データ分析ツールは、膨大な社内データを一箇所に集約して、わかりやすく視覚化して、簡単に共有できるツールです。
データを集めるものの分析の手間に閉口している企業や、Excelでのデータ分析に物足りなさをお感じの企業にはうってつけのツールです。
この記事では、おすすめのデータ分析ツールや選び方のポイント、メリット・デメリット、利用する際の注意点を解説していきます。
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このページの目次
Excelとデータ分析ツール、どちらが使いやすい?は作業内容によって異なります。
一言で言えば、 Excelは「扱うデータ量のボリュームが小さい作業」に向いていて、データ分析ツールは「扱うデータ量のボリュームが大きい作業」に向いています。
Excel | データ分析ツール | |
向いているシーン | 扱うデータ量のボリュームが小さく、こまめに入出力を行って作成する、簡単な図表作成・データ分析 | 大容量のデータを扱い、複数のデータソースを集約して行う複雑な集計・分析 |
強み | 世代を超え、多くの人が使ったことがあるという身近さ |
社内基幹システム、ソフトウェア、SNS、クラウドサービスなど、あらゆるデータソースに連携できる 大容量のデータをらくらく扱える |
データ分析に便利な機能 |
480超の関数 ピボットテーブル・ピボットグラフ |
ダッシュボード AIによる自動分析 |
Excelの関数・ピボットテーブルは大変優秀な機能で、日常の集計業務であればExcelで充分事足りる人の方が多いでしょう。
ただしデータ容量が多くなると算出の時間が長くなったり、そもそものデータ精度の担保ができない、という意味では、データ分析ツールのほうが秀でています。
複雑な分析を行う際にはAIが分析を支援してくれるツールも存在します。
普段や作業ベースの分析はExcel、ビッグデータを扱う分析やパワーユーザー向けにはデータ分析ツール、というように切り分けるとよいでしょう。
画像出典元:「Microsoft Power BI」公式HP
マイクロソフト社が提供するBIツールなので、すでにMicrosoft製品を利用中の企業におすすめです。
Microsoft製品以外でも、SharePointやSalesforce 、SNSなど数百ものオンプレミスやクラウドのデータソースに接続することが可能です。
特に、 Excelとの相性が抜群で、 現在利用中のエクセル全てのクエリ、データモデル、レポートを「Microsoft Power BI」に連携させ、主要ビジネスデータの収集から分析、探索を簡単に、かつスピーディーに行えます。
Windows、iOS、Androidに対応したBIアプリを使用すれば、あらゆるデバイスからの利用も可能です。
プラン | 月額 | ポイント |
無料版 | 無料 | 個人利用、共有されているコンテンツを使用するだけなら、無料版がおすすめ。 |
Power BI Pro | 1,090円/ユーザー |
自分がコンテンツを配布する側ならば有料版を。 |
Power BI Premium |
ユーザーベース: 容量ベース: |
ユーザーベース/容量ベースから、自社にあう使い方を選択 |
画像出典元:「Tableau」公式HP
「Tableau」(タブロー)は直感的に使いこなすことができ、データのビジュアル分析に強いBIプラットフォームです。
アナリストだけでなく、デザイナーやユーザの視点もよく組み込まれているのが特徴で、分析フローを中断することなく視覚的なデータ検索を無制限に続けられたり、オシャレでデザイン性の高いダッシュボードが作成できるなど、どこまでもユーザファーストのBIプラットフォームであることが人気の理由です!
