会社清算とは?清算手続きの流れと注意点を解説!

会社清算とは?清算手続きの流れと注意点を解説!

記事更新日: 2021/07/12

執筆: 佐藤杏

会社清算とは、廃業をして会社を消滅させることです。

会社を廃業する場合は、会社の「解散」と「清算」を行う必要があります。

この記事では、通常清算の手続きの流れを解散から清算結了まで解説します。

会社清算のうち「通常清算」を行えるのは、債務全てを完済できる会社だけです。

自社の会社清算が「通常清算」「特別清算」「破産」のどれに該当するか判断して手続きを始めましょう。

会社清算とは

経営状態 手続き   最終的な状態
債務超過なし 通常清算

会社が消滅する
(清算型)
倒産(経営破綻) 特別清算
破産
民事再生 会社は消滅しない
(再建型)
会社再生

 

会社清算とは「会社を消滅させること」

会社清算とは、自主廃業して、法人格を消滅させることです。

会社は「解散→清算→法人格消滅」という法律に基づいた手順を踏んで、正式に会社を終わらせることが出来ます。

「解散」とは「会社清算の手続きスタート」

「解散」とは、会社を清算するために全ての事業を停止させることを指します。

会社は解散すると、資産・負債の清算業務のみ行う清算会社になります。

事業を停止しても「清算手続き」を行っていない場合は「清算中の会社」として存在している状態です。

3つの会社清算「通常清算・特別清算・破産」

会社の清算は「通常清算」「特別清算」「破産」の3つの方法があります。

  通常清算 特別清算 破産
法律 会社法 会社法 破産法
適用の要件 債務超過なし 債務超過の疑いがある 債務超過に陥っている(確定)
適用対象 株式会社、持分会社 株式会社のみ 全ての会社形態に適用
株主の同意 必要 必要 不要
責任者 清算人
(取締役兼任可)
※会社側が選任
清算人
(取締役兼任可)
※会社側・裁判所が選任
破産管財人
(取締役兼任不可)
※裁判所が選任

 

「通常清算」を行える条件

通常清算は、会社が保有資産で債務を全額返済出来る場合に行える手続きです。

債務超過に陥っている会社は通常清算は出来ず、特別清算か倒産の手続きを行います。

今回の記事は「通常清算」を解説しています。

会社清算の準備と手順

手順 内容
1:株主総会での特別決議 解散の決議をし、清算人を選任します
2:解散・清算人を法務局へ登記 法務局で解散登記と清算人選任登記を行います
3:官報への解散公告 官報に会社の解散公告を掲載します
4:財産目録・貸借対照表の作成・承認 清算人が財産目録や貸借対照表を作成し、株主総会の承認を受けます
5:資産の売却・債務の弁済 会社の資産を売却して会社の債務を弁済します
6:残余財産の確定・分配 会社に残った財産を株主に分配します
7:決算報告書の作成・承認 決算報告書を作成し、株主総会の承認を受けます
8:清算結了登記 法務局で清算結了の登記をします

【準備】解散事由の発生とは

通常清算には、下記7つの解散する事由(解散の原因)から会社清算を行います。

会社法では、下記の7つの理由以外で会社解散は認められていません。

一般的に通常清算は「3、株主総会で解散決議を行ったため」を経て会社を解散します

会社法で認められている解散する事由

1、定款の存続期間が満了したため
2、定款の解散事由が発生したため
3、株主総会で解散決議を行ったため
4、合併によって会社が消滅するため
5、破産手続きの開始決定したため
6、裁判所から解散命令が下されたため
7、休眠会社のみなし解散によるため

