ここ最近ニュースやSNSで「メタバース」という言葉をよく耳にします。
「最先端の技術であることは分かるけれど、きちんと理解できていない……」、そんな人も多いのではないでしょうか。
この記事では、メタバースがそもそもどんなものなのか、なぜこれだけ話題になるのかを分かりやすく解説します。
これを読めば、メタバースが私たちの生活を大きく変える可能性を秘めていることが分かり、新たなビジネスのヒントにもなるはずです。
このページの目次
まずは、メタバースがいったいどんなものなのかを理解しましょう。
メタバースとは、インターネット上につくられた3次元の仮想空間(バーチャルな空間)のことです。
「meta(超越)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、SF小説に登場した言葉がそのまま用いられています。
利用する人は「アバター」と呼ばれる架空のキャラクターで空間に参加し、現実世界と同じように買い物をしたり、遊んだりできます。
ここ数年、メタバースを取り入れたサービスが数多くリリースされており、盛り上がりを見せています。
身近なところでいえば、「フォートナイト」「マインクラフト」「どうぶつの森」などのオンラインゲームが挙げられます。
また、Googleがメタバース参入に向けてARグラス(拡張現実技術を使ったメガネ型デバイス)を開発しているという報道も。
そのほか、三越伊勢丹が「バーチャル伊勢丹新宿店」をリリースしたことも話題になりました。
専用アプリでアバターを作成して、新宿の街を訪れ、実際に伊勢丹で買い物をしたり、店員とコミュニケーションを取れるというユニークな試みです。
バーチャルな空間で生活を楽しめるメタバースですが、なぜこれほど注目を集めているのでしょうか。
実は、メタバース自体は10年以上前からある考え方で、古くから運営されているサービスも存在します。
ここ数年で注目されるようになったのは、通信やグラフィック技術の発展によって、よりリアルな世界が作れるようになったことが大きな要因です。
2022年のいまでは、現実世界と見分けがつかないほど精巧な仮想空間が作れるようになり、注目を集めているのです。
ブロックチェーンとの相性が良いこともメタバースが注目される理由のひとつです。
メタバース内での買い物や経済活動に仮想通貨を用いたり、アートや建物、キャラクターなどにNFTを利用して、価値を持たせたり投資したりすることができます。
バーチャルな活動だったメタバース内での生活が、より現実世界とリンクするようになってきたのです。
※NFT(非代替性トークン)= Non-Fungible Token(ノン-ファンジブル トークン)
メタバースでは、現実世界や既存のSNSとはひと味異なる行動やコミュニケーションを取ることができます。
これまでの人生と違う人々と出会ったり、違う場所に訪れるチャンスが広がっているのです。
大きな注目を集めるメタバースですが、VRやオンラインゲームと何が違うの?という疑問が浮かんできます。
それぞれの技術との「共通点」と「相違点」について見てみましょう。
VR(仮想現実)は、バーチャルな世界を体験できるという意味ではメタバースと似通った技術といえます。
実際、メタバースの利用でVRゴーグルを使うこともあり、全く無関係な技術というわけではありません。
メタバースが仮想空間という「場」を指すのに対し、VRはそれを利用するための視覚的な「技術」を指すという違いがあります。
AR(拡張現実)は、スマホやデバイス上で現実世界に仮想の情報やコンテンツを付け加えて表示する技術です。
仮想の情報やコンテンツを視覚的に体験できるという点では同じですが、ARはあくまで現実世界の延長上で利用するというのが大きな違い。
対してメタバースは、現実世界とはほとんど切り離された別世界を体験できるのが大きな特徴です。
オープンワールドのオンラインゲームは、メタバースとかなりよく似たサービスです。
架空の空間で、アバターやキャラクターを使って遊ぶという仕組み自体はメタバースと全く同じといっても良いでしょう。
