融資型(貸付型)クラウドファンディングとは?仕組み・リスク・リターンを解説

融資型(貸付型)クラウドファンディングとは?仕組み・リスク・リターンを解説

記事更新日: 2019/04/18

執筆: 浜田みか

市場規模が年々拡大している『融資型(貸付型)クラウドファンディング』は、ローリスク・ミドルリターンが魅力と近年、個人投資家の間で注目を集めています。

個人投資家のなかにはエンジェル投資をおこなう傍ら、資産運用の一環で融資型クラウドファンディングを利用している人もいます

今回は、そんな融資型クラウドファンディングとは何か?その仕組みから、どんなリスクがあり、どのようなリターンが望めるのかについて徹底解説をします。

融資型(貸付型)クラウドファンディングとは

資産運用に向く投資商品の一つ

クラウドファンディングには、主に5つのタイプがあります。

  • 寄付型
  • 購入型
  • 融資型(貸付型)
  • ファンド投資型
  • 株式投資型


これらのうち、融資型クラウドファンディングは、貸付型クラウドファンディングやソーシャルレンディングとも呼ばれ、さまざまな投資商品のうちの一つでもあります。

上記のクラウドファンディングのなかには、資産運用に向くもの・向かないものがあります。なかでも融資型クラウドファンディングは、資産運用に向くタイプです。

資産運用に向くクラウドファンディングには、融資型クラウドファンディングのほかに株式投資型もあります。

こちらは未公開株を取得しての配当金や、新規上場に伴う株価上昇による値上がり益がリターンになります。ただ株式投資型の場合、株式を発行している企業が経営状態が悪化して、取得した株式が紙くず同然になるリスクがあります。

このため、株式投資型クラウドファンディングは投資家にとってハイリスク・ハイリターンだといえます。

一方、融資型クラウドファンディングの場合は、クラウドファンディングサービス運営会社を通じてファンド企業へ融資を行います。

融資には期限があるため、満期を迎えると元本が戻ってきます。期間内は、返済金の一部が分配金として投資家に割り当てられるので、株式投資型よりも安定的にリターンを期待することができます

 

前年比228%超える成長市場

融資型クラウドファンディングの市場規模は、2016年から2017年の1年間だけでみても、前年比228%を超えています。

2016年の支援額はおよそ672億円でしたが、2017年にはおよそ1534億円となり、爆発的に増えている状況です。

こうした状況は金融商品取引法の改正があった2015年頃から続いており、今後も規模は拡大していくとみられています。

融資型(貸付型)クラウドファンディングの仕組み

融資型(貸付型)クラウドファンディングの仕組み

融資型(貸付型)クラウドファンディングでは、融資を受けたい企業がクラウドファンディングサービス運営会社を通じて、融資を集めます。

なお融資の募集の際には企業情報は公開されず、匿名のファンドとして融資の募集が行われます。なぜ匿名で資金が集められるかは、後ほど詳しく説明します。

投資家は、興味のあるファンドに出資をし、クラウドファンディングサービス運営会社を通じて企業へ融資します。

融資された企業は、クラウドファンディングサービス運営会社に対し、返済金として融資された元本に金利を乗せた金額を月々返していきます。

クラウドファンディングサービス運営会社は、返済金の中から手数料を引き、残った分を出資した投資家へ分配金として割り当てるのです。

元本保証されていない分配金は、元本割れすることもあります。

融資型(貸付型)クラウドファンディングが低リスクの理由

融資型クラウドファンディングが低リスクだといわれているのは、期限付きの融資という形で出資することにくわえて、融資を受ける企業の返済能力をクラウドファンディングサービス運営会社が予め審査しているため、リスクの高い企業へ出資する可能性が低くなっているからです。

また、クラウドファンディングサービス運営会社によっては、返済能力や経営状態から融資先の企業をランク付けし、過去にファンドで融資を集めた際の返済実績を公開するなどして、投資家が安心して出資できる仕組みをつくっているところもあります。

このほかにもクラウドファンディングサービス運営会社では、万が一の貸し倒れで投資家が大きな損失を受けないように、担保や保証が付いているところもあります

ファンドの企業名が開示されない理由は『匿名組合契約』

融資型クラウドファンディングでは、他のクラウドファンディングとは異なり、融資先の企業名が公開されていません

これは貸金業法によって、禁止されているためです。通常、特定の人物あるいは事業者が継続的に他人に金銭を貸し付けるには、貸金業法で定められた免許が必要です。

しかし、投資家は貸金業者ではないため、そういった免許は持っていません。そのため、投資家がさまざまな企業に対して継続的に貸し付けをおこなうと、貸金業法に抵触してしまいます。

