毎月の給与計算の負担を減らして業務効率化を図りたいけれど、数多くの給与計算ソフトがあり、どのソフトが自社にとって最適なのか迷われていませんか?
本記事では、給与計算ソフトの基本機能から費用、使いやすさまで分析し、貴社に最適な給与計算ソフトを見つけるための徹底比較をお届けします。
さらに、給与計算ソフトに詳しい専門家のアドバイスを参考にしながら、選び方やメリット・デメリット、利用する際の注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
毎月の給与計算業務を負担に感じている企業は多いのではないでしょうか。
さらに専門知識が必要なため、誰にでも代行できるという種類の業務でもありません。
ここでは給与計算業務の担当者が直面している現状や課題を解説していきます。
毎月発生する給与計算業務の負担は想像以上に大きく、従業員全員分の「勤怠データ」「残業時間」「各種手当」や「控除額」など、これら一つ一つを集計し、Excelなどに打ち込む作業はまさに時間との戦いです。
さらに従業員の人数や給与体系の複雑な企業は作業量が膨大になり、入力ミスや計算ミスなどの人的ミスのリスクも高く、給与の遅配や過払いなど大きな問題につながりかねません。
給与計算業務は毎月の定例業務だけではなく、頻繁に行われる法改正への対応、従業員の入退社や休職などイレギュラーな事態への対応も大きな負担になります。
法改正の内容を理解してシステムの設定を変更したり、従業員からの問い合わせに対応するための時間も必要です。
「給与計算ソフト」を導入することで、それらの業務を自動化して、企業の成長につながる業務に時間を費やすことができるでしょう。
給与計算ソフト/システムとは、従業員の給与計算を自動化して効率的に管理するためのツールです。
手作業での計算に比べて、担当者の時間と手間を大幅に削減して、人的ミスを軽減することができます。
給与計算ソフトの代表的な機能は以下の通りです。
給与計算ソフトの導入でこれらの業務を自動化、効率化することができて、担当者の負担を大幅に削減可能です。
また、自動で計算してくれるため、計算ミスなどの人的ミスのリスクを軽減することもできます。
給与計算ソフトは企業規模や利用目的に応じて様々な種類があります。
主な種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
形態 | インターネット上で使用 | PCにインストールして使用 |
特徴 | インターネット環境下であればどこでも利用可能で便利 | インストールしたPCでのみ使用可能なのでセキュリティ対策しやすい |
メリット | 法改正への対応やアップデートが自動で行われるため、常に最新状態を維持 | 高度なセキュリティやシステムのカスタマイズ性が高い |
おすすめ企業 | 中小企業やリモートワークを導入してる企業 | 大企業や高度なセキュリティ対策を重視する企業 |
給与計算特化型 | 給与計算に特化したシンプルな機能 |
人事労務一体型 | 給与計算に加えて、勤怠管理・人事管理・労務管理など人事労務に関する幅広い機能 |
ERP型 | 給与計算、人事労務管理に加えて財務や販売管理など企業の基幹業務を統合的に管理する機能 |
給与計算ソフトの導入は、企業にとって業務効率化やコスト削減につながる有効な手段です。
以下の課題を抱える企業には特に導入をおすすめします。
給与計算ソフトの導入は、企業の規模や業種、さらに抱える課題により最適な製品が異なります。
まずは、導入目的を明確にすることから始めましょう。
▼給与計算をアウトソーシングしたい方はこちらの記事もおすすめ
給与計算ソフトの料金相場は、製品の種類や機能、企業規模により大きく異なります。
主な料金相場と料金体系を参考にしてください。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
導入費用 | 無料〜60,000円 | 40,000円~数十万円 |
料金相場/月額 | 300円~1,000円/1ユーザー | 基本無料 |
料金体系 | 従業員数に応じた月額課金 | ソフトウェアの買取 |
注意点 | 多機能システムは高額になる場合も | サポート費用など発生する場合も |
ツール名
月額料金
無料トライアル
タイプ
特徴
ジョブカン給与計算
マネーフォワード クラウド給与
freee人事労務
PROSRV on Cloud
ジンジャー給与
給与奉行クラウド
画像出典元:「ジョブカン給与計算」公式HP
ジョブカン勤怠管理と自動連携ができる「ジョブカン給与計算」。
給与計算担当者の負担を減らすべく開発されたシステムで、給与・賞与計算はもちろん、年末調整や各種保険料率の計算からWeb明細機能まで、使い勝手の良い嬉しい機能が満載です。
メール、チャット、電話と無料で手厚いサポートもあるため、システム利用に不安がある方でも安心して使用できます。
