2023年11月、ネットショップ作成サービス大手の「BASE」が、大幅値上げを発表しました。
2024年1月16日から新料金が適用され、安定した月商がある方向けの「グロースプラン」の月額料金が、現行より11,600円~14,000円高くなります。
この料金改定で何が変わるのでしょうか? 料金シミュレーションや競合比較、また少しでも安く利用するコツとあわせて解説していきます。
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BASEが発表した料金改定の内容は以下のとおりです。
スタンダードプラン | 現行グロースプラン | 新グロースプラン | |
2024年1月の 料金改定 |
なし(そのまま) | 新プランにより廃止 | 2024年1月16日スタート |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額料金 | 無料 | 4,980円 | 16,580円 |
決済手数料 | 3.6%+40円 | 2.9% | 2.9% |
サービス手数料 | 3% | 無料 | 無料 |
*表内のグロースプランは、年払い時の月額。月払いの場合は、現行:5,980円、新プラン:19,980円。
まだ小規模で売上に波がある店舗向けのスタンダードプランには、料金変更・値上げはありません。
一方、一定規模以上の月商が見込める店舗向けのグロースプランが、今回2024年1月から新プランに変わります。
年払いの場合、月額料金が4,980円から16,580円にアップ(約3.3倍)となり、年間139,200円分も料金が上がります。
「自店舗はどのプランを選べばよいのかわからない」という方も多いかと思います。
目安試算では、月商50万円以上の店舗では、新グロースプランを選択したほうがお得になります。
2023年までの旧グロースプランでは、月商17万円以上であればお得といわれていたので、ボーダーラインぐらいの月商の店舗は、どちらがお得になるか、よくシミュレーションしましょう。
決済手数料の負担もあるのに、月額料金が上がるのは厳しい...という方もいるかと思いますが、2023年12月15日までであれば、一定条件下の方であれば新プランの料金を安く抑えることが可能です。
■対象者
グロースプランの月払いプランを利用しているユーザー
■条件
2023年12月15日までに、年払いプランに切り替えれば、そこから1年間は旧プランの料金(月額 4,980円、年額 59,760円)で利用できる。
今後も継続してBASEを利用する予定の方には、この切替前に年額に変更するほうが断然お得です。
<シミュレーション例:グロースプランの月払いユーザー>
・ 2023年12月15日に、月払いから年払いに変えた場合・・・年間 59,760円
・ 月払いのまま新プランに移行した場合・・・年間 225,760円
5,980円+19,980円×11ヶ月=225,760円
・2024年1月16日以降に年払いプランを利用した場合・・・年間 198,960円
なんと、年間 約14万円~16万円も安く利用することができます。
最近、月商がアップしてきて月払いのグロースプランを試しに使い始めている店舗オーナーなどは、この特典を利用してみるのもよいでしょう。
なお、新プランへの切り替え日は2024年1月16日ですが、具体的に新料金が適用されるのは、以下のとおり、2024年1月16日以降の各ユーザーの初回の更新日(締め日)からとなります。
日割りでの増額などはありませんのでご安心ください。
画像出典元:「BASE」公式HP
もちろん、今回のBASEの料金改定は、単純な値上げではなく、BASEに出店する店舗の成長を支え、さらに使いやすくする機能拡充に応じたアップデートとなります。
具体的にはどんなメリットが加わるのでしょうか。
BASEには、ChatGPTをベースに作成された「BASE AI アシスタント」機能があり、ネットショップの商品説明文を自動生成することができます。
今回のアップデートにより、2023年12月上旬にはこれに加え、運営の業務負担を軽減する機能がさらに3つ追加される予定です。
画像出典元:「BASE」公式HP
BASEには自分のショップを、自由にカスタマイズできるプラグイン機能「BASE App」があります。
ロゴ作成や、商品検索窓の追加、お知らせバナーの作成などが簡単に作成でき好評です。
今回、さらに便利なAppが4つ加わる予定です。
App名 | 機能 | 追加予定時期 |
送料詳細設定App | サイズに応じた送料、複数購入時の正しい送料が設定可能に(既存Appのアップデート) | 2023年12月上旬 |
海外販売代行App | 海外からの注文受付、配送、問い合わせ対応をサポート | 2023年12月下旬 |
メンバーシップApp | ショップのオリジナルポイントを特典やクーポンなどと交換できる(既存Appのアップデート) | 2024年春 |
販売パートナーApp | 創ることが得意なオーナーと売ることが得意なオーナーをマッチングしてくれる | 2024年春 |
BASEのネットショップから買い物ができるアプリ「Pay ID」に、マーケティングを手助けしてくれる機能が2024年春から追加されます。
カゴ落ち対策や、再入荷通知、レコメンド集客などができるので、手間少なく、売上アップにつなげることができます。
画像出典元:「BASE」公式HP
BASEの新プラン後は、他社サービスと比べてどのくらい高く/安くなるのでしょうか?
結論からいうと、ショップの月商が300万円以上の場合は、BASEが業界最安値で利用できます。
国内外の有名サービスにおける類似プランと料金とシミュレーション額を比較してみると以下のとおりです。
BASE 新グロースプラン |
Shopify スタンダードプラン |
STORES スタンダードプラン |
カラーミーショップ ラージプラン |
|
月額料金 | 16,580円 | 10,419円 | 2,980円 | 9,595円 |
決済手数料 | 2.9%~ | 3.3%~ | 3.6%~ | 4.0%~ |
ショップ月商300万円の場合の月額合計料金 | 103,580円 | 109,419円 | 110,980円 | 129,595円 |
*全サービスとも年払いの場合の月額。
** 海外サービスは1ドル=151円(2023年11月)で計算。
***初月無料プランなどの特典は加味せず、継続利用時の1ヶ月分として換算。
また、料金改定後も、決済手数料は業界最低水準の2.9%のままとなります。
月額料金だけを見ると大幅な値上げに感じるので、X(旧:Twitter)上でも驚く声も多いようです。
ただし、月商額によっては安く使える店舗もありますし、新プランで損をしてしまうのであれば、決済手数料・サービス利用料のみのスタンダードプランの利用もできます。
冷静に試算して店舗の運営を進めていきましょう。
BASEの月額料金値上げ…きっち〜〜〜〜〜〜〜〜
— よしけい:浅草石フリマ (@yosikei1210)November 7, 2023
通販の維持費が3倍強になるのあまりに厳しい…!!!!
あ~〜〜〜どうしよう〜〜〜〜〜〜〜〜
Baseもう全然使ってないけどこの値上げ比率はすごいな…
— Hayato Imanishi (@hayatoimanishi)November 7, 2023
この料金と手数料でも使いたくなるサービスは相当内容盛らないと難しい気がするけど…pic.twitter.com/dyeTAqHiqI
この記事では、2024年のBASEの料金変更について解説しました。
月商が10~20万円台のこれから拡大予定のショップについては、判断を迷う難しい料金改定かと思いますが、お得に利用するポイントや、今後のメリットなどがおわかりいただけたかと思います。
なお、これまでどおり、スタンダードプランを利用すれば、月額料金ではなく「売れた分だけの手数料」で運営することも可能ですので、自店舗の売上の動向などをみて、一番良いプランを選択しましょう。
画像出典元:イラストAC