TOP > SaaS > 人事 > 人事評価 > 【失敗しない】人事評価面談とは?具体的な進め方や面談時の上司・部下別ポイント解説も
人事評価面談は、上司にとって部下の人事考課やモチベーションに影響する大事な業務です。
部下にとっても上司に成果をアピールしたり、目標や課題を共有できたりするチャンスです。
人事評価面談の失敗は、両者にとって痛手となるでしょう。
本記事では、人事評価面談の目的や進め方、ポジション別のポイントや質問方法を解説します。
このページの目次
はじめに人事評価面談の目的を解説しましょう。
具体的には以下の通りです。
人事評価面談の目的として、まず部下の現状を把握することが挙げられます。
目標の達成状況や業務の進捗度、課題やモチベーションなどについて、年に1〜2度、具体的に話し合うことで、新たな目標や修正課題が明らかになります。
上司は問題ないと思っていても、部下は大きな悩みを抱えていたり、マネジメント法を修正すべきだったりするので、人事評価面談によって検証と見直しを行う必要があります。
人事評価面談は、人事考課にも欠かせません。
部下の仕事ぶりを正当に査定し、昇給・減給や昇格・降格などに反映させます。
数字や結果、日頃の印象だけでは見えてこない努力や貢献度、苦労などを対面でヒアリングすることにより、過大評価や過小評価をなくす効果があります。
人事評価面談は、部下の現状を把握するだけでなく、上司としての評価や考えをフィードバックする場でもあります。
結果に結びつきにくい点があれば、何が問題かを共に考えたり、指導することで部下が成長するチャンスになります。
人事評価面談は、部下の頑張りや強みを評価し、褒める機会でもあります。
自分の努力や苦労を上司がわかってくれていると思うと、部下のモチベーションは確実にアップします。
なかには、自分が何のためにその業務をしているかわからなくなったり、目標を見失っているケースもあるでしょう。
その際には、あらためて仕事の意義を伝えたり、中長期の目標設定をして意識改革を促すことも大切です。
人事評価面談の進め方について解説しましょう。
具体的には、以下のような流れになります。
人事評価面談は、重要度の高い話し合いの場であるため、行き当たりばったりの対応では危険です。
とくに部下にとっては、モチベーションが大幅に向上することもあれば、離職のきっかけになる恐れもあるので、入念な準備をして臨む必要があります。
前回の面談以降の部下の仕事ぶりや具体的な成果、失敗、今後の期待や課題を明確な項目や理由とともにリスト化しておくとよいでしょう。
上司が自分のことをよく見て評価しようとしている、あるいは課題解決を期待しているという認識と納得感をもたせ、「面談が怖い」「意味がない」と思わせないことが重要です。
人事評価面談は、部下と二人だけの空間で行うのが基本です。
近くにほかの社員がいたり、話し声が聞こえる状況では、本音で話せなくなる恐れがあります。
また、センシティブな内容にもなるため、絶対にほかの社員に情報が漏れない場所を選択し、落ち着いて話せるよう配慮することが大切です。
人事評価面談では、部下の自己評価をしっかりと傾聴することを忘れてはなりません。
上司から一方的に話されるだけでは、不満がたまり、モチベーションが低下するリスクがあります。
部下の立場を考慮して、寄り添う姿勢を見せながら最後まで遮らずに話を聴くようにしましょう。
話を素直に聴いてもらえると上司への信頼感が増し、気持ちが楽になって表情や仕事への姿勢が見違えるほど変化することもあると認識しておく必要があります。
人事評価面談には、今後も部下が前向きに仕事に取り組み、成長できるように促す役割があります。
評価点と改善点を本人が理解できるように分かりやすく伝えましょう。
良い面もそうでない面も上司がどのように評価しているか明確に認識してもらうことが大切です。
もし、認識の違いがあれば、ここでしっかりと修正し、部下がわだかまりを感じることなく仕事を続けられるよう努めましょう。
改善点や課題を浮き彫りにしただけでは意味がありません。
