CIOとは?最高年収は5千万!必要な知識や能力・優秀なCIOの育て方

CIOとは?最高年収は5千万!必要な知識や能力・優秀なCIOの育て方

記事更新日: 2021/09/30

執筆: 宮林有紀

CIOとは、企業の情報システムに関する最高責任者。経営トップ層の一員となるポジションなので、たくさんの知識や能力が求められます。

当記事では、CIOの役割や必要な知識、育て方、活躍事例について分かりやすく解説します。

IT化がさらに進むと予測されるので、CIOの重要性が今後ますます高くなるはずです。CIOに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

CIOとは

CIO(Chief Information Officer)とは「最高情報責任者」のこと。

企業の情報システムに関する業務の最終責任者で、CEOやCFOなどのトップマネジメント層の一員です。

IT技術の発展に伴い情報社会となったため、CIOという役職を設置する企業が増えています。

とはいえ、CIOの発祥の地であるアメリカに比べると日本ではまだ馴染みが薄く、平成29年度の経済産業省の調査によると『CIOまたはIT担当役員がいない企業は全体の49.5%』です。※資本金 3,000 万円以上かつ総従業者 50 人以上の企業が調査対象

今後さらなるIT化が進めばCIOの重要性が増すと考えられるので、これからの発展が期待されるポジションです。

1. CIOの役割

CIOの役割はこの3点です。

  • デジタル戦略の策定・実行
  • IT技術を駆使した経営戦略の提案・実行
  • 全社のITリスクマネジメント


他の役職との違いを明確にするために、CIOの任務への理解を深めましょう。

デジタル戦略の策定・実行

CIOの役割は情報システムの管理にとどまらず、経営陣の一員としてデジタル戦略を立案することです。

CIOはIT部門を中心とした現場と経営層の橋渡しをする存在。ITの視点と経営的な視点の両方向から戦略を考えるのがCIOの使命です。

大切なポイントは、自社の成長につなげることに加えて、費用対効果の高いIT投資を行うこと。ただデジタル化を進めるだけでなく、企業価値が上がるデジタル戦略を立案しないといけません。

それに、ITに関する専門知識を元にして、無駄のない費用の使い方をすることが大切です。よくあるのが、IT投資をしても思ったような成果を出せないという問題です。

そんな悩みがある企業は、優秀なCIO人材を確保すれば問題が解決する可能性が高まります。

計画を立てたら、デジタル戦略を実行することもCIOの任務。部下に指示を出して現場を統括し、管理者としての役割も果たします。

IT技術を駆使した経営戦略の提案・実行

CIOは、情報システムの専門家達をまとめる立場。IT関連の最新技術を活用した経営戦略を立てるのもCIOの役割です。

分かりやすく言うと、デジタルの力で新しいビジネスモデルを生み出すこと。

ITビジネスを創出する際には、

  • 需要のある新規事業を考え出す
  • アイデアが実現可能か検証する
  • 新規事業の立ち上げにかかる予算計算


などのステップが必要です。すべてをスムーズに進めるためには、幅広い知識が必要となるため、IT技術と経営の両方のスキルを持つCIOが活躍します。

全社のITリスクマネジメント

社内全体のITリスクマネジメントを行うことも、CIOの役割のひとつ。サイバー攻撃や情報漏洩といった問題への対策を行います。

自社の弱みを見つけ出すためにリスク調査や分析を行い、経営計画の中にセキュリティ対策を盛り込むのがCIOの任務です。

また、社員へのセキュリティ教育はもちろんのこと、経営層への知識の伝達や啓蒙活動もCIOの仕事に含まれます。CIOは会社内のあらゆるITリスクに備えなくてはいけません。

2. CIOと名前が似ている役職

CIOと似ているのが「CEO」「COO」「CFO」「CTO」「CKO」です。それぞれの意味や特徴を見ていきましょう。

CEO(最高経営責任者)

会社の経営に関する責任を負うので、イメージとしては会長や社長に近い。端的には社のトップと言える。

 

COO(最高執行責任者)

CEOが決めた方針に沿った業務執行に関する責任を負う。CEOに次ぐナンバーツーの立場。

 

CFO(最高財務責任者)

財務計画を立案して遂行する。企業財務のトップでCOOに並ぶほどの地位を確立しつつある。

 

CTO(最高技術責任者)

技術に関する情報を一本化したり、現場の技術的な問題を解決するのが任務。CIOよりも現場に近いのが特徴。

CKO(最高知識責任者)

個人が持つノウハウ(知識)を共有して、経営戦略を立てる。ナレッジ経営に深く関わるのがCIOとの違い。

CIOに必要な資格や知識は?

