株主数が多いとIPOできない?投資型クラウドファンディングの実際

株主数が多いとIPOできない?投資型クラウドファンディングの実際

記事更新日: 2020/04/16

執筆: 編集部

編集部注:本記事は日本クラウドキャピタルの寄稿記事です

日本クラウドキャピタルは株式投資型クラウドファンディングサービスの「FUNDINNO」を運営しており、サービス開始約3年で約30億円の資金調達支援の実績があります。 

株式投資型クラウドファンディングを検討されている方から、「株主数が多いとIPOできない」という話を聞く事があります。

しかし、実際には「株主数が多いからIPOできない」という事実や、「何かの規制や法律に抵触している」ことはありません。

規制ではないとしたら、こういった話が何故出てきているのでしょうか。

IPOとは何かという点と合わせて、以下の章に沿って推測していきたいと思います。

そもそもIPOって何だろう

IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家が株を買えるようにすることです。

上場する事によって、企業の信用の向上や、増資を期待して実施するものです。

 

なお、上場時にはある一定の株主数が必要です。株主数が一定基準を下回ると上場廃止にもなりかねません。

つまり、上場基準の観点からもある程度の株主数が必要であるという事です。

以下の表は上場時・上場廃止時に基準となる株主数をまとめたものです。

上場時に必要な株主数として例をあげると

  • マザーズへの上場には200人以上の株主(上場時見込み)
  • 東証1部への上場には2,200人以上の株主(上場時見込み)

また、上場廃止基準として、東証1部2部、マザーズでは株主数が400人を下回ると上場廃止となります(猶予期間1年)。

このように、上場後は株主がある一定数以上の人数であることが求められています。

せっかくなので、ここでIPOに関するフローについても言及します

上場審査は、主幹事となる証券会社によって審査が行われます。

その後に、東証を代表とする取引所による審査が行われます。以下、それぞれ公表されている審査業務の内容です。

【主幹事証券会社の審査】

  • 書面による質問およびインタビュー
  • 事業所、工場などの実査
  • 経営者・監査役・独立役員との面談
  • 中間審査

主幹事証券会社による上場適格性の審査の後、上場申請会社は新規上場申請に関する各種書類を取引所に提出します。

これを受けて、取引所では上場申請会社が形式基準を充足しているかどうかの確認を行い、その後、実質審査基準による審査を開始します。

審査は次のような流れで行われます。

【取引所の審査】

  • 書面による質問およびヒアリング
  • 実地調査
  • 監査法人へのヒアリング
  • 社長インタビュー
  • 監査役インタビュー
  • 独立役員インタビュー
  • 社長説明会

この審査過程で株主に関して焦点が当たる点は、反社・反市場の問題です。

株式投資型クラファンにて募集した場合、個人の方が増えるので、ここに議論が生まれてきたのかもしれません。

上場までの審査フロー

画像引用元:株式会社 アガットコンサルティングHP

株式投資型クラウドファンディングとは

株式投資型クラウドファンディングの成り立ち

2017年以降、起業家が利用しているエクイティ・ファイナンスの手法の1つに「株式投資型クラウドファンディング」があります。

従来のエクイティ・ファイナンスは、資金の出し手が、ビッグエンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどに限られていました。

限られた資金の出し手に巡りあうことのできない起業家は、エクイティ・ファイナンスの可能性が閉ざされ、また、先進性の高いビジネスモデルの企業であればあるほど、銀行からのデット・ファイナンスが受け難いという行き詰った状況が日本にはありました。

これらの状況を踏まえて、「家計の金融資産を成長マネーに振り向けるための施策をはじめとする」『日本の金融・資本市場の総合的な魅力の向上策』を整備する文脈が生まれ、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成26年法律第44号)のなかで、株式投資型クラウドファンディングが誕生しました。

株式投資型クラウドファンディングは、ベンチャーを応援する国策の中で生まれた仕組みと言っても過言ではありません。

株式投資型クラウドファンディングの仕組み

では、改めて株式投資型クラウドファンディングの仕組みをみてみます。

一言でいうとインターネット上で情報を公開し、個人投資家から資金を募るという仕組みが、この株式投資型クラウドファンディングという方法です。

個人投資家は1社あたり年間50万円を上限に未公開株が買える仕組みです。

多くの皆さんが頭の中でイメージするであろう、クラウドファンディングとの違いは、出資者に対するリターンの部分です。

クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングではリターンとして、完成したプロダクトそのものを、無償や優待価格で提供するのが一般的です。

一方で、株式投資型クラウドファンディングのリターンは、現時点では、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェルといった投資家と同じく、イグジットの際のキャピタルゲインがメインとなります。

株式投資型クラウドファンディングでは、「共感」や「応援したい」といった気持ちで投資をする投資家も多く、従来型のビッグエンジェルに対して「プチエンジェル投資家」とも言われています。

投資家がキャピタルゲインを期待する株式投資型クラウドファンディングですが、国が認めた制度です。

このような仕組みにおいて、期待されるイグジットの1つであるIPOができないということは起こり得るのでしょうか。

「株主数が多いとIPOできない」という噂の原因は?

