マーケティングオートメーションの正しい使い方|Account Engagementを例に機能解説

マーケティングオートメーションの正しい使い方|Account Engagementを例に機能解説

記事更新日: 2023/03/27

執筆: 編集部

マーケティングオートメーションツール(MAツール)に搭載されている機能やその内容、MAツールの活用法を知りたいという意見があります。

この記事ではAccount Engagementを事例にして、MAツールがマーケティング活動のどの段階で活用され、どの機能が助けになるのか具体的に紹介します。

顧客のニーズを把握し、顧客の高い関心を維持しながら行うマーケティング活動にMAツールは不可欠です。

MAツールの使い方や用語を理解し、ツール導入を前向きに検討しましょう。

MAツールでマーケティング活動とは

マーケティングオートメーションツール(MAルーツ)とは、マーケティング活動に関連する様々な活動を効率化・自動化するためのソフトを指す言葉です。

マーケティング活動に含まれる業務

たとえば、マーケティング活動には以下の業務が含まれます。

  • 公式サイトやブログの更新
  • TwitterやInstagramなどのSNSへの投稿
  • サイト訪問者や資料請求した人、名刺を交換した人などの見込み客の管理
  • キャンペーン用のコンテンツの作成
  • 見込み客それぞれのニーズに応じたメールやクーポンなどの送信
  • 見込み客へのDMやセミナーへの招待状の送付
  • 確度の高い見込み客の抽出
  • 確度の高い見込み客を営業担当に引き渡す
  • マーケティング活動のデータ計測と分析
  • マーケティング活動の結果について経営層向けのレポート作成

MAツールを活用し、自動化・効率化することで見込み客の放置や誤発信などのヒューマンエラーを防ぎ、見込み客から顧客へのアプローチとそのタイミングを逃さないマーケティング活動が行えます。

 

MAツールに搭載されている機能と活用事例

以下の表はMAツールを活用してできる事柄とそれに関連する機能です。

MAが効果を発揮する分野 主な機能(Account Engagementの場合)
見込み客の獲得
(リードジェネレーション)

入力フォームとランディングページ作成機能
多変量テストとA/Bテスト機能

見込み客の育成
(リードナーチャリング)

動向追跡機能
セグメンテーション機能
見込み客の好みに合わせたメール作成機能
ドリッププログラム機能
メールA/Bテスト機能

見込み客の絞り込み
(リードクオリフィケーション)
スコアリング機能
グレーディング機能
自動割り当て機能
マーケティング効果のレポート クローズドループレポート
ライフサイクルレポート
検索連動型広告キャンペーン

4つのマーケティング活動の分野でMAツールの機能をどのように活用できるのか、代表的なMAツール「Account Engagement」を例として紹介します。

 

リードジェネレーション

たくさんいる消費者の中から将来の顧客になる見込み客を獲得していくのがリードジェネレーションです。

Webサイトへの訪問者、メールアドレスを登録した人、資料請求をした人、展示会やセミナーで名刺交換した人などは自社と接点を持ったことにより見込み客と判断されます。

見込み客を獲得する活動に役立つ機能を紹介します。

入力フォームやランディングページ作成機能

会員登録や資料請求の申し込みなどのための各種フォーム、キャンペーン専用のランディングページ(サイト訪問者が広告や検索結果から最初に目にするページ)がドラッグ&ドロップの直感的な操作で作成できる機能です。

魅力的なランディングページや使いやすい入力フォームにより、サイトからの離脱を防ぐことができ、見込み客の獲得につながります。

Account Engagementでは、作成したフォームへの入力を見込み客の内部スコアの設定条件にする、営業担当への自動通知にするなど他の機能(Salesforceなど)との連携も可能です。

多変量テストとA/Bテスト機能

ランディングページからの直帰率の減少とコンバージョン率(サイトの目的となる会員登録・資料請求・見積請求・商品購入などの行動をサイト訪問者が行った確率)の向上は、見込み客獲得において必須です。

そのためにランディングページの最適化を行う必要があります。

Account Engagementでは、多変量テストとA/Bテスト機能でランディングページの効果性が検証可能です。

リードナーチャリング

見込み客の獲得(リードジェネレーション)で得た見込み客を対象に購買意欲を高める活動をするのが見込み客の育成(リードナーチャリング)です。

リードナーチャリングでは、たくさんいる見込み客を行動履歴や興味のある分野などの条件でセグメント化します。

そして、見込み客のニーズに対応したメールやコンテンツを適切なタイミングで配信する、セミナーに招待する、製品資料を配布するなどの方法で継続的なアプローチを行います。

自社の商品・サービスに興味を持ち続けてもらう事で、見込み客の購買意欲を高めていきます。

見込み客の育成で効果を発揮するMAツールの機能と導入事例を紹介します。

動向追跡機能

見込み客のWeb上での動向を追跡できる機能があります。

自社のWebページを訪れるきっかけとなった元のページ、ページ遷移、滞在時間などが追跡が可能です。

見込み客の動向を分析することで見込み客の興味や関心などが分かり、それに合わせて配信するメールやキャンペーンの内容を動的に変化させることができます。

こうした方法で、最初のサイト訪問から最終的な受注に至るまでの道筋に見込み客を上手に誘導します。

セグメンテーション機能(グループ分け機能)

見込み客を指定した条件で属性化(セグメント化)があります。

セグメンテーション機能によりたくさんいる見込み客を興味やWeb上での行動パターンごとに分類します。

分類されたデータからメールや提供するコンテンツの内容をグループ別に分け、パーソナライズすることが可能です。

見込み客の好みに合わせたメール作成機能

見込み客一人一人に合わせたメール内容を作成することで、画一的な内容より興味を高めることが出来る機能です。

Account Engagementでは、メールエディタを利用して、それぞれの見込み客のニーズに対応したメールを作成することができます。

ドリッププログラム(行動パターン分析メール配信機能)

