ECサイトを立ち上げたい、ECサイト担当者になったという人にとって、ECサイトを構築る方法を知っておくのは大切です。
この記事ではECサイトの構築方法として代表的な6つの方法、それぞれのメリット・デメリット、企業の規模に合わせたおすすめの方法を紹介します。
自社でECサイトを立ち上げたり、リニューアルを検討するときの参考にしてください。
このページの目次
個人事業主を含めた企業がECサイトを構築する方法としては以下の6つがあります。
1. モール
2. ASP
3. オープンソース
4. パッケージ
5. クラウド
6. フルスクラッチ
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
amazonや楽天市場などに代表されるオンライン型モールに出店するという方法です。
モールがECサイト構築用のフォーマットを提供しているので、ECサイト構築の知識やスキルがなくてもすぐ簡単にECサイトが作れます。
メリット | デメリット |
●ECサイト構築用のツールが初めから提供されている |
●サイトのデザインなどで自由度がかなり低い |
ASPとはApplication Service Providerの頭文字を取ったものです。
インターネットを通じて提供されるアプリケーションを提供する事業者またはサービスを意味します。ASPを通じて提供されるアプリケーションをブラウザ上で利用し、ECサイトを構築します。
提供されているフォーマットを利用するだけなので専門的な知識やスキルは不必要です。ASPには無料と有料のサービスがあります。
メリット | デメリット |
●モールに出店する場合よりも自由度が高い |
●機能や容量に制限がある |
オープンソースとはネット上に無償で公開されているソフトウェアです。
個人事業主でもある程度の規模の大きい企業でも、ダンロードし、そのプログラムを利用してECサイトを構築できます。
プログラムソースが公開されているので自由にカスタマイでき、カスタマイズしたものを再配布・販売も可能です。
メリット | デメリット |
●無料で使える |
●ECサイトの作成・運用面で知識とスキルのある技術者が必要 |
パッケージとは、ベンダー(製造元)がパッケージ化されたECシステムを販売し、企業がそれを導入するという方法です。
パッケージには初めからカート機能・受注管理・売上管理・顧客管理などの機能が搭載されています。
基本的機能に含まれていないもので、企業側が欲しい機能があれば、ベンダー側がカスタマイズしてくれます。とはいえ運用側にもECサイト制作や運営に関する知識やスキルは求められます。
パッケージを提供しているベンダーのサービスには、自社の基幹システムとの連携も含まれています。
さらに、パッケージには、後で紹介するフルスクラッチよりもコストを抑えられるという面があります。しかし、システムがユーザー環境や法令などの変化に対応できず、古くなるというデメリットがあります。
メリット | デメリット |
●デザイン、カスタマイズの自由度、拡張性が高い |
●開発費がかかる |
クラウドとはASPとパッケージの持つメリットを掛け合わせたECサイト構築の方法です。
ASPはクラウド上にシステムを保存するのでインフラ環境の整備コストを抑えられます。しかし拡張性や外部システムとの連携などカスタマイズができません。
パッケージはカスタマイズ可能ですが、システムが時代に合わなくなるという弱点がありました。
クラウド型のECサイトのサービスは、クラウド上にシステムが置かれ、自動アップデートされるので、古くなることがありません。
さらに、クラウド型のECサイトのサービスでは、いろいろな企業が共有するシステムの上に、企業別の個別のカスタマイズ領域が確保されています。
ですから、自社のニーズに合わせたECサイトのカスタマイズも可能なのです。自社に必要な機能だけを選んで、運用コストを抑えるということもできます。
メリット | デメリット |
●システムが最新版にアップデートされる |
●導入の条件が、自社にサーバーを置くオンプレミス型ならば導入は難しい |
フルスクラッチは自社でゼロからシステムを開発する方法です。
これまでに紹介した方法の中で最もコストがかかりますが、自由度は最高度です。とはいえ、ECサイトの費用対効果やクラウドサービスがフルスクラッチと同程度の機能を備えていることなどの理由で、よほどの理由がない限り利用されない方法となりました。
