読んで納得!話題のマーケティング法、グロースハックについて徹底解説!

読んで納得!話題のマーケティング法、グロースハックについて徹底解説!

記事更新日: 2019/11/08

執筆: 高浪健司

ビジネスを展開していくうえでマーケティングは欠かすことのできない活動で、特に自社商品を一般消費者に販売するBtoC企業においてその重要性は増します。

企業にとって、こうした欠かせないマーケティングには様々な手法がありますが、なかでもここ数年注目を集め出しているのが「グロースハック」という新しい手法です。

ここでは、近年マーケティング業界で注目されているグロースハックについて、詳しく解説していきます。

グロースハックとは

グロースハックの概念は、「サービスの成長を加速させるため、あらゆるデータ分析を徹底的に実施し、継続的に改善・改良しながら、出来るだけ費用をかけずに課題を解決していく」としています。

これは、アメリカQualaroo社の最高経営責任者である「ショーン・エリス」が、2010年に考案した比較的新しい手法・考え方です。

このグロースハックは、単に売り上げやアクセス数を伸ばすことだけではなく、A/BテストやKPI(重要目標達成指標)の設定、UIやWebサイトのユーザビリティなど、様々なマーケティングを行いつつ、商品やサービスの開発などにも携わります。

つまりグロースハックは、商品やサービス向上だけにとどまらず、企業そのものの成長を加速させるため包括的な仕組みを作ることを指しているわけです。

なお、グロースハックはここ最近考案された新しい概念となるため、一般的にはまだ浸透しておりませんが、ITやWeb業界を中心に需要が高まっており、今最も注目されているマーケティング手法です。

ちなみに、グロースハックを専門的に行う人を「グロースハッカー」と呼び、Webマーケティング業界やIT業界の間ではグロースハッカーの需要は急速に高まっています。

グロースハックと従来のマーケティングとの違い

さて、グロースハックの概念がおおよそ分かったところで、従来のマーケティングとグロースハックとでは、どのような違いがあるのかを解説していきます。

従来のマーケティング

A/Bテストや広告の出稿、検索エンジンの最適化を図るSEO対策にアクセス解析。これらを実施して、商品やサービスが売れるまでの仕組みを作り出すことが従来のマーケティング法です。

グロースハック

グロースハックであっても従来のマーケティング手法は行われます。

ただし、グロースハックは従来のマーケティング手法に加えて、製品やサービスの分析を行いながら仮設と検証、実装を繰り返して成長させ、さらにそこから拡散させる。といった仕組みづくりが加わります。

従来のマーケティングとグロースハックとの違いを分かりやすく図で表すと、下記のようになります。

このように、従来のマーケティングでは商品やサービスが売れる仕組みを作ること。一方グロースハックは商品やサービスが売れ、そこからさらに拡散されて成長する仕組みを作る。

これが、従来のマーケティングとグロースハックとの違いです。

グロースハックの代表的な手法「AARRR」

それでは次に、グロースハックを実現するためには、どのような手法を用いて行えば良いのでしょうか。グロースハックの代表的なフレームワークについて解説していきます。

グロースハックを成功に導くために多く用いられているのが「フレームワーク」といった分析ツールで、なかでも「AARRR(アー)」と呼ばれるフレームワークがもっとも有名です。

このAARRRは、これから新しいビジネスモデルで急成長を目指すスタートアップ企業のために考案された、いわばグロースハックにおけるフレームワークです。

また、AARRRは「Acquisition(ユーザー獲得)」「Activation(活性化)」「Retention(継続)」「Referral(紹介)」「Revenue(収益化)」といったように5つのフェーズで構成されており、こうしたフレームワークを用いることで、より効果的なグロースハックが可能となります。

なお、下記の図にあるようにAARRRのフレームワークは、上から順に5層構図となっています。

グロースハックのフレームワーク【AARRR】

1. Acquisition(ユーザー獲得)

Acquisition(アクイジション)は、新規ユーザーを獲得することを目的としています。

Webサイトなど新たに事業やサービスを立ち上げた頃は、その存在すら誰にも知られていません。そのため、存在を広く知らしめて新規ユーザーを獲得するための作業を行います。

2. Activation(活性化)

Activation(アクティベーション)は、Webサイトなどに訪問してきたユーザーに対し、実際に利用してもらうことを目的とします。

さらに訪問ユーザーに会員登録してもらうなどの工夫も行います。

3. Retention(継続)

Retention(リテンション)は、前項のActivationにて利用を開始したユーザーに対して引き続き利用してもらい、なるべく頻繁かつ長期間利用してもらえることを目的とします。

4. Referral(紹介)

すでにサービスを利用しているユーザーに対し、その友人や知人などへ紹介してもらい、サービス自体が拡散することを目的とします。

このReferralは、サービス内容に高い満足性が求められるため、非常に重要なステップであると言えるでしょう。

5. Revenue(収益化)

Revenue(レベニュー)は、サービスに対して収益化を示し、できるだけ多くの利益が生まれるよう利用ユーザーに利益につながる行動をしてもらうことを目的とします。

このように、AARRRではそれぞれ5段階に課題が分けられ、各課題に対してA/BテストやKPI(重要業績評価指標)の設定、UIの比較にユーザビリティの改善など、様々な手法を繰り返し実施、検証を行いながら解決する仕組みを作り出します。

