告を行うべきなのにしていないと無申告加税により通常より多額の税金を納めなくてはならなくなるため注意しましょう。
昨今の副業ブームにより、クラウドソーシングサイトやアフィリエイトなどで副業収入を得ている方も多いでしょう。
副業所得も「雑所得」として課税対象になるので、副業所得が年間で20万円を超える場合は確定申告が必要です。
なお「所得」とは収入から経費を差し引いた額をいいます。
そのため、収入が20万円を超えていても、経費を差し引いて20万円未満になるのであれば確定申告は不要です。
経費としては例えば仕入れ金額や送料、書籍購入代などが挙げられます。
まずは経費として計上できる支出がないか確認してみるとよいでしょう。
1年間の給与収入が2,000万円以上ある人は、会社で年末調整が行われません。
そのため、自分で確定申告を行わなければなりません。
この場合、20万円未満の副業所得も合算して所得を計算することになるため注意しましょう。
給与を2か所以上からもらっている場合、各会社で正確な所得額を割り出せません。
そのため、給与をもらっている全ての会社から源泉徴収票をもらい、自分で給与を合算して確定申告を行う必要があります。
もっとも、メインで働いている会社の給与以外の給与が年間20万円以下であれば、確定申告は不要です。
不動産(土地・建物)を売却して利益を得た場合、この利益は譲渡所得として課税対象になるため確定申告が必要です。
マイホームを売却した場合、譲渡益が3,000万円以下であれば確定申告は不要です。
また、10年以上所有したマイホームを売却した場合は、譲渡所得6,000万円までは税率が軽減されます。
給与に加えて年金を受け取った人は、確定申告が必要です。
年金所得を確定申告する場合は、医療費控除などがあれば払いすぎた税金が還付されます。
110万円を超える贈与を受けた場合、贈与税の納税義務が生ずるため確定申告が必要です。
もっとも、住宅購入のために贈与を受けた場合、特例を利用することで810万円までは非課税となり確定申告は不要です。
年の途中で退職したが再就職していない人は、給与から源泉徴収されていたのに会社から年末調整を受けていない状態です。
この場合、確定申告を行うことで払いすぎた税金が還付されるケースが多いです。
確定申告が必須というわけではありませんが、確定申告をした方がお得といえるでしょう。
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今回は、転職と確定申告について、確定申告が必要なケースや確定申告の手順について解説しました。
基本的に、会社から年末調整を受けていない場合は自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告は、仕組みさえ理解しておけばそれほど難しい手続きではありません。
確定申告を行えば払いすぎた税金が還付されることもあるので、確定申告が必要な方は申告期間中に必ず申告しましょう。
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