注目ポイント | ジョブカンシリーズとの連携が簡単で業務効率化を実現 |
主な機能 |
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最低利用人数 | なし |
無料トライアル | あり(30日間) |
無料プラン | 有料プラン | |
初期費用 | 0円 | |
月額費用 | 0円 | 400円/1ユーザー |
従業員数 | 5名まで | 無制限 |
機能制限 | 一部制限あり | 無制限 |
【税抜】
大規模企業(500名目安)と他ジョブカンシリーズ利用中の方は別途問合せが必要です。
サービス
51~100人
以前と比べて管理がとても楽になりました
WEB上で明細や源泉徴収票などを配信できることで、ペーパーレス化や印刷の手間などが省かれて、効率化が進みコスト削減につながったところが非常によかったです。
小売
501人〜1000人
見やすいがコピーして使用出来ないのが不便
色合いやデザインがシンプルで見やすく、申請中の進行状況がわかるのも便利です。ただ、同じ申請書式でも、前の内容をコピーしてコピーして使うことが出来ないところが少し不便に感じました。
業界最多クラスの連携サービスを誇る「マネーフォワード クラウド給与」。
勤怠管理や経理などのマネーフォワード クラウドシリーズとの連携はもちろん、「KING OF TIME」や「SmartHR」など様々な外部ツールとの連携も可能です。
年末調整の進捗管理から帳票の出力まで、すべてWeb上で完結するため業務の効率化ができ、ペーパーレス化も実現できます。
注目ポイント | 業務に合わせて選べる豊富な連携サービスが便利 |
主な機能 |
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最低利用人数 | なし |
無料トライアル | あり(30日間) |
スモールビジネスプラン | ビジネスプラン | |
初期費用 | 0円 | |
月額費用(年額プラン) | 2,980円~ | 4,980円~ |
従業員数 | 1~3名 | 4~50名 |
【税抜】
個人事業主は月額900円〜、51名以上のプランはお問い合わせが必要です。
基本料金には5名分までの料金が含まれており、6名以上の場合は1名あたり300円が加算されます(※クラウド給与の場合)。
小売
31人〜50人
社会保険と税金を自動計算してくれる
社会保険と税金を自動計算してくれます。以前会計事務所に勤務していた時は料率改定などがあった際に設定をやり直す必要がありましたが、今は全く必要ありません。控除項目はほとんど修正することなく安心して利用できています。
小売
2人〜10人
知識がないと使いこなせない
社会保険の随時改定など、全般的な社会保険業務のやり方がわかりずらかった。毎月の給与計算には支障はないが、労働保険についても非常にわかりずらく、こういった臨時的に発生する業務にはむいてなかった。振込機能もついてるが、使ったことはない。
画像出典元:「freee人事労務」公式HP
クラウド会計サービスとして知名度の高いfreeeが提供する労務管理サービス。
勤怠管理や給与計算、年末調整、さらには助成金の申請まで、煩雑な人事労務業務をこのシステムひとつで管理できる点が大きな特徴です。
法令改正や保険料率変更への自動対応はもちろん、スマホやSlackといった多様な打刻方法が可能な点など、豊富な便利機能で労務管理をサポートします。
注目ポイント | 入社〜勤怠や給与計算まで情報を一箇所にまとめて管理可能 |
主な機能 |
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最低利用人数 | 5名 |
無料トライアル | なし |
ミニマム | スターター | スタンダード | アドバンス | |
月額費用 (年払い/ 最小5名分料金) |
2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,500円 |
従業員料金 (6名以降〜) |
400円/人 | 600円/人 | 800円/人 | 1,100円/人 |
【税抜】
IT/インターネット/通信
31人〜50人
電話サポートなしに給与計算できる
チャットツールがあるため、初心者でも電話サポートなしに十分給与計算ができる。CSV取込機能があり、勤怠集計を一人づつ入力する必要がない。人事労務freeeを契約すると、マイナンバーfreeeを無料で使用できる。
教育
101人〜250人
申請ボタン等の表記が英語に対応していない
申請ボタン等の表記が日本語のみで英語に対応していない。アプリでは遅刻や早退の申請ができないため、申請したいときはウェブブラウザで開く必要がある。勝手に退勤の打刻がされてしまうなどのエラーが起きる(何度か経験済み)。
画像出典元:「PROSRV on Cloud」公式HP
