ネットショップ開業の仕方を最もわかりやすく解説!|始め方と作り方

ネットショップ開業の仕方を最もわかりやすく解説!|始め方と作り方

記事更新日: 2024/03/07

執筆: 宮林有紀

一人で運営できるのがネットショップの魅力ですが、「おすすめの開業方法は?」「開業資金や仕入れ方法は?」といった悩みを抱えていませんか?

今回はネットショップ開業までに必要なすべての手順をステップごとに詳しく解説します。

計画編:出店形態、開業資金、ビジネスモデル、コンセプト決め など
実行編:開業届、仕入れ、商品ページの作り方 など

始め方【計画編】と作り方【実行編】に分けて説明するので、初心者の方でもわかりやすいですよ。

ネットショップを開業するまでのステップ|始め方と作り方

ネットショップ開業で大切なのは、いきなりショップ開設するのではなく入念な計画を立てること。

あらかじめオープンまでに必要なステップを把握しておけば、長期的な視点で戦略を立てられるからです。

計画と実行で手順を分けて考えてみましょう。

ネットショップの始め方:計画編

ネットショップの始め方:計画編のステップは8つ。どれも大切なステップなので、それぞれ詳しく説明します。

 

ネットショップの作り方:実行編

ネットショップの作り方:実行編のステップはこちらです。ショップ開設後に困らないよう、忘れがちなこと・時間がかかることは先に済ませておきましょう。

 

ネットショップの始め方:どんなネットショップを開業するか、計画を立てよう!

計画ステップ1:ショップコンセプトを決める

ネットショップの始め方のファーストステップはコンセプトを決めること。「何を」「誰に」「どのように」を明確にしておきましょう。

ネットショップをオープンさせるのは誰でもできますが、ビジネスを軌道に乗せられるのは一部の人だけです。コンセプトの良し悪しで、あなたのお店の未来が決まると言っても過言ではありません。そのため、十分な時間をかけてショップのコンセプトを決めてください。

コンセプト決めで考えておくこと

・独自の強みや魅力

・ショップ名とドメイン

・メインターゲット

・市場のニーズ

・競合他社の有無

 

独自の強み・魅力

数多くのネットショップが存在するので、「他よりもこのお店がいい!」とお客様に思ってもらえる強みがないと売上を伸ばせません。オリジナリティを打ち出すと共に、顧客の心を惹きつける魅力作りに力を入れましょう。

ショップ名

ECビジネスではショップ名が非常に重要です。しかし、個性がありながらシンプルで覚えやすい名前を考えるのは容易ではありません。

さらに、ネットショップの場合には検索エンジンで上位に表示されるショップ名にすることも大事。例えば「ワンピース」「ジョジョ」というワードは、某有名漫画・アニメに関するサイトが検索上位を占めているので避けるべきショップ名だと言えます。

ドメイン

ショップ名と同時に考えておくべきなのが「ドメイン」です。

ドメインとは?

・『~.com』『~.jp』『~.co.jp』のこと
・実店舗における「住所」と同じ役割
・インターネット上でのお店の場所を表す
・ネットショップのURLの一部になる
・ドメイン名は世界にひとつだけ
・すでに登録者がいるドメイン名は取得できない

例えば、ショップ名が「ABC」だったら、ドメイン名は『ABC.com』が良いですよね。でも、誰かが『ABC.com』を取得済みだと使えません。

ドメイン取得サービスのHPで検索すれば、希望するドメイン名が取得可能かが分かります。お名前.comだと『.com』760円、『.net』599円、『.xyz』25円という料金設定です。

メインターゲット

コンセプト決めではメインターゲットも定めておきます。効果的な販売戦略を立てるためには、ターゲットの特性に合わせる必要があるからです。

性別、年代、ライフスタイル、価値観、好みなど様々な分類項目があるので、どの層に向けてのネットショップなのかを先に決めてくださいね。

市場のニーズ

素晴らしい商品だったとしても、世の中で求められていなければ売れません。販売する商品が市場のニーズと合っているかの確認も必須です。

競合他社の有無

商品の種類によっては新規参入が難しいケースもあります。大手企業が独占している分野だと成功させにくいですよね。コンセプト決めでは競合他社の有無も参考にしましょう。

計画ステップ2:ビジネスモデルを描く

コンセプトが決まったら、ビジネスモデルを描くステップです。まず個人事業主か法人設立かを決めます。法人設立には煩雑な手続きや設立費用がかかるため、特別な事情がない限り最初は個人で始めたほうが良いでしょう。