ドリッププログラムは見込み客の行動に応じてメール配信を設定できる機能です。

ドリッププログラムから、メールを開封したか、どんな内容のメールなら興味をもつのか、サイトを訪れる時間帯など見込み客の行動パターンを分析し今後のアプローチ法を検討するデータとして活用することが出来ます。

見込み客それぞれの関心度に対応したコンテンツを配信することでリードナーチャリング(見込み客の育成)ができます。

メールA/Bテスト機能

送信したメールも見込み客に読んでもらわなければ効果を発揮しません。

メールA/Bテストでメールの効果性を検証できます。

その方法は、メール内の要素を変えたAとBのメールをテスト送信し、テスト結果で開封率やクリック率の高いほうのメールを採用し、それを送付先リストへ自動的に送信するというものです。

これによりメール受信者の注目を集めて共感してもらえるようなメールを作ることができ、効果的な見込み客の育成ができます。

リードクオリフィケーション

見込み客の育成(リードナーチャリング)で購買意欲を高めることに成功した客を選別し抽出する作業が見込み客の絞り込み(リードクオリフィケーション)です。

商談・成約にまで持っていけるような確度の高い見込み客の選択、抽出、営業部門への引き継ぎもMAツールが活用すべきです。

データをマーケティング部門だけはなく、他部署と連携・可視化し活用できるのがMAツールです。

見込み客の絞り込みで活用できるMAツールの機能とその活用事例を紹介します。

スコアリング機能

スコアリングは「自社の商品・サービスにどれだけ見込み客が興味を示しているか」を表す数値です。

スコアリング機能により見込み客に優先度をつけることができます。

たとえば、サイト訪問回数、資料請求、メールの開封などサイト訪問者や見込み客のアクションに合わせてそれを数値化します。

自社のアプローチに対しての反応をスコアに出すことで、スコアが高い人が将来顧客になる可能性の高い有望な見込み客と判断してくれる機能です。

グレーディング機能

グレーディングは「自社が積極的に興味を引きたい見込み客」を表す数値です。

グレードが高い見込み客ほど、自社の提供するサービスや商品にマッチしていると判断してくれる機能です。

グレーディングは、顧客の業種や役職、企業規模や場所といった、様々な属性データを用いて導き出されます。

スコアリングとグレーディングを使うことで「自社の商品・サービスへの関心の高さ」と「自社が高い関心を持っている見込み客」の二つが数値され、マーケティングを強化すべき見込み客を判断する事が出来ます。

自動割り当て機能

購入の意思がまだ固まっていない見込み客は、そのままリードナーチャリング(見込み客の育成)を続けることができますが、有望な見込み客はすぐに商談に持っていく必要があります。

自動割り当て機能により、有望な見込み客に対して適切な営業担当が自動的に割り当てられます。

見込み客が見積り請求をするなどしスコアリングとグレーディングのスコアが一定値以上になると、アラートが営業に送信されます。

MAツールを利用すれば、見込み客への見逃しが減り、効率的なマーケティング活動を経て営業へ引き継ぐことが可能です。

マーケティング効果のレポート

マーケティング活動には、活動内容の詳細と効果、見込み客の育成度合い、商談化までの達成率などを分析するというタスクが含まれます。

分析結果から新たな課題を見つけたり改善策を考える事が出来ます。

マーケティング活動のコストや成果などの投資対効果(ROI)のレポート作成をサポートしてくれる機能があります。

マーケティング活動においてデータ分析は必須です。

MAツールはデータ分析で自動化・効率化・可視化、全てに活用できます。

データ分析で活躍する機能と具体例を紹介します。

クローズドループレポート機能

クローズドループレポートとは、受注に至った案件とそのきっかけとなったキャンペーン活動の報告機能です。

Account Engagementの場合、Sales Cloudを連携させれば、キャンペーンと関連した商談数、キャンペーンの費用対効果、顧客1人あたりにかかったコストなどが確認できます。

クローズドループレポートより「見込み客が顧客になった決定打」のデータを得ることができ、次回のマーケティング活動に活用できます。

ライフサイクルレポート

これはマーケテイングレポートと売上レポートの報告書です。

このレポートからマーケティング部門と営業部門の連携がうまくいっているかどうか、改善点があるかどうかなどが分析できます。

Account Engagementのライフサイクルレポートの画面では、選択した日付の範囲内でのプロスペクト数(見込み客のこと。Account Engagementではサイト訪問者がメールアドレスを提供するとプロスペクトとなる)、商談数、ランディングページなどへの訪問者数などが表示されます。

(参考:Account Engagementでのプロスペクトとビジターの処理方法について

検索連動型広告キャンペーン

Google広告とのアカウント連携により、検索広告を経由してサイトに訪問した見込み客の追跡が可能です。

検索広告を通じてどれくらいの見込み客を獲得できたかなどを把握できるので、この分野の費用対効果や分析が可能です。

 

まとめ

MAツールに搭載されている機能とその機能によりどんなことが行えるのかAccount Engagementを事例にして紹介しました。

MAツール活用で顧客の関心パターンを分析し、各々に合ったアプローチをすることで顧客の見逃し防止や購買意欲の促進を効率よく行うことが出来ます。

今回紹介したきめ細やかなマーケティング活用は手作業では不可能です。

マーケティング活動を効果的に行うための作業を支援するMAツールをこの機会にぜひ導入してください。

画像出典元:Pixabay

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