企業価値を表す利益指標「EBITDA」とは?計算方法とメリットを解説

企業価値を表す利益指標「EBITDA」とは?計算方法とメリットを解説

記事更新日: 2018/11/12

執筆: 浜田みか

企業の利益指標のうちの一つであり、国際的な企業価値を表す指標でもあるEBITDA(イービットディーエー)。

結論から述べてしまうと、企業のキャッシュベースの稼ぐ力をはかる重要な指標です。

本記事ではEBITDAにはどのような特徴があり、どのような場面で利用できるものなのか、その計算方法とメリットを解説します。

利益指標「EBITDA」とは?

EBITDAは、Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization の頭文字を取ったもので、一般的には「イービットディーエー」や「イービットダー」、「イービッダー」などと呼ばれています。

日本語に直訳すると、「利息と税金、有形固定資産に対する減価償却費、無形固定資産に対する償却費を差し引く以前の利益」となりますが、一般的には「償却前営業利益」といわれています。

EBITDAの算出方法

EBITDAを名前通りに計算すると、「利息と税金、有形固定資産に対する減価償却費、無形固定資産に対する償却費を差し引く以前の利益」ですので、

と求められます。

※ 説明を簡単にするため、のれんなど無形固定資産に対する償却費を除いています。
※ 厳密には受取利息や有価証券評価損益も考慮する必要があります。

実は、これは以下を計算するのと同じです。

これらの計算がなぜ一緒になるのかは、PLをみると分かります。

当期純利益に税金と支払い利息が戻したものが当期純利益です。よって、

EBITDA = 営業利益 + 減価償却費

と計算できるのです。

営業利益とEBITDAの違い

EBITDAは、営業利益に減価償却費を戻したものですが、それは利益指標としてどのような違いを意味するのでしょうか。

営業利益は稼ぐ力を表す

営業利益とは、総売上から原価・販管費を差し引いた利益のことです。一般的に事業で稼ぐ力を表すとされています。

なお、減価償却費は原価・販管費の一部として利益から差し引かれています。

EBITDAは現金ベースの稼ぐ力

営業利益に対して、営業利益に減価償却費を戻したEBITDAは、現金ベースの稼ぐ力を表すといえます。

減価償却費は、最初の支払い時に現金が動き、それ以降は動きません。しかし、会計上のルールとして耐用年数の期間、資産価値を耐用年数で割った金額を帳簿上で処理をします。

つまり減価償却費は、あくまで帳簿上の費用で、実際にお金が動いているわけではないため、現金でどれだけ稼いでいるかは、EBITDAで表現できるというわけなのです。

ただし、正確なキャッシュフローは在庫や売掛金の増減や設備投資も考慮する必要があるため、あくまで目安としての指標だということは覚えておきましょう。

EBITDAは何に使えるのか?

資金繰りの参考指標になる

EBITDAはキャッシュベースの指標であるため、資金繰りの際に参考にすることができます

利息の支払い・借入の返済がEBITDA以下なら、キャッシュが回ると大まかに判断することができるからです。

資金繰りの参考指標として利用できるのは、経営者だけでなく、お金の貸し手においても当てはまり、銀行が企業に貸し付けをする際の回収能力を判定する際にも用いられます。

銀行が融資の可否を決める最大の条件は、融資したお金が回収できる相手であるかどうかです。EBITDAの数値を見ることにより、銀行側は貸付金の回収が可能かどうかを判断しているのです。

M&Aなど企業価値評価に用いられる

EBITDAは、M&Aなど企業への投資においても用いられます。

企業投資においては、「EV / EBITDA倍率」という形で用いられることが多いです。

これは、EV(企業価値)がEBITDAの何倍になっているかを表す指標で、買収にかかるコストをEBITDAの何年分で賄えるかを表す指標です。

EV /EBITDA倍率が高いと、それだけ元をとるのに時間がかかるということになるので、割高な案件ということになります。

投資する側の企業も、費用が無駄になる可能性がある企業に投資することはしません。投資した費用が回収できずに自社の経営に影響があっては困るからです。

しかし、EBITDAを見れば回収の可能性を客観的に判断できます。費用対効果を考える材料として、EBITDAが使われているということです。

EBITDAのメリットとは?

海外企業との平等な比較ができる

EBITDAの第一のメリットは、日本と海外で異なる法人税や借入利息の利率に左右されずに、収益を算出できる点です。

そのため、海外の競合会社と企業価値を比較する際に、EBITDAは非常に有効です。

設備投資の波に影響されない

減価償却費を引く前の利益であるため、設備投資の波に影響されづらいというのも、EBITDAのメリットです。

設備投資が多い期と少ない期の業績を平等に評価できるため、経年分析に向いた指標だといえます。

EBITDAのデメリットとは?

デメリットは、厳密な指標ではない点です。

先述したように、EBITDAは正確なキャッシュフローを表すものではありません。あくまで参考指標として利用するのが正しい姿勢です。

EBITDAとEBITは何が違うのか?

EBITDAは、現金の流れをベースに稼ぐ力をみるものです。

一方で、EBIT(earnings before interest and taxes)は、当期純利益に利息と税金を戻したものです。

EBITDAから減価償却費を差し引いたものということもできます。しかし、それでは営業利益と同じということになってしまいます。

営業利益との違いは、EBITが金利以外に発生する営業外損益(保有する有価証券評価損益など)を加えた利益額である点です。

実際のところ、営業利益との違いが乏しいため、EBITは利用されることの少ない指標です。

まとめ

EBITDAは、企業のキャッシュベースの稼ぐ力をはかる重要な指標です。

融資やM&Aなどの企業投資の際に判断の材料とされることを覚えておきましょう。

画像出典元:編集部作成、ペイレスイメージズ

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