印刷代・コピー代の勘定科目はコレ!状況ごとにわかりやすく解説!

印刷代・コピー代の勘定科目はコレ!状況ごとにわかりやすく解説!

記事更新日: 2022/07/26

執筆: 編集部

「印刷代にはどんな勘定科目があるの?どの勘定科目で処理すればいいの?」

「使う勘定科目があやふやで、毎回仕訳に時間がかかる!」

なんて疑問や悩みを抱いている人、多いのではないでしょうか?

ここでは、印刷代を仕訳するためのさまざまな勘定科目を、目的や状況ごとに詳しく解説しています。

この記事を読めば、印刷代の仕訳に関するあなたの悩みがすべてなくなりますよ。ぜひ参考にしてください。

印刷代の勘定科目は?

印刷代の勘定科目は、大きく分けると消耗品費と広告宣伝費に分けられます。

簡単に説明すると、広告宣伝費は会社の宣伝目的に印刷した費用のことを指し、消耗品費は宣伝目的以外の印刷費用のことです。

印刷代の仕訳で使用する勘定科目は、この2つ以外にも状況や目的によって使い分ける必要があります。ここではまず、勘定科目をそれぞれ詳しくみていきましょう。

1. 消耗品費・事務用品費

コピー機の用紙など、何度も使用し繰り返して購入するものを消耗品費として処理します。

そして、文房具やノート、領収書の用紙など事務で使うものが事務用品費です。

この2つの勘定科目は、使い分けるのが難しくややこしくなりがちなので消耗品費として一括で処理しても良いとされています。

ただし、大企業になると消耗品費の総額が多いため、あえて事務用品費の勘定科目を設けた方が逆に分かりやすくなるかもしれません。

事務用品費を使うかは会社の状態によって使い分けましょう。

例:領収書の用紙代を、現金2,000円で支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
事務用品費 2,000 現金 2,000

 

2. 広告宣伝費・販売促進費

広告宣伝費は、不特定多数の人に会社の宣伝を行うときにかける費用のことで、販売促進費とは、商品の販売を促して売上を上げるために使う費用のことです。

要するに、広告宣伝費は会社の知名度を上げるために使う費用、販売促進費は商品自体を宣伝するための費用と認識しておけばOKでしょう。また、販売促進費の勘定科目を使わずに一括して広告宣伝費として処理することもあります。

例:街中で配るために印刷したチラシ代20,000円が、普通用金の口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
広告宣伝費 20,000 普通預金 20,000

 

3. 外注費

外注費は、自社内の業務を業者に委託したときにかかる費用をあらわす勘定科目です。販売促進費と似ていますが、販売促進を目的としているかどうかで見極めましょう。

例:印刷業者に依頼した印刷代20,000円が、普通預金の口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
外注費 20,000 普通預金 20,000

 

4. 売上高・仕入高

業者に発注したときに使う勘定科目が売上高、仕入高です。

例えば自社のデザイナーがデザインしたものを印刷だけ業者に委託したとき、デザイナーが受け取る金額を売上高として処理します。デザインするのにかかった材料の費用が仕入高です。

例:デザインした商品が顧客の元に届き、報酬20,000円が確定した

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 20,000 売上高 20,000

 

5. 印刷製本費(印刷費)

印刷製本費はビジネスで必要になる書類のコピー、製本作業を外注するときに使う勘定科目で、シンプルに印刷費と呼ばれることもあります。

印刷製本費(印刷費)は、コピーや製本作業、提案資料、マニュアルの印刷など幅広く使用できる勘定科目です。

なので処理するときには、内容もしっかり記載しておかないと管理が難しくなるでしょう。

例:作成したマニュアルのコピーを業者に依頼し、現金10,000円で支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
印刷製本費 10,000 現金 10,000

 

6. 通信費

通信費は、年賀状やハガキの印刷にかかる費用のことです。ただし、自社で年賀状を印刷したときにかかるインク代などの経費は消耗品費となるので注意しましょう。

使用した金額によって勘定科目が変わってくることも頭に入れておく必要があります。

  • 10万円未満の場合は「通信費」
  • 10万円以上の場合は「広告宣伝費」か「販売促進費」

年賀状やハガキを出す目的が、自社の宣伝目的の場合は広告宣伝費、商品の販売を促すことが目的の場合は販売促進費として処理しましょう。

例:年賀状を購入・印刷のために、現金10,000円を支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
通信費 10,000 現金 10,000

 