市場を運営している東証や幹事会社側からの意見?

上記の流れを受けて、改めてですが、株主が多いと何が問題なのでしょうか?

「コミュニケーションが煩雑」

「出資者の反社・反市場チェック」

例えばこういった事が考えられます。

コミュニケーションの煩雑さについて

コミュケーションが大変そうだという事に関しては、株式投資型クラウドファンディングのプラットホーム上では、株主とのコミュニケーションが可能になっています。

郵送だけの手段に比べるとはるかにコミュニケーションは取りやすいのではないでしょうか。

株主総会の召集通知、IR報告などもプラットホーム上で完結します。

反社・反市場チェックについて

出資者の反社チェックについては、例えばFUNDINNOでは、「エス・ピー・ネットワーク」、「公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター」を活用して反社・反市場チェックを行っています。

プラットホームの審査を通過した投資家のみが出資可能となっているため、出資者に反社・反市場の人物が入る事はありません。

この体制は免許事業であることから、監督官庁の指導の下に行われています。

また仮に、スタートアップが成長し、いよいよIPOという期間の間に、株主が反社になってしまった場合は、その株主に対しては買取条項が整備されていますので、対応が可能です。

上記の事から、それぞれの懸念事項に対しては、対策があります。

その他資金の出し手からの意見?

スタートアップが成長する過程で、増資が発生することもあります。

その際に、株式投資型クラウドファンディングで資金を調達した企業が、その後、他の資金の出し手にアプローチする場合、その資金の出し手が嫌がるというケースはどうでしょうか

これは、ビジネスですので、資金の出し手による好みはあるかもしれません。

例えば、出資者をまとめる立場になる、成長過程で発生する様々なイベントに対応するために株主間で契約を締結するといったことは発生してくるかと思います。

なお、既に株式投資型クラウドファンディングはFUNDINNOだけでも120件を超えるプロジェクトが完了しています。

これらの事例では株式投資型クラウドファンディングで出資した投資家の割合が主要株主になっているケースはありません。

株主間契約を締結するといった場合に、複数の株主がいると管理手間が発生すると考えられるかもしれません。

しかし上述の通り、株式投資型クラウドファンディングのプラットホーム上では、投資家とのコミュニケーションが可能であるため、契約・確認作業の煩雑さは回避されています。

上記の事を考えると、「株主が多いから資金の出し手が渋るということは考えづらい」 と言えます。

スタートアップ支援という同じ志をもつ資金の出し手は、出し手の出資ポリシーによって、出資条件を判断していると考えられます。

 

本件の「株主数が多いとIPOできないってホント?」と同様に「株式クラファンやるとVCから出資できないってホント?」という事も聞かれることが多いので、このあたりは次回記載したいと思います。

まとめ~選択肢の1つとして活用しよう!

「株主数が多いとIPOできないってホント?」については上記で記載してきた通りで、法律制度上にNGということはありません

国から認められた制度として立ち上がった株式投資型クラウドファンディングですので、上場ができないということでは、意味がなくなってしまいます。

本件について、エンジェル投資家の前田ヒロ氏に意見を伺いました。

 

株主の多さだけという点にフォーカスした問題ではないと考えています。

起業家視点で考えた場合、株主は誰で、そしてお金以外の価値を提供してもらえて、そして経営がしやすい状態を求めています。

それを提供するのが我々投資家であると考えています。

資金調達は、起業家にとって大きなチャレンジだと思います。

起業家にとって、調達方法に多様性があることが大事であると考えています。

エクイティ、デット、銀行、ファンド、VC、クラウドファンディング ...

戦略に合わせて、それぞれのメリット・デメリットを組み合わせた、資金調達を実現して頂きたいと切実に思います。

新しい調達方法である株式投資型クラウドファンディングでは、あなたの事業を応援、加速させてくれる可能性をもつ投資家が数多く存在しています。

政府が後押しし、ベンチャー企業へのリスクマネーを供給するための仕組みである「株式投資型クラウドファンディング」を選択肢の1つとして考えてみてはどうでしょうか。

 

■株式投資型クラウドファンディング“FUNDINNO“概要■

日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスのプラットフォームであるFUNDINNOは、1口10万円前後の少額から、IPOやバイアウトを目指すベンチャー企業の株式に投資することができます。

ベンチャー企業は各地から集まり、その中から厳しい審査を通過した企業のみが募集を行います。

FUNDINNOでは普通株式や新株予約権への投資となり、投資先企業からのIR情報を定期的に確認することができます。

企業によっては投資に対してエンジェル税制を活用できる場合や、株主優待を設定している会社もあり、新しい投資体験が可能です。FUNDINNOはオンラインでの資金調達の実績がサービス開始より約3年で約30億円という実績を誇ります。

また、FUNDINNOにご登録いただいております、貴社と志を共有してくれる可能性のあるエンジェル投資家様は、約2万5千人と国内No.1です。

※FUNDINNOを通じて投資を行う場合は、投資家様にも投資適格性などの審査が必要となります。

 

画像出典:ICOOON-MONO、O-DAN

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