ECサイトの成功を左右するポイントのひとつに「どのプラットフォームを使ってサイトを構築するか?」が挙げられます。
多くの企業で利用されているプラットフォームとしては「ecforce」と「Shopify」が挙げられますが、はたしてどちらを選ぶべきなのでしょうか。
この記事では、ecforceとShopifyの機能や特徴を比較し、さらに選び方のポイントまで詳しく解説します。
この記事を読めば、自社にあったEC構築プラットフォームがわかり、最終的なECビジネスの成功確率を高めることにもつながるでしょう。
このページの目次
そもそも、ECサイト構築プラットフォームではどんなことができるのでしょうか。
ECサイト構築プラットフォームを導入すると、以下のようなECサイトに必要不可欠な環境・機能が簡単に利用できるようになります。
仮にフルスクラッチでゼロからECを立ち上げて上記のような環境を整備するとしたら、かなりの手間がかかります。
よって、小規模企業や個人がECを立ち上げるなら、EC構築プラットフォームを利用するのがベストな選択肢と言えるでしょう。
なお、「ecforce」と「Shopify」はどちらもクラウド型のサービスで、必要な機能をオンラインで利用できるため、低コストで柔軟性が高いのが特徴です。
EC構築プラットフォームは機能や特徴が幅広く、それぞれできることや最適なビジネスが異なるため、プラットフォーム選びが事業の成功を左右します。
自社に合わないプラットフォームを選択してしまうと、事業リスクにつながる問題が発生する可能性があります。
選定に失敗した際に起こり得る、将来的な課題を3つみてみましょう。
【機能不足による売上機会損失】
例)安価なシステムを導入したが、事業が軌道に乗ってきたタイミングで必要な機能が不足しており売上成長が止まってしまった!
【機能改修費用が都度かかる】
例)新しい機能を開発しようとするたびに、開発会社へ支払う費用が発生!
さらに、システム保守費用で毎月コストが発生してしまった。
【後々システム移行が必要になる】
例)現行システムの機能に限界がきてシステム移行をしたいが、数千万円の移行費用が発生してしまった!
こうしたリスクを避け、将来的なビジネスの成功確率を高めるためにも、自社に合ったプラットフォームを吟味することが重要になってくるのです。
「ecforce」と「Shopify」は幅広いビジネスモデル、商材に適しているためどちらも失敗のリスクは小さいですが、より自社に適した方を選びましょう。
ここからは「ecforce」と「Shopify」の特徴や機能をさらに詳しく分析し、選び方のポイントを解説していきます。
「ecforce」は、国産、実績豊富、高機能が魅力のプラットフォームです。
ecforceの特長は、なんといっても幅広い機能が備わっているところです。
ECに必要とされる一連の機能をほとんど網羅しているほか、マーケティングやサブスクリプション(定期受注)に関わる機能まで、一気通貫で利用できます。
また、フォーム一体型のLP、自動メール配信、セット販売機能など、かゆいところに手が届く細かい機能の充実ぶりも魅力的。
また、国産サービスらしくサポートも手厚く、初めてのEC構築にも適しています。
機能が充実しているecforceですが、決済機能は備わっておらず、他社の決済代行サービスを利用する必要があります。
また、サイトデザインのテンプレートがやや少なめなのも気になるポイントで、ページを作りこみたい場合は自前でのコーディングが必要になるでしょう。
スタンダードプラン | エキスパートプラン | 移行プラン | |
初期費用 | 148,000円 | 248,000円 | 問い合わせ |
月額費用 | 49,800円 | 99,800円 | 99,800円 |
ecforceは他システムからの移行を含めて3プランが用意されており、初期費用が約15万円〜、月額費用が約5万円〜と業界ではやや高め程度の水準です。
ただし、実績や機能の充実ぶりを考えると、コスパはかなり良い部類に入るでしょう。
国内企業を中心に導入実績が豊富で、幅広い業界で中小企業から上場企業までさまざまなフェーズの企業で利用されています。
また、導入企業の平均年商2億円以上、CVR380%アップなど数値実績が公開されているのもポイントです。
「Shopify」は、カナダに拠点を置く世界最大規模のEC構築プラットフォームで、導入ハードルの低さ、手軽さが特長です。
Shopifyの特長は、導入にかかるコストや手間が少なく、すぐに使える点にあります。
初期費用が無料、月額も数千円から利用可能で、事前の環境整備などもほとんど必要ありません。
また、世界中で導入されたノウハウを持ち、言語をまたいだグローバルビジネスへの対応のしやすさも魅力的です。
Shopifyは費用が安く導入ハードルが低い分、基本プランで利用できる機能はそれほど多くありません。
例えば、ユーザーレビュー、サブスクリプション、予約購入などの機能は基本機能には備わっておらず、アップグレードやカスタマイズが必要になります。
また、サポート体制がまだ弱く、実際に問い合わせをしても回答までに数日を要することが多い点も気になるポイントです。
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
初期費用 | 0円 | 0円 | |||
月額費用 (年払い契約) |
5$ →1$(※) |
25$ | 69$ | 299$ | 2,000$ |
月額費用 (月払い契約) |
33$ →1$(※) |
92$ | 399$ |
※最初の3ヶ月のみ割引
初期費用は全プランで0円、月額もスタータープランであれば1,000円以下から利用可能と、コストの低さに関しては目を見張るものがあります。