これを避けるには、クラウドファンディングサービス運営会社が仲介し、投資家がどこの企業に出資しているのか判断できない状況をつくる必要があります

これを可能にするのが『匿名組合契約』です。投資家とファンド企業がこの契約を結ぶことによって、お互いに匿名で出資をしたり受けたりすることができるのです。

融資型(貸付型)クラウドファンディングのリスクと回避法

1. 運営会社の倒産

融資型クラウドファンディングは、クラウドファンディングサービス運営会社を介して出資をおこないます。投資家は、出資先企業がどこなのか知ることができません。

そんな状況で、運営会社が倒産してしまえば、分配金が入って来ないばかりか、出資したお金が戻ってこなくなってしまうこともありえます。

リスク回避策

運営会社を選定する際に「分配管理」をおこなっている会社かどうか、確認してください。

分配管理とは、運営会社がおこなう資金管理の方法の一つです。投資家から預かった資金から運営費を差し引いた資金を、運営費とは別に管理することです。

分けて管理をすることによって、運営会社が倒産することになっても、手を付けていない資金から多少なりとも出資した資金が戻ってきます。

出資する前の口座開設の段階で、必ず規約を確認しておくようにしましょう。規約には必ず、会社が倒産した場合の対応についても書かれています。

出資をした後は、定期的に運営会社の経営状況を把握するようにします。どこの運営会社もインターネット上に決算書を公開しています。

経営状況が芳しくないと判断したら、新たな出資はせず被害が最小限に済むようにしましょう。

運営会社によっては元本保証サービスを謳っているところもありますが、このサービス自体も運営会社が健全であってこそです。

運営会社に体力がなくなりつつあるのであれば、元本は戻ってこない、僅かでも戻ってくればいいほうだと思っておいたほうがいいでしょう。

 

2. ファンドの元本割れ・貸し倒れ

出資先の企業が倒産すると、そのまま貸し倒れてしまうことがあります。

企業情報は開示されていないため、決算書の確認などもできず、投資家は運営会社が掲示している信用度で判断したり、過去の実績で判断せざるを得ません。

リスク回避策

融資するファンドは1つに集中せず、複数のファンドを選択するようにします。また、運営会社も1社だけにせず、複数の運営会社で出資をおこない、分散投資を行いましょう

1つのファンドに資金全額を出資してしまうと、元本割れや貸し倒れがあったときに資金が回収できないリスクが高まります。これを避けるために、ファンドと運営会社それぞれで分散して出資するようにしましょう。

このほか、高利回りのファンドも注意が必要です。

一般的に融資型クラウドファンディングの年利は2.5%以上です。高くても15%ほどまでです。

しかし、高利回りののファンドは、出資者を確実に募るため、利率を引き上げてあることもあります。逆にいえば、こうしたファンドは利率を引き上げないと出資者が集まらないような、ワケありのファンドである可能性があります。

高金利のファンドを選択するときは、資金とのバランスを考えて出資するようにしましょう。

 

3. 途中解約できない

融資型クラウドファンディングは、運用期間が定められています。そのため期間中は、お金が入り用になり、解約をしたくなったとしてもそれができません。

リスク回避策

運用開始日をずらしたり、運用機関の異なるファンドに出資するなどして、元本が戻ってくるタイミングをずらすようにします。

資金を失ってしまうと投資どころではなくなってしまいます。資金全額を出資してしまわずに、資金に余裕を残した状態で少額ずつ出資するようにしましょう。

 

有名な融資型(貸付型)クラウドファンディングサービス

融資型クラウドファンディングはまだまだ新しい仕組みであるため、実績あるサービスを利用するのがリスクを下げるためのポイントです。

ここでは、特に知名度の高いクラウドファンディングサービスを紹介します。

maneo(マネオ)

maneo公式HP


融資型クラウドファンディングの実績をはかるには成立ローン総額を見るのが手っ取り早い方法ですが、それを最も多く積み上げているのがmaneo(マネオ)です。

業界随一の案件数を抱えているのが特徴です。年利はだいたい5.0〜8.0%程度です。

クラウドクレジット


クラウドクレジットは資金需要が大きい新興国向けの融資に特化した融資型クラウドファンディングです。

表面利回りは、年利6.0〜11.0%程度です。

運用実績を見やすく公開している点も特徴的で、安心感をもって利用することができます。

クラウドクレジット公式HP

 

 

SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディング公式HP


SBIソーシャルレンディングは、金融業界大手のSBIが提供している融資型クラウドファンディングサービスです。

やはり運営会社の安心感は大きな魅力です。予定年利 3.0~10.0%です。

まとめ

融資型クラウドファンディングの仕組み・リスク・リターンについて解説してきました。

融資型クラウドファンディングは、資産運用に向いているクラウドファンディングです。

資金回収できる可能性が他のクラウドファンディングよりも高いので、投資初心者にも向いているといわれています。

しかし、ローリスクとはいえ、全くリスクがないわけではありません。ご紹介したリスク回避策を参考に、融資型クラウドファンディングで安全に投資するようにしてください。

画像出典元:PEXELS

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