「PROSRV on Cloud」は、クラウド型の給与計算システムだけでなく、年末調整/地方税年度更新業務/毎月の給与業務/従業員からの問い合わせ対応まで多岐にわたるアウトソーシングサービスをトータルで提供しています。
アウトソーシングサービスは必要に応じて必要なサービスを追加することができるのもメリット。
給与業務の負荷を削減する事で、制度作りなどのコア業務に専念することができます。
注目ポイント | 50年以上の給与計算サービスの提供実績がある |
主な機能 |
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最低利用人数 | 要問い合わせ |
無料トライアル | なし |
プランの詳細については問い合わせをする必要があります。
サービスの概要については以下の資料を無料ダウンロードしてご確認ください。
ジンジャー給与は、導入実績18,000社を誇る「ジンジャー」シリーズのクラウド型給与計算システムです。
人事管理や勤怠管理、労務管理など、他の「ジンジャー」シリーズとも簡単に連携できるので、給与から人事関連業務まで一括管理できるのも大きな魅力といえるでしょう。
注目ポイント | 24時間365日問い合わせ可能な万全サポート体制 |
主な機能 |
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最低利用人数 | 10人 |
無料トライアル | なし |
基本プラン | |
初期費用 | 要問い合わせ |
月額費用 | 500円〜/人 |
【税抜】
登録ユーザーが1,000名を超える場合、別途見積もりをしてもらえます。
画像出典元:「給与奉行クラウド」公式HP
「給与奉行クラウド」は、給与計算の自動化やデータの一元管理により、業務の効率化と正確性を実現します。
最新法令への迅速対応、リアルタイムのデータ更新、レポート生成機能を備え、経理担当者の負担を軽減します。
さらに、各種保険の電子申請機能により、社会保険や労働保険の手続きをオンラインで完結でき、年末調整の自動化機能も搭載しています。
注目ポイント | 導入から稼働後まで万全なサポート体制 |
主な機能 |
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最低利用人数 | なし |
無料トライアル | あり(30日間) |
i Eシステム | i Aシステム | i Bシステム | i Sシステム | |
初期費用 | 0円 | 50,000円 | 60,000円 | 70,000円 |
月額費用 | 5,500円 | 9,000円 | 17,000円 | 23,000円 |
従業員数 | 20名まで | 50人まで | 100名まで | 300名まで |
【税抜】
※契約は、法人単位で年間契約で、料金プランはシステム構成により変動するため、詳細はお問い合わせをする必要があります。
画像出典元:「給料王」公式HP
「給料王」は、会計ソフトメーカで知られるソリマチ株式会社が中小企業向けに開発した給与計算ソフトです。
インストールタイプのソフトで、クラウドタイプと比較すると購入後のランニングコストがかからず、オフライン状況でも使用可能で使い勝手の良いソフト。
給与計算だけでなく、労務まわりの業務がまとまって管理できるため、インストールタイプの給与計算ソフトを活用したい企業にはおすすめです。
注目ポイント | インストールタイプでセキュリティも安心 |
主な機能 |
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最低利用人数 | なし |
無料トライアル | あり(30日間) |
製品価格は44,000円(税込)
画像出典元:「MJSLINK NX-Plus給与大将」
マイナンバー制度や改正法令にタイムリーに対応するなどサポート体制も安心できるクラウド給与計算システムです。
オプションの人事管理機能「人事大将」を利用することで給与関係のデータを一元管理し効率的に運用できます。
複数締め、複数支給日、給与・賞与同時並行処理など複雑な処理も可能で、社会保険は定時改定、随時改定に対応しており、労働保険の基礎資料も作成できます。
注目ポイント | 人事管理連動で総務部門の業務効率化 |
主な機能 |
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最低利用人数 | 要問い合わせ |
無料トライアル | なし |
詳しい料金は直接お問い合わせください。
画像出典元:「Clovernet ERPクラウド」
Clovernet ERPクラウドは、NECネクサソリューションズが提供するバックオフィス業務をまとめて効率化できるクラウドサービスです。