ただし、全ての機能をフル活用したい場合にはカスタマイズやアップグレードが必要になるため、最終的にコストがかさむ可能性もあるでしょう。
また、エンタープライズプラン(大企業や大量販売を行うECサイト向け)としてShopify Plusがあります。
こちらは、2,000$/月と通常プランよりもかなり高額ですが、汎用性が高いうえ業務の自動化などにより、ECサイト運営を効率化してくれる上位プランです。
世界175ヵ国で数百万店舗以上と幅広く利用されており、あらゆる企業規模、ビジネスモデルをカバーしているのが特徴です。
また、ecforceほどではないものの、国内でも多くの企業への導入実績があります。
ここからはさらに、ecforceとShopifyの違いを細かく比較していきましょう。
大きなポイントとなるのが、費用と機能のバランスです。
まずは両者の料金プラン、コストの違いを見比べてみます。
同程度のグレードのプランで比較すると、Shopifyの方が初期費用で約15〜25万円、月額で約4〜9万円ほど低コストで利用できることが分かります。
あくまでカスタマイズを含まない通常プランの料金で考えるのなら、Shopifyに軍配が上がると考えて良いでしょう。
次に機能についても比較してみましょう。
ecforce(スタンダードプラン) | Shopify(ベーシックプラン) | |
モバイル対応 | ◯ | ◯ |
決済 | △(外部連携) | ◯ |
分析機能 | ◯ | ◯ |
広告管理機能 | ◯ | △(一部のみ) |
サポート | ◯ | △ |
定期購入設定 | ◯ | △(要アップグレード) |
フォーム一体型LP | ◯ | − |
セット販売 | △(オプション) | − |
それぞれもっとも安価なプランで比較すると、ecforceの方がカバー範囲が広く、欠点のないプラットフォームになっていることが分かります。
特に広告管理や定期購入の機能はEC運営に欠かせませんが、Shopifyで利用するためにはカスタマイズやアップグレードが必要になるのです。
自社でカスタマイズできる開発リソースがある場合は別として、基本的に使い勝手の面ではecforceの方が優れていると考えて良いでしょう。
こうしてコスト面、機能面を比較すると、ecforceは割高だが高機能、Shopifyは割安だがカスタマイズが必要という特徴が分かります。
自前でカスタマイズするリソースがない企業やビジネス面に集中したい企業にとっては、初めから環境が整っているecforceの方がコスパが良いでしょう。
一方、開発リソースやノウハウが豊富な企業ならShopifyは柔軟で使いやすく、安く済む可能性があります。
自社の状況を踏まえて、より適したプラットフォームを選びましょう。
ECサイト構築プラットフォームを導入する際に基準にすべきポイントをさらにピックアップして解説します。
ゼロからECサイトを構築する場合と、すでに運営しているサイトを移行、リニューアルする場合では、適したプラットフォームが異なります。
例えば、新たにサイト構築する場合は、よりサポートが充実していて機能のカバー範囲が広いecforceが適しているでしょう。
反対に、移行やリニューアルで、必要な機能やサポートの内容がはっきりしている場合は、よりリーズナブルなShopifyの方が良い選択肢になり得ます。
ecforceもShopifyともにどちらのニーズにもある程度適してはいますが、より目的にあったプラットフォームを選ぶようにしましょう。
商材やビジネスモデルによっても適したプラットフォームが異なります。
例えば、ecforceは商材を絞ったD2C企業が多いのが特徴で、コスメや健康食品等に加えて、フード系企業の単品・リピート通販も多く、ノウハウが豊富です。
また、D2Cブランドは定期購入やサブスクリプション購入の機能が重要になりますが、その点でもecforceは優れています。
一方でShopifyは、強固なサーバーや検索性の高いサイト構築が可能で、どちらかというと幅広い商品を扱う総合通販型のサイトの構築に向いています。
プラットフォームを利用してEC構築をするうえで、必要十分なサポートを受けられるかどうかも重要なポイントです。
Shopifyは低コストな代わりにサポートは平均的なレベルで、サイトを作り込むにはコンサル費用やカスタマイズ費用を支払う必要があります。
対してecforceは初期機能が充実していてそもそも自走しやすいうえに、国産サービスらしくサポートの質も高いため、よりスムーズに運用できます。
すでに解説したとおり、コストは単純な初期費用、月額費用だけでなく、カスタマイズや有償サポートも含めて考える必要があります。
ecforceは割高ですが追加費用はあまりかからず、一方のShopifyは基本費用は安いものの、作り込むと結果的にコストがかさむ可能性があります。
作りたいECサイトのイメージ、社内のリソースまで踏まえてコストを試算し、それが予算内に収まるかまで事前に想定できると、失敗を避けられるでしょう。
ecforceとShopifyは、どちらもEC構築プラットフォームとして実績豊富で安心して使えるサービスです。
とはいえ、それぞれ向いている商材やビジネスモデル、企業フェーズが異なります。
ecforceはD2C向けの内容を中心に高機能で、開発リソースなしでも使えるのが特長ですが、その分基本コストは割高。
一方でShopifyはリーズナブルで拡張性が高いものの、自前で要件定義や開発を行えるリソースが必要になります。
それぞれの特徴を比較して、より自社にあったプラットフォームを選びましょう。
画像出典元:Pixabay、Unsplash
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