メリット | デメリット |
●これまでの方法の中で最も自由度が高いく、自社のニーズを完璧に満たしたECサイトが制作できる |
●システム開発からECサイトの立ち上げ、運用までに莫大な費用と時間がかかる |
今回紹介した6つの方法を、専門的知識の必要性、カスタマイズ、費用などの項目で比較した表が以下です。
ECサイトの構築方法を6つ紹介しました。企業の大きさ、年商別におすすめのECサイト構築方法を紹介します。
個人事業主や中小企業、はじめてECサイトを立ち上げたいという方には「ASP」がおすすめです。
コストが抑えられて、専門的な知識がなくてもECサイトが立ち上げられるからです。
ECサイトでの売上が順調に伸び、1億円の大台を超えるサイトに成長するなら、システムや業務フローの効率化が必要になります。
そうなると他のECサイト構築方法の「オープンソース」「パッケージ」「クラウド」などに移行できます。
無料ですぐ簡単にECサイトが作れるのが「BASE」です。初期費用・月額費用0円なのに、商品登録数は無制限というおすすめのサービスです。
サイトのデザインや決済の導入など難しい作業はすべておまかせできるので、初めてECサイトを作る方におすすめです。
「オープンソース」は、公開かれている無償のパッケージプログラムを利用してECサイトを構築します。しかし、サーバー構築やセキュリティ費用が必要です。
情報漏洩事故やバグの発生などもオープンソースの提供元ではなく、自社で対応しなければなりません。
ですから、技術力やある程度の資金力がある中・大企業向けのサイト構築方法です。
オープンソースのEC構築システムとしておすすめなのが「EC-CUBE」です。
オープンソースなので基本的機能はすべて無料で利用できます。
例えば、マルチデバイス対応、複数お届け先、税率対応、管理者管理、売上集計、メルマガ配信など便利な機能がすでに搭載されています。
レビュー機能やクーポン発行など、欲しい機能がさらにあれば、ストアから追加購入することも可能です。
「パッケージ」は自社のニーズに合わせたパッケージ化されたプログラムをベンダーから提供してもらいますから開発費がかかります。
もちろんカスタマイズなしのプログラムにしてもらえれば、開発費は抑えられます。
こうした点からパッケージは、年商規模の大きいECサイトを持つ中小企業から大企業まで利用できる方法といえます。
ECサイト構築パッケージでおすすめなのが「EC-ORANGE」です。
単店舗、モール型、海外でも取引できる越境EC、BtoB(対企業向け)にも対応しています。
あらゆる基幹システムや既存システムとの連携を可能にしている柔軟性、大規模アクセスにも対応できる安定性がこのシステムのおすすめポイントです。
クラウドECならば、利用したい機能を選べるので、それによりコストを抑えることが可能です。
ASPを利用していたけど売上が伸びてきたので、次の段階に移行したいという中小企業には、初期投資費用がオープンソースやパッケージよりも安く、運用コストもあまり変わらないクラウドECがおすすめです。
クラウド型のECサイト構築サービスでおすすめなのが「メルカート」です。
メルカートは定期的に無料バージョンアップが行なわれるので、常に最新機能を利用出来ます。
デザインテンプレートもたくさんあるので、自社の特徴を打ち出したECサイトを作ることができます。
さらに単店舗向け、複数店舗向け、モール型向けなど事業規模に合わせた料金プランが提供されています。
サポート体制やセキュリティ対策も万全なので、安心して利用できるクラウドECです。
ECサイトを構築する方法は6つあります。どれにすればいいのか迷うかもしれません。ECサイト構築方法を選ぶ際の注意点を3つ紹介します。
ECサイトの構築方法は、大きく分けるとモール内に出店するか、独自ドメインで立ち上げるかの2つになります。
モール内のECサイトはまさにショッピングモール内にテナントを出店する、自社サイトの立ち上げは路面店や個人商店の出店という感じです。
モール内のECサイトは、モールの持つ集客力や信頼度で売上が上がりやすいというメリットがあります。
しかし同じモール内にもたくさんのECサイトがあるので、お店の独自性やブランドイメージを確立するのは難しいです。
一方、独自ドメインの自社サイトでは、集客に努力がいりますが、ブランドイメージを確立できるというメリットがあります。
