【簡単解説】サプライヤーとは?ベンダーとの違いや業界別具体例も

【簡単解説】サプライヤーとは?ベンダーとの違いや業界別具体例も

記事更新日: 2023/01/16

執筆: 川崎かおり

サプライヤーとは、「供給する側」を指すビジネス用語です。

製造、小売、流通、ITなどといったさまざまな業界に存在しており、モノを作って販売する企業にとってはなくてはならない存在といえます。

本記事では、サプライヤーの意味や、メーカー・ベンダーとの違い、さらにはサプライヤーの具体例や選び方を簡単に紹介します。

サプライヤーとは

サプライヤーとは、「供給先」「仕入れ先」を意味するビジネス用語です。

英語の「supplier」がそのまま日本語に翻訳され、ビジネスシーンで使われるようになりました。

サプライヤーが供給する物は、企業の業種・職種・扱う製品によってさまざまです。

例えば食品製造業なら食材、機械製造業なら必要な部品を納めてくれる業者がサプライヤーと呼ばれるでしょう。

すなわちサプライヤーとは、特定の業種や職種を指す言葉ではありません。

企業が自社製品を作るのに必要な資材、原材料、機材、サービスを提供する業者や個人・団体は、全てサプライヤーに該当します。

サプライヤーとメーカーとの違い

サプライヤーと混同されやすい言葉の一つに「メーカー」があります。

両者の違いを見ていきましょう。

メーカーとは

メーカーとは、「製造者」を意味する言葉です。

サプライヤーから納品された部品や材料を加工して何らかの製品を作るのが仕事であり、完成した物を自社製品として販売します。

サプライヤーが「供給する側」とすればメーカーは「供給される側」であり、両者の意味は全く異なるといえるでしょう。

「メーカー=サプライヤー」もあり得る

メーカーという言葉がカバーする範囲は幅広く、サプライヤーとしての役割も果たすメーカーも少なくありません。

例えば、一つの製品を作るまでには、以下の3つのメーカーが関連しているケースが多々あります。

  • 素材を作るメーカー:鉄鉱石から鉄を作るなど
  • 素材から部品を作るメーカー:鉄からネジや部材を作るなど
  • 部品を製品に加工するメーカー:ネジや部材を使って鉄製品を作るなど

