投資家のあいだで話題の「投資型クラウドファンディング」。
なかでも『株式投資型クラウドファンディング』は、従来の投資と比べて大きなリターンが得られる可能性もあり、気になっている個人投資家も多いのではないでしょうか。
そんな株式投資型クラウドファンディングは本当に儲かるのか、一方でどんなリスクがあるかについて詳しく解説します。
このページの目次
株式投資型クラウドファンディングとは、お金と引き換えに会社の株を得られるクラウドファンディングのことです。
投資家は、投資益の獲得や企業を応援する目的で利用します。一方で企業は資金集めに利用します。
株式投資型クラウドファンディングとは、お金と引き換えに株を得られるクラウドファンディングのことですが、この得られる株が未公開株であるというのが普通の株式投資と違うポイントです。
上場企業の株は、株式市場に公開されている株のため、証券会社の窓口を通じて購入・売却ができます。これが世間で一般的に言われる株式投資です。
一方、未上場の企業の株(未公開株)は市場に公開されていないため、一般的に自由に取引することができません。しかし、2015年5月に株式投資型クラウドファンディングが解禁されたことにより、一般の人でも未公開株を取引できるようなったのです。
ただ、未公開株であるがゆえに普通の株式投資と異なるメリットとデメリットがあることには要注意です。
たとえば、上場株が市場が開いている時間帯であればいつでも売買できるのとは異なり、未公開株はいつでも売買できるわけではありません。
これらのメリット・デメリットやリスクについては、後ほど詳しく解説していきます。
ここまでで説明したように、株式投資型クラウドファンディングのリターンは未公開株です。
投資家として得られる利益は、普通の株式投資と同じく2種類あります。それは、株の値上がり益と配当金です。
ただ株式投資型クラウドファンディングの場合は、主に株の値上がり益に期待することになります。
なぜなら未上場の企業は成長途上であるため、資金を事業投資に回す必要があり、配当金はあまり期待できないためです。
株式投資型クラウドファンディングの最大の魅力が「一攫千金を狙える」ことです。
普通の株式投資で株価が2倍になれば大成功だといえますが、株式投資型クラウドファンディングでは数年で株価が10倍・20倍になることも十分にありえます。
あやしいと感じる人もいるかもしれませんが、これはある意味当然のことです。
株式投資型クラウドファンディングで投資の対象となる未公開株は、一般的な株式投資で扱う上場企業に比べると圧倒的に規模の小さい会社の株式です。
同じ10倍でも、100億円の利益を1,000億円にするのと、1億円の利益を10億円にするのだったら、1億円のときのほうが簡単です。
これと同じ原理で、小さい会社のほうが大きく成長しやすいため、株式投資型クラウドファンディングでは一攫千金が狙えるというわけです。
購入額が10万円だったとしても、それが数年後に100万円や200万円になる可能性があるのです。非常に夢がある話ですよね。
株式投資型クラウドファンディングの2つ目のメリットは、エンジェル税制の優遇を受けられること。これもかなり強力なメリットです。
エンジェル税制とは、ベンチャー企業に投資を行った投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度のことです。
投資額のほとんどが所得から控除されるなど、非常に充実した優遇内容になっています。
そもそも株式投資型クラウドファンディングは、ベンチャー企業などへの投資が増えて産業発展につながるように国が主導して推し進めているのものです。
より多くの人が株式投資型クラウドファンディングを利用するように、これほどまで充実した優遇税制を国が用意しているということです。
株式投資型クラウドファンディングが世の中に浸透したらなくなる可能性もあるので、今のうちに活用しておきたい税制だといえます。
※エンジェル税制の適用には条件があり、すべての案件に適用されるわけではないため注意が必要です。
一般の人が、ベンチャー企業の株を購入する機会はこれまでなかなかありませんでした。株式投資型クラウドファンディングを利用することで、未上場の企業の株主になるという貴重な経験を得ることができます。
将来大きく成長して超有名企業になるであろう会社を、まだ世間で見出されていないうちから探すのはロマンがありますよね。
一攫千金が狙えて、優遇税制を受けられる株式投資型クラウドファンディングですが、当然デメリットもあります。
株式投資型クラウドファンディングのデメリットはリスクが高いことです。
株式投資型クラウドファンディングではどのようなリスクがあるのかを解説していきます。
株式投資型クラウドファンディングで扱う未上場株は自由に売買できません。特に好きなタイミングで売ってお金にすることができないというのは大きなリスクです。
価値が下がってきたから売ろう、他の会社に投資したいから売ろう、ということは基本的にできません。
一般的に未公開株には譲渡制限が設けられています。これは、株式を自由に売買されることによって誰が株主になっているのかわからなくなったり、反社会的勢力の手に株式が渡ったりすることを避けることなどが目的です。
譲渡制限があると、購入者から別の人間(買取人)に株式を渡すには、取締役会や株主総会による承認を得る必要があります。
もちろん必ずしも承認が得られるわけではありません。承認されなければ、株式を譲渡したい購入者は譲渡することができなくなります。
このように未公開株の売却は簡単ではないため、株式投資型クラウドファンディングは短期的な運用に向いていないといえます。
簡単には売却できない未公開株。しかし売れないことには利益を得ることもできません。
ではいつ売れるのか?それは投資した会社がIPO、またはM&Aをしたタイミングです。
IPOとは会社の上場、M&Aとは会社の売却のことです。
いずれにせよ投資家側でどうこうできることではないので、株式投資型クラウドファンディングでは一度投資したら、あとは会社のIPOかM&Aを願って株を放置するだけということになります。
他の投資と同じく、株式投資型クラウドファンディングも元本割れの可能性があります。
