個人事業主が廃業をしなければならなくなった時、廃業届の「書き方」や「提出先」は対象者の多くが知りたい内容です。
ですが、公的機関への提出物の書き方は分かりづらいものが多く、結局どうすればいいのか戸惑う人が多いもの。
そこて、本記事では廃業届の「書き方」や「提出先」を画像を交えて分かりやすく解説しています。
廃業届に関する他の書類や提出のタイミングなどの情報もあわせて紹介をしていますので、本記事を読むことで廃業届に関する多くの疑問を解消することができます。
最後までしっかりと確認をしていきましょう。
このページの目次
個人事業主が廃業をした日を「廃業日」とし、廃業日から1カ月以内が廃業届の提出期限となります。
また、廃業日から1ヶ月後が土日祝日の場合は、その翌平日が提出期限です。
廃業届を出さないことへの罰則はありませんが、税務署は廃業の事実を知らないと事業が続いている状態での納税指示を出してくる場合があります。
したがって、廃業日から1ヵ月以内に滞りなく手続きを行いましょう。
個人事業主が廃業届を提出する場所は、現在の事業の納税地を管轄する税務署です。
また、新設や移転などで事務所や事業所の所在地が納税地と違う場合でも、納税地を管轄する税務署以外の税務署へ提出する必要はありません。
提出先は現在の事業の納税地を管轄する税務署1カ所のみとなります。
個人事業主の廃業届の手続きについて、必要な書類や提出方法などを詳しく解説していますので、しっかりとご覧ください。
個人事業主の廃業届に必要な書類は以下の通りです。
1. 個人事業の開業・廃業等届出書
2. 個人事業の開業・廃業等届出書の控え
3. マイナンバーカードまたはマイナンバーが確認出来る書類(通知カードやマイナンバーの記載のある住民票の写しなど)
4. 顔写真付きの身分証明書
廃業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
国税庁のホームページからダウンロードや管轄の税務署で無料で入手ができます。
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また個人事業の開業・廃業等届出書の控えは必ず残しておきましょう。
そして、マイナンバーカードまたはマイナンバーが確認できる書類、顔写真付きの身分証明書は、持参の場合と郵送の場合で不要、必要と異なります。
次の「廃業届の提出方法」で詳しく見ていきましょう。
廃業届の提出方法には、「持参」と「郵送」の二種類があります。
それぞれの提出方法についてのポイントは以下の表をご覧ください。
持参の場合、本人確認はマイナンバーカードのみ、またはマイナンバーが確認できる書類と顔写真付き身分証明書で行います。
郵送の場合は、本人確認を本人確認書類(写)添付台紙に添付されたマイナンバーカードのコピー、またはマイナンバーが確認できる書類と顔写真付きの身分証明書のコピーで行います。
また、時間外でも税務署の「時間外収集箱」への投函で提出が可能ですが、その場合は郵送と同様の提出書類を用意しましょう。
(国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf)
個人事の開業・廃業等届出書の書き方には、以下のように大きく分けて6つの記入ブロックがあります。
1. 基本情報入力欄
2. 事業所情報入力欄
3. 廃業の理由が法人設立に伴う場合の入力欄
4. 廃業に伴う届け出書の提出の有無入力欄
5. 事業概要入力欄
6. 給与等の支払い状況の入力欄
それぞれの書き方について詳しく解説していますので、一つ一つ確認してみましょう。
1. 上部の「個人事業の開業・廃業等届出書」の開業の文字は二重線で訂正しましょう。
2. 左側に管轄の税務署と廃業届を実際に提出する日を記入します。
3. 右側の枠内は「納税地~屋号」までは、変更がなければ開業届で記入した内容を転記で構いません。
1. 届け出の区分は、廃業に〇をつけて廃業理由を記入します。
2. 所得の種類は、全部または一部(廃業する事業を記入)に〇をつけます。
3. 開業・廃業日は、廃業をした日を記入しましょう。納税に関わる部分なので、提出日と混同しないように注意が必要です。
4. 事業所等を新増設、移転、廃止した場合への記入の必要はありません。
1. 設立法人名~設立登記までの項目を記入します。
