高い利用料を支払って求人サイトを利用しても、思うように人材が集まらない…
このような悩みを抱える企業は少なくありませんし、少しでも早く手取りを得たいと考える従業員も多いでしょう。
そんな企業側・従業員側のニーズを両方とも満たすために生まれたのが、給与前払いサービスです!
今回はおすすめの給与前払いサービス12選の特徴・料金を比較紹介します。
また給与前払いサービスとは何か、違法ではないのかを運営会社に電話取材を実施。導入にあたっての懸念点を解説しているので、ぜひ導入の参考にしてください。
このページの目次
「給与前払いサービス」とは、規定の給料日まで待たなくても従業員が賃金を引き出せるサービスです。
通常、就職初日から初回の給料日までは1カ月以上かかりますが、給与前払いサービスであれば、従業員への日払い・週払いを実現できます。
このサービス導入により得られるメリットは大きく分けて2つあります。
昨今、仕事を探す時に「日払い可能」で検索する人が増加しており、日払いは職場に求める条件の1つになりつつあります。
特にアルバイトでこの傾向が顕著ですが、「早く給料を払ってほしい」というのは働き方を問わず多くの人が持つ要望ですよね。
求人の際「日払い可能」をうたえれば、人材獲得における差別化を図ることができ、優秀な人材を逃しません。導入後、応募数が増加した事例も多くみられます。
福利厚生サービスは多くの企業が頭を悩ませることの1つではないでしょうか。会社が提供するものと従業員が求めるものが乖離しがちなためです。
そんな中、給与前払いサービスは従業員に喜ばれる福利厚生として注目を浴びています。実際に多くの給与前払いサービスで、導入後の人材定着率アップが報告されています。離職率が下がれば、採用コストも下がり一石二鳥ですね。
給与前払いサービスは費用があまりかからないものが多いので、企業にとっては「コスパの良い福利厚生」と言えるでしょう。
どちらのメリットを優先したいかによって選ぶサービスが変わるので、まずは導入目的を明確にしましょう。
CRIA(クリア)の良いところは企業側の費用負担が完全にゼロ円であること。初期費用も月額費用もかかりません。
CRIA側は、従業員が給与前払いを受けるときにかかる手数料で収益を得るビジネスモデルです。
またこれは多くの給与前払いサービスでいえることですが、前払い資金はCRIAが建て替えてくれるため、導入にあたって資金を用意する必要もありません。
さらに、CRIAは上場企業メタップスの子会社が運営しています。まだ世間的に普及しきっておらず、法律との兼ね合いも不安視される給与前払いサービスですが、CRIAなら急にサービスが停止するなどの不安も比較的少ないといえます。
セブン銀行と提携しているため、24時間365日いつでも給与を受け取れる点は、従業員にとって嬉しいポイントでしょう。
初期費用・月額利用料金ともに0円です。
ただし給与の支払い時に従業員が数百円の手数料を負担することになります。
画像出典元:ペイミー公式HP
ペイミーは2017年11月にリリースし、現在では導入社数400社以上、導入従業員数は延べ20万人以上を突破した急成長中の給与前払いサービスです。
導入費用が無料です。
人気の理由は圧倒的な使いやすさで、給与前払いがとても簡単でスムーズになると評判です。
勤怠管理システムとのスムーズな連携を実現しており、給与前払いを利用しない人でもスマホで自分が働いた時間をすぐ確認できるようになるというメリットがあります。
人材の採用や維持につながったという声も多く、例えばアルバイトの採用単価が7~8万円から1万円になったという衝撃的な事例もあります。
導入費用が無料です。
ペイミーを利用して給与前払いを受け取る際には、基本的に従業員負担で一回あたり数百円程度の手数料がかかります。
ペイミーのサービス内容の詳細、実際に導入した企業の声などは資料をご参照ください。
画像出典元:楽天早トク給与公式HP
楽天早トク給与は2020年4月にスタートしたサービスなので、よく知らない方も多いかもしれませんが、企業にとっても従業員にとってもメリットの大きいサービスなのでとてもおすすめです。
あらゆる勤怠管理ツールとの連携が可能なので、導入にあたって面倒な作業が発生しません。
導入時や運用時に、コールセンターにて手厚いサポートを受けられることも特長です。「導入後の企業の労力を最小限」にというコンセプトのもと提供されているサービスなので難しい作業も一切ありません。
従業員が給与を引き出す際には手数料が発生しますが、楽天銀行であれば利用手数料が0円。楽天銀行での受け取りであれば、従業員は申請1回につき楽天ポイントを受け取れるという楽天ならではのうれしい特典もついています。
給与前払いサービスは利用にあたって発生する手数料を企業・従業員どちらか一方に負担させるケースが多いのですが、楽天早トク給与は双方に負担させることで共に少額負担で済むスタイルになっており、バランスのよいサービスだと言えるでしょう。
料金は、前払い申請の利用回数に応じて課金される「従量料金」がかかります。
但し、従業員の利用回数の上限の設定は可能です。
画像出典元:THE給与公式HP