違いをあげるとすれば、ゲームではお金を稼いだりモノを作っても現実の価値は生まれませんが、メタバースでは現実とリンクした経済活動が可能だということです。
仕組みがわかったところで、メタバースでできることをさらに具体的にみていきましょう。
まずは「ビジネス編」から。
「バーチャル伊勢丹新宿店」に代表されるように、メタバース内にお店を出し、そこで商品を売るというのはもっともポピュラーな利用方法のひとつです。
商品を3Dで再現したり、スタッフもアバターとして参加しコミュニケーションを取ることで、ECよりも現実に近い購買体験が提供できます。
メタバース内で人を集めてイベントを行ったり、アーティストによるライブを開催する活動も盛んになってきています。
2019年にフジロックフェスティバルがメタバース上で再現されたほか、有名アーティストがオンラインゲームでライブを行っています。
顧客相手のビジネスだけでなく、仕事自体がメタバース内で行えるようになる可能性もあります。
仮想空間でのオンライン会議はすでに実現されており、リモートでも目の前にいる感覚でリアルなコミュニケーションが可能。
オフィスを仮想空間で再現すれば、自宅にいながら会社で仕事ができます。
出店やイベント、オンライン会議の他にも、現実世界に存在するあらゆるサービスがメタバースでの実現性を秘めています。
ざっと考えただけでも、交通や住宅などのインフラ、アートやゲームなどの娯楽が浮かびます。
これからの普及の度合い次第ではありますが、メタバースには大きなビジネスチャンスが眠っているのです。
メタバースではビジネス活動以外にも、純粋に生活を楽しむこともできます。
メタバース内では現実世界と同じように、たくさんの人が街を歩いたり、生活したりしています。
知らない人に話しかけて仲良くなったり、知り合いと遊んだり、有名人とチャットしたりと、さまざまな形でコミュニケーションが取れるのです。
メタバースの中には広大な世界が広がっていて、どこに行くのも自由です。
見たことのない風景を見に行っても良いですし、アトラクションやゲームに参加して遊ぶのもあり。
現実世界ではできない娯楽を気軽に楽しむことができます。
メタバース内で仮想アートを作るのも楽しみ方のひとつです。
個性的なアバターを作ったり、デジタル絵画を描いてギャラリーを開いたり、建物を立てることもできます。
NFTが利用できるメタバースなら、作ったものに現実とリンクした価値を持たせて、それで生計を立てることも可能です。
実際にメタバースでビジネスを始めたい場合にはどうすれば良いのでしょうか?
現状では、以下のような専門サービスを提供する企業に依頼するのが一般的です。
画像出典元:「cluster」公式HP
画像出典元:「Vket Store」公式HP
画像出典元:「HIKKY」公式HP
画像出典元:「Metabirds」公式HP
ユーザーとして気軽にメタバースを体験してみたい場合には、いったい何が必要なのでしょうか。
メタバースの世界は、基本的に3Dで作られた空間です。
そのため、ほとんどのサービスでは、没入感を味わうためにVRゴーグルを使う必要があります。
安価なものであれば5,000円程度でも購入できるので、自分にあった製品を探しましょう。
あわせてスマホやPC、テレビなど、利用するデバイスがVRに対応しているかも確認しておくと安心です。
ゴーグルとデバイスがあれば、あとは好きなメタバースに飛び込むだけ。
人気のサービスを3つピックアップしました。
画像出典元:「VRChat」公式HP
他ユーザーとのコミュニケーションが楽しいサービス。
オリジナルのアバターやワールドを体験できるほか、ひんぱんにイベントも開催されています。
画像出典元:「The Sandbox」公式HP
マインクラフトのようなクリエイティブな世界観のメタバース。
ブロックを組み合わせてオリジナルの建物やアイテムを作れ、NFTとの連携で価値を持たせることもできます。
画像出典元:「Horizon Workrooms」公式HP
「Horizon Workrooms」は、仕事に使えるメタバースサービスです。
オフィスを仮想空間で作り、離れた場所にいても会社で一緒に働いているような感覚で仕事や会議ができるのが特徴です。
