社会保険の電子申請とは、インターネットを利用して行うことです。
2020年に一部の法人に対して社会保険の電子申請が義務化されました。
電子申請はメリットが多く、対象外法人でも利用できます。
今回は社会保険の電子申請の概要、導入メリット、対応している社会保険一覧を解説します。
電子申請システムは労務管理システムとの連携によって、さらに効率化が図れます。
電子申請システムは準備が必要なので、入社シーズンや年末調整など社会保険の申請シーズンの前に導入しましょう。
このページの目次
社会保険の電子申請とは、申請・届出を紙やCD・DVDではなく、インターネットを利用して行うことです。
2020年に一部の法人に対して社会保険の電子申請が義務付けられました。
現在は大きく分けて以下4つの法人で社会保険の電子申請が義務付けられています。
大企業と呼ばれるような法人と特定の業務を扱う法人が社会保険の電子申請義務対象となります。
なお、従業員数ではなく資本金を利用して判断されますので、厳密には「大企業」と呼ばれない法人でも義務化の対象になる可能性はあります。
上記のように大法人などで電子申請が義務付けられたと聞くと「中小企業には関係ない」と捉える人がいるようです。
社会保険の電子申請は全法人が利用可能です。
詳しくは以下で説明しますが、電子申請はメリットが多くありです。
社会保険の電子申請は「時間の短縮」「コスト低減」などです。
ただ、電子申請は利用開始には準備が必要です。
時間に余裕を持って手続きをしておきましょう。
画像出典元:日本年金機構リーフレット
電子申請を利用すれば、年金事務所、ハローワーク、役所の窓口の時間に左右されずに申請手続きが出来ます。
24時間パソコンから申請が可能です。
届出書類の手書き作業や印刷、押印の手間がなくなります。
データ管理となり、ファイルでの管理業務もなくなり、労務管理業務全般が効率化されます。
全てパソコンから申請できるため、社会保険は年金事務所、雇用保険はハローワークなど色々な窓口へ出向く必要がなくなり、交通費と時間が削減できます。
データ提出になるため、紙のコストと郵送代も削減されます。
厚生労働省のリーフレットでも「電子申請なら、紙や電子媒体による申請よりも早く処理が行われます。例えば、保険証は、紙での申請より電子申請の方が3~4日早く届きます。」と明記されています。
社会保険の電子申請は業務の効率化とコスト削減に大きなメリットがあります。
義務対象の法人でなくても、電子申請の活用を検討しましょう。
社会保険の電子申請は「e-Gov」と「GビズID」2つのシステムがあります。
e-GovとGビズIDの違いは大きくわけて以下の2点です。
e-Govは利用のための電子証明書の発行が有料です。
GビズIDでは印鑑証明書を郵送し申請するので無料です。
e-Govは多くの申請に対応していますが、GビズIDは限られています。
GビズIDを利用している場合は、一部申請は紙の申請書を利用する必要があります。
画像出典元:e-Gov電子申請「利用準備」
1. アカウントを作成(GビズIDのアカウント活用も可能)
2. 仮登録をする
3. 登録したメールにすぐURLが届く
4. 正式に登録して、利用開始
電子証明書は、GビズIDでは利用できない申請に必要です。
認証局は、e-Gov電子申請ホームページの掲載リストから選びます。
電子証明書の発行は有料で、時間がかかるので余裕を持った申請スケジュールが必要です。
参考:認証局のご案内
画像出典元:日本年金機構リーフレット
1. アカウントを作成
2. 申請書類作成の入力画面から必要項目を入力
3. 申請書を出力
4. 申請書と印鑑証明書を郵送する
5. 申請書が受領されたら、メールが届く
6. メールで届いたURLからGビズIDを登録し、利用開始
GビズIDの申請は、約2週間で受領されます。
開始時期を逆算して申請が必要です。
e-Gov | e-GビズID |
〇 | 〇 |
健康保険や厚生年金保険に関する手続きは、どちらを利用しても電子申請が行えます。
基本的な手続きをするだけであれば、どちらを利用しても差し支えありません。
e-Gov | e-GビズID |
〇 | 〇 |
雇用保険に関しても、どちらを利用しても電子申請が行なえます。
基本的な手続きをするのであれば、どちらを利用しても差し支えありません。
e-Gov | e-GビズID |
〇 | × |
労働保険はe-Govでの申請に対応していますが、GビズIDでの申請に対応していません。
労働保険の申請が必要な場合は、e-Govの登録が必要です。
画像出典元:e-Gov電子申請「ソフトウェアを利用した電子申請」
社会保険の電子申請システムを利用する場合は、労務管理システムを連携させます。
労務管理システムの情報をそのまま電子申請に利用でき、申請業務がスムーズに行えます。
また、労務管理としても、従業員のデータと申請データが一括管理で利便性が向上します。
社会保険の電子申請と連携するには、電子申請API対応の労務管理システムが必要です。
申請業務の効率化と正確性、利便性からもAPI対応の労務管理システムの導入を検討しましょう。
義務化されていない法人でも、社会保険の電子申請を利用可能です。
社会保険の電子申請システムは労務管理システムの連携によって、労務管理の効率化が可能です。
e-GovもGビスIDも利用には、準備期間が必要です。
入社シーズンや年末調整など行政の申請シーズンの前に導入を検討しましょう。
画像出典元:Burst Pixabay
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