上記の流れで見ると、素材から部品を作るメーカーにとって、素材を作るメーカーはサプライヤーです。

一方部品を製品に加工するメーカーにとっては、素材から部品を作るメーカーがサプライヤーとなります。

すなわち「メーカー=サプライヤー」となるケースも、決して珍しくはないということです。

サプライヤーとベンダーとの違い

「ベンダー」も、サプライヤーと混同されやすい言葉です。

ベンダーの意味や、サプライヤーとの違いを見ていきましょう。

ベンダーとは

ベンダーとは英語の「vendor」をそのままカタカナ読みした言葉です。

意味は、英語表記と同様に「販売者」となります。

ビジネスシーンで「あのベンダーは…」などの言葉が出てきた場合は、販売業者を指すと考えればよいでしょう。

ベンダーは元々、IT業界でシステムやソフトを販売する業者を指す言葉でした。

しかし現在ではさまざまな業界の販売者がベンダーと呼ばれています。

例えば食品業界なら、食品をコンビニやスーパーに卸す業者がベンダーです。

一方自動車業界なら、自動車メーカーに部品を卸す業者がベンダーと呼ばれるでしょう。

「ベンダー=メーカー」のケースも多い

「メーカーが作った製品を店舗に卸すのがベンダー」ではありますが、メーカーが自社製品をそのまま販売するケースもあります。

この場合はベンダーとメーカーの明確な区別がなく、「ベンダー=メーカー」と考えてよいでしょう。

このケースが多いのは、IT業界です。

例えばPCや関連ハードウェアを販売する業者は、ハードウェアベンダーとよばれます。

しかし販売しているハードウェア類について、開発から設計・制作まで一気通貫で行っている業者も少なくありません。

ベンダーとメーカーには明確な区別がなく、どちらの意味にも該当します。

サプライヤーを具体例で解説【業界別】

自社で素材確保から販売までを行う企業以外は、必ず「サプライヤー」となる企業が存在します。

ここからは、さまざまな業界の「サプライヤー」を具体的に見ていきましょう。

自動車業界

自動車業界のサプライヤーは、自動車のパーツや部品を提供するメーカーです。

自動車は非常に多くのパーツから成り立っており、必要な部品は3万個以上あるといわれます。

そのため、サプライヤーとメーカーの関係は非常に複雑です。

完成した自動車を販売するベンダー=メーカーをトップとして裾野はピラミッドのごとく広がっており、ほとんどの企業がサプライヤーでありメーカーです。

なお自動車業界の特徴として、「サプライヤー=自動車メーカーの子会社」のケースが多い点が挙げられます。

自動車メーカーが部品を仕入れるのは、主に自社専門部品を作る子会社からです。サプライヤーはメーカーから資金や人材の提供を受けており、両者の区別は非常にあいまいです。