パソコン・スマートフォンを活用し外出先からの勤怠登録が可能で、給与・賞与明細書のWeb配信の機能も網羅し、明細書の印刷・封入・配付の煩わしい作業を削減。
一般的な項目が標準で設定され、シンプルで使いやすく、初めてシステム導入する企業におすすめです。
注目ポイント | 給与計算だけでなくバッグオフィス業務をまとめて管理できる |
主な機能 |
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最低利用人数 | 2人 |
無料トライアル | あり |
エコノミー | スタンダード | |
初期費用 | 0円 | 33,000円 |
月額料金 | 7,500円~ | 15,000円~ |
ID数 | 2ID | 5ID |
機能制限 | なし | 販売・会計・給与のいずれか1つ |
【税抜き】
画像出典元:「スマイルワークス」
スマイルワークスは、給与計算のほか経費精算や財務会計、販売管理、仕入れ管理、在庫管理など企業のバックオフィスを統合したクラウド給与計算システムです。
プロジェクトごとに収支管理ができ、プロジェクト別の損益計算書を自動作成することもできます。
申請書類の承認ワークフロー機能など、豊富な機能で業務効率を高めます。
注目ポイント | 給与計算ほか販売や財務会計まですべてのデータが自動連携 |
主な機能 |
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最低利用人数 | 5人 |
無料トライアル | あり(申込日の翌月末日まで) |
標準プラン | |
初期費用 | 30,000円 |
月額費用 | 10,000円〜 |
従業員数 | 5 ID~ (1 ID追加/1,000円) |
機能制限 | 給与ワークスのみ(他オプション追加可能) |
【税抜き価格】
COMPANYの給与計算システムは、毎月の給与計算から福利厚生や行政手続までサポートしてくれるシステムです。
複雑な給与制度でも、計算式設定機能により自動で計算。
交通費や財形貯蓄といった福利厚生、入退社や移動に伴う行政手続きまで、このシステム上ですべて管理できます。
給与制度や福利厚生が多岐にわたる大企業におすすめの給与計算システムです。
注目ポイント | 変化にスピーディーに対応し続けられる仕組み |
主な機能 |
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最低利用人数 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ |
提案時に見積もった一定の費用のみで、追加費用はかかりません。
新しい機能の追加費用がかからず、定額のコストで利用できるため、長期利用に向いています。
詳しい料金プランは直接お問い合わせください。
シンプルで初心者でも使いやすい「やよいの給与明細 Next」。
年末調整は会計事務所や税理士にお任せ、給与明細書を簡単に発行したいという従業員10名程度までの企業へおすすめの給与計算ソフトです。
年末調整は各控除申告書のオンライン回収まで対応しています。
給与の支給や控除などはすべて自動計算、入力したデータは自動で賃金台帳へと反映されるため、無駄な手間や時間を省くことが可能です。
注目ポイント | シンプルで誰にでも使いやすい |
主な機能 |
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最低利用人数 | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり(3ヶ月間) |
エントリーライト | エントリー | |
初期費用 | 0円 | |
月額費用/年契約時 | 750円/年間9,000円 | 1,700円/年間20,400円 |
従業員数 | 3人 | |
機能制限 | 給与計算メイン | 給与計算と勤怠管理 |
【税抜き】
不動産
11人〜30人
給与計算処理のみでよければ十分に経費削減出来る
日当や時給で給与計算をしますが、最初に従業員の情報(扶養者の有無や日当金額、時給金額)を入力すれば、変更がない限りはそのデータを引き続き使用出来るため、計算ミスがありません。
やよいの給与明細 Nextの口コミをもっと見る
「フリーウェイ給与計算」はコストパフォーマンスの良さが抜群です。
5名までは無料、6名以上は月額1,980円で人数無制限にもかかわらず、給与・賞与計算、年末調整、社会保険、所得税、マイナンバー対応と必要な機能が揃ったクラウド給与計算ソフトです。
数多くの帳票作成が可能で、給与明細書のデータをメール配信できるWeb明細にも対応しています。
注目ポイント | 従業員5名までは永久無料! |
主な機能 |
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最低利用人数 | 1人 |
無料トライアル | 5名までは永久無料 |