CIOになるための資格や知識、能力は以下の通りです。

資格 ・必要なし
知識

・IT全般に関する専門的で幅広い知識

・経営学の基礎と実務に関する知識

能力

・コミュニケーション能力

・リーダーシップ

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1. CIOになるために必要な資格

CIOになるために特別な資格は必要ありません。しかし、ITストラテジスト試験MBAなど、情報処理技術や経営に関する資格を保持していると有利です。

2. CIOに求められる知識

CIOに求められるのはIT全般に関する知識です。現場レベルの実務スキルは不要ですが、最新の技術動向やセキュリティなど、一通りのITリテラシーは必須です。

情報システムの知識が不足していると、ただの経営者となりCIOとしての責任が果たせません。CIOを目指すなら、IT部門の人達に近いレベルの知識をつけることが望ましいです。

加えて、経営学の知識も求められます。戦略の立て方や予算配分、マーケティング関連、業務改善手法など、経営の基礎と応用を学ばなければなりません。それに、責任者として法律についても熟知しておくべきです。

3. CIOに求められる能力

CIOは様々な部署の人と協力したり、場合によっては社外の人とも接点を持ちます。そのため、高いコミュニケーション能力が必要です。

良好な人間関係を円滑に形成でき、さらに交渉力や折衝力の高い人物がCIOに向いています。

また、ITの世界にはたくさんの専門用語がありますが、素人でも分かるように説明するスキルも必須要素です。さらに、管理者として部下をまとめるリーダーシップや人材育成能力も求められるので、CIOになるためには色々なスキルをバランス良く身に付けないといけません。

目指すのはこんなCIO!

優れたCIOになるためには、知識や能力の他に経験も必要です。トップクラスのCIOを目指すために、理想のCIO像について考えてみましょう。

1. 豊富な知識と経験があり多角的な視点を持っている

目指すべきCIOは、豊富な知識と経験に裏付けされた多角的な視点を持っている人物です。

膨大な情報の中から価値ある情報をピックアップして効果的な戦略を立案するためには、テクノロジーやビジネスはもちろんのこと、金融情勢や社会変容など他の分野まで精通している必要があります。

CIOには多種多様な知識と経験が求められますが、最初からすべての要素を身に付けるのは不可能に近いです。まずは得意分野を明確にして、不足部分を補う訓練を続ければ理想のCIOに近づけるでしょう。

また、「経験」は個人の努力で習得しにくい部分なので、未経験分野は知識でカバーできるレベルまで学びを深めることが大切です。

2. 部門を超えた戦略を立案し企業の競争力を高められる

理想のCIOと言えるのは、部門や組織の壁を超えた戦略を立案できる人物です。自社が持つリソースを最大活用するためには、社全体を俯瞰して分析・行動しないといけません。

競争力を高めるためには、機械でもできる作業は徹底してデジタル化し、価値ある仕事に社員が集中できる仕組みを作る必要があります。

CIOが全社を横断してITを活かしたビジネスモデル変革を行えば、ライバルに勝てる強い企業に成長するでしょう。

3. 最高年収5,000万円を手に入れることができる

トップクラスのCIOの年収は5,000万円です。ロバートウォルターズが行った「給与調査  2020年 日本」では、テクノロジーの分野で以下の結果となっています。

銀行・証券・投信のCIOの年収 3,000万~5,000万円
上記以外の金融サービスのCIOの年収 2,200万~3,200万円

 