そして、作り出した仕組みを常に分析・チェックを行いながら、WebサイトやECサイトのサービスを継続的に改善していくことがグロースハックの基本手法となります。

グロースハックの成功事例

ここまでグロースハックの手法などについてお伝えしてきましたが、次にグロースハックを実際に用いて成長した、企業の成功事例をご紹介します。

Twitter(ツイッター)

グロースハックを実施し、劇的に成長した事例でもっとも有名なのが「Twitter」です。

今や世界中で3億人を超える利用者がおり、もはや知らない人はいないであろうまでに成長したTwitterですが、やはり初期の頃はなかなかバリューも広まらず、思うようにユーザーが定着しませんでした。

当初Twitterは、ユーザーにサービスの良さを知ってもらえるよう、ホーム画面に使い方や特徴など様々な情報を記載していました。しかし、その情報の記載が結果的にアクティベーションの妨げになっていたのです。

と言うのも、そもそもTwitterにアクセスする人はすでに興味を持っている人か、もしくは登録している人達で、使い方や特徴などの記載はかえってホーム画面を煩わしくさせるだけだったのです。

そこでTwitterの開発チームは、ホーム画面から使い方や特徴を記載したテキストをすべて排除し、項目を「ログイン」と「サインアップ」だけに絞るなど、非常にシンプルな構造に改善しました。

その結果、劇的にサービスが活性化しはじめたとしています。

さらにデータ解析を実施した結果、ユーザーが登録したその日にフォローした人数が4人以下の場合は離脱率が高く、5~10人以上をフォローしたユーザーは定着率が高いということも分かりました。

そうしたことから、登録した直後のユーザーに対し、オススメのフォローユーザーを紹介するという機能「おすすめユーザー」を導入したのです。

加えて、利用ユーザーにフォロー候補が常に表示されるよう改良し、フォローすることでTwitter本来の楽しさがあるということが認知されるようになったのです。結果、ユーザーの定着率も劇的に向上したのです。

Dropbox(ドロップボックス)

Dropboxは、インターネット上に自分専用のスペースを持ち、そのスペースにファイルを保存することができる「クラウドストレージサービス」です。

このDropboxもまた、世界で3億人以上もの利用者を持つ非常に有名なサービスで、Twitter同様Dropboxもグロースハックによって成功したサービスである言えます。

まずDropboxは、A/Bテストを繰り返し何度も行い、ユーザーが登録しやすい極めてシンプルなサイト設計やユーザー登録時の手順簡素化など、サイトのコンバーション率を上げるための改善(従来のマーケティング法)を入念に行ってきました。

また、Dropboxを友人に紹介すると最大で〇〇GBの容量をインセンティブとして付与するなどの特典をつけ、ユーザー自身による拡散を促進させることにより、登録者数も60%増加に繋がったとしています。

このように、サインアップ(会員登録)に重点を置いたシンプルで使いやすいWebサイトに加え、SNSとの連携、紹介者にインセンティブを設けるなどは、すべてグロースハックによる手法です。

グロースハックはデータ分析が非常に重要

グロースハックを成功に導くためには、データ分析が重要なカギとなります。

前述のとおり、グロースハックでは従来のマーケティングに加えて、ユーザーの行動を収集し、全体を把握した分析が必要とされます。

なお、グロースハックにおけるユーザーの行動を分析する手法として、主に2つの手法「コホート分析」と「ファネル分析」が使われます。

コホート分析とは

コホート分析は、ある一定の条件や属性などでユーザーをグループ分けし、時間の経過に伴ってユーザーの行動にどのような変化があるかを分析する手法です。

例えば、定期的にキャンペーンを実施している場合、「夏季に実施したキャンペーンでは1度の購買額は高かったけど、期間を置いて比較してみると冬季に実施したキャンペーンの方がたくさん購入してくれている」といったように、細かな分析が可能になります。

ファネル分析とは

ファネル分析は、ユーザー獲得から利益に至るまでのプロセスのなかで、多くのユーザーがどこで離脱してしまっているのかを分析する手法です。

ファネル分析を行うことで、ユーザーがどこで最も多く離脱しているかが分かるため、改善すべき箇所が明確になります。

そのため、課題とされる箇所を把握し、コンバージョン率の改善を図ることが可能になります。

まとめ

今回は、マーケティングの世界で話題となっている、グロースハックについて詳しく解説してきました。

前述のとおり、グロースハックは2010年に考案された比較的新しい概念で、Twitterをはじめ、DropboxやFacebook、Instagramなどの急成長も、グロースハッカーによるものです。

また、このグロースハックでは広告出稿やSEO、アクセス解析など、従来のマーケティング法に加え、商品・サービスの開発等に直接関与し、企業そのものを成長させることを目的とします。

そのため、グロースハックを担うグロースハッカーでは、少なくともマーケターとエンジニアといった2つのスキルが同時に求められます。

なお、グロースハックは現在ITやWeb業界で特に注目されていますが、これからは様々な企業でも広く取り入れられることが考えられます。

いずれにせよ企業が成長していくプロセスにおいて欠かすことのできないマーケティング。

ぜひグロースハックを上手に取り入れ、会社が成長していく仕組みを作り上げていってください。

画像出典元:Pixabay

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