企業組合を設立すべき人は?会社との違いやメリット・デメリットを解説!

企業組合を設立すべき人は?会社との違いやメリット・デメリットを解説!

記事更新日: 2019/09/18

執筆: 小石原誠

「株式会社」や「NPO法人」など、いわゆる「法人」には様々な種類がありますが、「企業組合」という法人の種類をご存じでしょうか。

独立して法人を設立したい場合、例えば株式会社を設立するには、お金や手続きなどかなりのコストがかかります。

一方で企業組合は、ローコストで設立できて、さらに国などから支援が受けやすい法人格を得られることから、最近は独立に際しての選択肢のひとつとして重宝されるようになってきています。

今回は、企業組合の概要とメリットとデメリット、設立方法に至るまで解説していきます。

企業組合とは

企業組合の概要

企業組合とは、端的にいうと

「4人以上の個人が集まってお金(資本)や労働力などを持ち寄り、一つの企業のように活動する」という仕組みのことをいいます。

自分一人で個人事業主として事業を営む場合、事業を運転する資本を準備すること、お金の出入りを管理すること、労働力として働くこと、あるいは事業のアイデアを生み出すこと、これら全てを自分一人でこなさなければなりません。

例えば、お金を生み出しそうなアイデアを持っていたとしても、それを具現化するスキルが無ければいけませんし、スキルを持っていたとしても、お金が無いために事業化することができない、ということがよくあります。

そこで企業組合という組織体を作り、それぞれお金と労働力、アイデア、スキルなどを持ち寄り補完し合うことで、株式会社などと同じように「法人」として事業を展開できるようになります。

これこそが企業組合の主目的であり、原則的には「利益追求」を主目的とする株式会社とは、この点で違いがあります。

会社と企業組合の違い

先述のとおり、企業組合は組合員の働く場の確保と経営の合理化が主目的であるのに対して、例えば株式会社は利益追求が主目的、という違いがあります。

そのため、組織の運営や各種権利の在り方などの点で違いが出てきます。

会社と企業組合との違いについて、もう少し掘り下げて解説していきましょう。

出資限度と議決権の平等性

株式会社の場合、出資に際しての限度はなく、100%出資をすることで株式会社の経営権をすべて握ることも可能になっています。

一方で、企業組合の場合は組合員間の平等性を確保するために、組合員1人あたりの出資限度が出資総額の1/4と定められています。

さらに、株式会社の場合は出資の割合に応じて会社経営に関する議決権が割り当てられます。

極論をいえば、100%出資をしている株主が解散といえば、株式会社は基本的は解散せざるを得ません。

しかし、企業組合の場合は出資の割合に関わらず、議決権は組合員1人に対して1票と決まっており、この点でも平等性が保たれるようになっています。

配当の公平性

出資限度と議決権については平等性が確保されるようルールが定められていますが、企業組合の活動により得られた利益の配分については、組合員の「利用分量」または「従事分量」などにより定められます。

これは要するに、企業組合の活動にコミットした分だけ配当を得られるというものであり、組合員の公平性を担保する仕組みといえるでしょう。

企業組合のメリット

1. 設立に掛かる金銭負担が少ない

企業組合のメリットは、まず少ない金銭負担で法人を設立できる点が挙げられます。

企業組合の設立に際しては、定款の認証料や設立登記にかかる登録免許税は不要であり、必要な金銭的コストは、基本的には出資金のみです。

この点は、およそ20万円強の設立費用がかかる株式会社と比べて大きなメリットといえるでしょう。

2. 法人格が認められる

また、企業組合として法人格が認められることにより、企業組合の事業に従事する組合員は「勤労者」としての扱いを受けられます

例えば、社会保険や労働保険についても勤労者が加入する制度に入ることができますから、個人事業主であることと比べてメリットがあるといえるでしょう。

3. 支援や融資が受けやすくなる

さらに、企業組合を設立することで、国や行政官庁、金融機関から支援や融資を受けやすくもなります

例えば、国が提供している様々な補助金・助成金の制度は、個人事業主にはハードルが高いものが多いです。金融機関からの融資も同様です。

企業組合という法人格によりこれらのハードルが低くなることは、大きなメリットといえるのです。

これらの他にも、株式会社と同じように、出資総額が1億円以下であれば800万円以下の利益について軽減税率を受けられますし、組合員の責任も有限責任であるため万が一のときの弁済責務は出資金額の範囲内で済みます。

もし将来的に株式会社にしたい場合には、組合を解散せずに組織変更すればOKな点もメリットといえるでしょう。

企業組合のデメリット

1. 最低4人の発起人が必要

企業組合を設立することのデメリットは、まず設立に際して最低4人の発起人が必要、という点です。

この点は、1人でも設立が可能な株式会社と比べれば、ややハードルが高いといえます。

2. 知名度が低い

また、株式会社やNPO法人などと比べれば、企業組合というものに対する知名度が低いことも、デメリットといえるかもしれません。

法人格があるとはいえ、事業を行う相手としては「株式会社」という肩書きには一定以上の信頼性があるのは確かですから、この点は事業相手とのコミュニケーションによりカバーする必要があるといえるでしょう。

企業組合の設立手順

設立発起人を集め「創立総会」の開催準備を行う

まずは、企業組合の組合員になろうとする個人4人以上が設立発起人となり「創立総会」を開催します。

創立総会では、定款、事業計画・収支予算、設立趣意書、設立同意書の原案について諮ります。

創立総会にて各種原案について賛成の議決が得られたら、「第1回理事会」を開催します。

ここで定款に定めた理事長、副理事長、専務理事などの役職者を互選します。

設立認可申請を行い認可を得る

創立総会及び第1回理事会が終了したら、すぐに企業組合の設立認可申請を行います。

設立認可申請を行う行政官庁は、設立しようとする組合の事業や地区によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

出資払込と設立登記を行う

行政官庁から企業組合の設立認可が下りたら、理事から組合員に対して出資払込の請求を行います。

出資払込がすべて完了したら、2週間以内に企業組合の設立登記を行います。

これにより無事、企業組合の設立が完了します。

まとめ

今回は、企業組合の概要とメリット・デメリット設立方法について、株式会社との違いという観点も絡めながら解説してきました。

企業組合の最大のメリットは、ローコストで法人格をもてること。

それにより、国からのサポートや、勤労者としての地位獲得などの効果を得られます。

一方で、世間一般では企業組合はまだ認知度が高くはありませんから、特に取引などの際にはその点を肝に銘じてコミュニケーションに努める必要があるといえます。

画像出典元:Unsplash、StockSnap、Reshot

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