「女性・若者・シニア創業サポート事業」とは東京都が設立した制度で、女性・若者・シニアによる地域に根差した創業を支援するものです。創業に関するセミナーや相談、アドバイス、融資を受けられます。
これから事業を始めたいと考えている人や、すでに事業を始めている人で、要件を満たしているのであれば誰でも利用することが可能です。
自分ひとりで事業を始めることもできますが、専門家たちによる的確なアドバイスなどによって、本来よりも早く事業が軌道に乗るかもしれません。
このページの目次
この事業は、東京都が地域に根ざした創業を支援するために女性・若者・シニアに対して、創業のためのトータル的なサポートを行うものです。
支援には大きく分けて3つのポイントがあります。
1. 専門家や金融機関が、創業や低金利融資を支援する
2. 融資をしてもらってから、最大5年間は経営アドバイスなどをしてもらえる
3. 創業助成金の申し込み要件を満たすことができる
この制度を利用できるのは、以下の人となっています。
1. 女性(何歳でもOK)、若者(男性39歳以下)、シニア(男性55歳以上)で、創業の計画がある者、または創業後5年未満の代表者
2. 個人事業主、株式会社、一般社団法人、NPO法人など
3. 東京都内に本店または事業所を置く創業事業
4. 地域の需要や雇用を支える事業
また、「創業後5年未満の代表者」に関しては、個人で創業し、同一事業を法人化した人で、個人で創業した日から5年未満の人も含まれます。
融資・支援条件としてはさらに以下があります。
専用ホームページで取扱金融機関を調べ、事業計画書の有無について電話をします。
もらった事業計画書を自身で作成し、完成後は取扱金融機関に融資相談の予約。融資相談後に地域創業アドバイザーを紹介してもらいます。事業計画の内容によってはアドバイザーの紹介をしてもらえないことがあります。
取扱金融機関からアドバイザーを紹介してもらって10日以内に面談の予約を行います。
重要事項確認書などの書類に署名や押印をします。事業計画に関する面談やアドバイスを受けた後に、今後の行動についての案内があります。
また面談のときに、印鑑や本人確認書類などが必要となります。創業事業が個人なのか法人なのかで持参するものが異なるので確認しましょう。
アドバイザーとの面談終了後10日以内に融資申込書を取扱金融機関に請求し、申し込みを行います。
取扱金融機関が融資審査をします。
アドバイザーが融資実行後の経営サポートをします。
女性・若者・シニア創業サポート事業には、これから事業を始めたい人や事業をしている人のために様々な面から経営のサポートを行っています。
ここではそのサポートについて具体的にどのようなことができるのかを解説していきます。
地域の金融機関や専門家らと連帯し、経営相談や融資相談をします。
事業計画書の作成から、業種別のものまで様々なセミナーを行います。
セミナーの参加は基本的に無料ですが、長期セミナーは有料となっています。
各地域のアドバイザーが個別に相談を行います。
個別相談は原則3回無料、女性とソーシャルビジネスを行う人は5回まで無料です。
セミナーや面談でも事業計画についての相談は可能です。こちらも無料で行っています。
年利1%以内、無担保で金融機関から融資を受けられます。
サポート事業は融資を実行するまでではなく、実行後にも事業のサポートを受けることができます。
決算書作成に関してのアドバイスは1年間のみですが、経営アドバイスは5年間もサポートしてくれるので、経営が上手くいっていないときはとても心強いです。
年3回の経営アドバイスを無料で受けられます。地域創業アドバイザーが経営相談や販売開拓、ビジネスマッチング、人材派遣など、事業が継続して発展していけるようにアドバイスします。
税理士などが訪問し、帳簿・記帳・はじめての決算作成にかんするアドバイスをします。無料で2回受けることができますが、アドバイスをもらえるのは融資を受ける1年目のみとなります。
「女性・若者・シニア創業サポート事業」の融資利用者は、助成金を受けられる「創業助成事業」の申請要件の一部を満たしています。
また、他にも満たさなければならない必要な要件があるので確認してください。
この事業は特に、女性の起業家に利用してほしい制度となっています。
その理由としては、若者(男性39歳以下)、シニア(男性55歳以上)と比べると、2つの大きなメリットがあるからです。
女性には年齢制限がありません。男性には年齢の縛りがありますが、女性には制限がないので、何か挑戦したいと考えたときにすぐに利用することができます。
通常は3回までですが、女性とソーシャルビジネス事業を立ち上げる人は5回までとなっています。
創業助成事業とは、資金巡りの難しい中小企業や起業したばかりの人、これから事業を始める予定の人のために助成金を支給する制度のことです。
東京都および公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施している助成金制度になります。
助成内容はこのようになっています。
助成対象期間 | 交付決定日から1年以上最長2年 |
助成限度額 | 300万円(下限100万円) |
助成率 | 3分の2以内 |
助成対象経費 | 賃貸料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 |
また、この助成を受けるためには、
などの要件を全て満たすことで、申請をすることができます。
「創業支援事業の活用をしている」の一つが、今回解説をしている「女性・若者・シニア創業サポート事業」にあたります。
つまりは、女性・若者・シニア創業サポート事業することで、創業助成事業の要件の一部を満たすことになります。
また、「女性・若者・シニア創業サポート事業」と「創業助成事業」の要件は重複しているものもあるため、創業助成事業の要件を満たしていれば両方の制度を利用することができます。
この制度で無担保・低金利で受けられる融資は、新たに事業を始めるため、または新たな事業開始後に必要とされる設備資金・運転資金として使用できます。
融資を受けられる条件についてはこのようになっています。
融資限度額 | 1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内) |
利率(年) | 固定金利1%以内 |
返済期間 | 10年以内(うち据置期間3年以内) |
担保 | 無担保 |
法人:代表者個人または不要 | 個人事業主:不要 |
取扱い金融機関によって受けられる融資条件が少し異なってきますが、上記の条件範囲以内となります。
かなりの低金利で借り入れすることができるので、融資を受ける側にとってはとても嬉し内容です。
「女性・若者・シニア創業サポート事業」は東京都が実施している事業です。地域に根差した支援ですので、要件の一つに「東京都内に本店または事業所を置く創業事業」であると示されています。
東京都内以外の場所で事業をしたいと考えている場合は、このサポート事業を利用することができないというデメリットがあります。
この制度を利用できる要件の一つが「女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)」です。
女性であれば何歳でも活用することが可能となっています。自分の望む事業を現実化することができるので、サポート事業を利用しない手はないと思います。
男性の場合は39歳以下、もしくは55歳以上との年齢制限があるのがあるので誰でも利用できるというわけではありません。しかし、有料であれば起業・開業コンサルタント会社はたくさんあるので、そちらを利用してみるのもいいかもしれません。
女性・若者・シニア創業サポート事業は、創業場所や年齢制限などの制約があるものの、要件を満たしている人であれば、活用価値のある制度だと思います。
創業に関するセミナーや個別相談、アドバイスなどが無料ででき、さらには融資を無担保・低金利で借りられるのであれば使わないという選択肢はありません。
「女性・若者・シニア創業サポート事業」を上手に活用することで、事業の成果が出せるこことを願っています。
画像出典元: O-DAN
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