テレワーク導入が進む中、その勤怠管理方法に課題を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
勤怠管理システムは、社員の勤怠管理や承認申請、タスク管理など様々な業務を遠隔からでも一元管理できるため、テレワーク対策の一つとして注目されています。
ただし、とにかく種類が多く、何を基準に選ぶべきなのか、自社に合ったシステムはどれなのか判断しづらいのが現状です。
この記事では、テレワーク下での従業員の勤怠管理の現状と課題を説明した上で、システムの選び方のポイント、利用するメリットや導入事例、おすすめの勤怠管理システムなどをご紹介していきます。
このページの目次
HR領域の調査研究機関であるHR総研が、緊急事態宣言解除後の2020年5月から6月に行ったアンケートによれば、テレワーク導入後に直面した課題として、以下のような結果が出ています。
出典元:HR総研公式HP「テレワークの実態に関するアンケート結果報告(1)」
社内コミュニケーションや人材育成に関しての課題感を始め、最も多かったのが「労働実態を把握しにくい」という勤怠管理に関しての課題感であることが判ります。
具体的には、管理者側・従業員側それぞれで下記のような課題感を持っていることが調査から判ってきました。
遠隔勤務によって、従業員の労働実態の把握は自己申告に基づいてしか判断できず、虚偽や不正があっても実態を把握しにくいという問題があります。
営業職など結果が数値化されやすい職種であれば、公正な評価を受けているという実感を持る一方、オフィスワークやクリエイティブ系の職種など結果が数値化されにくい職種の場合は、評価基準に疑問を持つケースも多いようです。
このような双方の課題を解決するためのツールとして勤怠管理システムは多くの企業で導入されてきています。
次の章からは、勤怠管理システムを導入することで得られるメリットや選ぶ際のポイントについて詳しく解説していきます!
勤怠管理システムとは、従業員の勤怠状況を記録・管理するシステムのことを言います。
これまでは、タイムカード・メール・電話を使って勤怠報告をし、上長は都度別の書類に内容を転記して管理、もしくはエクセル・スプレッドシートなどを利用して従業員が手入力するといった管理方法が取られていました。
しかし、これらの方法ですと、誤入力や虚偽の申告ができてしまうなどの課題を抱えていました。
その解決策として登場したのが、様々なデバイスを利用し打刻・記録することで、正確な勤怠データをシステム上で管理することができる勤怠管理システムです。
勤怠管理システムは、これまで主流であった従業員側の自己申告という形での勤怠データ収集のやり方を一新し、より正確なデータを労力をかけずに収集することができます。
また、システム上で管理されたデータは、別のシステムやツールと連携することで、より多くの業務に有効活用することができるようになりました。
上の図のように勤怠管理システムには、勤怠管理をより正確に、より効率化するための、多くの機能が搭載されています。
特に代表的な機能が赤字の機能で、これらは、是非システムを選ぶ際に搭載されているか注目してほしい機能です。
打刻機能は当然ながら、テレワーク時に非常に役立つ申請承認機能、労務管理の上でかかせないアラート機能、シフト管理を効率的に行えるシフト機能の4機能は要チェックです。
起業ログが行った調査で、これら機能が搭載されていなかったが故に結果的に別のシステムに乗り換えている例がよくあります。
自社の勤務状況と照らし合わせて必要な機能を選んでいくと良いでしょう。
PC/タブレット/スマホ/ICカード/指紋認証/QRコードなど様々なデバイスを通して正確に打刻することで、データの整合性が上がります。
また、データを一括出力し集計したり、残業や有給取得状況の正確な把握に役立てることができ、法令遵守に基づいた従業員管理が可能になります。
うちの社員に限ってと思いたい気持ちはやまやまですが、手入力で行う作業では、不正が起こりえることは常に考えなければなりません。
労働時間を多く申告するのみならず、サービス残業や休日出勤を隠蔽する行為など、企業として避けなければならないリスクを削減する意味でも、勤怠管理システムは有効です。
勤怠データをシステム上で管理すれば、そのデータを元に集計や他システムとの連携をすることで業務効率が上がり、その分労働時間が削減できます。
また、タイムカードなどを使用しないためペーパーレス化でき、諸経費も削減されるでしょう。
人件費・諸経費といったコストと労働時間の削減が実現できることもメリットの一つです。
給与計算、ワークフロー、労務管理など他のシステムと連携が取れる勤怠管理システムであれば、勤怠データをワンストップで他の業務に活用することができ業務効率は格段に上がります。
テレワークと一言で言っても、在宅型なのか、サテライトオフィスなどを利用した施設利用型なのか、またはモバイルワークなのか、その勤務体系は様々です。
また、働き方によって導入しておくべき打刻方法も変わります。
自社の勤務体系と、従業員がどのような場所で勤怠報告するのかを事前に確認して選ぶ必要があります。
勤怠管理システムには、無料プラン、有料プランなど様々なプランが用意されています。
無料プランだと使える機能が限定されていますが、多くの機能は求めておらず正確に打刻ができればいい、そこまでお金をかけられないといった企業には、無料プランでも十分使える場合があります。
コストと機能を良く確認した上で、自社が求めているシステムを選びましょう。
システムの使い方がわからなくなり誰かに聞きたいけれと、担当者もいないし、ちょっと周りに聞くこともできないテレワークの場合、システム側のサポートがあれば自力で解決でき非常に便利です。
電話/メール/チャット/FAQ/マニュアルなどサポート体制もシステムによって用意されているものが異なります。
社員数が多い企業などでは、できるだけ手厚いサポート体制がある方が良いでしょう。
