企業が利益を出すためには目標を設定することが大切です。そのために役に立つのが予算管理という業務です。
この記事では予算管理とは何なのか、予算管理の具体的な方法、予算管理のメリット3つ、予算管理を効率的に行なう方法などを紹介します。
利益を出すという目標達成に欠かせない予算管理についてこの記事では分かりやすく説明いたします。
このページの目次
予算管理とは、1年ごとの予算編成業務と、編成された予算の実行状況を管理する業績管理業務の2つから構成されます。
企業の課題は利益をだすことです。そのためには目標を設定しなければなりません。
その目標を達成するためには1年間でどれくらいの売上があるのか、どれくらいの予算が必要かを予想し予算編成を行います。
そして、その計画に従って物事を進めていかなければなりません。
予想と実績の間に乖離があれば、その理由を分析し、措置を講じなければなりません。
予想通りに物事が進むように管理する業務も予算管理の重要な部分です。
予算管理の方法を学ぶ前に、企業の「予算」にはどんな種類があるのか知っておく必要があります。
中小企業の経営者や個人事業主の方も、これを理解すれば予算管理という次のステップに進むことができます。
1. 売上予算 |
売上はどれくらいになるかの予想 |
2. 原価予算 |
販売業では仕入れに係るコストがいくらになるか |
3. 経費予算 |
企業活動に必要な原価以外の経費の見積もり |
4. 利益予算 | 売上から原価と経費を差し引いた数値 |
次の1年間はどれくらいの売上を目標にするかを設定します。言い換えれば次の年度の売上目標となります。
販売業や製造業では商品単価に予想販売数をかけることで簡単に計算できます。
売上目標を達成するためにも、月ごとや3ヶ月ごとの進捗管理を徹底しなければなりません。
さらに売上目標は、市場の動き、政治問題、為替の変動などの影響を受けるので、現状に合わせて定期的な見直し調整が必要です。
原価予算は主に原材料の価格です。
しかし売上の変動に合わせて、原材料の仕入れ量も変動します。
原価の単価も、市場の動きや政治問題の影響などで変化します。
原価予算もそうした動きに合わせて調整する必要があります。
企業活動のために必要な管理費や維持費、経費などの予算を組みます。
これには、人件費・交通費・交際費・宣伝広告費・賃借料・光熱費・通信費などが含まれます。
先ほど紹介した2つの予算に比べると金額の変動が少ないので、予算を組んで、その実績を管理するのは比較的簡単です。
注意点として、前年度よりも大幅アップの売上予算(目標)を組んだ場合、従業員を新たに雇うなどの必要が生じます。そのため、経費予算を組むときは、売上予算のことも考慮しておきましょう。
売上から原価と経費を引いた会社の利益がどれくらいになるかを予想します。
利益を出すためには、単純に売上を大幅に伸ばせばいいわけですが、それ以外にも原価予算や経費予算の部分でコストカットに成功すれば、売上目標が達成できなくても会社として利益を出せる場合があります。
それで、利益を出すためには売上予算・原価予算・経費予算それぞれをしっかり予算管理し、問題点があればそれを洗い出し改善することがポイントになります。
予算管理について簡単に説明しましたが、会社経営の話でよく出てくる「経営管理」という言葉と予算管理はどう違うのでしょうか。
まず「経営管理」とは、経営を行うために必要な経営資源(ヒト・モノ・カネに加えて情報も含まれる)をどのように効率的に使うかを考え管理することです。
経営管理には、生産管理・販売管理・労務管理・人事管理・財務管理などが含まれます。そして予算管理もその中に含まれます。
経営管理は幅広い範囲の業務であり、予算管理はその一部です。とりわけ会社の利益に直結する業務なので経営管理の中でも重要な部分です。
予算管理は3つの段階からなっています。
1. Plan(予算編成)
2. Do(予算に沿って実行)
3. Check・Action(結果のチェック・アクション)
それぞれの英語の頭文字を取ってPDCAサイクルと呼ばれます。
予算管理の第一段階は予算編成です。
予算計画を立てる方法は大きく分けて次の2種類です。
それぞれの予算編成の方法をさらに説明します。
「トップ」つまり経営陣によって決められた予算計画に従い予算編成するという方法です。
トップダウン式の予算編成のメリットは、予算計画に時間がかからない、経営資源を効果的に配分できるという点です。
経営陣が社員に対して目標を与え、責任と果たすべき役割を明確に提示できるというメリットもあります。
とはいえ、経営陣から与えられるものなので、現場の実状にそぐわないなら現場の負担が大きくなる、従業員のモチベーションを維持するのが難しくなるなどのデメリットがあります。