100万人以上のユーザが集まる「Tableau コミュニティ」では、国境を超えてユーザ同士サポートしあっているので、コミュニティに参加することにより、新しい発見も期待できます。
Tableau(タブロー)の料金プランは、組織向け・個人向けとニーズに合わせて提供されています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
Dr.Sumは、6,900社以上での導入実績があるデータ分析ツールです。
特筆すべきはその処理スピード!なんと10億件のデータを約1秒で高速集計できます。
多くの企業が散在した分析データを統合する“データ分析基盤”として活用しており、億単位のビッグデータの分析に対応するので、事業拡大に伴いデータが増加しても安心です。
操作は直感的で、「BI の知識をまったく持たない人でも操作に戸惑うことがありませんでした。」という口コミもあります。
基本となるDr.Sum エンジンの初期費用:345万円(1サーバー/初年度の保守費込/税別)
※詳細についてはお問い合わせいただく必要があります。
プラン | 初期費用 | 月額 | テーブル毎の最大データ件数 |
Entry | 50万円 | 15万円 | 250万件/テーブル |
Small | 25万円 | 2000万件/テーブル | |
Medium | 50万円 | 1億件/テーブル | |
Large | 200万円~ | 個別問合せ |
画像出典元:「AIさくらさんのAI予測システム」公式HP
「AIさくらさんのAI予測システム」はAI予測の知識がなくても活用できる需要・リスク予測システムです。
必要なデータ準備からデータ整形・分析まで、AI予測の専門家に無制限でサポートを依頼できることが魅力。
イベントの商品在庫の予測、来店数の予測や人員配置まで様々なビジネスの意思決定をデータに基づいて検討できます。
料金プランは以下の通り、初期費用+月額費用となっています。
画像出典元:「Salesforce Datorama」公式HP
「Salesforce Datorama」は、セールスフォース社がサービス提供する「Marketing Cloud」の中の一つのツールで、全てのマーケティング情報を1つのプラットフォームに統合し、分析できるツールです。
Google AnalyticsやFacebook、Adwordsなど、API公開による対応マーケティングツールは7,000を超え、あらゆるデータソースに瞬時に接続、統合が可能です。
また、マーケティングに特化したAIにより自動で分析されるので、分析にかかる時間を大幅に短縮できます。
世界中の企業にクラウドベースのMAシステムを提供するセールスフォース社の製品なので、マーケティングの強化を狙うならおすすめです。
詳細はお問い合わせの必要があります。
画像出典元:「Srush」公式HP
「Srush」は、データ活用に必要なさまざまな機能を搭載したオールインワンの分析ツールです。
操作はクリックだけ、ノーコードでデータ連携ができるため、誰でも簡単にデータ管理・活用ができます。
連携可能なデータソースは100種類以上あり、ほとんどの既存のシステムからデータを流用可能です。
また、メール・チャット・Zoomを活用した導入支援をおこなうなど、カスタマーサポートも充実しています。
Srushの料金プランは、お客様の状況をヒアリングしてその規模や要件に応じて変動することから、具体的に決まっていません。
Srushの公式ページには「無料デモ申し込み」の記載があるため、プラン内容によっては無料デモを利用できる場合もあります。
無料デモ | 有料プラン | |
初期費用 (税込) |
0円 | 要問合せ |
月額費用 (税込) |
0円 | 要問合せ |
画像出典元:ONE 公式HP
「ONE」は、マーケティング支援分野で豊富なノウハウを持つREHATCH株式会社が提供する広告分析に特化したBIプラットフォームです。
OLAP分析、データマイニング、シュミレーションなどの機能により、広告媒体の運用データとCRM/SFAなどの顧客データの統合管理を可能にし、LTVやCVなど最終的な財務効果につながる広告運用を実現。
機能が充実していながらダッシュボードなどのインターフェースはシンプルで使いやすく、ノウハウの乏しい企業でも導入しやすい製品です。
画像出典元:「需要予測AIサービス Deep Predictor」公式HP
「需要予測AIサービス Deep Predictor」は、独自のAIシミュレーションにより、予測だけにとどまらず、根拠やするべきこと、見込める効果など、必要な情報をすべて提示してくれる需要予測システムで、データ分析ツールとして役立ちます。
自動で高精度のAIモデルを構築してくれるので、データ分析にかかる時間・コストを削減。
UI画面はカスタマイズした可視化機能や、可視化UIの構築をしてくれるため、現場ですぐに使用することができます。
データサイエンティストが課題設計、導入・運用まで支援してくれるので、専門知識がなくても安心して導入できます。
料金プランについては、問い合わせが必要です。
費用を抑えたサービス活用方法に関する柔軟な提案も可能なので、予算やコストパフォーマンスが気になる方は、まずは相談してみると良いでしょう。
【無料】今すぐ資料をダウンロードする
画像出典元:Kikimimi公式HP
「Kikimimi」は、化粧品や美容領域に特化した口コミデータの収集・分析を得意とする口コミ分析サービスです。
