同族経営とは?メリットやデメリット、定義や特徴、企業例を解説!

同族経営とは?メリットやデメリット、定義や特徴、企業例を解説!

記事更新日: 2020/08/07

執筆: 編集部

日本国内だけでなく世界的にも数が多い同族経営は、経済を支える上で非常に重要な役割を担っています。

特に日本には同族経営による長寿企業の割合が他国と比較した場合非常に高いです。

同族経営について理解を深めた上で経営に活かしていきましょう。

この記事では、同族経営の定義や特徴、メリット・デメリット、同族経営の企業例を解説していきます。

同族経営とは?

まずは同族経営とはどのようなものなのか、基礎的な定義と具体的な組織構造などについて解説します。

同族経営の定義

同族経営とは特定の親族・一族などが経営する企業のことを指します。

他にも

  • ファミリービジネス
  • ファミリー企業
  • 家族経営
  • 同族企業

と言った表現をされることも多いです。

創業者の一族が企業経営において実質的な支配権を持っているのが特徴で、会社の所有権も一族が持っています。

具体的に同族会社とはどのようなものか

日本では法人税法で同族会社(同族経営)の定義が定められています。

会社の株主の3人以下が議決権の50%以上を保有しており、なおかつその株主である個人または法人同士が以下の条件に当てはまる「特殊な関係」にある場合は法律上で「同族会社」として扱われます。

「特殊な関係にある個人」の条件

一 株主等の親族

二 株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者

三 株主等(個人である株主等に限る。次号において同じ。)の使用人

四 前三号に掲げる者以外の者で株主等から受ける金銭その他の資産によつて生計を維持しているもの

五 前三号に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

引用元:法人税法施行令 第4条 同族関係者の範囲

 

「特殊な関係にある法人」の定義

一同族会社であるかどうかを判定しようとする会社の株主等(当該会社が自己の株式又は 出資を有する場合の当該会社を除く。以下この項及び第四項において「判定会社株主等」 という。)の一人(個人である判定会社株主等については、その一人及びこれと前項に規 定する特殊の関係のある個人。以下この項において同じ。)が他の会社を支配している場 合における当該他の会社

二判定会社株主等の一人及びこれと前号に規定する特殊の関係のある会社が他の会社を 支配している場合における当該他の会社

三判定会社株主等の一人及びこれと前二号に規定する特殊の関係のある会社が他の会社を 支配している場合における当該他の会社

引用元:法人税法施行令 第4条 同族関係者の範囲

 