1:株主総会での特別決議

株主総会で解散決議を行い、「解散について株主総会の承認」と「清算人の選定」を決議します。

解散決議には、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。

また、法務局への解散登記と清算人選任登記には「株主総会の議事録」提出が必須なので記録しましょう。

2:解散・清算人を法務局へ登記

株主総会で決めた日から2週間以内に「解散登記」と「清算人選任登記」を法務局で行います。

法務局への登記が済んだら、各所へ「異動届出書」を提出します。

異動届出書の提出には、登記事項証明書が必要なので法務局で忘れずに交付してもらいます。

主な異動届出書の提出先

  • 税務署
  • 都道府県税事務所、市町村役場
  • 社会保険事務所
  • ハローワーク
  • 労働基準監督署 

3:官報への解散公告

官報へ解散公告を掲載しましょう。会社解散の官報公告は、会社法第499条第1項で義務付けられています。

また、官報公告だけでなく自社で把握している債権者には個別に催告・通知を行います。

官報に公告してから「2週間」清算完了が出来ない理由

官報に解散公告を掲載した日から「2週間」は、官報を通じて会社の解散を知った債権者からの申し出を待つ期間です

会社は申し出た債権者の分も含めて「清算」を行います。2週間以内に申し出がなかった債権者の債権は清算手続きから除外できます。

ただし、申し出がなくても把握している債務者ヘは弁済しなければなりません。

4:財産目録・貸借対照表の作成・株主総会で承認

会社解散時点での処分価格をもとに会社の資産を計算します。

清算人が財産目録・貸借対照表を作成し、株主総会の承認を受けます。

財産目録

財産目録とは、個々の現預金や売掛金、在庫などの資産、借入金や買掛金などの負債と資産を記載した明細表のこと

貸借対照表

貸借対照表は、財産目録をベースに会社の資産と負債の概要を表にしたもの

5:資産の売却・債務の弁済

資産の売却・債務の弁済を行って「残余財産」を確定していきます。

主に下記3点を整理して、「現金回収」を行っていきます。

  • 債権の回収(売掛金などの債権を回収する)
  • 財産の換価処分(在庫や財産を処分して現金化する)
  • 債務の弁済(借入金などの債務を返済する)

6:残余財産の確定と分配

「5:資産の売却・債務の弁済」が終えたら残余財産を確定し、株主へ分配します。

残余財産の確定後、1ヶ月以内に税務署に清算確定申告を行い、所得がある場合は納税をします。

7:決算報告書の作成・承認

清算人は決算報告書を作成し、決算報告の承認を株主総会で受けます。

決算報告書には、清算手続き中の収入、支出した費用、残余財産の額、一株当たりの最終的な分配額などが記載されます。

清算結了登記には、決算報告書と承認を受けた株主総会の議事録が必要です。議事録作成・保管を忘れずに行いましょう。

最後の株主総会

会社清算手続きの期間中の決算報告が株主総会で承認されると「会社の法人格が消滅した」と決定したことになります。

8:清算結了登記

株主総会で決算報告書の承認を受けた日から、2週間以内に法務局へ清算結了登記を行います

清算結了登記申請書は、添付書類(決算報告書と株主総会の議事録)を一緒に提出します。

清算結了登記によって、会社は正式に法人格が消滅し廃業となります。

法務局への清算結了登記後に、税務署、市区町村役場、都道府県税事務所へ「清算結了の届出」の提出をもって全て終わりです。

【後処理】会社の清算書類の保管

清算結了登記までに作成した全ての書類と帳簿は、清算人と代表取締役が10年間保管します。

会社清算の注意点

会社清算完了までに2ヶ月以上は必要

官報への解散公告掲載から2ヶ月間は清算結了出来ないと法律で決まっているため、会社清算完了まで2ヶ月以上の期間が必要です。

債権の弁済・残余財産の確定と分配、従業員の整理解雇などの清算業務量から「2か月以上かかる」のが一般的です。

会社の負債が完済できないと判明したら

会社清算の手続き中に、会社の資産では債務を完済できないと判明した場合は通常清算ではなく「特別清算」「破産」へ変わります。

会社清算の返済の優劣

会社清算の返済は、債権者を優先的に行います。

従業員も「賃金を請求できる債権者」に該当するため、株主より先に弁済しなければなりません。

株主は、債権者への弁済・返済完了、納税終了後の「残余財産」から分配を受けます。

会社清算は一人でも行える?

通常清算の場合は、取締役や社長が清算人を担当できるため外部のサポートなしでも清算手続きは可能です。

ただし、会社清算手続きの中で不備があった場合は、債権者などの第三者に対して清算人自身が賠償責任を負うと定められています。(会社法653条)

規模が小さい会社や債権者が少ないなどを除き、清算手続きは一人ではなくサポート体制や相談しながら進めたほうが良いでしょう。

会社清算を管轄機関に相談する

会社清算は、関連する管轄機関に相談することが出来ます。

管轄地区や担当により対応は異なりますが、基本的に無料で窓口や電話相談が出来る点がメリットです。

ただし、一般的な清算方法や手順の相談であり詳細や実務のサポートではありません。

各社の事情に合わせた清算は、弁護士・行政書士・税理士へ相談することをお勧めします。

まとめ

会社清算の準備と手順、注意点ついてまとめました。

会社の清算は正式な手続きを経て完了します。清算手続きには多くの調整や書類作成、財務処理があるため、外部のサポートやチームを組んで進めましょう。

また、一度会社を清算すると、同じ会社で事業再開・継続は出来ません。清算完了前に事業継続や休眠等も検討しましょう。

画像出典元:Shutterstock、O-DAN

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