しかも株式投資型クラウドファンディングの場合、投資した株がほぼ無価値になる可能性が高いです。
というのも、先ほど説明したように未公開株を売れるのは、基本的にIPOかM&Aした場合のみです。
つまりずっとIPOもM&Aもせず、誰に売ることもできないまま会社がつぶれてしまうということがありえるのです。
反対に無事IPOやM&Aをした場合には大きく利益がでることが多いので、株式投資型クラウドファンディングは非常にハイリスク・ハイリターンな投資だといえます。
非上場企業へ出資する株式投資型クラウドファンディングは、2015年5月に始まった制度です。
加えて、日本発となったクラウドファンディングサービス「FANDINNO(ファンディーノ)」が、プラットフォームサービスを始動させたのが2017年4月です。
制度やサービス自体が創設されて年月が浅く、株式投資型クラウドファンディングを利用した企業のIPOやM&Aといった実績がまだないというのが現状です。
つまり、株式投資型クラウドファンディングで得をした投資家はまだいないということになります。
ただ、初期にクラウドファンディングを実施した企業が実績を出すのもおそらく時間の問題ですし、最初の実績がでれば株式投資型クラウドファンディングがより広がりを見せていくことが予想されます。
投資家が株式を購入する際の決め手の一つに、儲かるかどうかがあります。この判断には、株式の発行元企業が公表している営業状態などの資料が必要です。
こうした資料がないと、倒産の可能性があるのか、今後成長していくのかの予想がしづらくなります。
しかし未上場の企業には、こうした資料が十分にないことから、一般的な投資よりも投資判断が難しいといえます。
なぜ、未上場企業にこうした資料がないのかというと、作成義務の対象になっていないことが理由です。
上場企業の開示する資料の一つに、企業の事業内容や営業状況、財務状態などを記す「有価証券報告書」がありますが、未上場企業は基本的に作成の義務がありません。
そのため、株式投資型クラウドファンディングの場合はファンディーノなどがサイトで公開している情報をもとに購入判断をすることになります。
株式投資型クラウドファンディングでは、投資家は1社につき年間50万円以下しか投資できません。
未公開株を購入する際に詐欺リスクを軽減するには、ファンディーノなどのクラウドファンディングサービスの利用が大前提です。
クラウドファンディングサービスは健全な運営をしてこそ、顧客が付くサービスです。そのため、未公開株の株主を募集したいと企業側から打診があれば、まずその企業が健全かどうかを徹底的に調べてくれます。
この時点で、経営状態が良くないと判断された企業は、株主に不利益を生じさせるリスクが高いため、クラウドファンディングサービスを利用できません。
そのため、クラウドファンディングサービスに掲載されている企業はある程度信頼できる会社だといえます。
なお、代表的な株式投資型クラウドファンディングサービスはのちほど紹介します。
どんな金融商品でも同じですが、元本割れや発行元の倒産のリスクは常にはらんでいます。
ギリギリの資金で投資をすると、万が一のときに、大きな負債を抱えることになります。余剰資金の範囲内で投資することは、最低限のリスク回避です。
先ほども紹介したエンジェル税制ですが、エンジェル税制を活用して節税をすることで、リスクを下げることができます。
たとえばエンジェル税制によって、投資額の30%分の節税効果が得られたとすれば、すでに株式購入時点で30%は投資回収できているということになります。
株式投資型クラウドファンディングはハイリスク・ハイリターンの投資です。
儲かるときは大きく利益がでますが、そうでない場合はリターンゼロになる可能性が高いです。
余剰資金を株式投資型クラウドファンディングに回すことで、エンジェル税制で節税しつつ、一攫千金できたらラッキーくらいの気分で利用するのがおすすめの活用方法です。
投資をしたあとは基本的に放置するだけでいいので、そこは魅力的な部分だといえます。
日本国内の代表的なクラウドファンディングサービスを紹介します。
現在、日本で株式投資型クラウドファンディングサービスといったら「FUNDINNO(ファンディーノ)」といっても過言ではありません。
FUNDINNO(ファンディーノ)は2019年4月現在、累計15億円以上もの成約をし、取引量日本No.1となっている株式投資型クラウドファンディングサービスです。
多くの実績を出しているファンディーノですが、企業に対する審査が厳しいことでも有名です。
企業の登録にあたっては法律を遵守しているか、革新性はあるか、独自性はあるかといった項目を公認会計士や弁護士、税理士などが厳しくチェック。当然反社チェックも入念に行っています。
実績があり、かつ信頼性も高いファンディーノは、株式投資型クラウドファンディングをするなら、一度はチェックしておくべきサービスです。
VCなどのプロの投資家がすでに投資している企業に対して、投資できる株式投資型クラウドファンディングサービス。
「プロが目利きした企業だから安心」というのが売りです。
また株式ではなく新株予約権をリターンとして渡すという仕組みも特徴的です。
GoAngel(ご縁ジェル)はその名の通り「縁をつなぐ」ということを重視しているのが特徴的です。
株式投資型クラウドファンディングを通して企業を応援したいという人におすすめです。
ただし、他社では会社側が負担する手数料を、投資家が負担する仕組みである点には要注意。
手数料は資金調達額の10%程度です。
現在は、まだ事前登録受付中の段階の株式投資型クラウドファンディングサービスです。
投資家が1社あたり年間 50万円までスタートアップ投資を行うことができるプラットフォームです。
株式投資型クラウドファンディングの仕組み、メリット・リスクについて解説してきました。
株式投資型クラウドファンディングは、まだ始まって間もないサービスです。もちろんリスクはありますが、それと同時に大きなチャンスがあることもまた事実。
リスクを正しく認識して、上手に活用しましょう。
画像出典元:Pexels, Unsplash
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