英語の契約書も電子契約で締結可能!メリットや締結時の注意点を解説します

英語の契約書も電子契約で締結可能!メリットや締結時の注意点を解説します

記事更新日: 2024/07/26

執筆: Mai Nemoto

ハンコ文化がある日本に比べて、海外では多くの企業で電子契約の導入が進んでいます。

本記事では、英語と日本語の契約書における相違点、海外における電子契約の利用状況、英語の契約書を電子化するメリットについて解説しています。

締結する時の注意点や英語契約書で使用される文言、さらには英語対応の電子サービス3選についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

英語と日本語の契約書における相違点

まずは、英語と日本語の契約書における相違点について解説します。

  • 言い回しや用語が違う
  • 契約文化や商慣習が違う
  • 準拠法や裁判管轄所が違う
  • 契約書の構成や締結形式が違う

言い回しや用語が違う

日本語の契約書には、独特の言い回しや法律用語が記載されていますが、同様に英語の契約書ならではの表現が存在しています。

例えば、日本語の契約書で「本契約の」「本契約に対する」と表現しているのを英語に直訳すると、「of the Agreement」「to the Agreement」になります。

しかし、実際に英語の契約書を確認すると「hereof(本契約の)」「hereto(本契約書に対する)」と記載されているのです。

英語の契約書で使用される言い回しや用語を予め勉強し、正しく内容を理解できるようにしておきましょう。

契約文化や商慣習が違う

日本と海外では、ビジネスの文化・習慣・考え方・価値観などに大きな違いがあります。

例えば、日本では信頼できる相手との取引を前提としており、何か疑問や問題が発生した際に当事者同士が話し合って解決できるよう契約書には協議事項を記載するのが一般的です。

一方で海外は、リスクに重きを置いており、契約内容を細かく記載することで、万が一の場合でも契約書で縛れるようにしておく完全合意条項の考えが多く用いられています。

準拠法や裁判管轄所が違う

日本と海外で取引を行う場合、どちらの国の法律を基盤として契約書を作成するのか、問題が発生した際にどの国の裁判管轄となるのかを予め決定する必要があります。

基本的には、取引上の優位性(Bargaining power)に伴って契約書の準拠法や裁判管轄所を決定します。

契約書の構成や締結形式が違う

日本と海外では、契約書の構成・締結形式にも違いがあります。

例えば、日本では昔から印鑑の使用が根付いていますが、海外にはハンコ文化がないので署名やサインで同意を表現します。

また、日本よりも電子契約が進んでおり、署名やサインをした契約書をスキャンによってデータ化し、メールやシステム上で送り合うことで締結完了となる方法が浸透しています。

海外における電子契約の利用状況

電子契約は、多くの国で導入が進んでいます。

ここでは、アメリカ・ヨーロッパ・アジアにおける電子契約の利用状況をご紹介します。

アメリカ

アメリカは世界で最も電子契約が進んでいる国の1つです。

1999年には統一電子取引法(UETA)が制定されており、早い段階で法整備を始めていました。

また、2000年にはアメリカにおける全ての電子取引に適用されるESIGN法(ESIGN Act)が制定されています。

しかし、アメリカでは統一商事法典(UCC)という商事モデルのルールがあるため、取引をする際は州法なども確認しておく必要があります。

ヨーロッパ

アメリカと同様に電子契約化が早くから進んでいる地域です。

多くの国が加盟しているEUでは、電子署名指令が発布されてから独自の電子契約が進みました。

2014年にeIDAS規則(eIDAS Regulation)が採択されたことで、EU加盟国であれば国を跨いだ電子契約を実現できるため、経済活動の成長にも繋がっています。

しかし、一部の取引では不可であるケースもあり、国によって異なる法律や規制には注意が必要です。

アジア

アジアの市場でも、契約の電子化が進みつつあります。

香港では、政府によって「情報基盤拡大、電子商取引育成を目指す戦略」が進められ、その後、電子交易条例が制定されたことで、電子署名が手書きと同等の効力を持つようになりました。

マレーシア・韓国・シンガポール・タイ・マレーシア・台湾などでも1997年より順次、電子署名に対する法律が制定されています。

英語の契約書を電子化するメリット


英語の契約書を電子化するメリットについて解説します。

  • コストの削減につながる
  • リードタイムの短縮化
  • 修正がしやすい
  • クラウド上で一元管理が可能になる

コストの削減につながる

電子契約の導入は、コストの削減につながります。

紙の契約書を使用した場合は、用紙・インクなどの印刷代や郵送費用などが必要であるため、電子化することによって経費削減を実現できます。

リードタイムの短縮化

電子契約を導入することで、契約締結までに必要なリードタイムを短縮化できます。

紙の契約書の場合は、契約書の作成・確認・郵送・押印・返送と各プロセスに時間がかかってしまいます。

しかし、電子契約にすることで、全てをオンライン上で進めることができるため、従来よりもスピーディーに契約締結まで完了させることができるのです。

修正がしやすい

電子契約を活用することによって、契約書の修正がしやすいというメリットもあります。

紙の契約書を修正したいとなった場合は、作成・印刷をし直したり、訂正印を押印するといった工程が発生します。

電子契約であれば、すぐにオンライン上で修正をして、差し替えることが可能です。

クラウド上で一元管理が可能になる

電子契約であれば、クラウド上で契約書を一元管理することができます。

紙の契約書の場合は、締結後に書類を保管する場所を確保しなければならないだけでなく、特定の契約書を確認する際に探す手間もかかります。

クラウド上でまとめて管理ができれば、契約中だけでなく締結後も簡単に契約書を確認することが可能となります。


人気の電子契約サービスが知りたい方はこちら!