年齢層・肌質・髪質等、ターゲットにあわせて細かいペルソナを捉えて、精度の高い分析を行っていきます。
リアルタイムでデータの自動取得ができるのはもちろん、競合品との比較や分析も可能です。
7日間限定のフリートライアルのほかに、基本プランとしては、ベーシックプランとプロプランの2つを提供しています。
また、プロによる徹底的なサポートを受けたい企業向けに、サポートプランも用意しています。
詳しくは問い合わせて確認するといいでしょう。
トライアルプラン | ベーシックプラン | プロプラン | |
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 | 0円 | 55,000円 | 220,000円 |
アカウント数 | 5ID ※1社のみ利用可 共通ID不可 |
無制限 ※1社のみ利用可 共通ID不可 |
無制限 ※1社のみ利用可 共通ID不可 |
同時データ取得商品数 | 10商品まで ※適宜入れ替え可 |
10商品まで ※適宜入れ替え可 |
制限なし |
初回データ取得 | 24~48時間 | 24~48時間 | 前日までのデータを即時 ※随時対応予定 |
契約期間 | 7日間 | 1カ月~ | 1カ月~ |
支払い方法 | - | 請求書払い | 請求書払い |
DL可能対象 | グラフのみ | グラフ、生データ (有償オプション) |
グラフ、生データ (有償オプション) |
(税込み)
画像出典元:「Knowns Biz」公式HP
「Knowns Biz(ノウンズ ビズ)」は、ノウンズ株式会社の提供するデータ分析ツールです。
独自の分析フレームワークで、従来の分析では見逃しがちな新たなビジネスチャンスを可視化します。
また、億単位の膨大なデータから、属性データと消費者意識データを掛け合わせた高度な分析で、顧客の潜在ニーズや行動を深く理解することができます。
さらに、料金体系は、利用アカウント人数によるため月額制ですきなだけデータの活用が可能です。
Knowns Bizの料金プランは下記の通りです。
Lightプラン | Basicプラン | Proプラン | |
初期費用 | 10万円 | ||
月額利用料 (12ヶ月間契約) |
10万円 | 20万円 | 50万円 |
月額利用料 (6ヶ月間契約) |
11万円 |
22万円 |
55万円 |
アカウント利用人数 | 1〜3 | 1〜10 | 1〜40 |
分析機能※1 (オリジナルジャンル) |
× | ○ | ○ |
カジュアルリサーチの 自動ダッシュボード |
× | ○ | ○ |
オプション※2 特化型分析(CM分析) |
○ | ○ | ○ |
(税表示なし)
※1 オリジナルジャンル 独自に選んだ自社と競合だけでのポジショニングマップなども制作可能。
※2 特化型分析 より専門的に分野を絞った分析。
また、下記の機能もオプションサービスとして提供されています。
サービスの無料お試しも可能なので、導入前に利用してみましょう。
「Sisense」は、世界4,000社以上が導入している第三世代のBIテクノロジーを活用したBIツールです。
100種類以上のコネクターを活用したデータ連携が可能であり、一般的なBIツールよりも100倍の処理速度が魅力。
開発拠点がイスラエルであるため公式ドキュメーションは全て英語となっていますが、日本語設定も可能なので、初めて導入する方も安心して運用できるでしょう。
導入費用については、Sisenseへ問い合わせて確認が必要ですが、製品のデモンストレーションやPOCの実施について相談が可能です。
初期費用 | 要問い合わせ |
月額費用 | 要問い合わせ |
画像出典元:「Pixial」公式HP
「Pixial(ピクシャル)」は、Instagramの投稿画像やハッシュタグを分析し、消費者像を可視化するSNS分析ツールです。
独自のAI画像分析機能やテキストマイニングを活用し、効率的に分析をおこなうことができます。
データ分析や調査をすべておまかせできるプランもあり、ツールを使いこなせるか不安な場合でも安心です。
利用ユーザー数や画像上限数の追加はオプション対応となるため、追加コストが必要な点に注意しましょう。
Pixialの料金プランは、自社で調査をおこなうツールサービスと、調査・分析をすべておまかせできるレポーティングサービスがあります。
ツールサービス ライトプラン |
ツールサービス スタンダードプラン |
レポーティング サービス |
|
月額費用 (税別) |
50,000円 | 400,000円 ※ユーザー数:3 |
500,000円~ 内容に応じて個別相談 |
機能 | ハッシュタグ分析のみ 閲覧・データ保存 |
50,000投稿/月 ※1分析あたりの上限は15,000投稿 |
調査をすべておまかせ |
画像出典元:「QlikSense」公式HP
Qlik Senseは独自の技術である「連想エンジン」によるデータ処理を特徴とするデータ分析ツールです。
収集された膨大なデータを、連想エンジンにより関連性をつないでいきます。
連想エンジンを利用することで、膨大なデータを無限に組み合わせて行くことができるため、クエリベースでは見落としがちな視点でのデータ活用が可能になります。
また、関連性のあるデータが自動で作成されるため、分析軸の定義設定や、事前のデータマートが不要になるなど、作業の効率化も期待できます。
グローバル参考価格は30ドル/ユーザーです。
無料のお試し版がありますが、こちらの詳細についてはお問い合わせをする必要があります。
