セールスプロセスとは?プロセス5段階と運用の注意点を解説!

セールスプロセスとは?プロセス5段階と運用の注意点を解説!

記事更新日: 2022/08/18

執筆: 編集部

セールスプロセスとは、営業工程を可視化したものを指します。

この記事では、セールスプロセスの重要性と組み立て方、運用の注意点を解説します。

ネットの普及によって顧客が営業に求めるプロセスは変化しています。

また、会社を経営していく上でセールススキルの情報共有の重要性も高まっています。

セールスプロセスを組み立てれば、営業の属人化解消や効率化が図れます。

会社ごとに細かい違いはありますが、セールスプロセスは主に5段階です。

顧客の信頼と安定した売上確保のセールスプロセスがこの記事で分かります

セールスプロセスとは

セールスプロセスとは、営業のアプローチ工程のことです。

アプローチからクロージング(受注)までの各工程に名前を付け、具体的に行動に落とし込むことをセールスプロセスと呼びます。

セールスの工程を分解することで、各工程の目的と数値が明確化され、検証が可能となり、営業活動の効率化や情報共有が可能となるものです。

売上までの道筋を整備する事で顧客獲得コストが大幅に削減できると期待されています。

セールスプロセスが必要な会社

セールスプロセスが必要な会社は、営業が発生する全ての会社です。

BtoB・BtoC、業種や会社の規模などは関係ありません。

プロセス化する事で、セールスの人的・時間的コストが適正化出来ます。

また、会社にとってセールスプロセスのデータは知的財産にもなります。

セールスプロセスのデータを活用することが長期的安定の会社経営には必須となっています。

セールスプロセスが重要な理由

インターネットの普及によって顧客は自身で商品情報を得る事が出来ます。

多くの顧客はアプローチの前に情報収集が終わっています。

アナログ営業で重要視されていた情報提供や商品説明は不要なプロセスです。

顧客が営業に求めているのは「購買に至る最後の決め手」「ソシューションセールス(顧客の課題解決)」「ユーザーニーズへの対応」です。

セールスプロセスを明確にして、適切なタイミングで、顧客が求める内容の商談が出来るかが売上を左右します。

そのためには、各個人ではなく会社全体で成功プロセスとデータの共有が不可欠です。

セールスプロセスと属人化の解消

セールス(営業)は、属人化が強いビジネス領域です。

担当に任せる営業では、顧客へのアプローチから受注までの手法は担当セールスにばらつきがあります。

属人化の強い営業だと個人の能力や経験、商談方法によって受注率に差が出て顧客の取りこぼしにも繋がります。

また、近年は安定した人材確保は難しく営業の属人化は大きな売上損失のリスクです。

成功セールスプロセスをテンプレート化すれば、属人化の解消と成功パターンを標準化によってスムーズな営業活動が行えます

成功営業パターンを共有することで安定した売上と営業の効率化が見込めます

セールスプロセスの5段階

セールスプロセスは各会社や業種によって詳細は異なります。

まずは、セールスプロセス5段階の各工程の目的と施策を理解しましょう

自社のセールス業務を下記の5段階に振り分けてセールスプロセスを組み立てます。

1:ホットリードの選定

セールスプロセスの最初のプロセスは、プロスペクト(潜在見込み客)の中からホットリード(顕在見込み客)の選定です。

アナログ営業では担当者の感覚に頼る事もあります。

セールスプロセスのホットリードの選定には「明確な数値による選定基準」を使います。

セールスプロセスでは「明確な数値」で判断します。

セールスプロセスの選定数値の例

  • 公式サイトに月4回アクセスしている
  • メルマガの開封率が80%
  • 過去のクロージング顧客と行動パターンが似てる


上記のような選定項目から「ホットリードに認定する数値基準」を決めます

決めた数値基準をクリアした人だけに絞って、次のセールスプロセスに進みます。

2:アプローチ(商談・見積)