大きな盛り上がりを見せているメタバース、実はよく知っているあんな企業も参加していることをご存じでしょうか。
画像出典元:「池袋ミラーワールド」公式HP
テレビ東京が運営する、池袋の街を再現したメタバースです。
世界中どこからでも池袋の街を散策できるほか、バーチャル店舗で買い物を楽しむこともできます。
画像出典元:「REV WORLDS」公式HP
仮想都市空間プラットフォームの「REV WORLDS」上に作られた、仮想新宿の中で営業するバーチャル伊勢丹新宿店。
実際の店舗と同じようにショッピングを楽しめるほか、バーチャルスタッフによる接客も受けられます。
画像出典元:「バーチャルディズニーストア」公式HP
仮想空間で開催される「バーチャルマーケット」にディズニーストアが期間限定で出店しました。
実際の店舗とは一味違うポップなお店を楽しめるほか、3Dで精巧に再現された商品を手に取って満足度の高い買い物もできます。
画像出典元:「バーチャル秋葉原駅」公式HP
「バーチャルマーケット」にJR秋葉原駅が再現されたメタバース。
改札を通って駅構内を散策したり、実際に電車に乗って移動もできる楽しい空間で、人気キャラクターも出現します。
画像出典元:「ネトフリシネマ 攻殻機動隊 SAC_2045」公式HP
攻殻機動隊の新作公開に合わせて、メタバース「Cluster」内の「バーチャル渋谷」で上映会を開催。
スクランブル交差点のど真ん中で、攻殻機動隊の最新シリーズが見られるという新しい映像体験で話題になりました。
メタバースでは、現実世界と同じように買い物をしたり、ものに価値を与えるために仮想通貨が用いられます。
なかでも注目される仮想通貨を3つピックアップして紹介します。
「Enjin Platform」というオンラインゲームのプラットフォームで利用できる仮想通貨です。
30以上のオンラインゲームで利用でき、異なるゲームのアイテム同士を売買したり交換するのに役立ちます。
先ほど紹介した「The Sandbox」というメタバースゲームで利用できる、いわゆるNFT銘柄のひとつです。
ゲーム内で作ったアイテムや土地をこのコインと交換でき、実際に価値を生むことができます。
仮想空間プラットフォーム「Decentraland」での価値交換に使える仮想通貨。
アイテムやコンテンツ、土地の売買に使えて他の通貨との交換もできるため、実際に価値を生むことも可能です。
今後が楽しみなメタバースですが、実は普及にはいくつか課題もあります。
ここ数年でたくさんの人に使われるようになったメタバースですが、まだまだ技術面では課題もあります。
大量のユーザーが24時間利用するためのサーバーの運営、VRゴーグルやデバイスの問題、安定して通信できるためのインフラなどです。
逆に、こういった課題が解決されることで一気にポピュラーになる可能性もあるのです。
現状、メタバースには個々の運営者が作ったルール以外に明確な法律やマナーが存在しません。
メタバース内で作ったアイテムや土地を奪われる、他のプレーヤーへの迷惑行為などが発生するといったリスクもあります。
今後、皆が快適に過ごせるようなルール作りが必要になってくるでしょう。
メタバースの流行には、コロナ禍も深く関係しています。
コロナ禍が収束して、家にいる時間やひとりで過ごす時間が少なくなってもなお、メタバースが多くの人にとって魅力的な場所であるかどうかは未知数。
今後数年の社会情勢が、メタバース普及のカギとなりそうです。
ここ数年大きな話題となっている「メタバース」。
現実を超えた仮想空間で別の生活を送れて、お金を稼ぐこともできるという、無限の可能性を秘めた技術です。
有名企業も続々参入している一方で、これからさらに普及するためには超えるべきハードルもいくつかあり、未来は不透明な部分も。
一過性のブームで終わってしまうのか、あるいは私たちの生活を変えるものになるのか、今後に注目が集まります。
画像出典元:unsplash、pixabay、各社公式HP
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