パフォーマンスマネジメントとは、最近多くの企業が採用しているマネジメント手法のひとつです。
しかし、
なんて疑問や悩みを抱いてる人、多いのではないでしょうか?
ここでは、パフォーマンスマネジメントの特徴や導入時の注意点、従来のマネジメント手法との違いについて詳しく解説していきます。
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このページの目次
パフォーマンスマネジメントとは、従業員一人ひとりが会社のために自主的に行動できるように成長を促し、キャリア意識の向上や会社の成果に結びつけていくというマネジメント手法です。
現在では、従来の目標管理制度(MBO)などのマネジメント手法に行き詰まりを感じていた多くのグローバル企業がこのパフォーマンスマネジメントを採用しています。
ここからは、パフォーマンスマネジメントが一体どのような手法なのか詳しく解説していきます。
まずは、パフォーマンスマネジメントの主な特徴を見ていきましょう。。
上司と部下で定期的に、面談で業務の確認などを話し合うことによってコミュニケーションを深めて、良好な信頼関係を構築します。
面談は過去の評価についてを話し合うわけではなく、未来の目標の達成に向けてコーチングすることが目的となります。
数週間から3ヶ月という比較的短いスパンの面談で部下にリアルタイムでフィードバックし、必要に応じて目標の再設定や計画の変更も行います。
パフォーマンスマネジメントを導入することで期待できる効果はどのようなものなのでしょうか?
パフォーマンスマネジメントによって、従業員の帰属意識の向上が見込めます。パフォーマンスマネジメントの過程の中で、従業員の会社に対する愛着心が増していき、離職率を抑えることも可能です。
上司と部下との面談が増えることで、頻繁にコミュニケーションをとることになります。
その中で部下の性格や長所、短所などを把握することができ、対象の部下に応じたフィードバックで効果的な成長が見込めるでしょう。パフォーマンスマネジメントによって良好な信頼関係が築けます。
パフォーマンスマネジメントによって、従業員の主体性が高まります。
従業員は上司のサポートがあるので、安心して目標達成に向けてさまざまな業務を行うことができ、それが従業員のモチベーションアップに繋がるのです。
パフォーマンスマネジメントで、会社にに対して「自分が貢献したい」という意欲を促します。
パフォーマンスマネジメントが採用されるようになってきた理由として、目標管理制度(MBO)などの従来のマネジメント手法では現代のビジネスシーンに対応できなくなってきたことが挙げられます。
従来のマネジメント手法に行き詰まり、各企業が新しいマネジメント手法を探している中で注目を浴びているのがパフォーマンスマネジメントです。
現代は以前に比べてビジネスでの変化のスピードが激しく、そのスピードに対応するためには避けられない変化といえるでしょう。
次章では、従来のマネジメント手法との違いについて解説していくので、パフォーマンスマネジメントの必要性が更に具体的にイメージできるようになります。
パフォーマンスマネジメントとは別の人材マネジメントの手法として、目標管理制度(MBO)があります。
目標管理制度(MBO)とパフォーマンスマネジメントではどのような違いがあるのでしょうか。
目標管理制度(MBO)とは、「目標設定、行動、結果、評価」というステップを半期や1年ごとに繰り返すマネジメント手法です。
個別やグループごとに目標を設定して評価されることで、待遇までも変わってしまいます。評価は1年に1~2回程度実施されるのが通常です。
前章ではパフォーマンスマネジメントを採用する傾向にある理由に、目標管理制度(MBO)が時代に対応できなくなったことだと挙げました。
目標管理制度(MBO)にはどのような問題点があるのでしょうか?