改善点や課題をどのような手法やプロセスで解決していくかを明確にし、部下と上司間で共有することが欠かせません。
目標達成や課題解決には、「PLAN(計画)」→「DO(実行)」→「CHECK(評価)」→「ACTION(改善)」からなるPDCAサイクルを適切に回すことが大切です。
「C(評価)→A(改善)」のプロセスを曖昧にしてはいけません。
部下にモチベーションを高めて仕事に臨んでもらうため、今後のキャリアプランやそれと業務内容がどうリンクするのか、具体的な目標をどこに設定するかといったビジョンを部下と共有します。
上記の課題解決策とともに深く話し合いができれば、部下との絆が深まり、強い信頼関係が構築できるはずです。
最後に、今後の頑張りに期待していることをはっきり伝えて、人事評価面談を終えるようにしましょう。
人事評価面談の際に留意すべきポイントについて、上司と部下それぞれに解説します。
人事評価面談の目的の一つが、部下のわだかまりや不満を解消し、今後のモチベーションを高める点にあることを強く認識する必要があります。
そのために、以下の点に留意することが大切です。
部下としては、人事評価面談を通じて自身の強みや成果、課題を上司と共有することが重要です。
また、自己評価が100%正しいという考え方は捨て、上司がどのように評価しているかを見極め、そのうえで行き違いがあれば冷静に伝えて解消するように努めましょう。
とくに、改善点や課題を指摘されることは、決して気持ちの良いものではありません。
しかし、上司の言葉に耳を傾け、自分のために言ってくれていると謙虚に捉えて今後の成長につなげることが大切です。
人事評価面談を怖がったり、面倒に思わず、チャンスと捉えてポジティブなイメージで臨みましょう。
人事評価面談では、部下が「上司に一方的に押しつけられた」「叱られた」といったネガティブな気持ちのまま終わらせないことが重要です
人事評価面談に有効な3つの質問方法を紹介しましょう。
人事評価面談では、「はい」か「いいえ」でしか答えられない質問は避けましょう。
たとえば、「目標達成のため何をしたらいいと思う?」というような、部下の裁量に託して意見を自由に述べられる拡大質問(オープンクエスチョン)がおすすめです。
話が想定外のことろに広がるかもしれませんが、それによって本音が垣間見えたり、思わぬ長所が見つかったりすることがあります。
上司が思いつかない画期的なアイデアが生まれるかもしれません。
拡大質問をすると、部下から「これからもっと頑張れそう」というポジティブな気持ちを引き出しやすくなるのでうまく活用してみましょう。
過ぎたことではなく、これから先の未来に焦点を当てた未来質問も有効です。
新たなプロジェクトへの意気込みや、課題解決策、今後のキャリアプランなどについて質問すると自ずと話が前向きになり、後悔や恨み節といったネガティブな発言は少なくなるでしょう。
部下が、面談を通して否定された気持ちにならないために、肯定質問を意識するのもよいでしょう。
「なぜできない?」「どうしてこうしなかった?」という否定系の質問は尋問のようで、反発や不満、恐怖感を抱かせる要因になりかねません。
「どうすればできると思う?」「このプロジェクトの良い点はどこだと思う?」というように肯定的な問いかけをすると、前向きな答えが返ってくる確率が高まるので、人事評価面談への印象も良くなります。
面談で共有した目標や課題解決に向けてモチベーションもアップし、PDCAサイクルの好循環が生まれやすくなるでしょう。
良い形で人事評価面談を進められれば、部下の仕事へのモチベーションや、目標をクリアできる可能性を高めます。
部下が成長すれば、もちろん上司にも良い影響があるでしょう。
つまり「ウィンウィンの関係」が構築できるのです。
適切な準備を行い、評価の伝え方や質問方法に十分留意して、人事評価面談に臨みましょう。
画像出典元:unsplash
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