自社の製品の特徴を訴えかけたい、ブランドイメージを広く宣伝したいという意向があれば、モール内での出店ではなく、それ以外の方法でのECサイト構築がおすすめです。
ECサイト構築や運用、システムメンテナンスなどに関する知識やスキルがあるか、それらを持つ人材が社内にいるかも重要な要素です。
個人事業主や中小企業の経営者でECサイトを立ち上げたいが、技術者がいないというのであれば、モールもしくはASPを選択できます。
なぜならそれ以外のパッケージやオープンソースでは専門的な知識やスキルが求められるからです。
年商が伸びて1億円の大台を超えると予想できるので、ECサイトにこれまでにない機能を付与したい、自社の基幹システムと連携させたいという要望がある場合、パッケージやクラウド型のカスタマイズできるECサイト構築方法を選びます。
ASPは導入後のカスタマイズができませんが、売上が伸びるまでの初期段階はASPの機能で十分と思われます。
しかし2,3年後の売上予測で大きく売上が伸びると予想できれば、ECサイトのリニューアルを考えて、カスタマイズできる構築方法への移行を検討できます。
ECサイトを構築する方法はいくつもあり、そのためのサービスやアプリケーションを提供する企業も増えています。
ですから、ECサイト立ち上げに関するハードルは以前よりも低くなっています。
ECサイトを簡単に作れても、大切なのはそこに人を集めることです。
最後にECサイト構築後の集客方法をいくつか簡単に説明します。
リスティング広告とは、検索結果の上に広告が表示される広告のことです。
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワード、つまり関心のあるキーワードに連動して表示されます。
効果的なリスティング広告を打つために、自社サイトで扱っている商品やサービスに関連のあるキーワードをいくつか考えられます。
リマーケティング広告では、自社のサイトを訪れたユーザーに対し、Cookieを付与し、テキスト・イメージ・動画広告を表示できます。
サイトを訪れたユーザーの範囲をもっと絞って「カートに商品を追加したが購入に至っていないユーザー」だけにリマーケティング広告を表示するということも可能です。
自社サイトを1回でも訪れたユーザーはいくらかそのサイトに興味があります。
サイトへの再訪問を促し、コンバージョンに導くためにリーマーケティング広告は効果的です。
自社のサービスや商品に関係するキーワードで検索上位にくるようなブログ記事をたくさん書くことができます。
例えば、健康グッズを販売しているECサイトであれば、肩こりの原因、解消法等に関する記事を書けば、そのキーワードから、自社のECサイトに誘導することができます。
Googleキーワードプランナーを利用すれば、自社のサービスや製品と関連のあり、なおかつ検索上位くるキーワードを探すことができます。
なお、ネットショップへの集客についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
ECサイトを構築する方法を6つ紹介しました。
いくつか方法があるので悩むかもしれませんが、ブランドイメージを確立したいかどうか、知識や技術があるか、導入・運用コスト、今後のカスタマイズを検討しているかなどを考え、自社のニーズに合った構築方法を選べます。
以前よりもECサイトを立ち上げることは簡単になりました。
個人事業主でも中小企業でもASPならコストを抑え、すぐにECサイトを作れます。
この機会に自社のECサイトを立ち上げるのを積極的に検討するのはいかがでしょうか。
画像出典元:pixabay
BASE・STORES・Shopifyを徹底比較!ECショップ開設はどこにすべき?
ネットショップ出店費用・集客力を比較!失敗しない開設方法の決め方
BASE(ベイス)の評判・機能・料金、デメリットも徹底解説!無料でネットショップを開設しよう!
ネットショップ開業の仕方を最もわかりやすく解説!|始め方と作り方
ECサイトを無料開設する方法と低コストで作れるおすすめサービス3選
【最新】BASEが月額1万円以上の大幅値上げ!何が変わる?安く抑えるコツも解説
ecforceとShopifyを比較!特徴・機能・選び方を解説
ライブコマースとは?3つの成功事例と抱える課題、使えるアプリ5選
ネットショップ運営の基本すべてと成功のコツを徹底解説!
[低予算]売れないネットショップにも即効の集客施策とは?