雇用契約書は必要!労働条件通知書との違いとは?記載事項と作成方法

雇用契約書は必要!労働条件通知書との違いとは?記載事項と作成方法

記事更新日: 2020/11/19

執筆: 編集部

雇用契約書は、雇用形態に関係なく会社と従業員で交わされる書類です。

この記事では、雇用契約書について解説します。

労働条件通知書との違い、雇用形態別の記載項目、保管期間を説明します。

作成方法では、自社作成のテンプレートや作成依頼先についても解説しました。

雇用契約書は変更や更新のたびに必要です。

雇用契約書に関わる業務を効率化し、ペーパレス化できる電子契約サービスと勤怠管理システムについても紹介します。

 

雇用契約書とは

雇用契約書とは「雇用主(会社側)と雇用される人(働く側)が双方で労働条件に合意したを証明する契約書」です。

労働契約書とも呼ばれています。

雇用契約書の交付・締結に雇用形態は関係ありません

混同される書類として「労働条件通知書」があります。

雇用契約書と労働条件通知書は「雇用契約書兼労働条件通知書」という書類があるように、別の書類です。

雇用契約書

【書類の意味】

通常の「契約書」と同じ書類です。
会社と従業員との契約書なので双方の合意・押印・書類管理が必須。

【発行・作成の義務】

法的義務はない(罰則なし)
任意の発行だが、トラブル回避のため国も「書面での契約締結」を推奨しています。

労働条件通知書(雇用通知書)

【書類の意味】

会社が従業員に「雇用します」という通知書なので押印は不要。

【発行・作成の義務】

法的義務あり。
労働条件通知書を交付しないと「30万円以下の罰金」

雇用契約書は「双方の雇用条件の合意」が必須

労働条件通知書(雇用通知書)には、労働基準法の「労働条件の明示」で定めた絶対的明示事項を記載します。

労働条件通知書は「通知書」なので「合意」は不要ですが「通知」は必須です。

一方、雇用契約書は民法に基づいた一般の契約書と同じ属性です。

契約は口頭でも成り立ちますが「言った・言わない」トラブルを回避するために書面にしたのが「契約書」です。

雇用契約書の目的は「雇用条件に雇用主と労働者が合意している」客観的な証明です。

会社は誰かを雇用したら1~3のパターンを選び、雇用者へ交付する責務があります。

1. 「労働条件通知書」だけを作成・通知
2. 「雇用契約書」と「労働条件通知書」をそれぞれ作成・交付:締結
3. 「雇用契約書兼労働条件通知書」だけを作成・交付・締結

参考:労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)

雇用契約書の記載項目

雇用契約書には契約内容(労働条件)を細かく明示しなければなりません。

雇用契約書に契約内容を記載することで、労働基準法で求められている書面による労働条件の明示の役割を兼ねています。

よって「労働通知書」と同じ記載項目のルールが適用されます。

絶対的明示事項(書面による明示が必要な項目)

    • 1、労働契約の期間 
    • 2、就業場所 
    • 3、従事する業務の内容 
    • 4、始業・終業時間 
    • 5、交代制のルール事項
    • 6、所定労働時間を超える労働の有無 
    • 7、休憩時間、休日、休暇 
    • 8、賃金の決定、計算、支払方法、締切日、支払日 
    • 9、昇給に関する事項 
    • 10、退職に関する事項(解雇の事由を含む)
    •  

相対的明示事項(口頭による明示でもかまわない項目)

1、昇給に関する事項
2、退職手当が適用される労働者の範囲、退職手当の決定方法、計算と支払いの方法、支払いの時期に関する事項
3、臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
4、労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
5、安全衛生に関する事項
6、職業訓練に関する事項
7、災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
8、表彰、制裁に関する事項
9、休職に関する事項

参考:厚生労働省よくある質問「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。」

正社員の場合

無期限の雇用契約である正社員の場合、下記を明記することが望ましいです。

断定出来ない場合は「あり得る」と明示しておく必要があります。

1. 転勤の有無
2. 人事異動や携わる業務内容の有無

 

契約社員の場合

契約社員の場合は、他の雇用形態より契約期間・契約更新・業務内容に関して細かく明示をしなければなりません。

契約更新のたび、改めて雇用契約書の交付・締結が必要です。

1. 契約期間
2. 契約更新の有無(どのように更新が決まるのか、いつまでに更新の有無を予告するのか、など)
3. 労働内容の詳細
4. 労働内容・条件の変化の有無


「2、契約更新の有無」に関しては注意点があります。

  • 1年を超えて継続して雇用している
  • 3回以上更新されている契約

上記の条件が当てはまる契約社員に対して雇用主は、契約満了日の30日前までに労働者に雇い止めの予告が必要です。

ただし、契約時に「当該契約を更新しない」と明示されている場合は予告不要です。

「雇止めの理由の証明書」の請求

契約社員は雇用主に「雇止めの理由の証明書」を請求できます。

証明書を請求された場合、会社は雇用止めの理由を明示しなければなりません。

参考:有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について

パートタイムの場合

パートタイム(アルバイト)を雇用する場合は下記を明記することが必須です。

1. 昇給の有無
2. 退職金の有無
3. 賞与の有無 
4. 相談窓口の担当者、役職、氏名


上記の4点は労働基準法では「相対的明示事項」ですが、パートタイム労働法では「絶対的明示事項」になるため、パートタイム(アルバイト)を雇用する場合は明記が必須です。