給与の前払いを希望する従業員が多い企業にうってつけなのがTHE給与。建設業・運送業の会社に特におすすめです。
従業員の手数料がかからないことが他サービスとの大きな違いで、従業員定着率の向上を期待できます。
導入時の設置作業・導入後のメンテナンス作業も、全て運営企業にお任せできます。
またTHE給与本体は勤怠管理機能も兼ね備えており、様々な給与計算ソフトと連携が可能なため、給与明細をウェブ上で確認することもできます。
さらに、ドライバー管理の機能も新たに追加され、給与前払い、勤怠管理、静脈認証など様々なシステムをオーダーメイドすることが可能になっております。
リース販売は、月額35,000円~利用することが可能です。搭載機能により価格変動があります。
わざわざ銀行やコンビニATMに行き、 払出手数料を払わなくて済むので、すごく便利でお得だと感じます。
前払い対応がなくなり、経理事務も楽になりました。
事務手続きがないので、 いつでも気兼ねなく、何度でも気楽に利用できます。
画像出典元:「プリポケ」公式HP
プリポケは、伊藤忠商事のグループ会社が運営する給与前払いサービスで、法律を遵守した上で給与前払いサービスを利用したい企業におすすめです。
従業員はアプリによる申請で前払い給与を受け取ることが可能で、便利に利用できます。
求人応募数を増加させたい、従業員の定着率を向上させたい企業にもうってつけです。
立替払い型プランは、月額利用料は無料で、前払申請額×1.5%の費用がかかります。
直接払い型プランは、月額利用料は10,000円で、前払利用1回毎に200円かかります。
このほかに、振込手数料、消費税が別途必要です。
画像出典元:Will Pay公式HP
Will Payでは、会社や上司の承認なしで申請できるので、従業員が気軽に利用しやすいのが魅力です。
申請方法はとてもシンプルで、申請・金額入力・振込実行の3ステップ。振込は最短当日に実施可能。
初期費用・月額費用・先払い準備金が一切不要なので企業側のメリットも大きいです。
初期費用・月額費用・先払い準備金がすべて0円。
システム使用料も5,000円までの金額ならば0円で利用できます。
画像出典元:Advanced pay SAISON公式HP
Advanced pay SAISONは東証1部上場企業のクレディセゾンが運営するサービスのため、他者と比べて資金面の安心感が高いサービスです。
業員にとっても使いやすいシステムで、従業員専用WEBサイトから申請して手続きをすれば、最短手続き当日に給与の一部が振り込まれます。
初期費用・月額利用料金ともに0円です。
ただし給与の支払い時に従業員が数百円の手数料を負担することになります。
画像出典元:JOBPAY公式HP
JOBPAYは、従業員手数料0円の給与前払いサービスです。
給料前払いサービスの導入にあたりネックになりがちなあらゆるポイントを解消してくれる優れたサービスです。
従業員による事前申請が不要(申請なく前払いで可能)で、給与受取口座が不要なことも大きな特徴です。
従業員側はATM利用料を払うだけでサービスを利用できます。
初期費用は0円で、導入する企業側のコストは月額利用料5,000円~50,000円だけです。
画像出典元:前払いできるくんLITE公式HP
前払いできるくんは、「コールセンターへの問い合わせがほとんどない」操作が簡単なサービス。
従業員の満足度を上げたい、人手不足を解消したいと考える企業におすすめです。
準備資金・導入費用・運用費用は、すべて0円です。
従業員側はシステム利用料が利用額の6%、および振込手数料210円が発生します。システム利用料を一部企業側が負担するように設定することも可能です。
画像出典元:速払いサービス公式HP
速払いサービスは新たに口座を開設する必要はなく、主要メガバンクをはじめ普段利用している金融機関口座をそのまま使用できます。
社会保険料や寮費の控除有無・従業員の引出額の制限など、細かく柔軟なルール設定が可能なので、非常に使い勝手の良いサービスです。手厚い運用サポートも人気の理由です。
チャットポットによる24時間お問い合わせ対応が用意されているので、従業員も安心して利用できます。
アド給は導入費用・ランニング費用・前払い資金0円でサービスを利用でき、求人応募率アップと離職率低下で人材の確保につながります。
従業員の申請金額に対しシステム手数料6%と、振込手数料(当日・翌日の場合)が発生します。
画像出典元:PrePay公式HP
プリペイは、初期費用・月額利用料ともに0円で利用することができる給与前払いサービスです。
アプリで申請できるため、急な出費にも対応することができる優れものです。
初期費用は通常20万円ですが、現在はキャンペーン中につき、初期費用0円で導入できます。
従業員には振込手数料1回200円とプリペイ利用料が発生します。
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給与前払いサービスは、企業・従業員双方が利用するシステムのため、それぞれが使いやすいと感じられることが大事なポイントになります。