7. 雑費

どの勘定科目にも該当せず、少額で一度きりしか使わないような使用頻度が低いものを雑費として処理します。消耗品費と雑費の線引きは曖昧ですが、使い分けるときは金額で判断しましょう。

雑費はあくまで、どの勘定科目にも該当しない場合に使用する勘定科目です。

雑費が多くなると中身が分かりにくくなってしまうため、出来るかぎり内容がしっかり把握できる勘定科目で記載しておきましょう。

例:個人商店でプリンターを使用した際の手数料20円を、現金で支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
雑費 20 現金 20

 

【状況別】印刷代の勘定科目

印刷代は支払う状況によって勘定科目が異なるため、しっかり把握しておきましょう。

ここからは細かい状況ごとに、使用するべき勘定科目を紹介していきます。

1. コンビニや会社で印刷する場合

コンビニや会社のプリンターやコピー機で印刷した費用は、事務用品費で処理します。ただし、消耗品費で一括で処理している場合は勘定科目は統一しておきましょう。

消耗品費で一括にしないのであれば、少額であれば雑費での処理も可能です。

例:プリンターに使用する用紙代が、2,000円普通預金の口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
事務用品費 2,000 普通預金 2,000

 

2. パンフレットやポスターを印刷する場合

パンフレットやポスターは、不特定多数の人を対象に宣伝目的に配るものなので広告宣伝費で処理します。金額によっては、消耗品費、事務用品費、雑費の勘定科目の使用も可能です。

例:パンフレットの印刷代50,000円を普通預金から支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
広告宣伝費 50,000 普通預金 50,000

 

3. 名刺を印刷する場合

名刺は配ったらなくなるものなので、基本的には消耗品費で処理しておけば大丈夫です。他にも、広告宣伝費、売上原価、印刷製本費(印刷費)で処理する場合もあります。

自社のサービスや商品を印刷した名刺、広告目的で配るための名刺、業者に依頼した名刺は広告宣伝費で処理しましょう。

また、製造業の従業員の名刺を作る費用は売上原価、業務に必要な書類のコピーや製本を外注するときの費用は印刷製本費(印刷費)で処理します。

例:顧客に配るための名刺の印刷代8,000円を、普通預金の口座から支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 8,000 普通預金 8,000

 

4. 年賀状やハガキを印刷する場合

年賀状やハガキを印刷するときは、基本的に通信費で処理します。

ハガキを購入した費用も通信費として計上可能です。ただし、印刷代だけの総額が分かりにくくなるため、勘定科目を印刷代と分けて処理するのがベストでしょう。

例:ハガキを購入し印刷するのに、現金5,000円を支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
通信費 5,000 現金 5,000

 

仕訳するときの注意点

ここまで読んでいただければ、印刷代の勘定科目が細かく設定できることを分かってもらえたのではないでしょうか。

ここでは、その勘定科目を使って仕訳するときに気をつけてほしい注意点を2つ紹介します。

1. 継続して使用

勘定科目の中には、どちらでも処理できる科目がいくつもあります。とはいえ、毎回違う勘定科目を使っているといざ確定申告の時期になると、事務処理が余分に増えてしまい時間も無駄にかかるでしょう。

特に印刷代は消耗品費、事務用品費、雑費など細かく分けられる勘定科目が多いため統一しておかないと後々、面倒なことになる可能性もあります。

また、経費のコストカットのために帳簿を見返したとしても、勘定科目が定まっていないとコストカットも困難でしょう。

ころころ勘定科目が変わっていると税務署から変更理由を問われたとしても不思議ではありません。

これらの問題を避けるためにも会計の「継続性の原則」に従って、最初に決めた勘定科目を継続して使い続けることが重要です。

2. 勘定科目の設定の仕方

勘定科目を設定するときに気をつけなければいけないのは、自分が後から見返して1番分かりやすい勘定科目の設定をすることです。

税理士に依頼しない場合、自分自身がその帳簿を見て確定申告をするときが必ずくるわけですから、常に分かりやすくする意識を持ちましょう。

まとめ

印刷代は状況や目的によって、それぞれ勘定科目が異なってきます。

消耗品費を事務用品費と分けて処理するのか、それとも消耗品費で一括で処理するのか、はっきりした正解はなく、自分自身で決めなければなりません。

印刷代は勘定科目を細かく設定することができる分、後で見返したときに内容が分かりにくくなりがちです。

そうならないためにも、最初の段階で勘定科目をきっちり設定して分かりやすい帳簿作りを心がけましょう。

画像出典元:o-dan

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