画像出典元:「SAP Analytics Cloud」公式HP
SAP Analytics Cloudは、統計知識に疎い人でも正しい分析が可能となるような支援ツールが充実したデータ分析ツ―ルです。
例えばデータ作成時には、提示される質問に解答していくだけでクエリが生成されるサポート機能が便利です。
また機械学習機能により、データの関連性をもとにKPIに貢献する要因を自動で推測してくれるため、より迅速な意思決定が可能となります。
ユーザー数 | 1人あたり月額 |
1〜25人 | 3,794円 |
26~200人 | 2,529円 |
201~500人 | 2,276円 |
501~1000人 | 2,024円 |
1001人~ | 1,771円 |
90日間の無料お試し期間があります。
画像出典元:「Looker」公式HP
データ分析ツールを導入した企業からは、「一部の人しか使いこなせない」「データ定義が統一されない」といった課題をよく耳にします。
Lookerはそのどちらをも解決できる第三世代のデータ分析ツールです。
特にデータ定義の統一に関し、LookerMLと呼ばれるモデリング言語で、自動的にsqlを生成して一元管理してくれる点が最大の特徴。
このLookerMLにより、部門ごとに指標の定義が違うなどのトラブルを避け、正確なデータ分析を実現します。
詳細はお問い合わせをする必要があります。
画像出典元:「FineReport」公式HP
「FineReport」は、Web開発未経験者でも扱いやすいExcelライクのデザインツールです。
分析結果を表す方法には、独自開発の70種類以上のHTML5 グラフも搭載されており、基本的な円グラフ・棒グラフなどは、もちろん、ガントチャート、ツリーマップ、漏斗チャート、散布図などの複雑なグラフにも対応可能です。
さらに、GoogleのGISマップとの連携により位置情報を連動できる他、フローマップ、ヒートマップなどの地図機能も利用できるなど、自社の目的に合わせた帳票管理・資料作成もスムーズに行えます。
詳細はお問い合わせをする必要があります。
Excelなど普段利用している集計ツールのデータをそのまま落とし込めるか、テンプレート機能が豊富で使いやすいか等、操作手順が少なく済むツールがおすすめです。
また、グラフやチャート、ダッシュボード、レポートのグラフィックはツールによって異なります。
部署・商品・日数など分析したい項目について詳細なカスタマイズが可能か、グラフィック自体がぱっと見てわかりやすいものか、無料プランやトライアルを利用してチェックしておきましょう。
データ分析ツールの種類によって出力方法が異なります。自社で必要な出力方法に対応しているか事前に確認しましょう。
SFAやCRMなど既存システムからのデータ抽出(あるいは更新)を分析要件とする場合は、それらの既存のシステムと連携可能なツールを選択するとデータの整合性を担保できておすすめです。
選定時点で既存システムとの連携を検討していない場合も、将来的に連携の可能性を考慮しておきましょう。
営業チームと共有して利用する場合は、外出先でも簡単に確認が可能なモバイルデバイス対応のツールがおすすめです。
様々なソフトウェアやクラウド上で展開されているシステムサービス、またはSNSなど、あらゆる種類のデータソースに接続できるので、より多くのデータを収集することで実用的な分析が可能になります。
また、自社内で統一した見解の形でデータを統合できるため、部署によって数字の定義が違うなどのトラブルを避けることができ、情報の信頼度も高まります。
手入力で情報を入力していくのではなく、データベースにより情報が管理されているので、データに直結するグラフや表、ダッシュボードなどを簡単に作成することができます。
また視覚的にも優れたデザインが採用されていることから、数字の変化や課題の把握がより容易になります。
スピーディーで正確な情報の可視化により、いち早く問題点や課題を把握することができ、また、意思決定のスピードもアップします。
Excelやスプレッドシートなどで分析結果を共有する場合、どれが最新版なのか、混乱を生じることがあります。
しかしデータ分析ツールの共有機能であれば、チームメンバー全員がブラウザを通して同じ情報を同時に扱い、またコメントを反映することが可能です。
あらゆるデータソースへの接続が可能な一方で、データ統合やデータ分析の知識・スキルが必要です。
導入前には「実際の操作予定者の」ITスキルや統計に関するリテラシーをきちんと把握し、一部の従業員の無駄な負担とならないよう配慮しましょう。
よくあるのが、美しいダッシュボードに満足するだけで、ビジネスに活かせていない、というケースです。
例えば月次の定例報告用に、基幹システムから抽出したデータでグラフを作るだけの作業であれば、Excelで充分でしょう。
データ分析ツールは「PDCAをもっと早く回すため」のツールです。
どのようなデータを使ってどのような業務に活用していくのか、運用イメージを検討してから、必要かどうかを判断しましょう。
今回ご紹介したデータ分析ツールを利用すれば、全社の企業情報を一箇所に集約し、分析するなど、大容量のデータでもストレスなく扱うことが可能になります。
運用イメージを固めたうえでの導入が、コスト対効果を生みやすいでしょう。
今以上に多くのデータソースを用いて、より良いビジネスへPDCAを早く回していきたい、という企業は、データ分析ツールを検討ください。
画像出典元:O-dan