無料プラン | 有料プラン | |
初期費用 | 0円 | |
月額費用 | 0円 | 1,980円 |
従業員数 | 5人まで | 無制限 |
機能制限 | 電話・画面共有・メールサポートなし | 無制限 |
【税抜き価格】
マスコミ
101人〜250人
全て画面上で管理できた
給与や有給、年末調整やその他税務に関することなどを全て画面上で管理できるようになりました。それまでの紙ベースでしていた記録に比べると、圧倒的に作業効率が上がったしミスも減りました。
画像出典元:「Pay Book」公式HP
「みんなにやさしい給与計算」というコンセプトの下サービスの提供をしている「Pay Book」は、コストパフォーマンスに優れたクラウドタイプの給与計算ソフトです。
ボタン一つで給与の入力が完了、シンプルな機能で時間をかけずに最短3分で給与計算ができるため、専門知識が必要なく、だれにでも使いやすいところが魅力のひとつ。
税理士事務所が監修しているため、給与計算に不慣れでも安心して利用できます。
注目ポイント | 専門知識がなくても最短3分で給与計算完了 |
主な機能 |
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最低利用人数 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 無料プランあり |
無料プラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
初期費用 | 要問い合わせ | ||
月額費用 | 0円 | 1,100円 | 3,300円 |
従業員数 | 10人まで | 無制限 | 無制限 |
機能制限 | データ保持期間3ヶ月 | ー | ー |
【税抜き】
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現在、起業LOGでは独自に実施した取材や口コミ調査などで分かった情報をまとめた、お役立ち資料を無料配布中です。
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給与計算ソフトには様々な種類があり選定に迷ってしまう企業担当者も多いと思います。
自社のニーズに合うシステム選定のポイントをご紹介します。
給与計算ソフトの料金体系は、従業員数に応じて変動することが一般的です。
従業員数が少ない企業であれば、シンプルな機能で低価格のクラウド型が適しています。
一方従業員数の多い企業では、処理能力が高く、正社員やパート勤務など多様な雇用形態に対応できるシステムが必要になってきます。
現在の従業員数や規模だけでなく、将来的な事業拡大による従業員数の増加も考慮しておくと安心です。
特定社会保険労務士 熊谷知直氏
私の経験上、料金と機能はある程度比例しており、料金が高いほど機能は充実していますがわかりやすさからは遠のいてしまいます。そのため、自社のステージに合わせて選定することが大事です。
給与計算ソフトは給与計算に特化したシンプルな機能から、労務管理や財務など多様な機能を備えたシステムもあります。
多機能なシステムは料金も高額になる傾向があるため、自社の現状の業務内容と課題を洗い出して、どこまでの機能が必要か検討すると良いでしょう。
基本の機能に加えて追加できる機能も事前に確認しておくと、将来的に業務内容に変更があった場合でも継続して活用することができます。
給与計算ソフトは、勤怠管理や人事・労務管理などのシステムと連携することにより、大幅な効率化や正確性の向上が期待できます。
すでに自社で使用している給与に関係あるシステムがある場合は、導入しようと検討している給与計算ソフトと連携可能かどうかを確認しておきましょう。
会社全体のフローを見据えた上で、今後新たにシステムの導入を行う可能性があるのかといった点からも検討しておくことをおすすめします。
便利な機能が揃っていても、自社の従業員が使いこなせなければ導入する意味がありません。
導入時の設定支援に加えて、運用中のトラブルや法改正に関する問い合わせなど、丁寧なサポート体制が整っているのかを事前に確認しておきましょう。
本導入前に無料トライアルなどを活用して、使用感などの確認や、サポートセンター(お問合せ窓口)を何回か使ってみるのもおすすめです。
電話やメール、FAQなどチャットでのサポート対応などが一般的です。
問い合わせ手段や時間帯が自社に合っている製品を選ぶと、トラブル時にも迅速な対応が期待できるでしょう。
給与計算ソフトの機能だけでなく、サポート情報を事前に押さえ比較検討を行うことで、自社に合うソフトの特徴がわかってきます。
特定社会保険労務士 熊谷知直氏
実際使ってみて、使いやすいかどうかという「直感」はとても大事です。便利そうに見えても、実際に利用するとストレスを感じてしまうものもあるので、そういった感覚的なものを是非感じてみてください。