日本における同族経営の割合

株式の需要がない中小企業などでは同族経営は珍しくありません。

日本国内では95%の企業が同族経営です。

世界全体の企業の80〜90%は同族企業とも言われており、同族経営は全世界で経済を支える重要な役割を担っています。

さらに日本国内の上場企業の50%超は同族企業です。

日本国内で100年以上続いている企業の多くは同族経営であり、世界的に見ても日本は長生きな同族企業が多いことでも知られています。

同族経営の特徴

同族経営にはそうでない企業にはない特徴があります。

以下にその特徴を紹介します。

経営陣に社長と同じ名字の人が多い

同族経営は「ファミリー(家族)企業」とも言われるように特定の家庭の一族が経営を担っています。

そのため会社に対して支配権を持つ経営陣に社長と同じ名字の人が多いことがあります。

経営陣に同じ名字の人が多い場合は同族経営である可能性が高いです。

後継者問題が発生しやすい

同族経営では一族の中から後継者を探さなければなりません。

そのため後継者の選択肢が少ないという特徴があります。

一族内に適任者がいる場合は問題ありませんが、適任者がいない場合は後継者選びに困ってしまいます。

日本の同族企業は長寿

世界的に見て日本の同族企業は長寿であることが知られています。

日本には100年以上続く企業が約25,000社存在しますが、この数字は世界的に見ても非常に多いです。

さらに長寿企業の9割が同族企業であることも分かっています。

同族経営のメリット

同じ一族で経営をすることにはさまざまなメリットがあります。

経営理念が浸透しやすい

家族や一族同士の方が他人よりも互いに考え方を理解しやすいことが多いです。

これは企業経営でも言えることであり、同族経営では創業者の理念が経営陣に浸透しやすくなります。

経営陣が創業者の経営理念を理解していることはその他の従業員にも影響を及ぼし、結果として企業全体に経営理念が浸透することになります。

経営理念の浸透は社会的な信用を維持する上でも重要です。

経営方針に一貫性を持たせ、ブレない経営を実現します。

同族経営は安定した経営を実現しやすいです。

コスト削減

親族は通常の従業員よりも安い報酬で働いてくれることがあります。

創業当初や経営状況が苦しい場合でも、人件費を削減するための報酬の減額にも他の従業員よりも応じてもらいやすいです。

安定した長期経営

上記で解説したとおり、特に日本の長寿企業は同族会社がほとんどです。

経営に対するコミッション度が同族企業では高く、そのため社会的信用も得やすくなります。

ブランド力が高くなりやすいのも同族企業の特徴です。

社会貢献度が高い

同族企業の経営陣はプライベートと仕事の境界線があいまいになることが多いです。

そのため社会貢献意識が高まる傾向があります。

同族経営のデメリット

一方で同族経営にはデメリットも存在します。

同族間の争いが起こる

一族内で意見が分かれた場合、同族間の争いが起こります。

派閥争いに発展することもあり、働いている従業員たちも巻き込まれることもあります。

同族間の争いは長期間にわたる泥沼化することもあり、会社全体を大きく揺るがす危険性も高いです。

過去には実際に同族間の揉め事で倒産した企業も存在します。

身内以外は窮屈な思いをすることもある

経営陣の一族ではない従業員にとっては窮屈な思いをすることもあります。

トップダウンによる経営方針の決定が顕著に行われたり、社長によるワンマン経営が横行することも多いです。

身内以外の従業員には発言権や決定権がないこともあります。

コーポレートガバナンスの欠如

仕事とプライベートの境界線があいまいになりやすい同族企業は、公私混同が起こりやすい環境でもあります。

法令遵守が徹底されていなかったり、取締役会による監査も緩くなりがちです。

社長の誤りが是正されないこともあります。

能力不足

同族贔屓によって能力のない人物が経営を任されることも同族会社では起こりえます。

本来能力がない人物が会社を動かそうとするので、失敗することも多いです。

さらに同族だからという理由で高い地位を任された人物は他の従業員に対して傲慢な態度を取ることもあります。

同族経営の企業例

最後に同族企業の例を日本国内と世界に分けて紹介します。

日本の同族企業例

トヨタ自動車

自動車会社として有名なトヨタ自動車も、豊田家による同族経営の企業です。

豊田佐吉(とよださきち) が1926年に愛知県碧海郡刈谷町で創業した「豊田自動織機製作所」という会社が起源です。

キヤノン

カメラや光学機器などのメーカーとして知られるキヤノンも日本の同族企業です。

御手洗毅が創業者の一人であり、現在も御手洗家が経営を行っています。

世界の同族企業例

ポルシェ

ドイツの自動車メーカーポルシェも同族経営です。

ポルシェは同じくドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンの自動車を設計したフェルディナント・ポルシェが新たなデザインを設計したことをきっかけに誕生しました。

後にポルシェ家は同族経営から退き、ピエヒ一族が経営に携わっています。

LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン

ルイ・ヴィトンのアパレルブランドとしても知られているフランスのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンはアルノー一族が経営している会社です。

世界最大のファッション企業とも言われています。

まとめ

ワンマン経営や同族間の揉め事が起こることもある同族企業ですが、経済を支える上で重要な経営方法でもあります。

特に日本は長寿な同族企業が数多く存在する国です。

メリット・デメリットを理解した上で経営に活かしていきましょう。

画像出典元:Pixabay

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