特定商取引法で運営者住所の記載義務がありますが、個人で開業する場合はバーチャルオフィスを利用すれば自宅住所を出さずに済みます

他には、薄利多売 or 高利少売などの目星をつけて大体の利益率を考えておくとベター。ただ商品を売るのではなく、総合的な視点でビジネスモデルを考えましょう。

ネットショップのビジネスモデル例

・総合通販

・単品リピート通販

・モール連携し複数同時展開する

・O2O施策を行う(ネットショップから実店舗に誘導)

・オムニチャネルを取り入れる

・越境EC(海外販売)を目指す など

また、在庫の管理方法も決めておくべきことのひとつ。少量ずつ仕入れる方法にすれば自宅で保管できますが、たくさんの在庫を抱えるなら倉庫が必要かもしれません。

そして、ビジネスモデルを考える際にはゴール設定もお忘れなく!売上、アクセス数、転換率(CVR)、客単価など具体的な数字で目標をハッキリさせておけばモチベーション維持に役立ちます。

計画ステップ3:取扱商品を選択する

ネットショップ運営のおおよその目処が立ったら、次は実際に取り扱う商品を選択します。中古品、食料品、酒類、サプリ、輸入品などは販売前に許可申請が必要な品目があるので注意してください。

大手ネットショップで売れているジャンルは、レディース・メンズアパレル系、食料品、車用品、生活雑貨など。ネットショップの売れ筋商品には共通点があるので、コツを押さえれば売上アップにつながります。

ネットショップで売れる商品の特性

・持ち帰るのが大変なもの
・人前では買いにくい商品
・オリジナル商品
・繰り返し買う消耗品
・リアル店舗よりも安いもの
・地域限定品
・日本未発売品
・トレンドアイテム
・定番ギフト品
・マニアックなもの など

計画ステップ4:売場(出店形態)を決める

ネットショップの売場は、Amazonなどのモールを利用するか否かで変わってきます。モールに出店しない場合(独自サイト型)は、ネットショップ構築サービスを使ってサイトを作成します。

モール型とは?

楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのモールを利用する出店形態

独自サイト型とは?

モールを使わず自社でネットショップを開設する出店形態

どちらにもメリット・デメリットがあるので、それぞれの特徴を考慮して出店形態を選ぶことが大切です。

モール型の特徴 独自サイト型の特徴
モールが持つ集客力によりアクセスが見込める 集客に力を入れないとアクセスしてもらえない
利用料金・手数料が高い 利用料金・手数料が安い
オリジナリティを出しにくい 個性が出せるのでリピーターを得やすい



リアル店舗があり固定客がいる、集客力に自信がある、お金をかけずに運営したい、お店をブランド化したい、個性で勝負したい、
などの条件がある方は独自サイト型が向いています。

独自サイト型は、初心者でも利用しやすいショッピングカート型、無料ネットショップ型と、ECパッケージ型、フルスクラッチ型の4種類。

ショッピングカート型の特徴

・集客力が弱い
・手頃な価格でネットショップが運営できる
・専門的な知識は必要ない

【例】カラーミーショップ、MakeShop、Shopify、おちゃのこネット

無料ネットショップ型の特徴

・集客力が弱い
・初心者向け
・ショッピングカート型とほぼ同じ機能が無料で使える
・月額料金は無料でも商品が売れた際の手数料が高い

【例】STORES、BASE、FC2ショッピングカート、イージーマイショップ

ECパッケージ型の特徴

・本格的なネットショップが作れる
・専門的な知識がないと構築するのが難しい
・レンタルサーバーとの契約が必要
・外注すると高額な費用がかかる

【例】EC-CUBE、ecbeing、ebisumart、cagolab.(カゴラボ)

フルスクラッチ型の特徴

・完全オーダーメイドのネットショップ
・数千万円単位の費用がかかる

【例】UNIQLOなど超大手企業の自社サイト

事業規模や資金額など、あなたの持つ条件に合う売場でネットショップを開設しましょう。

 

計画ステップ5:決済方法や梱包・配送の仕方(配送料など)を決める

ネットショップは、お客様がストレスなく支払いできる土台作りも重要。利用者数の多い「クレジットカード決済」「コンビニなどでの後払い」「代金引換」の3つは取り入れておきたい決済方法です。

自動引き落とし、携帯キャリア決済、銀行ネット決済、電子マネー決済と色々な方法があります。

それ以外にも、商品の梱包・配送の仕方や配送料も決めておきましょう。お客様は気に入った商品が見つかっても決済方法や配送料に不満を感じると購入を控えます。それに、送られてきた商品の梱包が雑だったら、お客様は二度と利用したくないと思うはず。