ただしピラミッドの下層にいくほど、トップメーカーとの関係は薄くなります。

アパレル業界

アパレル業界のサプライヤーは、以下の業者です。

  • アパレルブランドに糸や生地(テキスタイル)を提供する問屋や商社
  • 問屋や商社に糸や生地を提供する生産業者

アパレル業界では、アパレルメーカーがデザインから素材集めまで行います。

ただし縫製については外部の工場に外注して、一つの製品を作るのが一般的です。

企業によってはデザイン・企画・製造・小売りまでを全て行うケースもありますが、全ての素材を自社製品のみでまかなうケースはまれです。

わずかでも外部から部材・素材を仕入れている場合は、その仕入れ先がサプライヤーとなります。

食品業界

食品メーカーは、農作物の生産者や卸業者から原材料を仕入れて食品として加工します。

食品は食品小売業者・外食産業者をへて消費者にリーチする構造です。

すなわち食品小売業者・外食産業者にとっては食品メーカーが、食品メーカーにとっては農作物の生産者や食品専門商社・総合商社がサプライヤーとなります。

旅行業界

旅行業界のサプライヤーは、旅行会社や宿泊施設・鉄道・バス・航空会社などです。

旅行業界では、旅行会社が旅行プランやパッケージを企画します。

企画実現のためにはホテルや交通手段の確保が必要となり、これを提供する企業がサプライヤーとなるでしょう。

また旅行会社が企画した旅行プランやパッケージを販売するのが旅行代理店です。

すなわち旅行代理店にとっては、旅行会社が必要な商品を提供してくれるサプライヤーとなります。

IT業界

IT業界は、建築業界などと同様の「多重下請け構造」です。大手IT企業の下に複数の下請け会社が存在し、ヒエラルキーを形成しています。

顧客がシステム開発を大手IT企業に依頼した場合でも、二次請け、三次請け企業に開発工程をほぼ丸投げするケースが少なくありません。

この場合は、二次請け・三次請け企業をサプライヤーと呼んでよいでしょう。

サプライヤーの選び方

企業にとって質のよいサプライヤーを確保することは非常に重要です。

さまざまある企業から、自社に最適なサプライヤーを選ぶためのポイントを紹介します。

明確な基準で評価する

サプライヤー候補の企業を選ぶときは、客観的でフラットな判断ができるよう、明確な基準を設置しましょう。

評価の基準としたい項目は以下のとおりです。

  • クオリティ
  • コスト
  • 納期
  • 納品数
  • 経営状態
  • サポートの充実度

 クオリティを見るときは、コスト・納期もセットでチェックしましょう。

どれほどクオリティが高くても、コストが高すぎたり納品までに時間がかかりすぎたりする企業はサプライヤーとして不安があります。

また安定供給を求めるなら、納品数も重要です。

その企業にどれだけの生産能力があるのかも細かくチェックしなければなりません。

このほか、企業の経営が健全かどうかや、万が一トラブルがあった場合の対応なども、サプライヤーとして取引をしていく上では重要です。

広い視点を持つ

よりよいサプライヤーを見つけたいなら、対象を限定すべきではありません

新しい企業・小さい企業にも積極的に目を向けましょう

どの業界も刻一刻と状況は変わっており、新しい企業も続々と誕生しています。

「○○ならこの企業」という固定観念を持っていると、優良なサプライヤーを見逃してしまうかもしれません。

将来性にも注目してみる

現在のデータだけを見るのではなく、サプライヤー候補が掲げる成果が出ていないチャレンジや目標にも注目してみましょう。

面白そうな試みを行っている企業は、ひとまず取引を行ってつながりを作っておくとよいかもしれません。

小さなつながりでもキープしておけば、将来有利な条件で取引しやすくなるはずです。

サプライヤーと良好な関係を築くには

良質なサプライヤーの確保は、自社製品の品質や価格を安定させることにつながります。

サプライヤーと契約した後も適切な管理を行い、素材や部材の安定供給・品質維持を目指しましょう。

サプライヤー管理に必要なポイントを4つ紹介します。

定期的に査定を行う

取引が長期化・安定化すると、サプライヤーとの関係に緊張感がなくなるケースがあります。

気の緩みがクオリティの低下や納期遅れなどとなって表れないよう、定期的な査定を行いましょう。

現状を厳しくチェックすることで、よい意味での緊張感を保つことができます。

製造業では「QCD:Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)」が特に重要な要素です。

査定を行う際は、サプライヤーのQCDのバランスを厳しくチェックしてください。

寡占状態を防ぐ

扱う製品や業種・職種によっては、特定のサプライヤーが寡占状態になることがあります。サプライヤーの寡占化は価格交渉・条件交渉を行う上で不利となり、好ましいことではありません。

まずは自社の生産工程や状況を見直し、代替サプライヤーの発見に努めましょう。

自社ニーズを満たすサプライヤーが見つからない場合は、「自社の条件を認めてもらえるよう交渉を行う」などの努力が必要です。

サプライヤーの状況・動向を注視しておく

サプライヤーの倒産・生産不能は、自社製品の生産に大きな打撃となります。

「突然供給が止まった」という事態を避けられるよう、日頃からサプライヤーの経営状況や動向は注視しておきましょう。

サプライヤーをチェックするとき、見逃してはならない兆候は以下のとおりです。

  • 担当者が頻繁に変わる
  • 担当者と連絡が付きにくくなる
  • 問合せの返事が遅い
  • 納期遅延が頻発する

担当者に異変がある場合、社内で何らかのトラブルが発生している可能性があります。

すでに納期遅延が頻発しているのであれば、事態はかなり深刻な状態なのかもしれません。

サプライヤー管理システムを導入する

サプライヤー管理の精度・スピードをアップしてくれるのが、サプライヤー管理システムです。

複数のサプライヤーと取引していたりサプライヤーとのコミュニケーションが負担となったりしている企業は、導入のメリットが大きいでしょう。

製品にもよりますが、サプライヤー管理システムでは以下のようなことが可能です。

  • サプライヤー情報の管理
  • サプライヤー評価
  • サプライヤーの階層化 など

製品によっては、購買管理システムなどと連携できるものもあります。

まとめ

サプライヤーとは、メーカーに部材・素材を提供する側の企業です。

製造業はもちろん、旅行業やアパレル業・IT業界などにも、数多くのサプライヤー企業が存在します。

素材や部材を加工して製品・サービスを生み出している企業にとっては、優秀で上質なサプライヤーの確保が非常に重要な問題といえるでしょう。

サプライヤー・メーカー・ベンダーを見分けるときは、「誰が誰に対して部材・素材を提供しているか」を適切に把握することが大切です。

画像出典元:Unsplash

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