従業員のために、申請画面が判りやすいか、PCの他にスマホ等のモバイル環境でも支払い申請可能かを確認しましょう。
一方企業としては、経理担当者が余計な手間を費やすことが無いかを十分に確認する必要があります。
これまで使用してきた勤怠管理データと連携できるか、従業員への手順説明は容易に行えるか、といった点は特に重要です。担当社員の工数の増減に直接繋がる部分なので、しっかりおさえましょう。
今までの給与支払いルールを大きく逸脱しない手順で運用できるかという視点も重要です。
費用という観点で、給与前払いサービスは大きく2つに分けられます。
それはサービスの導入費用を企業が負担するか、従業員が負担するかです。
多くの給与前払いサービスは導入費用・月額利用料0円をうたっていますが、これらは従業員が費用を負担するスタイルです。
前払いを受ける際に従業員が支払う手数料でサービスが成り立っています。
CRIA・ペイミー・enigmapayなど
一方で、導入企業が費用負担するサービスの場合、従業員はサービス手数料を支払わずに前払いを受けられます。
代わりに企業が初期費用や月額費用を支払います。
THE給与・CYURICAなど
双方にメリット・デメリットがあります。導入目的にあわせて選びましょう。
最新の手数料一覧をまとめましたので、ツール選びの参考にしてください。
※楽天早トク給与の手数料のみ税込み金額
※従業員手数料「数百円」は、おおむね300円~800円
給与前払いサービスは銀行口座に賃金が振り込まれ、従業員がその口座から賃金を引き落とすことで成立しますが、利用できる銀行の数と使用できるATMの数があまりにも少ないと、サービスを導入してもメリットは少なくなります。
「導入にあたり新たな口座開設は必要ないか」「コンビニATMの利用に対応しているか」などをチェックしましょう。
使用可能なATM数が多いことは、求人のアピールポイントにも繋がります。
給与支払いサービスを導入することで、どうしてもお金が必要で給与を早く貰いたいという従業員のニーズを叶えられます。
突発的にお金が必要になることは、誰にでもあるもの。いざという時に給与を前払いしてもらえることは、それだけで従業員に安心感を与えます。
離職率の低下・着率の増加につながるでしょう。
前述のように、昨今の求人広告サイトでは日払いの検索ニーズが高まっており、「給与支払いサービスを導入したことで求人エントリー数が上がった」という声が多数聞かれます。
この傾向はますます顕著になると予想されています。
前払いは従業員の申請によって不定期に発生するため、その月によって対応した従業員数・金額が変わります。そのため給与計算が複雑になり、サービスを導入せずに自社で実践しようとすると膨大な工数を必要とします。
しかし給与前払いサービスを利用すれば、給与状況を可視化でき、日払い対応者と通常の月給支払者を一目で把握できるため、担当社員の作業負担なく給与管理を行えます。
従業員にとっても、過去の引き出し履歴や引き出し可能額をいつでも確認できるようになり、自分が働いた分の給与が見える化するので、仕事へのモチベーション維持につながると考えられます。
デジタル給与は、銀行振り込みよりも手数料が安い可能性があり、コスト削減につながります。
また、新しい制度を導入することで企業イメージの向上にもつながります。
従業員にとっても、キャッシュレス決済時の利便性の向上や、給与の一部だけをデジタル給与として受け取るなど、ライフスタイルに合わせて柔軟に対応できる点が魅力です。
給与前払いサービスは、企業または従業員のどちらかに何らかの費用負担が発生します。
たとえサービス運用費が0円でも、大抵は手数料や管理費がかかります。これらの費用を誰がどの割合で負担するかがポイントになります。
日払いはあくまでも従業員の要望に沿うためのものなので、手数料は従業員に負担してもらいたいという考え方もありますが、従業員の負担が大きければ手取り額は大幅に減り、モチベーションが下がってしまうでしょう。
求人数の増加による優秀な人材の確保・離職率低下による採用コストの削減・他の福利厚生サービスからの切り替えによるコストダウンなど、給与前払いサービス導入により削減できるコストと見比べながら、かけられる費用を算出してください。
多くの給与前払いサービスは簡単に運用・操作でき、サポート体制が整っているので、運用にあたっての工数はあまり必要ないでしょう。
ただし、導入にあたって給与の前払い専用口座の開設を求められるケースがあります。前払い資金として一定の金額を用意しなければならないサービスもあります。また、従業員に対して利用に関する説明を行う必要もあるでしょう。
サービスを選ぶ際は、導入前に必要な作業についても確認しておいてください。
ここまで給与前払いサービスの選び方やメリット、具体的サービスを紹介してきました。
しかし、給与前払いサービスはまだまだ新しいサービスであり、法律上問題があるのでは?という声があることも事実です。
2020年3月には「給与前払いは違法なのでは」という報道がなされ、話題となりました。
違法とされた点は3点です。
▶給与前払いサービスは貸金業ではないか?