ホットリードの選定で選んだホットリードへアプローチ強化を始めます。

セールスプロセスのアプローチは、「顧客からのコンタクト・商談が発生する」がゴールです。

セールスプロセスのアプローチでは、3段階を意識します。

接点の構築

ホットリードに上がっている時点で何かしらの接点はあるかと思います。

しかし、次の段階として定期的なメルマガや広告で「興味を持ってもらう仕組み」を作ります

ホットリードと接点やアプローチ開始のために、サイトから離脱しない導線やユーザーニーズに合った内容を掲載するなど準備が必要です。

興味を持ってもらう

アプローチによって、顧客と接点を持てたら、現状把握・ニーズ調査に移ります

興味を持ったホットリードは、公式サイトへのアクセスや資料請求などの「アクション(行動)」が始まります。

顧客のアクションを逃さずに適切なタイミングでアプローチする事が顧客と会社との信頼関係になります

信頼関係の構築

理想は「顧客自ら興味を持ってアクセス・アプローチしてきてくれる」事です。

ユーザーニーズに対応するサイトやメルマガ、営業対応によって信頼関係を構築します。

信頼関係の構築によって、顧客への積極的なアプローチを開始できます。

信頼関係と積極的なアプローチによって、ユーザーの潜在ニーズの掘り起こしが可能となります。

3:商談・ソリューション営業

信頼関係の構築が出来ると、顧客の潜在ニーズが浮かんできます。

  • 顧客が迷っている理由
  • 顧客が自社の商品に期待している事とは
  • 本当に自社の商品で顧客の課題が解決できるのか


2のセールスプロセスによって把握したユーザーニーズに対しての解決提案の提示を行います。

既存営業ではこのセールスプロセスにおいて、属人化や個人差が顕著に表れます。

属人化や個人差を発生させないためには、セールスプロセスで得た顧客ニーズを「分析する・提案する」というポイントを数値化し、誰でも判断基準を持てるように出来るかが重要です。

加えて、過去の実績との比較もデータから分析できるようにします。

ソリューション営業と売り込みは違う

ソリューション営業のプロセスで商品の売り込みをしてしまうと、築いた信頼関係が変化し、プロセス後退になるので注意が必要です。

前章の「セールスプロセスが必要な理由」でも説明した通り、顧客が営業に求めているのは購買の決め手です。

セールスプロセスにおいてはユーザーニーズの把握とソリューション営業が売上に関わる重要なプロセスです。

個人差や属人化が原因によるクロージングの取りこぼしをしないためにもセールスプロセスをしっかり理解しましょう。

4:クロージング(受注・売上)

セールスプロセスのクロージング(受注・売上)は、ユーザーに納得して購買してもらうためのフォローです。

セールスプロセスでは、ソリューション営業で納得して顧客の意志で購入してもらい、リピーター顧客になってもらう事がゴールです。

5:リピーター獲得

売上で完結する場合はクロージングまでがセールスの領域です。

しかし、セールスプロセスではリピート獲得までがセールスプロセスに該当します。

近年のビジネスは、LTV(顧客生涯価値)を重要視しており、リピーターの多さが売上を左右するので「リピーター獲得」までをセールプロセスとしています。

リピーター獲得では「1:ホットリードの選定」と同じように定期的なアプローチを行い、顧客に興味を持ち続ける施策を行います。

販売商品やサービスのブラッシュアップにもリピーターの意見を反映できます。

セールスプロセスでは継続的な売上確保のための営業という位置付けです。

 

以上の5段階プロセスに自社のセールス業務を振り分けていきます。

5段階プロセスの中から担当セールスごとの重視しているプロセスや得意・不得意のプロセスを可視化します。

リピート獲得もセールスプロセスに含めるかは、自社の商材・サービスに応じて検討します。

自社の強みと弱みを整理していくのが、運用されるセールスプロセスの組み立て方です。

 

セールスプロセス運用の注意点

セールスプロセスを組み立てる時に、運用するための注意点があります。

セールスプロセスを細分化しすぎない

セールスプロセスは細分化しすぎると運用が困難になります。

過度な細分化のデメリットとしては以下のものが挙げられます。

  • 担当者や案件によって不要なプロセスが発生する
  • プロセスのカテゴライズの認識統一が難しくなる可能性がある
  • セールスプロセスのカテゴライズにばらつきが出るとデータ分析にも影響が出る

会社で運用するセールスプロセスは、まずは大きな枠組みを基準に組み立てましょう

各案件ごとの成功パターンなども、各プロセスのどこに該当するかを明確にします。

セールスプロセスのPDCAを意識する

セールスプロセスは、時代や事業規模など様々な要因で変化すると認識しましょう。

まずは、自社の現状のセールスプロセスをリスト化します。

不要なセールスプロセスや合体できるプロセスを見つけて整理していきます。

一度プロセス化しても、常にPDCAを意識して変えていくことが必要です。

自社の強みと弱みを整理と改善

セールスプロセスを組み立てる時は、自社のセールスプロセスの強みと弱みを見つけましょう。

自社の弱みについては、対策を検討します。

評価基準を曖昧にしない

セールスプロセスは、セールススキルの標準化が目的です。

経験やスキルに左右されない営業判断が出来るようにプロセスと判断基準はセットで整備します。

セールスプロセスの構築によって安定した営業力と一貫性のある提案力を会社全体で共有できるようにしましょう

  • セールスプロセス判断に必要な数値
  • 各セールスプロセスに要した期間
  • 各セールスプロセスで行ったアプローチの回数
  • スタートからクロージングまで全体に要した時間
  • チャーンレート(解約率)
  • LTV(顧客生涯価値)

