今年の4月から順次施工されることとなった働き方改革関連法。これにより時間外労働の上限が定められ、有給休暇の取得が義務化されました。
限られた時間の中で、スタートアップやベンチャー企業はどうすれば成長できるのかをテーマにした「働き方改革」シリーズ。第一弾はRPAソリューション「BizRobo!」を提供するRPAテクノロジーズの代表取締役執行役員社長、大角暢之さんに取材しました。
RPA
Robotic Process Automationの略語。ロボットによる業務自動化、業務変革を指す。
ーそもそもRPAとは何なのでしょうか?
RPAはただの造語です。以前からRPAそのものは存在していました。
例えば、今多くの人が日常的に使用しているExcelもRPAの一つです。つまり既に別の目的で存在していた技術やツールをカテゴライズする言葉として「RPA」が使われるようになったのです。実際、多くの企業はRPAが話題に上がる前からロボットを導入しています。競合他社に真似されたくないからどこも言わないだけです。
ーBizRobo!とはどういったツールなのでしょうか?
BizRobo!は、ホワイトカラーの生産性を革新する、ソフトウェアロボットの導入・運用を支援するデジタルレイバープラットフォームです。人による転記作業や情報収集、数字の集計、システム・ソフトウェアの入力作業などをロボットに任せることができます。
基礎的な技術は他社製品と変わりません。RPAの本質は画面の遷移とキーボード操作のレコーディングなので、そこまで差がつくことはないでしょう。重要なのは技術力ではなく、いかにユーザーが簡単にRPAをマネジメントできるかだと考えています。ユーザーがRPAを教育しやすいか、管理しやすいかということを念頭に置き、開発を進めました。
また他社製品は1つRPAを購入したとしても1つの端末にしか導入することはできません。しかし、BizRobo!はバックグラウンド型RPAであるため、1つ購入すれば無数の端末にRPAを導入することができます。
さらにユーザー同士で情報を共有することが可能です。BizRobo!のオフ会といえばわかりやすいでしょうか。これによってユーザーがRPAを使ってみた「ガッツポーズ感」を他者と共有できるほか、私たちもユーザー目線での問題点をすぐに知り、対応することができます。
現在RPAがまだ知られていない地方で勉強会を行い、普及を進めている最中です。ゆくゆくはクックパッドのレシピのように、簡単にRPAをシェアできるような環境にしていきたいですね。
▲RPAテクノロジーズが提供する「BizRobo!」
RPAは働き方改革にどのように役立つのでしょうか?
RPAは情報技術として見られることが多いですが、実際には経営技術、特に人事における技術として見られるべきです。 企業には3つのKPIがあります。効率、品質、コストです。この3つは今まで両立できないものでした。例えば効率よく高い品質のものを提供する優秀な人材を雇えば、人件費というコストは抑えられなくなる。そこでコストを抑えようと中国やベトナムから人を雇うと、品質が下がってしまう。
しかしRPAというデジタルレイバーを雇えば、3つのKPIすべてを満たすことができます。 RPAは人間の100倍のスピードで作業を行うことができ、24時間365日稼働します。また人間のような打ち間違えや計算ミスは発生しません。さらにかかるコストは導入費用と電気代のみなので、人件費よりもはるかに抑えられます。つまり現場にとって恐ろしく都合のいい労働力なのです。面倒で時間のかかるルーティンワークにおいて、とても有能な代行者となってくれます。
ーRPAの導入を考えている起業家・経営者に伝えたいことはありますか?
スタートアップの起業家・経営者は絶対にRPAを導入すべきです。理由は2つあります。
1つ目はRPAは次世代のインフラとなるからです。20年ほど前、インターネットの出現によって働き方はガラリと変わりました。これについていけなかった企業は軒並み減収しています。RPAもデジタルレイバーという新たなインフラです。インターネットと同じように、働き方を一変させることでしょう。
2つ目はRPAには「繋がる」という利点があるからです。今まではいいアイデアが浮かんで情報をシェアしたいと思っても、システムの違いによって阻まれていました。しかしRPAならデータ、画面、アプリケーションを繋げることが可能です。簡単に情報を共有することができ、さらなる成長が期待できます。
RPAにあった新しいIT技術という固定観念を完全に覆してきた取材となりました。今後インフラとして当たり前の存在となるであろうRPA。働き方改革を機にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
次回はHRTechについてSmartHRを取材します。
▼BizRobo!について詳しくはこちら!
山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。
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