1 .「青色申告承認申請書」「課税事業者選択届出書」を提出している場合は右枠の「有」に〇を、提出していない場合には「無」にそれぞれ〇をつけます。
1. 行っていた事業内容を具体的に詳しく記入します。
1. 専従者・使用人の「従業員」「給与の定め方」をそれぞれ記入し、「税額の有無」へ該当の箇所へ〇をつけます。
2. 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」は、給与を支払っていた従業員がいた場合には「有」へ〇をつけ、給与を支払っていた従業員がいない場合には「無」へ〇をつけましょう。
個人事業主の廃業届である「個人事の開業・廃業等届出書」以外にも、5つの廃業に関係する提出書類があります。
それぞれについて提出先や期限、提出のポイントを解説していますので、しっかりと確認をしてみましょう。
事業所所在地の都道府県税事務所にも廃業に関する書類を提出する必要があります。
廃業届の名称や提出期限は各都道府県により異なりますが、提出をしなければならない書類です。
事業の所在地のある都道府県税事務所のホームページで確認をしておきましょう。
青色申告を行っている個人事業主が提出をしなければならない書類です。
提出期限は青色申告を取りやめようとする年の「翌年の3月15日まで」となります。
提出先は税務署ですので、「個人事業の開業・廃業等届出書」と同時の提出で廃業時の手続きがスムーズに進みます。
課税事業者の場合、「事業廃止届出書」を廃業時に提出する必要があります。
消費税の納付義務のある個人事業主や法人が対象です。
提出期限は1ヵ月以内で、提出先は税務署となります。
「事業廃止届出書」も「個人事業の開業・廃業等届出書」と同時の提出で手続きがスムーズになるでしょう。
給与を支払っている場合「給与支払い事務所等の開設・移転・廃止の届け出書」を提出する必要があります。
提出期限は廃業日から1ヵ月以内です。
「青色申告の取りやめ届出書」「事業廃止届」と同様に「個人事業の開業・廃業等届出書」と同時の提出で手続きがスムーズとなります。
特定の条件を満たしている個人事業主に発生する納税義務です。
廃業時にも条件が満たされている場合には通知が届きます。
また、廃業の届け出をしていない場合には、事業が継続している場合の条件での納付額が通知されことに注意が必要です。
提出期限は2通りあり、「第1期分および第2期分の両方の提出」の場合には、その年の7月1日~7月15日まで。
「第2期分のみの提出」の場合には、その年の11月1日~11月15日までとなります。
提出先は税務署ですが、提出日が限定されているため「個人事業の開業・廃業等届出書」などの書類と同時提出にこだわる必要がありません。
ですが、提出をしない場合には延滞税が加算されるので注意が必要です。
個人事業主の廃業届についてのポイントは以下の通りです。
1. 廃業届を出すタイミングは「1ヵ月以内」
2. 廃業届の提出先は「現在の事業の納税地を管轄する税務署」
3. 廃業届の正式名称は「個人事の開業・廃業等届出書」
4. 個人事業の開業・廃業等届出書は国税庁ホームページからダウンロード、または管轄の税務署にて無料で入手できる
5. 廃業届の提出に必要な書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」「個人事業の開業・廃業等届出書の控え」「マイナンバーカード」の3つ
6. マイナンバーカードがない場合には、「マイナンバーが確認出来る書類(通知カードやマイナンバーの記載のある住民票の写しなど)」「顔写真付きの身分証明書」の2つが「個人事業の開業・廃業等届出書」「個人事業の開業・廃業等届出書の控え」の他に必要
7. 廃業届以外にも5つの提出書類がある
廃業届を出さないことへの罰則はありませんが、税務署が廃業の事実を知らないことで納付書を送ってくることに注意が必要です。
また、「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」の未提出で減額ができない点や、追加納税が発生することにも留意をしておくことで、不要な納税義務を回避できます。
廃業届だけでなく、廃業に関する書類はまとめて提出してスムーズな手続きとなるよう心がけましょう。
画像出典元:unsplash、Pixaday
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