など


長期的なセールスプロセスには、主な測定指標を検討します。

セールスプロセスでは、判断基準を曖昧にはしません。

必ず根拠となる数値や顧客行動を判断基準とするのがセールスプロセスです

数値の割り出しは、Excelやスプレッドシートでも構いません。

顧客のターニングポイントを把握する

セールスプロセスの有用性には、顧客が次のプロセスに進むターニングポイント(きっかけ)をデータ化できることです。

顧客のターニングポイントは、担当セールスの憶測や印象ではなく、数値から分析・測定します。

ターニングポイントの例

ターニングポイント 考えられる要因
資料請求をした顧客は、アプローチがなくてもクロージングへ進む 資料請求の内容に顧客のソリューションがあるので、自主的に購買の決め手が見つけられている


セールスプロセスと顧客のターニングポイントはセットで組み立てます。

顧客が変化するタイミングが分かれば、効率的なアプローチやソリューション営業を行える可能性が高まります

適切なタイミングでアプローチし、ソリューション営業で顧客からの信頼を得て、受注とリピーター獲得に繋げるのが理想的なセールスプロセスです。

知識の共有

セールスプロセスにおいては、知識の共有が必須です。

会社内でセールスプロセスを運用されなければ無意味だからです。

セールスプロセスの情報共有は、共有ファイルなど会社の規模や運用しやすい方法を見つけましょう。

重要なのはセールスプロセスが可視化されて、セールススキルのサポートに活用でき、必要な時に必要な人が確認できる状態にしておきます

セールスプロセスの分析・可視化・情報共有・データ管理を一括で行えるのは、マーケティングオートメーションツールや営業支援システム(SFA)、セールスイネーブルメントツールです。

おすすめのMAツール

BtoB:セールスフォース社の製品と連携するなら『Pardot』


画像出典元:「Pardot」公式HP

おすすめしたい企業

  • ハイスペックでMAを導入したい企業
  •  セールスフォース社の製品を導入している企業
  • 顧客数が5万以上、自社メディアのPVが50万以上の企業

 

強み

  • セールスフォース社の各種ツールと連携可能
    SFAツールSalesForceと連携すると商談管理までカバーできることが強みです。
  • 高確度なスコアリング機能
    顧客別にリードスコア・行動スコア・行動履歴が操作画面上に常に表示されるため、リアルタイムに進捗を確認できます。
  • 世界の5,000社以上で導入
    世界的なツールです。英語・日本語両方で表記可能なので、海外に支店がある企業は全社的に利用でき、便利です。 知名度が高いだけでなく、セキュリティ面でも評価されています。

 

弱み

  • 操作性への評価が分かれる
    小難しいという意見・使いこなせたという意見が共に一定数存在します。導入前に操作デモを試すことをおすすめします。
  • CSSやHTMLの知識が必要
    設定・運用をスムーズに行うためにある程度の知識が必要。セールスフォース社のツール利用に必要なスキルを習得するとグローバル共通資格が発行されます。このことからも、運用にはある程度の知識が必要なことが分かります。
  • 価格が高い
    リード数が5万を超えてくる企業でないと効果は実感できないでしょう。

 

操作画面

 

 

発生する費用

初期費用 Growth Plus Advanced 無料お試し
0円 150,000円/月 300,000円/月 480,000円/月 ×


マーケティングチームと営業チームの効果的な連携を実現できるSalesforce Engage for Pardotを利用する場合は、月6,000円/1ユーザーが必要です。

※参照:「Pardot」公式HP



 

BtoC:安心して導入できるのは業界シェアNo.1『b→dash』


画像出典元:「b→dash」公式HP

おすすめしたい企業

  • 社内にエンジニアがいない企業
  • 段階的に機能を増やしていきたい企業
  • 顧客数が1~5万、自社メディアのPVが5~10万の企業

 

強み

  • 導入形態を選べる
    データマーケティングに必要な機能をフル導入するも良し、自社に必要な機能だけを選んで導入するも良し。導入する上での柔軟性が高いことが魅力。
  • UI/UXの使いやすさ
    2019年度グッドデザイン賞受賞したデザイン性の高い操作画面です。プログラミング知識がなくても自由にデータを処理・加工・活用可能。アルバイトでも使いこなせるとの声もあります。
  • 業界初のテクノロジー「Data Palette」を搭載
    社内に点在するデータの取込・統合・変換・活用が叶います。

 