英語で電子契約を締結する時の注意点

続いては、英語で電子契約を締結する時の注意点について解説します。

  • 英語対応のサービスか
  • 海外の法律に対応しているか

英語対応のサービスか

利用する電子契約サービスが、英語に対応しているか確認しておきましょう。

契約書を英語で作成し、アップロードしたとしても、電子契約サービスの言語が日本語にしか対応していなければ、取引相手は理解できません。

取引先が理解できる言語で契約締結までの操作ができるサービスを選定してください。

海外の法律に対応しているか

海外の法律に対応しているかという点は、電子契約サービスの選定時に注意すべきポイントです。

アメリカであればESIGN法(ESIGN Act)・EU加盟国であればeIDAS規則(eIDAS Regulation)など、取引先の国によって電子契約に関する法律は異なります。

どちらの国の法律に準拠するのかは、取引上の優位性(Bargaining power)によって変わるため、海外の法律にも対応しているか確認しておきましょう。

英語契約書で使用される文言

英語の契約書では、独特の言い回しや法律用語が存在します。

契約後に問題が発生しないようにするためにも、正しい理解が必要です。

ここでは、英語の契約書でよく使用される文言の一部をご紹介します。

英語 意味
Definitions 定義
Introductory Clause 頭書
Execution Date 締結日
Parties 当事者
Principal Terms 主要条件
prescribed in the preceding paragraph 前項に規定
pursuant to the provision of に定めるところにより
shall not preclude することを妨げない
may することができる(許可や権利を表す)
may not することができない(不許可を表す)

英語対応の電子契約サービス3選

ここでは、英語対応の電子契約サービス3選をご紹介します。

1 電子印鑑GMOサイン

画像出典元:「電子印鑑GMOサイン」公式HP

ツール紹介

導入企業350万社以上、累計送信件数2,000万件以上を誇る実績の高い電子契約サービスです。

三者間以上の契約にも対応しており、さらに閲覧制限や役割・権限設定もできるため、利便性とセキュリティの両面に強みが有ります。

日本語・英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・タイ語・ベトナム語・ミャンマー語の8言語に対応しています。

料金

  お試しフリープラン 契約印&実印プラン
(立会人型&当事者型)
月額費用 無料 9,680円
ユーザー数 1 無制限
送信数 上限5件/月 無制限

(税込)

2 クラウドサイン

画像出典元:「クラウドサイン」公式HP

ツール紹介

クラウドサインとは、官公庁や金融機関も利用している高いセキュリティが期待できる電子契約サービスです。

導入企業は250万社以上、累計送信件数は1,000万件以上あります。

有料プランであれば、送信時の設定で英語もしくは中国語のインターフェースで送信することが可能です。

料金

  Light Corporate Business Enterprise
月額費用 11,000円 30,800円 要問合せ 要問合せ
ユーザー数 無制限
送信数 無制限
電話サポート   有り 有り 有り
専任担当     有り 有り

(税込)

3 DocuSign

 画像出典元:「クラウドサイン」公式HP

ツール紹介

DocuSignとは、アメリカのカリフォルニア州に本社を置くDocusign, Inc.の電子契約サービスです。

導入企業は全世界で100万社以上、10億人以上のユーザーが利用しています。

英語(米国)・中国語(簡体字/繁体字)・オランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポーランド語・ポルトガル語(ブラジル/ポルトガル)・ロシア語・スペイン語の14言語に対応しています。

また、受信者は44言語で署名することが可能です。

料金

  Personal Standard Business Pro ENHANCED PLANS
月額費用

月額払い:1,650円

年間一括払い:13,200円

月額払い:5,000円(1ユーザー)

年間一括払い:33,600円

月額払い:7,200円(1ユーザー)

年間一括払い:52,800円

要問合せ
ユーザー数 1ユーザー 最大50ユーザー 最大50ユーザー 51ユーザー以上
送信数 毎月5件 要問合せ 要問合せ 要問合せ

(税表記なし)
※その他、eSignature(不動産業界向け)プランあり

 

上記以外に、人気の電子契約サービスが知りたい方はこちら!

まとめ

英語と日本語の契約書における相違点、海外における電子契約の利用状況について解説してきました。

英語の契約書を電子化することで、リードタイムの短縮化やクラウド上での一元管理ができるようになるため、業務効率化にもつながります。

取引先の言語や海外の法律に対応しているかを確認した上で、適切な電子契約サービスを導入してください。

画像出典元:O-DAN

この記事に関連するラベル

最新の記事

ページトップへ