退職願の理由はこれでOK!退職届との違いや正しい書き方・出し方も

退職願の理由はこれでOK!退職届との違いや正しい書き方・出し方も

記事更新日: 2021/04/15

執筆: 浜田みか

会社を退職すると決めたはいいものの、アルバイトのように「辞めます」と一言で済まないのが、社会人の世界。

いつ、どのように、誰に言えばいいのか。新卒から社会人になった方であれば、退職の作法がわからずに悩むところではないでしょうか?

そこで今回は、退職する際の伝え方をはじめ、いつ・どんなタイミングで伝えればいいのか。退職願に焦点を当てて解説します。

「退職願」と「退職届」の違いや書き方についても紹介していますので、退職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

何が違う?「退職願」と「退職届」

転職や独立するにあたり、在籍している会社に対して行わなければならない退職手続き。その一つに、退職の意思を伝えることが、最初のステップになります。

意思を伝えるにしても、「退職願」や「退職届」、「辞表」など、いろいろな伝え方があります。

ここでは、「退職願」とは何か。「退職届」や「辞表」との違いは何か?について解説しています。

まずは、これらの違いを知って、自分に必要なのは「退職願」なのかどうかを見極めましょう。

「退職願」とは

退職願とは、会社や経営者に対して「この会社を辞めたい」という意思を表明するための書類です。退職願は、その名のとおり、あくまでも「退職を願い出る」という行為にしか過ぎません。

そのため、労働契約そのものを解約するには、会社の承諾を得なければならないのです。

労働基準法(以下、労基法)に多少の知識のある方なら、ここで「労働者には、退職の自由があるはずでは?」との疑問が浮かぶでしょう。

労働者の退職の自由は、労基法や民法によって「奴隷的拘束の禁止」や「職業選択の自由」として定められています。

これに照らし合わせれば、従業員が退職の意思を伝えたなら、会社はその意思を尊重し、退職を承諾すべきと解釈できるでしょう。

しかし、退職願は、退職届とは異なり、会社に対する法的拘束力がありません。これも、労基法によって定められています。

これらのことから退職願は、勇気を出して提出したとしても、従業員の「退職を検討しています」という意味合いで受け取られてしまう書類なのです。

「退職届」との違い

退職願には法的拘束力がない反面、退職「届」には、法的拘束力が発生します。”願う”と”届ける”では、会社に与える影響力が全く違うのです。

退職届とは、まさに「この会社を退職します」という確定した意思を伝えるためのもの。会社は、労働者のこの意思を尊重しなくてはならないのです。

「退職願」では会社の承諾が必要となりますが、「退職届」では承諾は必要なく、受理された時点で退職が決定します。

とはいえ、受理するということは、会社の“承諾に対する姿勢”とも取れます。

法律上、労働者から退職届が提出されれば、一定期間置いたのち、退職できると定められています。

このことを踏まえると、労働者側も退職を検討しているだけで、会社からの条件次第では撤回したいと考えているなら、退職届を出せば撤回できないことを念頭に置いておく必要があるでしょう。

また、退職の意思表明に際して「辞表」を提出するイメージを持っている方もいるかもしれません。退職願、退職届、辞表は、それぞれで持つ意味合いが異なります。

辞表は、一般社員が出すものではなく、会社の運営にかかわっている役員より上の立場にいる人たちや公務員などが退職する際に提出するものです。

一般社員が退職する際に提出する「退職届」と同等のものと理解しておくといいでしょう。

退職を願い出るときになぜ書面が必要なのか?

退職の意思を表明するとき、「口頭で伝えられたら楽なのに」と思う方もいるでしょう。

アルバイトでは、わざわざ退職願や退職届を提出することなどありませんし、たいていの場合、口頭で済む手軽さがあります。

では、社会人になると、なぜ退職願のような書類を用意して退職を伝えなければならないのか?

ここでは、退職の意思を伝えるのに書類が必要な理由とともに、退職理由をどこまで伝えるべきなのかについても言及していきます。

退職の意思を伝えるのに書面が必要な理由

退職に関しての法律を確認してみると、民放627条にこんな記述があります。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

ここには、「書類で提出せよ」とも「口頭でも良い」とも明記されていません。つまり、本来は書類でなくてもよく、口頭で退職意思を伝えても良いことになります。

しかし、口頭だけで書類がないと、あとから「伝えた」「聞いていない」といったトラブルに発展しかねません。

そこで、書面で提示することによって、そういったトラブルを回避できるわけです。書類を用意すれば、それが意思を伝えたという明らかな証拠になるからですね。

では、メールを使って退職の意思を伝えることも可能ではないか?と考える人も出てくるかもしれません。

これに関しては、誰が送信したのか?本当に本人が送ったのかの証明ができないという点で、自筆の書類よりも信ぴょう性が劣ることになります。

ですから、自筆で書かれた書類を提出することが重要になるのです。

退職の理由はどこまで詳細に伝えればいい?

退職理由の伝え方については、よくある「一身上の都合」というものが思い浮かびやすいのではないでしょうか。それは、どんなケースでも使えるオールマイティなものなのでしょうか?