弱み

  • ツール専任者が必要
    操作性の高いツールなので、特別な知識は必要ありませんが、非常に細かくシナリオ設定ができるので、ツールの機能を使いこなすためには最低でも1人は先任者をおきましょう。
  • 価格が高い
  • 無料お試しがない
    デモ画面を試すことはできます。

 

操作画面



 

発生する費用

初期費用 月額費用 無料お試し
要問合せ 300,000円 ×


※参照:「b→dash」公式HP

 

 

 

BtoB特化:上場企業での導入率No.1『List Finder』


画像出典元:「List Finder」公式HP

おすすめしたい企業

  • 初めてMAを導入する企業(専任の担当が並走してくれる) 
  • Excelで顧客情報を管理している企業(Excel並みの簡単操作) 
  • 顧客数が1000〜1万以下、自社メディアのPVが5万以下の企業

 

強み

  • 低価格
    月額3万円台から利用可能。スモールスタートしたい企業にぴったり。
  • 配信レポートが充実
    メールの開封率やクリック率だけだなく、配信した顧客の中にどれだけホットリード・ワームリードがいるかを一目で確認可能。他ツールにはない機能です。
  • セールスも活用できるUI
    多くの導入企業が、マーケ部だけでなく営業現場でも活用しています。引き継いだリードの動向をセールスが継続的に確認し、さらなるリードの質向上につなげています。
  • 導入後6ヶ月間のコンサルティングが無料
    専任のコンサルタントが並走してくれるため、より自社に即した運用スタイルを見つけられます。テクニカルサポートも無料。FAQサイトや定期的な勉強会、個別相談会など、万全のサポート体制。

 

弱み

  • 自動連携できるのはSalesforce・Sansanのみ
    データをCSV出力するひと手間を挟めば、他のツールにデータをインポートすることは可能です。
  • シナリオ設計機能やコンテンツ分析機能は未搭載
    マーケティング業務をトータルで自動化することはできません。顧客数1万を超えてくる企業は機能面で物足りなさが残るでしょう。
  • デザイン性に欠ける
    知識がなくても簡単にフォーム作成できますが、デザイン性は期待できません。

 

操作画面

 

 

発生する費用

初期費用 ライト スタンダード プレミアム 無料お試し
100,000円 39,800円~/月 59,800円~/月 79,800円~/月 20日


PV数・顧客データ数に応じて、課金される従量課金制ですが、基本プランでも50,000PV・顧客数5,000件まで管理できるので、ほとんどの企業が39,800円で運用できています。

サポート費用は無料です。

 

 

 

BtoB & BtoC:LINEでマーケティングを行っているなら『Liny』


画像出典元:「Liny」公式HP

おすすめしたい企業

  • LINE公式アカウントを使っていて、成果が出ている企業
  • LINEともだち数が500を超えている企業
  • LINE運用負担を軽減したい企業

 

強み

  • 低価格
    月額5,000円から利用可能。最低プランでもチャットボットによる自動対応がついてくるので、かなり利便性が高いです。
  • プランが明確
    用意されている3プランの違いが明確で、どのプランがふさわしいかを判断しやすいです。顧客数の増加に伴ってプランをアップでき、無駄がありません。
  • 機能が充実
    機能がかなり充実しています。セグメント配信、顧客行動のスコアリングなど、MAとして必要な機能はおおむね搭載。LINEでも十分にマーケティング活動が行えることが分かります。
  • デザイン性が優れている
    顧客管理画面・作成画面・実際に表示される画面、全てカラフルでデザイン性が高いです。楽しく作業ができるUIです。

 

弱み

  • 月額5,000円プランは限定的
    5,000円のプランは月に1,000通までしかメッセージ配信ができないので、長く使っていく上では不十分。早いタイミングでプランアップが必要になるでしょう。月額39,800円かかることを想定した方が良いです。
  • LINE以外には使えない
    メールやその他SNSを使ったマーケティング活動はできません。それらも並行して行いたい場合、別のMAツールを導入する必要があり、結果的に割高になる可能性があります。
  • アプローチできる顧客が限られる
    LINEを使っていない顧客へのアプローチができません。

 

操作画面

 

 

 

発生する費用

初期費用 スタート ベーシック プレミアム 無料お試し
49,800円 5,000円/月 39,800円/月 69,800円/月 3ヵ月


1年間の最低契約期間があります。

 





まとめ

セールスプロセスについて解説しました。

セールスプロセスを組み立てる時に営業活動を見直して効率的なセールスを見据えましょう。

一から組み立てるのが難しい場合は、ITツールの活用もおすすめです。

運用できるかを基準にセールスプロセスを組み立ててください。


画像出典元:O-DAN

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