目標管理制度(MBO)の問題点として、
・年に1~2度の目標に対する評価では、ビジネス環境の変化のスピードに対応しきれない
・従業員のランク付け制度は、モチベーションの向上や成果に結びつかない
・組織内で相対評価をされるため、チームワークが形成されない
・上司と部下の人間関係が構築されにくい
・従業員エンゲージメントが高められない
などがあげられます。
目標管理制度(MBO)は、給与制度や報酬制度とリンクされることが多く、目標を達成できなければ給与や報酬も低くなります。
その結果、従業員は目標を自ら低めに設定することになり、自身のモチベーションまで低下してしまうのです。
それでは、パフォーマンスマネジメントを導入すればどのように変化するのでしょうか。主な変化ポイントは以下の通りです。
導入前(MBO) | 導入後(PM) | |
上司と部下の関係 | 不信感が生じる | 信頼関係を築ける |
従業員の業務への姿勢 | チームに非協力的 | チームのために協力的 |
評価基準 | 不透明のまま | 明確になる |
目標の設定方法 | 上司が設定 | 部下が自ら設定 |
パフォーマンスマネジメントを導入することで、前述の目標管理制度(MBO)の問題点を改善することができます。
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パフォーマンスマネジメントの導入時には、目標設定、コーチング、フィードバックを意識しましょう。
まずはパフォーマンスマネジメントでも従来の目標管理制度(MBO)と同様に目標を設定しましょう。
目標を設定することで従業員一人ひとりの目指す方向を定めて、その目標に向かって上司と部下がマンツーマンで業務に取り組みます。
管理者による適切なコーチングによって従業員の主体性を高めていきましょう。適切なコーチングができれば、従業員との信頼関係を築くことができます。
従業員のモチベーションの向上を意識してフィードバックしましょう。そのために過去ではなく未来の目標達成に意識を向けて話し合うことが大切です。
パフォーマンスマネジメントの導入時の注意点は以下の通りです。
管理職は従業員にどのようにフィードバックを行うかをもう一度考える必要があります。
従業員のモチベーションを高めたり成果を出すことが見込めないフィードバックであれば信頼関係も築けません。管理職にはフィードバックに対する意識改革が必要です。
パフォーマンスマネジメントではコミュニケーション能力が必須です。しかし現在管理職に就いているような世代は、コミュニケーションをとるのが得意な世代ではありません。
そのため管理職のコミュニケーション能力の向上のために、事前に学習させることが必要です。
従業員が主体的に働けるように、会社が目指している方向性を従業員にも伝わるように示す必要があります。成果を出すためにも、会社の考え方やスタンスに一貫性を持たせましょう。
ここまで、パフォーマンスマネジメント導入時のポイントや注意点について解説してきましたが、もちろん導入後にもクリアすべきいくつかの課題があります。
下記課題を心得、対策や工夫をそれぞれ講じておけば、パフォーマンスマネジメントの効果やメリットを感じやすくなるはずです。
従来のマネジメント手法で評価者だった上司に、突然コーチングをさせることは難しく大きな負担になってしまいます。
過度なマネジメント手法の変化は管理者のエンゲージメントを下げることになるでしょう。
マネジメント手法が大きく変わる場合、コーチング方法の詳細なマニュアルを作成するなど、管理者が即座に対応できるような工夫をしましょう。
従業員一人ひとりに時間をかけて評価したとしても、それが必ず成果に結びつくとは限りません。
コストに見合った成果を出す工夫をするのと同時に、評価の仕方を効率化し、評価にかかる時間自体も出来る限り短くしましょう。
従業員がそれぞれ自己の仕事に力を入れるようになってしまい組織の評価にならないのではないかといわれています。
そうなると、管理者と従業員の信頼関係も崩れてしまいパフォーマンスマネジメントのメリットもなくなってしまうでしょう。
そうならないために管理者は「組織の評価を考えて働くこと」が、自身の評価・成長にも繋がるという考え方を従業員に徹底し、個人のパフォーマンスのみに集中しすぎてしまうことを防ぐ必要があります。
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最後に、従来の目標管理制度(MBO)を廃止して、パフォーマンスマネジメントを導入している会社をいくつか紹介します。
アドビ株式会社では2012年に「チェックイン」という人事評価制度を導入しました。
それに伴って以前の年次評価を廃止し、現在では3ヶ月に1度上司と部下での面談が実施されています。
新マネジメント手法を導入してからは、従業員エンゲージメントの向上に成功しており、離職率も過去最低水準まで低下しました。
2016年に「9ブロック」(仕事の達成度を9パターンに分類して評価するマネジメント手法)を廃止しました。
それと同時に、従業員をランク付けし下位にあたる人材を配置換えやリストラする制度も廃止。
新マネジメント手法である「パフォーマンスデベロップメント」では、上司と部下のマンツーマンの面談によって、従業員のパフォーマンスの向上を図っています。
1年に2回ほどのフィードバックと従業員の5段階評価を廃止し、4半期ごとの面談を実施。
上司の仕事は部下を評価することではなく育成することであるという考えのもと、面談の中で部下のコーチングやサポートに取り組んでいます。
画像出典元:「HRBrain」公式HP
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画像出典元:「サイレコ」公式HP
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月額は安いのですが、初期費用は他社と比べて高い点が導入時のハードルになりました。会社規模がまだ大きくないため、人員配置等のツールを活用しきれていません。人員配置の適正化を考えるレベルに達していないベンチャー企業にも対応した機能があればありがたいです。
(コンサルティング:従業員50人以下)
※参照:「サイレコ」公式HP
多くのグローバル企業が導入し始めている、パフォーマンスマネジメントについて詳しく解説してきました。
現在でも従来の目標管理制度(MBO)を採用している企業は多いですが、ビジネス環境の変化のスピードに対応するためには、パフォーマンスマネジメントへの移行は避けられないのではないでしょうか。
また、従業員一人ひとりのパフォーマンスを向上させ生産性を上げることで業績を上げ、これからの不況を乗り越えていくことも必要になってきます。
本記事を参考にして、パフォーマンスマネジメントについてしっかり理解し自社の新しいマネジメント手法の導入を検討してみてください。
画像出典元:o-dan
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