人材開発支援助成金とは?研修制度の実施で従業員の育成を!

人材開発支援助成金とは?研修制度の実施で従業員の育成を!

記事更新日: 2019/08/15

執筆: 編集部

「従業員の研修制度を実施したい」そう考えていても、なかなか実施できずに悩んでいませんか。

IT技術などの発展によって環境変化が変化しています。この変化に企業が対応していくには従業員の育成が必要になってきます。

そんなときに活用したいのが「人材開発支援助成金」。研修制度の充実のために助成金を受けることができます。

今回は人材開発支援助成金についてご紹介します。

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金とは、従業員に教育訓練休暇制度や社内検定制度などの人材育成制度を新たに導入した場合に一定額を助成する制度です。

グローバル化による環境変化、IT技術などの発展に企業が対応していくためには、人材育成が求められます。

人材開発支援助成金は、人材育成に取り組む事業主を支援するために創設された助成制度でもあります。

 

人材開発支援助成金の注意点

人材開発支援助成金の支給は研修が終了し、所定の手続きが終了してからではないと支給されないので注意が必要です。

人材開発助成金は平成28年度以前では「キャリア形成促進助成金」という名称でした。

キャリア形成促進助成金の時に比べて、人材開発助成金は受給することができない要件が増えています。特に、変更届の提出について追加されています。

訓練計画に追加、変更が生じた場合には一定の期間までに変更届を提出することを忘れないようにしましょう。

人材開発支援助成金を受給できない事業主及び事業主団体等

人材開発支援助成金は、以下のいずれかに該当する事業主及び事業主団体等は受給することができません。

1. 不正受給をしてから5年以内に支給申請をした、または支給決定日までに不正受給があった

2. 支給申請をした年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険を納付していない

3. 提出した計画に関して管轄労働局長の補正の求めに応じない

4. 審査に必要な書類等を提出しない又は提示しない、または管轄労働局長の実地調査に協力しない等、審査に協力しない

5. 審査に必要な書類等を整備、5年間保管していない

6. 支給申請日の前日の過去1年間に、労働関係法令の違反を行った

7. 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業、またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う

8. 暴力団関係事業所

9. 役員等が破壊活動防止第4常に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れがある団体等に属している

10. 支給申請日または支給決定日に倒産している

11. 助成金の不正受給の公表に同意していない

12. 訓練実施計画届を訓練開始日から1ヶ月前までに提出しない

13. 制度導入・適用計画届の提出前に制度を導入している

14. 訓練計画に追加、変更が生じたのに一定期間までに変更届を提出していない

15. 所定労働時間外・休日(振替休日は除く)に実施されたOff-JTの賃金助成、OJTの実施助成

16. 事業主が訓練にかかる経費を全額負担していない

17. 実施した助成対象となる実訓練時間数が一定の時間未満

18. 支給申請期間内に申請を行わない

19. 雇用保険適用事業所でない

 

主な用語等の解説

人材開発助成金について確認するにはポイントとなる用語があります。聞きなれない用語があるので、主な用語の意味について解説しておきます。

Off-JT

Off-JTはOff the Job Trainingの略で、企業の事業活動とは分けて実施される訓練です。企業外研修のイメージです。

OJT

OJTはOn the Job Trainingの略で、指導者の指導の下、実務を通じて行われる訓練です。企業内研修のイメージです。

中小企業事業主の範囲

中小企業事業主の範囲の定義については下記を参考にして下さい。

  資本金の額・出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

 

人材開発支援助成金の4つのコース

人材開発支援助成金には次の4つのコースがあります。

1. 特定訓練コース
2. 一般訓練コース
3. キャリア形成支援制度導入コース
4. 職業能力検定制度導入コース

それでは4つのコースの詳細について解説していきましょう。

1. 特定訓練コース

特定訓練コースは中小企業、中小企業以外の企業、事業主団体等が対象になっています。

中小企業大学校等が行う訓練等、専門実践教育訓練、生産性向上人材育成支援センターが行う訓練等が助成を受けられる訓練メニューになっています。

実訓練時間が10時間以上必要になります。

支給額

訓練 賃金助成 経費助成 実施助成
Off-JT 760円(380円) 45%(30%)
OJT 665円(380円)

( )内は中小企業事業主以外

特定訓練コースは、Off-JTとOJTで支給額等が異なります。

2. 一般訓練コース

一般訓練コースは中小企業、中小企業以外の企業、事業主団体等が対象になっています。

特定訓練コース以外の訓練が対象になり、実訓練時間が20時間以上必要になります。

支給額

訓練 賃金助成 経費助成
Off-JT 380円 30%

一般訓練コースは特定コースとは違い、OJTの訓練は対象にはなりません。

3. キャリア形成支援制度導入コース

キャリア形成支援制度導入コースは中小企業のみが対象になっています。

教育訓練休暇等制度または教育訓練短時間勤務勤務制度や定期的なセルフ・キャリアドック制度を導入し、実施した場合に助成されます。

支給額

支給額は475,000円です。

4. 職業能力検定制度導入コース

職業能力検定制度導入コースは中小企業のみが対象になっています。

社内検定制度、技能検定に合格した従業員に報奨金を支給する制度を導入し、実施した場合に助成されます。

事業主団体等のみ業界検定制度を導入し、構成事業主の労働者に検定を受験させた場合に助成されます。

支給額

支給額は475,000円です。

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違い

人材開発支援助成金と似ている助成金にキャリアアップ助成金があります。

どちらも従業員に関係する助成金のため、似ていると思いがちですが全く別物です。

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金はどこが違うのか確認しましょう。

目的

人材開発支援助成金は人材育成を目的としており、今雇用している従業員の人材育成の支援に対する助成金です。

一方キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換することを目的としています。

今雇用している非正規雇用労働者を正社員化・処遇改善の支援に対する助成金です。

簡単に言えば、人材開発助成金は従業員の育成、キャリアアップ助成金は非正規社員を正社員にすることが目的です。

対象者

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金は目的が違うので、対象者も違ってきます。

人材開発助成金は人材育成が目的になっているので、対象者は雇用保険に加入している被保険者です。

一方、キャリアアップ助成金の対象者は正規雇用労働者以外が対象になっています。

正社員のみの会社ではキャリアアップ助成金は利用できませんが、人材開発助成金は利用できます。

対象者が雇用保険に加入している被保険者なので、キャリアアップ助成金に比べて対象となる従業員が多いのではないでしょうか。

時間

キャリアアップ助成金に短時間労働者の労働時間の延長を除いて時間の要件はありません。

しかし、人材開発支援助成金では、コースによって、実訓練時間が10時間以上、20時間以上などの要件があります。

なお、キャリアアップ助成金については、以下の記事で詳細を解説しています。

 

まとめ

人材開発支援助成金は4つのコースがあり、各コースによって対象、助成金額が違います。

キャリアアップ助成金は、人材育成のための研修などを実施すると助成金が支給されます。

助成金は研修が終了し、所定の手続きが終了した後に支給されるため、活用する時は研修費用などの確保が必要です。

人材開発支援助成金を活用し、従業員の育成することで会社の成長が期待できます。

人材開発支援助成金を活用する場合には、厚生労働省のHPなどで要件などを事前に確認しましょう。

画像出典元:写真AC

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