求人募集時と労働条件が異なる場合

必ず何がどのように変わったのか、明記しなければなりません。

「当初、時給1.200円と提示していましたが、時給1.000円になりました」

「当初、基本給25万円/月としていましたが、基本給25万円/月、通勤手当3万円となります」

変更・更新のたびに作成する

雇用形態問わず、契約内容(労働条件)が変わるたびに新たな雇用契約書は作成・交付・締結します。

雇用契約書の作成と締結

テンプレートを利用する

雇用契約書兼労働条件通知書(出典:厚生労働省HP

雇用契約書に決まった様式はありません。

記載項目に不備がなければ、手書きやWordやドキュメントで作成できます。

自社で雇用契約書を作成する場合は、一から作成するよりテンプレートの利用がおすすめです。

「雇用契約書 テンプレート」で検索すると多くのサイトがありますが、信頼できるサイトか判断が必要です。

もしくは、労務関連の書籍の付録テンプレートをダウンロードできるサイトも活用できます。

 

社労士・弁護士へ作成を依頼する

雇用契約書の作成は、社会保険労務士(社労士)へ作成依頼をすることができます。

一般的な雇用契約書は労働・社会保険の問題の専門家である社労士が向いているといわれています。

一般的な雇用形態ではなく、雇用主と従業員の間で調整や専門事項が多い雇用契約書は弁護士が向いています。

雇用契約の内容に応じて社労士・弁護士どちらへ依頼するか判断しましょう。

 

押印(署名)

雇用契約書は2部作成し、両者の押印(署名)をした上で、雇用主(会社)と雇用される人(従業員)それぞれが各1部づつ保管します。

2部作成・押印するのは改ざんを防ぐのが目的です。

 

雇用契約書の保管方法と期間

ファイルやバインダーで保管する

雇用契約書は折り曲げたりせず見返せるようにファイルやバインダーで保管します。

雇用契約書は個人情報であり、何か従業員とトラブルが起こった時の重要な証拠書類です。

保管の間は紛失・流出・改ざん防止として、担当者を限られた人に絞りましょう。

保管期間は5年

雇用契約書は労働基準法109条「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類」に該当します。

保管期間は5年間です。

なるべく光を避け劣化・文字の退色に気を付け、破損・紛失に注意しましょう。

参考:改正労働基準法等に関するQ&A

保管期間終了後に破棄する

雇用契約書の保管期間が過ぎたら速やかに廃棄します。

シュレッダーや溶解など外部へ情報漏洩しない廃棄方法を選びましょう。

参考:未払賃金が請求できる期間などが延長されます

雇用契約書のペーパレス化とは

メールやSNSで送るのは「通知書」

労働通知書は、2020年4⽉1⽇からは労働者が希望した場合は、FAXや電子メール、SNS等でも通知できるようになりました。

しかし、雇用契約書は「書」のため書面と押印が必須で原本を双方が管理しなければなりません。

参考:「労働基準法施⾏規則」 改正のお知らせ

下記のシステムを活用すればデータでも法的効力を持った雇用契約を交わすことができます。

人材派遣会社や飲食店など多くの人材の雇用契約書が必要な業種はシステム導入が始まっています。

電子契約サービスを活用

電子契約サービスは法律に基づいた「契約書の電子データ化」を行うシステムです。

雇用契約書は「契約書」なので電子契約サービスを利用して作成・署名・交付・保管を行うことができます。

電子契約サービスを利用した「契約」は、法律に基づいた契約データとなるため、書面の契約書と同じ法的効力となります。

電子契約サービスを活用すれば、雇用が発生するたびに人事労務担当者が行っていた書面の作成・発行・管理が簡単に行えます。

電子契約でも雇用契約データの管理は、書面と同じ5年間です。

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労務管理システムを活用

労務管理システムは会社の入社から退社までの人事労務業務を一括管理できるシステムです。

労務管理システムで雇用契約を交わすと、従業員データに紐づけされ、雇用に関する手続きだけでなく労働時間管理・給与・有給休暇・年末調整などあらゆる人事労務管理を自動化してくれます。

労務管理システムを活用した雇用契約も法的効力を持った契約となり、書面と同じ法的効力を持ちます。

労務管理システムでも雇用契約データの管理は、書面と同じ5年間です。

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まとめ

雇用契約書は、会社と従業員が双方納得した条件で働いている証明書類です。

国も口頭ではなく「労働条件の書面通知」を推奨しています。

雇用主と従業員に食い違いがないように労働条件の記載項目を正しく明記した雇用契約書が重要です。

電子契約サービスや勤怠管理システムを活用した「雇用契約書のペーパレス化」も進んでいます。

システムを活用して雇用契約書に関わる業務の効率化を図りましょう。

画像出典元:O-DAN

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