退職には、大きく分けて2通りのケースがあります。

  • 転職や独立、ライフスタイルの変化など、労働者側の理由が起因となっている退職(=自己都合)
  • 会社からのリストラ、倒産など、会社側の理由が起因となっている退職(=会社都合)

会社に不満があって退職する場合でも、それは労働者側の理由ですから自己都合にあたります。これらのことを踏まえると、「一身上の都合」とは、自己都合での退職に使える文言です。

ちなみに「一身上」とは、デジタル大辞泉(小学館)によると、次のように記されています。

その人自身の身の上や境遇などに関すること。個人的な問題や事情。

理由が必要なのは、自己都合による退職か、会社都合による退職かで、その後の扱いが変わってくるからです。なかでも影響が出るのが、失業保険の受給に関してです。

会社都合によって退職を余儀なくされた場合は、生活にも大きな影響が出ます。

そのため、自己都合よりも早いタイミングで受給できるようになっています。(離職票提出から7日間待機したのち、約1ヵ月で受給可能)

転職においていえば、面接での印象などにも影響が出るかもしれません。

労働者が自己都合で退職を希望する場合、その退職理由において「一身上の都合」よりも詳細な理由を伝えなければならないという定めはありません。

ですが、会社によっては詳細な理由を聞きたがるところもあります。その場合、本当の理由を言うか言わないかは労働者の自由です。

参考までに、転職・求人サイトのエン転職のアンケート結果を掲載しておきます。

自己都合による退職であれば、理由は「一身上の都合」だけでかまいません。退職理由は、自己都合なら「一身上の都合」。会社都合なら「会社都合による退職」と明記しましょう。

退職願の正しい書き方やマナーはある?

退職願と退職届の違い、そして退職理由の伝え方がわかったところで、ここからは退職願の書き方や提出のタイミングについて解説していきます。

【例文付き】退職願の書き方は、こう書けばOK

まず、退職願の書き方は、会社指定のフォーマットがあるなら、それを利用します。

もしも指定の様式が用意されていないのであれば、これから紹介する内容をもとに、書類を準備していきましょう。

退職願に使われる書類のサイズは、一般的にA4サイズの便箋です。

パソコンで作成してもいいのですが、すでに解説したとおり、自分の意思であることを明確にするためにも自筆で書くのがおすすめです。

書類の冒頭は、「退職願」の文言から始めます。

宛先となる会社名および役職名は、正式なものを書きます。

提出には、書面をそのまま渡すのではなく、白無地の封筒に入れて渡します。この時も、封筒のサイズはA4の紙を三つ折りで入れられる長形3号を選びます。

安価な封筒だと中身が透けて見えてしまうこともあるので、できれば二重になっているような上質な封筒を選びましょう。

封筒の表面には、中央よりやや上の位置に「退職願」、裏面には、自身の所属する部署名と氏名をハッキリと記します。0.5~0.7㎜サイズで油性の黒ボールペンを使いましょう。

細いと読みづらく、誤読に繋がることもあります。また、最近消せるボールペンを使っている人も多いですが、退職願を書く際には適していません。

三つ折りの手順は、文面を上に下状態で、冒頭部分を自分側に向けた状態で用紙の1/3を内側に折り畳みます。次いで、反対側も同じく1/3を内側に折れば完成です。

封筒は必ずしも閉じる必要はなく、閉じた場合は封入口に〆印を書いておきましょう。

退職願を出すベストなタイミングはいつ?

退職願を渡すタイミングは、相手の状況を見て判断します。忙しい時間帯や、業務に追われていそうだと感じる時には渡すのを控え、話ができそうなときに渡すようにしましょう。

常に多忙そうで話しかけにくいと感じるなら、予め声掛けをしておくといいのではないでしょうか。

会社に不満があって退職する場合でも、退職後に何らかの形で関わる可能性もあるかもしれません。

そんなとき、退職の仕方が一方的であれば、悪い印象だけが残ることになり、後々不利益にもなりかねません。

どんな理由であれ、社会人としてできるだけ円満退職を目指し、礼儀を欠くことのないように気を付けましょう。

退職願をできれば郵送したいと考える人もいるかもしれませんが、できるだけ手渡しするようにします。

郵送で退職願を出しても、相手が納得できるのは、病気やケガなどで持参することが難しい場合や、会社から郵送してもよいという指示があった場合です。

法的に郵送が禁止されているわけではありませんが、相手の心証を考えれば、やはり手渡しできちんとお世話になったお礼を伝えるのがベストです。

もし、郵送する場合は、重要な書類ですから書留を使うようにします。また、ただ退職願を送るだけでは味気ないですし、受け取ったほうも送り付けられたような印象を抱いてしまいます。

一筆添えて送るのが、社会人としてのマナーです。

まとめ

退職願と退職届、同じような言葉でも全く意味が異なることがわかりましたね。法的に効力があるのは、退職届。

法的に効力がなくとも、会社に退職の意思を伝えられる手段が「退職願」です。

社会人として、周囲に礼を欠くことがないよう円満に退職したいものです。

画像出典元:Pixabay

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