貸金業を営むには登録が必要で、登録せずに貸付を行うと貸金業法違反になります。
▶給与引き出しのために従業員が払う手数料を利息ととらえると、利息制限法違反ではないか?
▶給与支払い日に前払い金額を差し引いた給料を支給するが、
債権と賃金の相殺は禁じられており、労働基準法違反ではないか?
法律上問題があるサービスを利用していれば、利用企業も責任も問われかねませんし不安ですよね。
今回はペイミーさんにご協力いただき、「給与前払いサービスは法律上問題ないのか?」を直接電話取材しました!
起業ログ
この度は電話取材にご協力いただきありがとうございます。よろしくお願いします。
ペイミー
よろしくお願いします。
起業ログ
早速ですが、給与前払いは給与を担保にお金を貸している貸金業ではないか?という意見があります。その場合、貸金業の登録がないまま貸金を行っていることになり、貸金業法違反となります。
給与前払いは法律上問題はないのですか?
ペイミー
それについては2018年12月に金融庁から見解がでています。「給与前払いは貸金業にあたらない」というものです。
・前払い金は賃金であり、利用者が給与前払い業者に返還する必要がない
・従業員の信用力(返済能力)調査をおこなっていない
といった点が主な理由です。
※参考:経済産業省「グレーゾーン解消制度に係る事業者からの照会に対し回答がありました」
起業ログ
政府の見解が出ているのですね。それは安心しました。
では、賃金の直接払いの原則への違反するのではという指摘に対してはどういう立場でしょうか?
労働基準法第24条の「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」という部分に違反しているのではないか、という指摘です。
ペイミー
こちらも抵触しないという認識です。弁護士の見解も得ています。そもそもこの賃金直接払いの原則は戦後すぐから変わっていない非常に古い法律です。そのため厳密に適用しようとすると無理があるのが実態です。
例えば多くの企業では給与を口座振込で支払っていますが、それも厳密に考えると直接払いの原則に抵触することになってしまいます。
この法律は本来中間搾取を防止することを目的に作られたものです。
給与前払いサービスは企業から支払われる給与をサービスを介して従業員が受け取れるものであり、また従業員の自由意志で利用できるものなので問題ないと考えています。
起業ログ
分かりやすくご回答いただきありがとうございました。
電話取材した内容を踏まえると、給与前払いサービスが法に抵触する可能性はゼロとは言えないものの、かなり低いということ言えそうです。
実情として複数の給与前払いサービスが多く登場し、またそれを多くの企業が利用しているため、利用企業までが罰せられるということはないでしょう。
例えばペイミーだと、サイバーエージェントやトランスコスモスといった知名度のある上場企業も利用しています。
これらを踏まえると、法律面を理由に導入を断念する必要はなさそうです。
また今回のような取材にすぐに応じてくれるペイミーの姿勢は、個人的に非常に好感が持てました。どうしても気になる方は、導入検討時にペイミーの担当者に直接聞いてみてもいいかもしれません。
起業ログ編集部おすすめの給与前払いサービスを比較紹介しました。
給与前払いは優秀な従業員確保のための手段の1つであり、企業の成長を左右する鍵を握ると言っても過言ではありません。
給与前払いサービスの導入によって雇用を促進できるだけでなく、全従業員がモチベーションを保ちながら仕事できる環境が整います。これは、ひいては従業員の結束を高めることになり、企業全体の業績もUPすること間違いありません。
給与前払いを実現しつつ、少しでも楽に運用したいと考えている方は、ぜひ今回紹介した給与前払いツールの導入を検討してみてください。
画像出典元:ODAN