ボトムアップ式は企業内の各部門、各課の予算を積み上げて予算編成をする方法です。
現場の実状を知っている担当者が予算編成に携わるのでより現実的、実現可能な予算計画となります。
ボトムアップ式は、自分たちで予算編成を立てるので、目標達成のためのモチベーションが保ちやすいというメリットがあります。
しかし、予算編成が完了するまでに時間がかかる、経営陣の方針とは関係のない個人的な思惑が含まれる可能性があるなどのデメリットもあります。
実際の予算編成の過程では、トップダウン式とボトムアップ式の方法が混在したような形で行なわれます。
予算が編成されたら、次はそれに基づいて実行する作業が行なわれます。
1年間の予算計画を12ヶ月分に配分します。単純に12分割することもできれば、季節変動などを考慮して予算値を変化させることもできます。
そのようにして売上・原価・経費・利益予算それぞれの目標を設定できます。
物事を予算通りに実行するのは難しいことがあります。しかし目標を達成するために、誰が、何を、どのように行なったかを把握し記録しておくことは大切です
それが貴重な情報となり改善策が生まれるきっかけになるからです。
予算計画と月末、あるいは年度末の実績を比較検討しチェックする作業は、予算管理のポイントとなる過程です。
1ヶ月ごと、3ヶ月ごとなどの期間を決めて、予算計画と実績に大きな乖離が生じていないかチェックします。
乖離が大きければ、その理由を究明し、解決策を考え、それを実行するというアクションが必要になります。
予算管理とは何か、予算管理の方法を説明しました。
予算管理を行うことにより3つのメリットを得ることができます。
売上予算で売上目標が明確になります。
原価予算や経費予算を編成することでコスト削減の目標も設定できます。
目標が明確になれば、その目標を達成するための計画を立てることができるようにもなります。
予算編成により、会社が利益を生み出すためには、資金がどれくらい必要か、どこに、どれくらいの費用を配分すればいいのか考えることができます。
また、予算管理により予算計画と実績の比較ができます。
予算計画と実績の乖離が多ければ、売上を伸ばすための営業の見直し、コストの削減など対策を講じることができます。
予算と実績の乖離が大きくどんな方法を使っても利益を生み出すことが難しければ、その事業に関しては先がないので撤退するという判断も下さなければならない場合もあります。
予算の編成と予算の管理により、正しい経営判断を下すための材料を入手できます。
利益を上げるための目標を設定するという側面が予算管理にはあります。
それと同時に予算管理は、企業の損失が拡大するのを防ぐという意味合いも持っています。
定期的に行なわれる予算計画と実績のチェックより、年度末になってから目標に大幅に到達できていなかったことにはじめて気付くという事態を防ぐことができます。
損失を生み出す機会を最小限にすることで、経営の安定化を図ることができます。
予算管理は企業の利益に関係する重要な業務です。
利益につなげるためには、予算計画と実績を定期的に分析し、必要があれば予算計画を更新することが必要です。
しかしこうした作業は、Excelなどで管理するのは難しく、記入漏れやミスが生まれる危険性があります。
こうした課題を解決してくれるのが、各種システムと連携でき、計算も自動で行ってくれる予算管理ツールです。
Manageboardは予算管理、予算進捗管理などがクラウド上で簡単に行なえるツールです。
例えば予算をチーム全体で作って経営目標を共有できます。
編成された予算をベースにPDCAを簡単に行なうことができます。
さらに、予算の変更や修正も簡単に行なえます。
30日間のフリープランで、すべての機能を試すことができます。
予算管理ツールの導入を考えている方におすすめです。
予算管理とは、売上・原価・経費・利益予算の4つの分野に関し、1年間の予算を編成し、その編成された予算の実行状況を管理する業務のことでした。
予算編成を行うことで、売上目標・コスト削減の目標などを設定できます。
その目標を達成するために、どれくらいの資金が必要で、どこに、どれくらい費用を回せばよいかを判断できます。
経営陣や従業員が利益を生み出すために、誰が、何を行なう必要があるのかという計画を立てる材料にもなります。
予算と実績を定期的に分析するなら、目標達成に必要な改善策を講じることもできます。
予算管理ツールを導入すれば、予算の編成・進捗状況の管理・分析などの作業を簡単に行えます。
予算管理を定期的に行うことで経営の安定化を目指せるでしょう。
画像出典元:burst、pixabay
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