優れた商品があっても細やかな気遣いのないお店は顧客が離れて行きます。決済方法の種類が豊富、丁寧な梱包、好みの配送方法が選べる、配送料がお得、など心地良くお買い物できる環境づくりをしてリピーターを増やしましょう。

計画ステップ6:機材や梱包材などを見積もる

ネットショップを運営する際に絶対に必要な機材は、パソコン、プリンター、デジタルカメラ、スマートフォンです。

パソコンは5万円程度のランクでも十分ですが、後々のことを考えるとスペックの高いパソコンを選んだほうがベター。

また、顧客情報を守るためにセキュリティソフトを必ず入れてください。必要があれば、会計ソフトや画像編集ソフトも利用すると便利です。

セキュリティソフトの例

ノートン360スタンダード 1年版:4,280円

マカフィーリブセーフ 台数無制限3年版:9,980円

会計ソフトの例

マネーフォワードクラウド スモールビジネス:月額3,980円

弥生会計 セルフプラン:年額26,000円

画像編集ソフトの例

Luminar(ルミナー) INSPIRATIONエディション:10,560円

Adobe Photoshop(アドビ) Lightroomプラン:月額980円

スマートフォンはスマホからのサイトの見え方を確認するためなので、個人で使っているものがあればOK。

商品に同梱する明細書を印刷するためのプリンター(2万円~)は、本体以外に消耗品であるインク代、紙代もかかります。

デジタルカメラ(5万円~)は商品説明用の写真を撮るために必要です。デジタル一眼レフカメラがあれば、初心者でも商品の良さを活かした写真が撮れます。

また、商品の一部分をアップで撮影する機会があるので、ズームしても綺麗に見える「光学ズーム」を搭載しているデジカメにしましょう。ズーム倍率が高くなると画像が荒くなる「デジタルズーム」は不向きです。

そして、事前準備ではダンボール、ガムテープ、緩衝材などの梱包資材にかかる費用も見積もっておきます。

計画ステップ7:開業資金を見積もる

機材や梱包材にかかる金額に開業する際にかかる費用を加えて、必要資金のトータル額を計算しましょう。

例えば、モール型の楽天市場に出店するなら契約時の初期費用が約30万円(年間一括払い)、独自サイト型のSTORESのフリープランなら商品が売れるまで無料と様々です。

そこに、仕入れ費用、商品保管費用、人件費、外注費、インターネット通信費、レンタルサーバー代、広告費用、許可申請にかかる手数料などをプラスしてください。

計画ステップ8:資金を準備する

開業資金の目処が立ったらランニングコストも計算して、ネットショップをオープンさせるための資金を準備します。

資金が不足している場合は補助金や融資を使うこともできますが、融資は無理なく返済できる範囲にとどめておきましょう。

 

ネットショップの作り方:計画を立てたら、実際に準備していこう!

実行ステップ1:開業届の準備をする

ネットショップ作りに入る前にしておくことが開業届の準備です。ネットショップに限らず何らかの事業を始めた際には「開業届」を税務署に提出します。開業届なしでも罰則はありませんが、開業届を提出していないと節税効果の高い青色申告が行えません

収入源がネットショップのみの専業は38万円、副業なら20万円を超える所得があったら確定申告が必要です。

確定申告は白色申告と青色申告の2種類で、青色申告は届出が必要ですが税金が安くなる特典があります。さらに、青色申告者は赤字を3年間繰り越せるので、翌年以降の節税効果も期待できます。

開業届は事業開始後の1ヵ月以内、青色申告の申請書は2ヵ月以内に提出するルールです。ネットショップをオープンさせる前に、開業届と青色申告の申請書を準備しておきましょう。

実行ステップ2:商品を仕入れる

ネットショップで販売する商品の仕入れに時間がかかりそうな場合は、早めに商品準備を行ってください。

オリジナル商品を販売するのであれば、企画や作成に予想外の時間がかかるかもしれません。また、アンティーク品やハンドメイド品などは、商品準備に長い時間を要します。

仕入れ方法は、仕入れWebサービスを使う、卸問屋に出向く、メーカーに直接依頼する、作家と共同で商品開発する、海外で買い付けるなどがあります。

仕入れWebサービスの例

TopSeller(トップセラー)

TEN TO TEN(テントテン)

実行ステップ3:パソコンとネット環境を整える

ネットショップ開業にはパソコンの準備が欠かせません。プロバイダーと契約を交わしてインターネットが使える環境を整えます。

その後、セキュリティソフトや画像編集ソフトをインストールして、ネットショップ作りに適した状態にすることも忘れないでくださいね。

実行ステップ4:ショップの開設手続きを行う

出店形態の分類で紹介したECパッケージ型、フルスクラッチ型は、レンタルサーバーが必要になるケースもあります。レンタルサーバー会社との契約→サービスのインストールという順番です。