画像出典元:ロバートウォルターズ「給与調査  2020年 日本」

画像出典元:ロバートウォルターズ「給与調査  2020年 日本」

ただし、企業規模によってCIOの年収に差があり、ベンチャーや未上場の企業だと、800万円~1,500万円程度だと言われています。

日本のCIOはこれから開発が進むポジション。将来的には年収5,000万円以上も期待できます。

CIOの育て方

CIOの育て方は、「社内で育成する方法」と「社外からヘッドハンティング・中途採用する方法」の2種類があります。

1. 社内の人材に専門分野以外の知識をつけて昇進させる

CIOになるまでの過程は、情報システムを専門とする人が途中から経営を学んでCIO職に就くのが一般的です。順調に出世を繰り返して最終的にCIOに就任するパターンです。

営業や企画開発などビジネス系出身者でもCIOになれますが、テクノロジー分野をイチから学ぶのは難易度が高く、様々な部署をローテーションさせる必要があるので少数派です。

情報システムの責任者に必要なことを満遍なく学習・体験できるCIO特別コースや、未経験分野に関する研修を用意すると優秀なCIO人材の育成に役立ちます。

2. ヘッドハンティングで即戦力のあるCIO人材を確保する

社内にCIO候補がいない、または、今すぐに即戦力になるCIOが欲しい場合は、ヘッドハンティング・中途採用で人材を確保する方法が向いています。

DXなどの社内IT化、ITプロジェクトの推進、ITコンサル等の経験がある人材を社外から招く方法です。

CIOの活躍分野

CIOは「企業」だけでなく、「行政」や「教育分野」でも活躍しています。企業がCIOを設置する目的は競争力を高めるためやイノベーションを生み出すため。

行政は、業務の革新や情報技術の活用を推進するために政府CIOや自治体CIOの設置を進めています。

教育の分野では、高等教育機関のレベルアップ、教育環境の充実のためにCIOが活躍中です。

地域全体のデジタル化を推進しているのは、各地域の教育委員会におかれた教育CIOです。

CIOの活躍事例

日清食品HD CIO:喜多羅 滋夫氏

喜多羅 滋夫氏は2013年に日清食品の初代CIOに就任。前職では大手外資系企業のシステム部門の経験があります。

CIOとしてERP導入、レガシーシステムの修正、クラウド活用、テレワーク環境の整備などのデジタル化を推し進めました。

その結果、2020年に日清食品はデジタル技術の活用を競争力につなげている企業として、経済産業省と東京証券取引所による「DX銘柄 2020」に選出。

喜多羅 滋夫氏は2021年に独立し、株式会社ラック執行役員 IT戦略・社内DX領域担当 CIO、ダイドーグループホールディングス株式会社 IT統括責任者となりました。

メルカリ CIO:長谷川秀樹氏

長谷川秀樹氏はアクセンチュア株式会社で小売業の業務改革、マーケティング支援などに従事し、東急ハンズに入社後は執行役員オムニチャネル推進部長を務めました。

東急ハンズがV字回復を果たした裏には、Google Appsを導入するなど、長谷川秀樹氏のIT施策が関係していると言われています。

その後は、東急ハンズアプリで次世代のお買い物体験への変革を推進し、2018年にメルカリCIOに就任しました。

2019年11月には独立し、2020年からはコープさっぽろ非常勤CIOとして活躍しています。

ANA CIO:幸重孝典氏

幸重孝典氏は1978年にANAに入社し、営業推進本部マーケティング室チャネル企画部長などを経てCIOに就任

「IT推進室」を「業務プロセス改革室」へと機構改革を実施し、お客様向けのサービスと社内の業務プロセスの2つの面でイノベーションを起こしました。

日立製作所と共にシステムをクラウド化して運用コストを激減させた実績もあります。

まとめ

CIOは「最高情報責任者」のことで、現場・IT部門・経営陣をつなげる架け橋となる存在です。そのため、情報処理技術と経営の両方の知識や経験を必要とするポジションです。

CIOになるためには、多角的な視点を持ち行動力を兼ね備えていることが求められます。

CIOとして活躍したりCIO人材を上手に活用するためには、CKOやCTO等の他のポジションとの役割の違いを明確にすることが大切です。

デジタルの力を使ってイノベーションを起こせるのがCIOの強みです。優秀なCIOがいれば企業の競争力が高まるのは間違いないでしょう。

画像出典元:O-DAN

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