▼システム連携についてもっと詳しく知りたい方はこちらもおすすめ
給与計算ソフトの導入は、業務効率化やコスト削減に加えコンプライアンスの強化にもつながる重要な投資です。
導入メリットを具体的に解説していきます。
給与計算業務には、基本給と税金の計算だけでなく、法律に基づいた残業代の計算や保険料の計算など、様々な計算業務があります。
また、年末調整や給与明細書の作成といった書類作成業務もあります。
これらすべてを手作業で行うとなると莫大な時間がかかってしまい、人的なミスも起こりがち。
給与計算ソフトを導入することで、これらの煩雑な作業を大幅に効率化することができます。
なおかつ情報を一元管理できるため、効率的に業務を行えるようになります。
特定社会保険労務士 熊谷知直氏
社員にとってお金はとても大事です。たった数円でも間違いがあれば、社長が考える以上に社員から信用を失くしてしまいますので、そのような様々なミスを給与計算ソフトは防いでくれます。
給与計算ソフトの導入には初期費用やランニングコストがかかりますが、長期的な視点で見るとそれ以上のコスト削減効果が期待できます。
まず、手作業で行われてきた給与計算業務の時間が削減、担当者の負担や残業代などを抑制します。
その他にも、用紙代や印刷代、法改正への対応も自動化されるため、情報収集やシステム改修などに関わる費用などの削減にもつながり、効率的な経営体制の構築が可能です。
給与計算業務は、労働基準法や社会保険関連法など、多くの法令を遵守する必要があります。
しかし、これらの法改正は頻繁に行われ、常に最新の法令を把握して正確に対応することは、担当者にとって大きな負担です。
給与計算ソフトは、法改正情報を自動的にアップデートするため、法的なリスクを低減して安心して事業運営を行うことができます。
コンプライアンスの遵守は、企業の信頼度を高めて持続的な成長を支える基盤となります。
給与計算ソフトの導入は多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。
導入前にデメリットを把握し、事前に対策を立てておくことで、費用対効果を最大化することができるでしょう。
新しいシステムを導入すると、担当者はその操作方法を習得する必要があります。
特にITスキルのある従業員が少ない場合、操作研修の実施やマニュアル作成など、教育コストと習得するまでの時間が必要です。
導入前に、操作性やサポート体制を確認して、導入後の研修計画をしっかりたてることが大切です。
特定社会保険労務士 熊谷知直氏
ソフトの初期設定では、最低限の法知識が無いと情報を正しく入れられない場面があります。給与担当者が持ち合わせている知識を前提とし、疑問点・不明点をサポートセンター等によりしっかり解消してから導入するのがおすすめです。
クラウド型の給与計算ソフトでは、ベンター側のシステム障害やメンテナンスにより一時的にサービスの利用ができなることがあります。
オンプレミス型でも、自社のサーバーのトラブルやメンテナンスの影響を受ける可能性もあり、業務が滞ってしまうこともあるので対策を講じる必要があります。
システムのサービス品質保証の内容や、バックアップ体制、復旧手順などを事前に確認しておくと安心です。
選択するソフトの種類や企業規模、状況により違いはありますが、給与計算ソフトの一般的な導入の流れは以下のようになります。
給与計算ソフトの導入手順
現在の給与計算業務の課題を洗い出して、自社にあった導入形態、機能、操作性、サポート体制などを考慮し、多数の給与計算ソフトを絞り込み、資料請求をして比較・選定します。
導入目的を明確にしておくと、選定しやすくなります。
選定した給与計算ソフトとの契約、担当者の選定、データ移行準備、サーバーやネットワーク環境などを準備。
自社の給与体系に合わせたシステム設定(給与計算ルールや控除項目、支給項目など)をして、
準備しておいたデータをシステムに移行する。
移行したデータを元にしてテスト運用を開始、担当者への操作研修やマニュアルなどを準備しておく。
テスト運用で問題がないか確認した後に、実際の運用を開始。
この際、必要に応じてシステムのカスタマイズや追加機能を検討して、利用状況や業務に合わせて定期的な見直しを行います。
これらの手順とポイントを押さえて計画的に給与計算ソフトを導入することにより、業務効率化や生産性の向上などの効果を引き出すことが可能です。
編集部おすすめの給与計算ソフト14選を詳しく解説しました。
給与計算ソフトを比較検討する上で重要なポイントとして、企業規模と給与体系への適合性や、必要な機能、使いやすさ、費用対効果、そして既存システムとの連携。
給与計算ソフトを導入することで情報を一元化でき、給与計算に関わる業務を効率的に行えるようになります。
本記事を参考に自社に最適な給与計算ソフトの比較、検討を進めてください。
画像出典元:O-DAN