種類の豊富な勤怠管理システムは、どのシステムを選べばいいのか、業務フローや勤務形態など様々な情報を元に精査しなければなりません。
無料トライアル期間を設けているシステムも多く、無料トライアル期間は、有料プランの全ての機能を試してみることができるものがほとんどです。
トライアル期間だけ把握した上で、いくつかのシステムを試してみることが最も賢い選び方だと思います。
無料で使える勤怠管理システムに実際どんなものがあるのか、詳細を確認したい方は、是非以下の記事もチェックしてみて下さい。
画像出典元:「freee勤怠管理Plus」公式HP
「freee勤怠管理Plus」は、勤怠管理をペーパーレス化し、転記や集計などにかかる業務負荷を減らすことで管理を効率化できる勤怠管理システムです。
打刻時に位置情報を取得できるため、直行直帰やテレワークなど、多様な勤務形態に対応でき、シフト作成機能を搭載しているのも魅力です。
クラウド会計ツールで有名なfreee株式会社が提供するサービスで、運用実績も豊富なので安心して利用できます。
シンプルな画面遷移で使いやすさには定評があり、ITにはそれほど詳しくないという人でもすぐに使いこなせます。
ただし、生体認証打刻機はソフトウェアをインストールする都合上、freee社から購入する必要があります。
freee勤怠管理Plusの料金プランは1種類のみで、初期費用不要で利用できます。
1ユーザーごとに料金が加算される従量課金のシンプルな料金体系です。
freee勤怠管理Plus | |
初期費用 | 0円 |
月額費用 (税表示なし) |
300円 |
追加オプション | なし |
ユーザー数 | 1ユーザー |
画像出典元:「ジョブカン勤怠管理」公式HP
最大の魅力は200円/月で導入できる安さ。30人程度のベンチャーから1,000人以上の企業まで、全ての規模で利用可能です。
主要な給与計算ソフトと連携できる便利なシステムです。
10人以下の企業でも月額費用2,000円が発生するので、注意しましょう。
10人以下の企業向けに無料プランが用意されていますが、機能がだいぶ制限されます。(無料お試しとは別物)
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 200円~ | 2,000円 | 30日間 |
マネーフォワードが提供している会計・確定申告・請求書・経費・給与・社会保険など幅広いサービスと連携できることが最大の魅力です。
最低利用料金が設定されているので、注意が必要です。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 400円〜 | 2,980円+ユーザー数×300円 | 1ヶ月間 |
※30人までは、何人でも同額。
画像出典元:「KING OF TIME」公式HP
KING OF TIMEは多くの外部サービスと連携可能。入退室管理システムと連携できる勤怠管理システムは少ないので、かなり貴重です。
登録した人数ではなく、その月に打刻利用があった人のみが課金対象となります。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 300円〜 | 設定なし | 30日間 |
画像出典元:「スマレジ・タイムカード」公式HP
スマレジ・タイムカードは、精度の高い不正防止機能が特徴のクラウド型勤怠管理システムです。
無料プランであるスタンダードプランは、社員数月30名までであれば勤怠管理機能とサポートサービスを利用することができます。
パスコード入力の設定、写真撮影による本人確認、GPSによる位置情報の記録など、他にはない機能が搭載されています。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 0円~ | 設定なし | 60日間 |
スタンダート | プレミアム | エンタープライズ | |
月額料金(税込) | 0円 | 2,200円 | 6,600円 |
人数加算額 /人(税込) |
110円 | 330円 | 660円 |
社員数上限 | 30人 | 10人 | 10人 |
無料プランであるスタンダードプランは、30人までは月額料金無料、31名以上は月額料金1,100円+110円/人が発生します。
60日間の無料トライアルが終わると、そのまま無料プランにはなりますが、勤怠管理のみ利用できる簡易的な内容になります。
不正防止機能などのメリットを実感できた場合は、早めに有料プランに移行することをおすすめします。
画像出典元:「jinjer勤怠」公式HP
jinjer勤怠は、全機能が最初から搭載されているため、追加費用が発生しません。予算がたてやすいことは、大きな魅力です。
人事管理・給与計算・経費精算・労務管理・雇用契約と組み合わせる場合は、追加費用が発生します。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
100,000円 | 300円〜 | 設定なし | 30日間 |
画像出典元「株式会社Wiz」公式HP
画像出典元「日本パーキング株式会社」公式HP
画像出典元:「株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント」公式HP
画像出典元:「サンクスラボ株式会社」公式HP
画像出典元:「ランサーズエージェンシー株式会社」公式HP
テレワークにおいて、勤怠管理システムの導入は最早必要不可欠なことでしょう。
これまでみてきたように、勤怠管理システムには、それぞれ多種多様な特徴や料金プランがあります。
まずは、無料プランやトライアルを上手に活用し、いくつかのシステムに実際に触れてみることが大事です。
その上で、本当に適したシステムはどれかを精査していければ、導入は成功するでしょう。
画像出典元:Pixabay
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