この時には、利用するサービスが使えるレンタルサーバー会社を選ばなくてはいけません

ECパッケージ型のひとつである「EC-CUBE」なら、ホームページにある「EC-CUBEが使えるレンタルサーバ」一覧の中にある、さくらのレンタルサーバ、エックスサーバーなどが最適です。

レンタルサーバーの例

さくらのレンタルサーバ スタンダード:月額524円

エックスサーバー:月額900円~

モール型、ショッピングカート型、無料ネットショップ型の場合には、各サービスへの申し込みを行います。モール型は、申し込み後の審査に通らないとネットショップを開設できません。

実行ステップ5:決済サービスに申し込む

ネットショップ開設手続きを終えたら、各種決済サービスに申し込むステップです。クレジットカード会社と直接契約するのは大変なので、主要な決済手段を一括導入できるサービスを使うと便利です。

主要な決済手段を一括導入できるサービスの例

ペイジェント

ソニーペイメントサービス

決済手段が用意されているモールやネットショップ構築サービスを利用すれば、決済サービスの申し込みに手間がかかりません。

実行ステップ6:ショップ内装・商品ページを作成する

ショップ内装

お店の内装デザインは用意されているテンプレートを組み合わせたり、オリジナルデザインにしたりと方法は色々あります。

モール型はネットショップのデザインに制限がありますが、ショッピングカート型、無料ネットショップ型、ECパッケージ型は比較的自由に決められるのが違いです。

ップページだけでなく、商品一覧ページやプライバシーポリシー、ご利用ガイドなどサイト全体の準備をします。また、お客様が迷わずに商品をカゴに入れて購入手続きができるよう回遊しやすい作りにすることも大切です。

特定商取引法で、事業者の氏名・住所・電話番号、商品代金以外にかかるお金などを表示する義務があるので運営者情報に記載しておきましょう。

ネットショップに必要なページ

・トップページ
・商品カテゴリー
・商品個別ページ
・特定商取引法に基く表記
・個人情報保護に関する記載
・よくあるお問い合わせ
・問い合わせページ

ネットショップの魅力をアップさせるページ

・おすすめ商品
・商品のお手入れや管理方法
・売上ランキング
・店長ブログ
・お客様レビュー
・生産者紹介
・商品に関するミニ知識

 

商品ページ

商品ページの作成は写真撮影と説明文作成がメインです。ネットショップのデメリットは実物を見られないことなので、いかに商品の魅力をアピールできるかがカギです。写真だけでなく動画を使って商品をアピールするお店も増えてきています。

商品ページ作成で手抜きするとネットショップの運営はまず上手くいきません。プロに頼んでいるショップもあるほどなので、人気店を参考にして写真の撮り方や商品説明のコツを身に付けてくださいね。

実行ステップ7:集客を行う

ネットショップの難しさは、集客しないとお客さんに見つけてもらえないこと。リアル店舗と違って通りがかりに立ち寄ってもらえないからです。

集客方法はリスティング広告、ブログ・SNS運営、SEO対策、メルマガ発行、動画配信など。ショッピングカート型、無料ネットショップ型、ECパッケージ型は特に集客に力を入れる必要があります。

集客力のあるモール型の場合には、モール内の他のお店に負けない集客対策を行いましょう。

実行ステップ8:注文後、梱包し発送する

ネットショップをオープンさせて集客を行い商品が売れたら、梱包し配送の手配を行います。受注を確認したら商品に合わせた梱包をして、できるだけ早く発送する手はずを整えましょう。

注文数アップに伴い作業量が増えてきたら、受注管理システム導入がオススメです。受注から発送までを自動化すると手間が省けます。

受注管理システムの例

ネクストエンジン

助ネコ

顧客管理システムや在庫管理システムも活用すれば、効率的に運営できます。届いた商品を見たお客様が笑顔になるようなサービスを心がけてくださいね。

まとめ

ネットショップを開設するなら、たくさんのお客様に訪れてもらえるお店を作りたいですよね。今回紹介した始め方と作り方のステップに沿って準備をして、あなたも人気ネットショップのオーナーになりましょう。

一気にすべてを行うと混乱するので、ひとつずつ順番にこなすことが大切です。ネットショップ開業方法のファーストステップはコンセプト決め!「どんなお店にしたいのか?」をじっくり考えてみてくださいね。

画像出典元:O-DAN

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